英霊も生前はどうにかしていたというのは、今までのお話でも言及してましたしね。英雄ってすごい。
第一特異点であるフランスの地に、光の巨人が現れた。
紅き身体を持つ怪獣メルバと相対するのは、ウルトラマンオーブ。
『俺の名はオーブ。闇を照らして、悪を討つ!』
彼は名乗りを挙げるが、これが聞こえるのは、目の前にいるメルバだけである。
「あれが、ウルトラマン…なの…?」
「ええ。怪獣が出現した時に、彼方から現れる光の巨人です」
「光の、巨人……」
『ジャグラー。キミが言ったのは、間違い無いのかい?』
『ウソ言うワケないだろ。俺たちがいた宇宙にも、ウルトラマンは現れたからな。中でもアレはウルトラマンオーブ。もっと言えば、スペシウムゼペリオン』
『スペシウム、ゼペリオン…?』
『ゼペリオンはともかく、スペシウム*1はあれかい?原子番号133。火星で確認されている物質と同じ名前だけど』
『アイツは2人のウルトラマンの力をその身に宿している。それぞれが得意としている光線技から、名前を取ってるんだろうよ』
『何故火星で確認されてる物質が、あの巨人から…?』
『詳しいことは知らねえ。知りたければ、勝手に調べろ』
『……止めないのかい?』
『俺にそんな権利なんざ無い。調べられたくなかったら、姿を現したりはしないだろうよ。あと、とっくに立香たちは移動を始めている。こちらの観測は、ガイのと一緒に俺がやっとくぞ』
『……ロマニ!分かってるわね?』
『うん。こっちはウルトラマンオーブの観測を始める。レオナルドは六花ちゃんたちの周りを』
『分かってるさ。お互い、しっかりとね?』
カルデア側は状況を把握し、現れたオーブの観測を始める。
そして、その場にいる六花は、アルトリアから聞いた光の巨人という言葉に、引っ掛かりを覚えていた。
「光の巨人って…どこかで……」
「その言葉自体は、現世でも伝えられていたのではないか?怪獣と共に、存在を疑われていたようだが」
「たしかに、特異点Fでもガイさんや所長たちが話してたのは聞いたけど…」
「ひとまず、もう少し距離を取らないかい?ウルトラマンと怪獣、お互いあの大きさだ。周りの被害は大きくなると思うよ」
「そうね。彼の戦いの邪魔になりたくないし。アマデウスの言う通りにしませんこと?」
「では、私が前に立ちます。何かがあれば、盾となれますので」
その一方で、オーブとメルバの戦いはすでに始まっている。睨み合っていたところから、互いに動き出し、激突する。
先に攻撃を当てたのはオーブだった。
「オラァ!!」
「キェアアアアアア!!」
地面を蹴り飛び上がり、メルバとすれ違うと同時に、首元へとチョップを当てる。地面に足を付け、体勢を立て直したオーブは、振り向くと同時に背中の翼へ目掛けて後ろ回し蹴りを繰り出し、直撃。
一連の攻撃を浴びたメルバは、少しばかし怯んでいた。
「あの身体の大きさで、あんな攻撃を…」
「光の巨人たちが、怪獣退治の専門家と言われている理由の1つですね。我々の歴史に記されている巨人となると、身体の大きさや攻撃の重さが特徴ですが、その反面身体の動きが遅いという弱点が存在してると言われています」
『……なるほど。観測しているこちらでも、ウルトラマンオーブの動きは分かるわね。あの動きは、異質だわ』
『怪獣の動きよりも速く、攻撃を繰り出している。あれはまるで、人間の動きだね!巨人の動きとは思えないな』
『しかも、彼だけじゃないのだろう?ウルトラ戦士は』
『今は関係の無いことだろ。ただ、俺も全てのウルトラ戦士を把握しているワケではないとは言っとくが』
この初撃を見たカルデア側は、ウルトラ戦士という存在の異質さを確認した。現場にいる立花は、圧倒されていると言ってもよかった。
「キェアアアアアア!!」
「フッ!」
「あの怪獣、目からビームを出せるのかい?」
「でもあの方、簡単に避けたわね」
『メルバ自体は、過去にも存在が確認されていた怪獣だ。特殊変異体でもない限り、対策は出来ているだろうよ』
攻撃を浴びたメルバは、両目からメルバニックレイ*2を放つが、オーブは側転で回避。
回避運動を終えたあと、スペリオンスラッシュ*3を放ちながら接近するが、メルバはそれを両手にある爪で弾き落とし、迎え撃つ。
最初の接敵と違い、拳と爪がぶつかり合い、力比べが始まる。
「これが、ウルトラマンと怪獣の戦い…」
『立花。立香たちが合流するぞ』
「立花!大丈夫か!?」
「リツにい…。あれ、ウルトラマンって……」
「そう、だってね。あれが、ウルトラマン……」
「立花も、セイバーたちも無事だったか。あの怪獣なら、彼に任せれば大丈夫だろう」
そこへ、立香やエミヤたちが合流する。
兄妹が揃って見上げるのは、今なお力比べを続けるウルトラマンオーブ。その瞳は、どこか遠くのものを見ているようなものだった。
「オオオオ…!!」
「身体の赤いところが、光った…?」
「それと同時に、彼の方が競り勝っているな。おそらく、瞬間的に力を増そうとすると、ああなるのだろう」
「キェアアアアアア!!」
「あっ!あの怪獣の翼が開いた!」
「飛び立とうとしてんのか…?」
クー・フーリンの予想は正しく、これ以上この力比べを続けるのは不利と判断したメルバは、背中の翼を広げ、空へと飛び立つ。
ジャグラーから聞いた通り、空を切り裂く怪獣と呼ばれるメルバは、その自慢のスピードでオーブを撹乱しようとした。
『なっ…!?あの巨体でなんてスピードだ!メルバのスピード、マッハ6を観測!』
『マッハ6!?』
「デェアッ!!」
『ウルトラマンオーブも、飛行を開始!その速度、マッハ6.5…!?』
『マッハ6.5!?」
「……あっ。久しぶりの所長の慌てた声だ」
「ありがとうございます、所長。おかげで立花が少し落ち着きました」
『その感謝を私はどう受け止めればいいのよ!?』
「飛び立つ直前、身体の紫の部分が光りました。スピードを高めようとすると…ということでしょうね」
先に飛び立ったメルバに追いついたオーブは、メルバの背中に乗る形になり、動きを封じるべく攻撃を始めるが…。
『……流石になにやってるか分からないわね』
「まあ、追いついて何かしてるってことが分かればいいんじゃないのかい?多分だけど、あの怪獣を撃ち落とそうとしてるんだと思うけどね」
「あら。アマデウスが言った通りね。あちらの方へ落ちて行くわ」
「念のため宝具解放の準備をしておきます。あの距離なら大丈夫だとは思いますが、瓦礫が飛んで来ないとも限りません」
『その辺は大丈夫だろうよ。ヤツのことだ。ちょくちょくお前たちの場所を確認してるはずだからな』
「そうだな。一瞬の間だが、彼と目が合った。そこからあの奥へと落ちて行ったのは、私も確認した」
「弓兵が言うんじゃ、間違い無いだろうな」
エミヤの言う通り、立花たちがいる場所へは、メルバが墜落した時の地鳴りしか届かず、瓦礫が襲うことは無かった。
『スペリオン光線!!」
上空でメルバから放し、エネルギーチャージシークエンスを終えていたオーブが、着地と同時に十字に腕を組み、スペリオン光線*4を発射する。
『キェアアアアアア……』
起き上がろうとしていたメルバに直撃し、後ろへ倒れ込んだ直後、爆発する。
「あの大きな怪獣を、あっという間に……」
『一応補足しとくが、さっきも言った通りメルバは何度か確認されていたのと、はっきり言って特殊な能力を持っているワケでもない怪獣だ。毎度こうとは限らないぞ』
『とは言え、人間が相手にするには強大な存在なのは間違いない。既存の兵器が通用しないというのは、想像に難くないね』
『……そうね。彼は味方というのは、貴方が保証してくれるのかしら?』
『……チッ。俺に言わせるつもりか。まあ、少なくとも敵になることは無いだろうよ』
「彼がここにいるという事は、これから怪獣の出現が続くということの証明にもなる。あまり彼ばかりに任せたくはないのだが…」
『シュワッチ!!』
カルデア側やエミヤが分析している間に、オーブが空へと向かって飛び立つ。小さくなっていくその姿は、やがて消えていった。
「どこへ向かうんだろう…」
「さてな。怪獣が現れたら、そのうち現れるんだろうさ」
「ガイさんが言うなら、そうなのかな…って、ガイさん!?」
「い、いつの間にいたんですか!?」
「ついさっきだ。怪獣が現れたって言うのに、遅れてすまなかったな」
オーブを見送った立香たちの横に、先ほどまでいなかったはずのガイが声をかけてきた。
『ジャグラー!近くにいたのならさっきの立香たちみたいに声をかけなさいよ!』
『お前がオーブが味方なのかとか聞くのが悪い』
『なんでそれが確認を怠ったことに繋がるのよ!?』
「ガイさんも見た?あの、ウルトラマンオーブ」
「まあ、あれだけ派手に戦ってたらな。アイツがいれば、大抵の怪獣ならどうにかなるだろうさ」
「ガイさんって、元々いた宇宙であんな怪獣たちをどうにかしてたんだよね?どうやってやったの?」
「そりゃ、あのウルトラマンと協力してだな。たしかに主に戦うのはウルトラ戦士だが、人間にも出来る事はある」
「………そう、なんだ」
「それより、目的の竜殺しがいるだろうってとこを見つけたぞ。案内するから、来てくれ」
『そ、そうね…!元々の目的は、竜殺しを見つけるためだったわね』
『怪獣の後だけど、他の敵性が無いかの確認はこちらがやるよ。レオナルドは、さっきのウルトラマンオーブの解析を進めて欲しい』
『オッケーオッケー。職員何人かも含めて、やっちゃうよ』
元々の目的を果たすため、ガイたちは行動を再開させる。
その後、目的の竜殺しであるセイバーの英霊、ジークフリートとの邂逅を経て、行動を共にする事になった。
「この場に囚われていたが、表で何があったかまでは分かる。怪獣は相手次第だが、竜が相手なら、任せて欲しい」
そう言ったジークフリートの加入により、場の雰囲気が明るくなる。ジークフリートの竜殺しの逸話は、疑いようのないものだからだ。
「……ジャグラー。俺の言いたいこと、分かるか?」
『チッ…。アイツの存在だろメルバだけなら、まだ分からねぇが…』
「ここにも、太平風土記はある。それに記されているはずだ」
『今は無理だ。お前が戻って来てからじゃないと、調べられないだろ』
「ああ。思い過ごしならいいんだが…」
一方、影で行われているガイとジャグラーのやり取り。
彼らの懸念は、果たして…。
「あれ…。たしか、ウルトラマンオーブだったよな?ここにいるのか」
『グルルル…』
「おっと…!悪いけど、オレがここにいる以上は、この町には手を出させないぜぇ?」
ゼペリオンの由来はマジで知らんです。ティガの発祥がネオフロンティアかどうかも怪しいのでマジで知らんです。
でもそんな素性がそんな分かってないティガよりも、もっと素性分かってない無愛想な宇宙人がいるもんだから彼ら面白いですよ。