Choose thy LOVE.Love thy choice   作:ぴぽ

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第6話

カリカリとペンの走る音が部屋に響いていた。集中がピークに達していた光は一心不乱に問題を解いていた。その集中を乱すように光のスマホにLINEの着信を知らせた。

「誰だろう?」

光は呟き、スマホを手に取る。内容を確認した瞬間、椅子から落ちそうになった。

「ち、ち、千聖さんからLINE!?」

光はテンパりながらも、送られてきた文章を読んだ。

 

“お久しぶりです。

久々に会えないかしら?

ちょっと確かめたいこともあるので。”

 

「ち、ちょっとマジで!?へ?」

光はテンパりバタバタと部屋をウロウロしていた。

「へ、返信しなくちゃ…。でも、な、なんて!?…よ、よし!お、落ち着こう!お、おお落ち着く為に風呂に入ろう!」

光は自室から風呂場に向かい、浴槽のドアを開け、浴槽に飛び込んだ。

「光?どうした?」

あまりにも派手に入浴してしまった為、心配したのか光の父が声をかけた。

「な、なななな、なんでもない!」 

光は慌てて言うが、最早、何かありますといった返事をした。

「そうか?なら良いけど。」

光の父親がその場を離れると光は「ふぅ~。」と言い、湯船に顔を鼻の下まで浸けた。

「邪魔するぞ。」

「うわぁぁぁぁ!」

完全に油断していた光は突然の父親の行動に驚いた。

「と、と、と、父さん!?き、き、き、急にど、どどどどどうしたの!?」

「たまには裸の付き合いもいいだろ?」

そう言いながら浴槽に無理矢理でかい身体を沈ませた。

「せ、狭い…。だから嫌なのに…。」

ぎゅうぎゅうに端に追いやられた光は父親を睨んだ。

「まぁ、そんな顔をするな。いつもコンビニの手伝いありがとうな。」

ニヤっと笑らいながら光の父親が言った。

「それは良いよ。僕も楽しいし。」

「そうか。それで、何か悩み事か?」

「え?ま、まぁ。悩み事と言うか…。なんと言うか。」

目を泳がせながら光は言った。

「なんだ。まぁ、無理に言えとは言わんが、言って楽になる事もあるぞ?」

父親が身体を洗う為、湯船から出る。いっぱいにあった浴槽のお湯はでかい光の父親が入った為、湯が溢れ、半分以下になってしまった。そんな状況を見ながら光はため息をついた。

「お湯が…。はぁ。まぁ、いいや。えっと、千聖さんから会って欲しいってLINEが来てね。」

光は湯を溜める為に、機会を操作した。

「ほぉ~。良かったじゃん。」

「良いんだけど…。き、緊張しちゃって。」

「はっはっは!情けないなぁ。男ならドーンと行かないと!ドーンと!」

ガハハと笑いながら光の父親は言った。

「よく言うわよ。」

その瞬間、脱衣場から光の母親が呆れながら言った。

「あなた。着替え置いとくわよ?それと光?」

「な、何かな?」

「光らしくいれば良いわよ。あなたは私の自慢の息子なんだから大丈夫!」

脱衣場から光の母親が声をかける。

「わ、私達だろ?母さん。」

「お父さんは黙ってて!」

光の母親が叫ぶように言うと、光の父親は大きい身体を小さくした。

 

─────────────────────

「はぁ~。」

授業と授業の間の休み時間。千聖はため息をついた。昨日、光に送ったLINEの返事が未だにない為だった。

「千聖ちゃん?今日、スマホ気にしているみたいだけど、どうしたの?」

そんな千聖の行動を見て、花音が声をかけた。

「いえ。何でもないわ。」

千聖はそう答えると、サッとスマホを片付けた。

「…それ、絶対に何かあるよね?」

「なんでもないわ。」

「う~ん。例えば、光君にLINEして返信がないとか?」

「なんで分かるの!?」

まさか正解を言われると思ってもいなかった千聖はビックリしたように言った。しかし、花音は「ふぇぇ~。あ、当たっちゃった…。」と申し訳無さそうに言った。

「か、花音?」

「ご、ゴメンね。」

「まぁ…。いいわ。実はそうなのよ。」

バレたらしょうがないと千聖は花音に打ち明けた。そして、LINEを送る事になった経緯を話した。

「千聖ちゃん、何でそこまで気にするの?楽しそうに過ごすのが周りに気付かれたら嫌なの?」

話を聞き、花音は首を傾げながら聞いた。

「嫌じゃないわよ。ただ、私が楽しそうな表情をしたつもりでは無かったのに、周りから楽しそうな表情だったと言われて確かめたくなっただけよ?もちろん、光君との買い物は楽しかったわよ。」

千聖が次の授業の教科書を準備しながら言った。準備の為、千聖は下を向いていた為、花音がニコニコしながら話を聞いているのに気付かなかった。

「千聖ちゃん?光君になんて送ったの?」

「普通よ?会いたいから会える日教えてみたいな事を送ったわ。」

「そっか。」

花音がニコニコしながら話を聞いていたその時、千聖のスマホのバイブが震えた。

「やっと返信が来たわ。…ん?」

「千聖ちゃん?どうしたの?」

千聖は苦笑いしながら花音にスマホの画面を見せた。それを見た花音も苦笑いしてしまった。

 

─────────────────────

「あぁ…。どうしよ…。」

光は自分の学校の授業中に頭を抱えていた。端から見れば、受験生が焦っているように見えるが、光はそんな事で悩んではいない。寧ろ、受験より悩んでいるかもしれない。

「早く、返信しなきゃ。でも、なんて返せば…。」

光はノートをシャーペンでトントンと叩きながら考えた。ノートには文が沢山書いてあり、どれだけ悩んでいるか物語っていた。

「普通に返すだけじゃあ…失礼…だよね。」

改めて文をカリカリと書き出す。

「ねぇ?どうしたの?さっきからブツブツ言ってるけど。」

光の授業中とは思えない呟きに、横の席の女子が声をかけた。

「茜?ゴメン。うるさかったね。何でも無いよ。」

先生にバレないようにコソコソと光は謝った。彼女は中野茜(なかのあかね)と言う名で光のクラスメイトであり、幼馴染みでもある。光が低すぎるだけだが光より背が高く、クラスの男子にも突っかかる様な気が強い性格だ。

「はぁ。何でもないように見えないんだけど。何書いてるのよ?」

「…えっと、LINEの返信を…。」

「LINE?何に悩むのよ?」

「良いから。大丈夫だから。」

光が再び、LINEの文章を再び考え出した。

「(あぁ!もう!これでいいや!これ以上は思い浮かばない!)」

光はもう1度、文章を確認すると、「よし。」と呟き、コソッと机に隠れて文章を打ち出した。

 

“拝啓、白鷺千聖様

師走の候、いかがお過ごしでしょうか?

この度は、お忙しい中、お誘いのLINEありがとうございます。

そして、返信遅くなって申し訳ありませんでした。

私としても是非とも、お会いしたいと思っております。

私はいつでも大丈夫なので、ご多忙である千聖さんに合わせたいと思います。

千聖さんのご都合が良い日をお聞きしたいと思います。

敬具”

 

「(よし。これで完璧だ。よし。送信…いや。待てよ?)」

送信ボタンを押す寸前、光は手を止めた。

「(千聖さんも授業中のはず…。後にしようかな?)」

光は思いとどまり、スマホを引き出しにしまい、授業に集中した。

 

─────────────────────

光が千聖に返信をしたその日の放課後、光は羽沢珈琲店に来ていた。

「(はぁ~…。緊張するよ~…。)」

光は落ち着く為に注文したオレンジジュースを飲むが、緊張の為か味が分からなかった。

「(てか、千聖さん…。絶対に怒ってる…よね。)」

光はそう思いながらスマホを操作した。そして、千聖からの返信を改めて読んだ。

 

“色々言いたいことがあります。いつでも良いなら今日の放課後、羽沢珈琲店に来て下さい。”

 

「(絶対、怒ってるよ~。何でだろ…。返信の文、マズかったかなぁ。)」

はぁ~。とため息をつきスマホを閉じる。店内では女子高生が楽しそうに談笑をしていた。

「いらっしゃいませ。あっ!千聖さん!」

「つぐみちゃん?こんにちは。待ち合わせしてるのだけど。」

「はい!あちらの席ですよ。」

「ありがとう。」

「(ち、千聖さんが来た!)」

光が恐る恐る後ろを向くと、千聖がこちらに向かって歩いて来ていた。千聖は光が振り向いたことに気付くと、パッと手を挙げた。

「(千聖さん、怒ってなさそう…。良かったぁ。気のせいだった…。)」

光がホッと胸を撫で下ろす。

「光君?こんにちは。急にごめんなさい。」

「い、いいいえ!だ、大丈夫です!」

「さて、まずはお説教から始めましょうか?」

「へ?」

光が千聖を見ると千聖の後ろから黒いオーラが出ていることに気付いた。

「光君?あの企業に送るみたいな文面は何かしら?」

「だ、ダメ…でした?お、遅くなっちゃったので、丁寧にと思いまして…。」

「なぜ遅くなったの?」

「ぶ、文章を考えてたら寝ちゃって…。ごめんなさい…。」

光がペコリと頭を下げながら言った。

「まぁ…いいわ。次からは出来るだけ早く返信してね?あと、文章も普通で良いから。」

「わ、分かりました!」

光が言うと、店員であるつぐみが2人の席に近づいた。

「千聖さん。注文をとりに来ました。お決まりですか?」

「ミルクティーを頂くわ。」

「はい!…えっと、千聖さん?この子は?」

「私の友人よ?」

千聖が言うと、つぐみは光の方を見た。

「こんにちは。羽沢珈琲店にようこそ。私は羽沢つぐみって言います。よろしくね?」

「は、はい。た、橘光です。よ、よろしくお願いします。」

つぐみは屈託のない笑顔を光に向けると、光は照れて、顔を赤くした。

「(び、美人な店員さんだなぁ…。)」

と思っていた。

「光君は何歳かな?」

「15才です。中学生3年生…。来年から高校生です。」

光が言うと、つぐみは驚いた表情をして千聖を見た。

「つぐみちゃん?彼が言っていることは本当よ?何才と思ったの?」

「し、小学生…かと…。って、ご、ごめんなさい!」

「だ、大丈夫です。な、慣れてますので。」

光が言うと、つぐみは再度、謝罪し、「ごゆっくりどうぞ。」と言い、店の奥に入って行った。

「ここ、私がよく来るお店なの。」

「そうなんですね。えっと、ところで、確かめたい事って何ですか?」

「そうね。言わないといけなかったわね。光君は好きな人、いるかしら?」

千聖は真剣な顔で光を見ながら言った。

「(な、な、な、なんだって!?なんでこんな事聞くの?へ?なんで?好きな人?)」

光が再び、顔を赤くした。

「光君?」

「ふぇ?す、すみません!す、好きな人って、やっぱり異性の事…ですよね?」

「そうね。likeじゃなくてLOVEの方ね。」

「い、いいいません!ど、どうしてそんな事を…?」

光の質問に千聖は「そうね。」と言い、これまでの経緯、つまり、恋について分からない事、前に買い物に行って、他の人から凄く楽しそうな表情をしていると言われた事など簡潔に説明をした。話の途中で、注文したミルクティーが運ばれてきて、話を中断もしたが、その間、光は真剣に聞いていた。

「えっと…。つまり?」

真剣に聞いていたが、内容までは理解出来なかった。

「…今まで見たことないくらい楽しそうだったと言われて、本当にそうなのか確かめたくなって会いたくなったの。こんな事で呼んでごめんなさい。」 

「い、いえ!え、えっと、買い物…楽しくありませんでしたか?」

光は不安そうに言った。

「そんな事ないわ。とっても楽しかったわよ!今も、とっても楽しいわ?ここに来るまでも楽しみだったわよ?」

千聖がニコッと笑って言うと、光はホッとした様子だった。

「いやぁ~。たっくん、良かったねぇ~。」

突然、呼ばれた光は驚きながら声をした方を見た。

「あ、青葉さん?なんでここに?」

「つぐは~。Afterglowのメンバーだからなのだ~。」

「もう!モカちゃん?そんな説明じゃあ分からないでしょ?」

「さーせん。」

光はつぐみからAfterglowの説明を受けるのであった。

「青葉さん?良かったねって言いましたが、何が良かったのですか?」

光は首を傾げながら言った。

「だって~。千聖さん、たっくんの事好きみたいじゃん?だから良かったねぇ~って。」

「モカちゃん?違うわ!確かに、光君は可愛くて大好きだけど、その好きじゃないわ?」

千聖が慌てたように言う。

「ん~。私はそうには見えないですよ~?千聖さん、雰囲気が全然違うって気付かないんですか~?ねぇ?つぐ?」

「え!?ど、どうかな?た、確かに優しい雰囲気だけど…。」

「つ、つぐみちゃん?」

「さっきの会話聞いてましたけど~。千聖さん恋がしたいならたっくんと付き合ったら良いんじゃないですかぁ?お似合いと思いますよ?」

モカがニヤニヤしながら言った。

「も、モカちゃんは何を言ってるのかしら?ね、ねぇ光君?」 

千聖が光の方を見る。

「ち、千聖さんが僕の恋人?無理無理無理!毎日緊張しちゃうじゃん。」

と呟いていた。

「(話をする場所を間違えたかしら。)」

千聖は最近増えたため息をまたついて頭を抱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想&評価、お待ちしております。

千聖さんと光君、どうなっちゃうのでしょうか?
僕にも分かりません笑

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