Choose thy LOVE.Love thy choice   作:ぴぽ

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第7話

「(師走ってなんで他の月と違って月がつかないんだろ…。あっ弥生もか…。)」

と光はイルミネーションを見ながら考えていた。つまりは現実逃避中である。

羽沢珈琲店で、光は主にモカのせいで様々な失態を犯した。

「(はぁ~。僕がもうちょっと大人になれば青葉さんにからかわれても、ちゃんと対応出来るのかな?)」

「光君?大丈夫かしら?」

千聖は以前と一緒で、マフラーに顔をすっぽり埋めながら言った。

「だ、大丈夫です。今日はご馳走様でした。…そして、すみませんでした。」

「どうして謝るのかしら?」

「え?あまりお話し聞けませんでしたし…。」

目に見えて落ち込む光に千聖は「ふふっ。」と笑った。

「大丈夫よ。確かめたいことは分かったわ。」

「え?それって…。」

光が言いかけると、千聖は光の前に出て立ち止まった。

「内緒。」

そして、光に近づき耳元で呟いた。

「ち、ち、近い…です。そ、そ、それに確かめたい事って、僕といて楽しいかどうか…ですよね?」

「ちょっと違うわよ?光君といるといつも楽しいわよ?私がどんな表情になっているか…。それを確かめたかったのよ。」

「そ、そうでしたね。はぁ~。まだドキドキしてる…。」

光が自分の胸に手を当てる。

「ちょっと刺激が強すぎちゃったかしら?」

全然余裕がない光に対し、嬉しそうに千聖が答えた。

「そ、そ、そんな事ないですよ!ぼ、僕だってもうすぐ高校生です!こ、これくらい…。」

「そう?ならもう1度やっても良いかしら?」

千聖が再び、光に顔を近づけると、勢いよく「すみませんでした!調子に乗りました!」と光は叫んだ。

「ふふっ。無理しなくて良いのよ?」

「…はい。は、話は戻りますが、ち、千聖さん?」

「何かしら?」

「その、さっきの内緒って言うのは確かめた結果が…。」

「そう。内緒。」

千聖さんは人差し指を口に当て、ウインクをした。

「わ、わ、分かりました…。気にはなりますが…。内緒ならしょうがないです。」

先程の千聖の姿に、光の心臓の鼓動が早くなっていた。

「光君?この後は予定あるかしら?」

「いえ。特にはないですよ。」

「私の家、この近くなの。良かったら上がっていかない?今日のお礼に。…光君?」

返事が返ってこなかった為、チラッと見ると、横を歩いていたはずの光がいなくなっていた。千聖は立ち止まり、後ろを振り返ると口をパクパクとさせ、立ち止まっている光がいた。

「む…で…い……す…。」

「光君?」

「無理です!行きたいです!」

顔を真っ赤にしながら光は叫んだ。

「…どっちなのかしら?」

「あっ…。い、行きたいですが…。き、緊張で…。」

「ふふっ。やっぱり光君、可愛いわね。大丈夫よ?そのうち緊張なんてなくなるわ。それに…。私はこれからも光君と遊びたいから、緊張とか早くなくして貰いたいわ。」

そう言いながら千聖は光に近づくと光の手をとった。

「行きましょう?」

そう言うと、光を引っ張りながら自宅に帰るのであった。

 

─────────────────────

「(光君って、女の子ぽいけど、手はやっぱり男の子ね。結構ゴツゴツしているわ。)」

手を繋いでいる…。もとい、手を引っ張っている状態だが、この状態でも、光の心臓は信じれないスピードで動いていた。

「(心臓が痛い…。ぼ、僕は死ぬのかな?あっ。一昨年亡くなったおじいちゃんだ…。おーい。)」

千聖のファンである光にとって、一緒に遊べるだけで幸せなのにも関わらず、家にまで招待され、手まで繋いでいる。つまり、緊張するなという方が無理といった状況であった。

「着いたわよ。」

住宅地を進むと綺麗な一軒家が光を出迎えた。

「オシャレな家…ですね。」

「そうかしら?住んでいる者としてはよく分からないけど、嬉しいわ。ありがとう。」

光と千聖は喋りながら、玄関に続く階段を上がっていた。

「さぁ、どうぞ入って?」

「あっ。はい。お、おじゃまし…わぁ!」

光が丁寧に挨拶をしながら入ろうとしたその時、大きな物体が、光めがけて体当たりした。光はそのまま後ろに倒れた。

「ひ、光君!?大丈夫!?…こら!レオン!ダメでしょ!?」

「れ、レオン?」

光は呟き、体当たりした者を見た。千聖に怒られ、少し大人しくなったものの、いまだに尻尾を振り、光の顔の前で「ハッハッハッ。」と規則正しい息づかいをしていた。そう。光は犬に倒されていたのだった。

「全く…。レオン!?家の中に入るわよ?」 

千聖がレオンに向け言うと、「ワン!」と鳴き、家の中に入っていった。

「お利口さんですね。よいしょっと。」

光が立ち上がり、パンパンと尻餅をついて汚れてしまった箇所を手で払った。

「光君、ごめんなさい。怪我はないかしら?」

「大丈夫ですよ。可愛いですね。ゴールデン・レトリバーですか?」

「そうよ。犬、好きなの?」

「はい。動物はなんでも好きですよ。」

光はそう言いながら、レオンに近づき頭を撫でた。尻尾を振りながら待っていたレオンは、再び、光に飛びついたが、今度は転けないように耐えた。

「ふふっ。どっちが遊ばれてるか分からないわね。」

「ち、千聖さん?」

「冗談よ。光君。玄関から一歩も入ってないから上がってくれると有難いのだけど。」

「わ、分かりました。では、改めておじゃします。」

光は靴を脱ぐと、纏わり付くレオンと戦いながら靴を揃えた。

「こっちよ。」

それを確認した千聖はリビングに光を通した。

「ありがとうございます。えっと、今更なんですが、僕に家を教えて良かったんですか?」

「あら?なぜかしら?」

「えっと、ファンに家を教えるなんて大丈夫なのかなと思いまして…。」

光は気を遣って発言したつもりだったが、千聖はあっという間に不機嫌な表情に変わってしまった。

「光君?私は貴方の事をファンである前に大切な友人だと思っているわ。もちろん、応援してくれるのは有難いのだけど…。ひょっとして光君は私のこと、誰でも家に呼ぶ人だと思っているのかしら?」

不機嫌な為、言葉にも棘があり、光は背筋をピンと伸ばした。

「そ、そんなつもりで言った訳では…。ごめんなさい。」

「…いえ。私も大人げ無かったわ。でも、光君には芸能人としての白鷺千聖じゃなくて、友人として白鷺千聖を見て欲しいわ。」

「わ、分かりました。す、すぐには無理ですが、徐々に慣れていきます。僕も仲良くして欲しいので…。」

「分かったわ。宜しくね?」

光の言葉に満足したのか千聖はニコッと笑った。

 

─────────────────────

「ご馳走様でした。」

「いいえ。こっちこそごめんなさい。」

光と千聖は、千聖の自室にて、机を挟んで座っていた。そして、2人ともペコペコと頭を下げていた。なぜ、このような状況になったかと言うと、リビングにて、時間を忘れ、談笑していた所に千聖の母親が帰宅。千聖の母親は光の容姿を見て「可愛い!」と叫び、あれよあれよという間に、夕飯をご馳走になる流れになっていた。更に、千聖の妹も、光を見て「お姉ちゃんが男を連れてきた!」と騒ぎ、千聖に叱られていた。

「本当にごめんなさい。騒がしくて…。」

「だ、大丈夫ですよ!賑やかなのは好きなので…。それに僕は兄弟がいないので、妹さんがおられるのは羨ましいです。」

光は食後の飲み物として出されたミルクティーを口につけ、言った。

「そう言って貰って…ありがとうね。ところで、聞きたい事があるのだけど、良いかしら?」

「はい?なんでしょう?」

「夕方、喫茶店で、私と付き合うのは無理と言っていたわよね?」

「ゴホッ!ゴホッ!」

千聖はニヤニヤしながら光に言った。まさかの質問に光はミルクティーが気管に入り、咽せてしまった。

「大丈夫?」

「だ、大丈夫…です。あ、あれは、ちょっと会っただけで緊張するのに、付き合ったりなんかしたら心臓が保たないと思ったのでそう言っただけです!」

光は慌てながら説明をする。

「そう。なら、緊張しなくなったら私と付き合いたい?」

千聖は光を真っ直ぐ見て言った。

「ふぇ?い、い、い、いや…。へ?」

焦りながら光は「(へ?どういう事?)」と考えており、混乱していた。

「ふふっ。冗談よ。からかいたくなっちゃった。」

ワタワタする光を見ながら、千聖はニコッと笑って言った。その言葉を聞き、光は「なーんだ…。」と言いながら、ホッと胸を撫で下ろした。あまりにも安心してしまった為、千聖が小さくため息をついたが光は気付かなかった。

「ところで、千聖さん?今、何時ですか?」

「えっと、20時45分ね。」

千聖は部屋にあるデジタル時計を指差し言った。

「え?もうそんな時間なんですか?ぼ、僕、帰らないと…。」

「光君、門限があるの?」

「いえ。一応、男なので無いですけど、さすがに常識的に帰った方が良い時間なので。」

光はそう言いながら立ち上がった。

「…そうね。分かったわ。」

千聖も立ち上がり、見送る為、玄関に向かった。

「光君!何時でも遊びに来てね!おばちゃん、君みたいな可愛い子ならいつでも大歓迎よ!」

「お姉ちゃんの事宜しくね!そう言えば、光君、私と同じ年なんだよね!私とも仲良くしてね!」

「あ…。は、はい。」 

玄関に向かい、千聖とお別れの挨拶をしてると千聖の母と妹がやってきて、怒濤の挨拶をした。

「2人とも?光君、困ってるわよ?」

千聖が苦笑いしながら言うと、光が「お邪魔しました。」と、ペコリと頭を下げて、外に出た。

「うぅ~。寒っ…。」

「本当にね…。気をつけてね?光君、只でさえ女の子に見えるんだから、夜も遅いから、襲われないようにね?」 

「ち、千聖さん?」

「ふふっ。冗談よ。じゃあ…。気をつけて…。」

「はい。では。今日はありがとうございました。」

光は改めて、千聖に頭を下げると、家に向かって歩き出した。

 

 

「ん?あれは…光君?一緒にいるのは…誰?」

 

─────────────────────

次の日、光が目を覚まし、布団を捲るといつも以上に寒い事に気付いた。

「寒っ。暖房、入れなきゃ。」

机の上に置いてあるリモコンでエアコンのスイッチを入れると、光はカーテンを開けた。

「…マジか。」

光が目にしたのは白銀の世界だった。

「これは…。凄いな…。学校、休みで良かった…。」

ちなみに、今日は土曜日であり、光の起床時間もいつもより遅めであった。

「これはお店暇かな?それとも逆に食料を買いに来たお客さんでごった返してるかな?」

寝間着から普段着に着替えながら考えていた。

「お~い!たっくん?入るよ?」

「光!おはよ☆開けるよ~!」

「へ?」

突然ドアが開いたと思ったらモカとリサが入ってきた。

「お、お、おはようございます…。どうされましたか?」

「いや~。この雪じゃん?バイトに来てみたけど、お客さん全く来ないんだよね~。だから待機になったから遊びに来たよ!」

「右に同じく~。」

リサとモカは言いながら居座るつもり満々で座りながら言った。ちなみに、リサの手には大量のお菓子とパンが、モカの手には3人分の飲み物が握られていた。

「あぁ~。お客さん来ないパターンでしたか。ひょっとしたらお客さんいっぱいかと思ったのですが…。」 

「だから待機なんだよ~。お客さん来るかもだから~。あっ。リサさん。パン下さ~い。」

「あっ。今井さん。僕も下さい。」 

「了解!」

リサは袋を逆さにして光の机の上に全て出した。ドサドサという音と共に大量のパンとお菓子が積み上げられた。

「こ、こんなに?どうしたんですか?」

「なんか~。賞味期限がギリギリのパンみたいだよ~。店長に貰った~。お菓子はリサさんから~。」

モカはそう言いながら1個目のパンの袋を開けていた。

「そうそう!光?昨日はどこに行ってたの?店長が夜、帰って来たらまた上の空だったって言ってたけど、どうしたの?まぁ、想像つくけど☆」 

「また父さんが?なんで父さんは今井さんに相談するのかな?」

「まぁ、良いじゃん☆まぁ、モカからも聞いたんだけどね!で?千聖と何があったのかな~?」

ニヤニヤしながら聞くリサに光は昨日の事を話した。

「…って感じで楽しい時間を過ごしました。終始からかわれてましたが。」

光は話終わると、パンを1つ掴み、封を開けた。ちなみに、モカは光が話している間に4つ目に手を伸ばしていた。

「なるほど~。光、良かったね~!しかし、千聖はだいぶ迷走してるね。」

リサは「あはは。」と苦笑いしながら言った。

「迷走…ですか?」

光は首を傾げながら言った。

「たっくん、モカちゃんでも分かったよ~?」

「えっと…。すみません。説明…して下さい。」

光は頭をポリポリと掻きながら言った。

「まぁ、話を聞く限りなんだけどさ、言動と光が言ってたその時の千聖の表情がちぐはぐじゃん?それに、からかうのだって、千聖が本心を隠す為にからかってるふうにしか見えないよ?☆」

「あんまり千聖さんと~、話した事ないけど、少なくとも私はそんな千聖さんを~、見たことないな~。」

「そ、そうなんですか?でも…なんで?」

「だ~か~ら~。リサさんが迷走してるって言ったんじゃん~?」

光は「なるほど…。」と呟いた。

「まぁ、ここにも1人、迷走してる人がいるけどね~?」

「だね!☆」

「え!?ぼ、僕の事ですか!?」

光は驚きながら言った。外は雪がしんしんと降っており、やむ気配はなく、リサとモカはバイトの時間が終わるまで、光と話続けたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




花粉症が酷く、ガルパやってる時もクシャミ連発で、フルコンを何回も逃してます(;´д⊂)
まぁ、しょうがない…。

千聖さんの迷走している姿を書きたくて書いたらキャラ崩壊してしまったかなぁ…。
千聖さんのファンの方、気分を害されたら申し訳ありません…。

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