「ようこそお越しくださいました。勇者様方」
そう言われ顔を、上げて周りを確認するとまず目に飛び込んできたのは巨大な壁画だった。縦横十メートルはありそうなその壁画には、後光を背負い長い金髪を靡かせうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。
背景には草原や湖、山々が描かれ、それらを包み込むかのように、その人物は両手を広げている。美しい壁画だ。
よくよく周囲を見てみると、どうやら自分達は巨大な広間にいるらしいということが分かった。
素材は大理石だろう 美しい光沢を放つ滑らかな白い石造りの建築物のようで、これまた美しい彫刻が彫られた巨大な柱に支えられ、天井はドーム状になっている。大聖堂という言葉が自然と湧き上がるような荘厳な雰囲気の広間である。
周りには、騎士や、魔道士、この世界では、高価な服を着た人達に囲まれている。
俺が周りを観測していると、両腕の服の袖を引っ張られたので左右を見ると、沙耶先輩と柊さんが俺の袖を引っ張っていた。俺が見たのに気づいたのか不安そうな顔を俺に向けてきた。
「三上君私達どうなっちゃうのかな」
「み、三上私達どうなるんだろうね」
「さぁな」
俺は、短くそう答えここに連れてきたであろう少女を確認する。
肩辺りまで伸ばした金色の髪、パッチリとした翡翠色の瞳、桜色の綺麗な唇
かなりの美少女である。ピンク色のドレスを着こなし立ち姿は、堂々としている。
「ようこそお越しくださいました勇者様方。私は、この国カートリア王国の第1王女ゾディア グリンスです。以後お見知り置きを」
(!?)
するとクラスメイトの奴らが急に叫び始めた
「俺達を地球に返せよ!!」 「呼べたんなら返せるんでしょ!!」
「ふざけるなよ!!」 「ここが異世界か、テ、テンプレなら…ケケケ」
などなど、パニックになってまともな判断が出来てない
そんな中いきなり内のクラスメイトのイケメン君がでしゃばってきた。
「皆!!落ち着くんだ!!今は、取り敢えず王女様の話を聞こうじゃないか!!」
そう天野光輝だこういう時は、役に立つ
天野がそう言うと皆は、「あ、天野君が言うなら」 「そ、それもそうだな」と言い、皆がが落ち着き始めた。
「それでは、王女様何故僕達は、ここに呼ばれたんでしょうか?」
天野は、イケメン特有の爽やかな笑顔で聞く
「今私達人類と獣人族は、魔族と魔神による攻撃を受けています。
私たちの力だけでは、到底敵わない相手そこで私達は、古代に生み出された召喚魔法を使い、勇者様を召喚しました。本当に勝手な事をしたことは、思っています!!本当に申し訳ありませんでした!!そしてどうか私達をお救いして下さい!!お願いします!!」
王女様は、本当に申し訳なさそうな顔をしながら深く頭を下げた。
仮にも一国の王女様が頭を下げた事で近くにいた騎士達が「王女様顔をお上げください!?」と言っているが、それを無視して頭を下げている。
しかしここで又、迷惑イケメンがしゃしゃりでてきた。
「王女様お顔をお上げ下さい。皆!!僕は、この人達の為に戦おうと思う!!僕には、この人たちを放っておけない!!皆はどうする!?僕は、皆にも一緒に戦って欲しい!!僕からもお願いだ!!」
天野がそう言うとクラスの連中は、「私、天野君についていくよ!」など「一人でカッコイイ事しようとしてんじゃねぇよ俺もやってやるぜ!!」と言い始めた。
こいつら分かってて言ってるのか?戦争をするんだぞ、人を殺すんだぞ、こいつらは、それが分かって言ってるのか?
これは、まずい状況になっているクラスの中心核の奴が、ああ言ったら他の奴はそれについて行こうとする。ここで、俺が言ったとしても恐らくだがそれは、聞かないだろう
「天野君!!貴方何言ってるの!!これどういうことか分かってるの!!戦争をするのよ!!人を殺すかもしれないのよ!!」
ビックリした。神崎先生いたのか昼休みになってたから、もういないかと思ってた。
神崎結月(かんざき ゆつき)肩辺りぐらいしかない茶髪の髪、くりっとした黒い瞳、そして沙耶先輩の少し上辺りの身長しかない低身長、現社の教師をしておりとても生徒思いの先生である。
「神崎先生!!それでも僕は、ここの人たちを放っておけないんです!!」
こいつの頭は、正義感と筋肉の塊で出来てんじゃねぇのか?
「はぁもういいです。王女様私達を元の世界に返して下さい、呼べたのなら返すことを出来るんですよね?」
先生がまっともな事を言ったがそれは、恐らくダメだろう、さっき俺達を呼べたのは、古代魔法と言った。最初っから返すことのできる魔法があれば、ここまで頭を下げなくてもいいだろう。だがここまで頭を下げるということは、返せないのだろう。
「すみません、現在では、貴方方を返すことが出来ません。」
「な、どういうことてすか!?呼べたのなら返すことも出来るんじゃないんですか!?」
「すみません今、私達が持っているのは、召喚魔法だけなのです。帰還魔法を持っているのが魔神だと言われています。」
「つまり、その魔神というのを倒せば僕達は元の世界に帰れるんですね」
「は、はい恐らくそうだと思われます。」
「先生も、僕達と一緒に魔神を倒しましょう!!皆と一緒に戦えば絶対に勝てるはずだ!!」
ここは、夢物語じゃねぇんだよ天野
「勇者様方!!本当にありがとうございます!!」
「いえいえ、僕達は、当たり前のことをしてるだけですから」
いつの間にか先生が消沈してるよ
「それでは、皆様方これからこの国の王に会って頂きたいと思いますので、私についてきて下さい。」
そう言って王女様は、歩いて行ったのでそれについて行く、しばらく歩いていくと大体4〜5mぐらいのでかさがある扉に着いた。
「ここの扉の先は、謁見の間となっています。これからこの謁見の間に入り国王様に会って頂きます。」
謁見の間に入ると赤い絨毯が床いっぱいに敷かれ、両端には騎士の格好をした人達が何十人も並んでおり、奥には、見るからに豪華な椅子が置かれておりその椅子に初老あたりのおじいさんが座っている。
「おぉ、勇者様方よくぞいらっしゃって下さいました。私は、この国の王グロキシア グリンスです。以後お見知り置きを。」