Choose thy LOVE.Love thy choice 作:ぴぽ
最近、彩ちゃんの様子がおかしい。
何か分かりませんが考え込んでいる事が多いように感じます。それに、何だか避けられているように感じます。
いつから様子が変なのか…。確か、光君達と買い物をしたときからだったと思います。あの時、私が光君に帽子をプレゼントしてからです。
彩ちゃんはそんなに私がプレゼントしたことにびっくりしたのでしょうか?だったら凄く失礼だと思います。そう思って、光君のコンビニに行って、お菓子を差し入れてみました。この間、お菓子も頂いたので、そのお礼を兼ねて…。しかし、何も変わりませんでした…。
「本当になんなのよ…。」
このままではライブにも影響してしまいます。次のライブはRoseliaの主催ライブです。失敗は許されません。なんとかしなきゃ…。
千聖はそう考えながらため息をついた。今からPastel*Palettesの練習があり、千聖は早めに来ていた。とっくにベースの準備は終わっており、こうして考え事をしていた。
「千聖さん?どうしましたか?」
同じく早めに来て、準備をしていたPastel*Palettesのドラムの大和麻弥が心配そうに言った。
「麻弥ちゃん。ごめんなさい。ため息なんかついて…。あのね。彩ちゃんの事なのよ。」
「彩さんですか?何かありましたか?」
「(麻弥ちゃん。気付いてないのかしら?)」
「千聖さん?」
「あぁ。ごめんなさい。また考え事をしてたわ。…彩ちゃん。最近、何か様子がおかしくないかしら?」
「そうですか?ジブンは何も思わないですね。あっ!でも…千聖さんの前だけは少しおかしい気がしますね。」
麻弥は思い出したように言った。それを聞いて千聖はますます分からなくなった。
「私の前だけ?…彩ちゃん何かやましい事でもしてるのかしら?」
「や、やましい事…ですか?」
「えぇ。夜遅くまで起きてたり、甘い物を食べたりとか…かしら?」
千聖はそう言いながらも「(…何か違う気がするわ。)」と思っていた。
「ま、まぁ。彩さんが来たら聞いてみたらどうですか?ジブンも手伝います。」
「麻弥ちゃん。ありがとう。」
千聖が笑顔を向けると麻弥は「フヘヘ…。」と照れていた。しかし、すぐにハッとした。以前より千聖より笑い方がアイドルらしくないと注意されていた。その笑い方「フヘヘ」を千聖本人の前でしてしまった。「(怒られる。)」と思った麻弥だが、千聖はまた「う~ん。」と考え込んでいた。
「(こんな千聖さん珍しい…。ち、千聖さんの方が心配になってきたッス。)」
麻弥はそう思いながら千聖を見た。千聖はそんな事には気付かなかった。
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「えっと…。次は…。」
光はメモを見ながら買い物をしていた。母親に頼まれた物、つまりおつかいをしていた。
「お肉も買った。野菜も買った。後は…。ん?」
光はメモを見ながら首を傾げた。
「ホースラディッシュって…何?」
光の母親は時々、凝った物を作る事がある。その為、聞いた事も無いような物を頼む事がある。
「はぁ~。またか…。えっと、スマホ…。」
光はスマホを探すも、入れたと思っていた鞄の中は財布しか入って無かった。
「え?う、嘘…。」
はぁ~とため息をついた。
「どうしようかな?スーパーの定員に聞いたら分かるかな…。てか、スーパーにあるのかな…。ん?」
どうしようかと光が困っていると、目線の先に見知った人物がいることに気付いた。光は挨拶をする為に近づき、声をかけた。
「松原さん?」
「ひゃ!ひ、光君!?た、助かった~…。」
光が声をかけたのはこの間一緒に買い物をした花音だった。
「た、助かった?ど、どうしました?」
「道に迷っちゃって…。」
「そうなんですね!何処に行こうとされてたんですか?」
「えっと、光君のコンビニ…。」
花音はスマホを握りしめながら言った。スマホにはマップが表示されていた。
「分かりました。では一緒に行きましょう。案内しますよ。あと、松原さん?聞きたい事がありまして…。」
「何かな?」
「ホースラディッシュって知ってますか?」
光が花音が知っていると期待を込めて聞いたが、等の本人は首を傾げていた。
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「お、お疲れ様です…。」
彩は練習が行われるスタジオにそっと入った。本人はコソコソと入ったつもりだった。いや、正確に言えばこっそりと入ってはいたのだが、いくら誰にも気付かれないようにこっそり入っても、入り口の前に人が立っていれば必然的にバレてしまう。なので、
「彩ちゃん?お疲れ様。ちょっといいかしら?」
という感じで、千聖にバレてしまった。
「ち、千聖ちゃん?ど、どどどどうしたの?」
「どうしてコソコソ入ってくるのかしら?私に何かやましい事でもあるのかしら?」
千聖の鋭い視線に彩は焦りながら
「(うぅ~…。ち、千聖ちゃん恐いよぉ~。)」
と思っていた。
「千聖さん?彩さんがビクビクしてますよ?こっちに来て座って話しませんか?」
千聖と彩のやりとりを見ていた麻弥は苦笑いしながら言った。その言葉を聞いて、千聖と麻弥は席に座った。
「えっと、さっきはごめんなさい。取り乱してしまったわ。」
「ち、千聖ちゃん…。わ、私こそごめんなさい!最近、避けちゃってて…。」
千聖が謝ると彩もギュッと目を瞑りながら言った。
「いえ。良いわよ。…なんで避けてたのかしら?それに何か考え事してたわよね?」
「えっと…ね。ひ、光君の事何だけど…。」
「光君?」
千聖は予期せぬところから出てきた名前にますます訳が分からなくなった。
「うん。ち、千聖ちゃんは光君の事好きなんだよね?もし、2人が付き合っちゃう事になったら、千聖ちゃんはPastel*Palettesを辞めちゃうんじゃないかと思っちゃって。それでどうしようかと…。千聖ちゃんに恋人が出来るのは嬉しいけど、Pastel*Palettesを辞めちゃうのは嫌だし…。」
彩は泣きそうになりながら言う。ちなみに、麻弥はあまりの話題に固まっていた。
「私、光君の事が好きそうに見えるのかしら?」
「う、うん。あの時は見えたよ。」
「なぜ…かしら?」
「え?なぜって…。千聖ちゃんの表情とか、雰囲気とか。…え?千聖ちゃん、光君の事好きじゃないの!?」
彩は机をバンっと叩きながら言った。
「え、ええ。異性として好きかと聞かれたら答えはNO…よ?もちろん、お友達としては好きよ?」
詰め寄る彩に千聖は苦笑いしながら言った。
「…え?じゃぁ…。わ、私の勘違い…?」
「そうみたいね。…彩ちゃん。1つだけ怒っていいかしら?」
ニコッと笑う千聖に彩の背筋が凍った。
「彼氏が出来たらPastel*Palettesを辞める?そんなのあり得ないわ。なんでそう思ったのかしら?」
「あれ?な、なんでだろ…。」
「彩さん、それは話が飛躍し過ぎだと思いますよ?」
麻弥の言葉に彩は「あはは…。」と笑った。
「彩ちゃん?誤魔化してもダメよ?…まぁ、彼氏なんかしばらく出来る予定はないから安心して頂戴。」
千聖はため息交じりで言った。そして心の中で「(私って、そんなにすぐ辞めそうに見えるのかしら?)」と思っていた。麻弥は千聖の悩みが解決し、ホッとしていた。しかし、千聖の中にはまた新たな悩みの種が出来ていた。
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光と花音がたまたま出会ってから30分後、なんとかホースラディッシュを見つけた2人は光のコンビニに向かっていた。
「まさか、ホースラディッシュが西洋わさびの事だなんて…。」
光はビニール袋に入った西洋わさびを見つめながら言った。
「私も知らなかったよ。」
花音も見つめながら言った。ちなみにだが、どうやって見つけたかと言うと、花音のスマホでホースラディッシュを調べ、スーパーに行ってみると意外とすぐに見つかった。
「光君のコンビニにって遠いのかな?」
「いえ。ここからなら歩いて10分くらいです。」
「へぇ~。そうなんだ。」
花音は光に向けてニコッと笑うと全然違う方向に歩こうとしていた。
「ま、松原さん!そっちじゃないですよ!?」
「ふ、ふぇぇ~。ご、ごめんね?」
花音から笑顔が消え、代わりに眉を八の字にした。
「わ、私…。実は方向音痴で…。」
恥ずかしそうに言った花音だが、光は心の中で「(でしょうね…。)」と思っていた。その後は他愛ない話が続いていたが、花音が思い出したように「そうだ!」と言った。
「どうしました?」
「光君は、もし、千聖ちゃんが付き合って欲しいって言ったらどうする?」
「へ?そんな事、あるわけ無いですよ!」
花音の質問に光は驚いた。
「もしもだよ。例えば…の話だよ?」
「えぇ…。う~ん。もちろん嬉しい…ですよ?そんな事を言って貰えたら…。でも…。」
「でも?」
「ち、千聖さんとデートとか何回もしてたら心臓がもちません…。」
顔を真っ赤にしながら光は言った。この間の千聖との買い物を思い出すと未だに光は照れてしまう。
「あはは!そっか。」
「松原さん?何でこんな質問を?」
「ううん。何でもないよ。」
花音は笑顔で答えた。しかし、光は花音の質問の意図が分からず、「?」を浮かべた。
「ところで、松原さん?」
「何かな?」
「今更なんですが、うちのコンビニで何をするんですか?」
「うん?コンビニだから買い物だよ?学校に持って行くお菓子とかだよ?」
今度は花音が「?」を浮かべた。
「いえ。うちのコンビニで買って頂けるのは有難いのですが…。さっきのスーパーで買えば良かったかなぁって。」
光が苦笑いしながら言うと花音は「ふぇぇ…。」と呟いた。光のコンビニは目の前まで近づいていた。
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「(なぜ、皆、私が光君の事が好きだと思うのかしら。)」
レッスンの帰り道に千聖は考えていた。街はすっかり闇に包まれて、外灯が煌々と照らしていた。
始めはたえちゃんに言われたわね。…多分、花音も言わないだけできっと私が光君の事が好きと思ってそう…。まぁ、その2人は以前、私が恋って何だろうって悩んでいたのを知っているから私が光君の事を好きって見えてもおかしくないわね。…でも、彩ちゃんにまでそう思われていたなんて…。彩ちゃんには確か、話してないはず…。
「はぁ~。私、光君にどんな表情を向けてたの?そんなに楽しそうにしてたかしら?」
千聖がソッと呟く。再びはぁ~。とため息をつくと、白くなった息が空へと消えていた。
千聖はスマホをポケットから出すと、LINEを開いていた。何回かタップすると、何日も前の唯一の光とのやり取りが画面に映っていた。
「(買い物に行ってから、そのお礼以外、やり取りしてない…わね。)」
画面を見ながら千聖は再び考えていた。
「これしか…方法はないわね。」
意を決したように、千聖は文章を作成していった。
「(光君ともう一度会って、確かめましょう。私がどんな表情で、どんな気持ちになっているか…。)」
考えながら文章を作成し、送信を押した。
「(…仮に、光君の事が好きになったら…。私は素直に気持ちを言えるのかしら?…)」
そんな事を考えていると、LINEは既読になっていた。しかし、光からの返信はなかなか来ず、ますます夜が更けていった。
千聖さんにため息つかせ過ぎかな…?笑
この小説を読み返して一番に思いました笑
物語はまだまだ進展は今の所あまりありません。
どちらかが、片思いと言う小説はよく見ますが、どちらも「お友達」と思っている小説は少ないと思い、こうゆう展開にしました…。
今回の話では千聖さんに少しだけ、心境の変化がありました。
さて、次回はどうなるでしょうか?
次回更新日…未定!笑
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