カルデアの風来坊   作:トライデント

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Fateは知ってる友人に聞かれたので、前回のあの特訓についてちょいと説明を
ウルトラマンレオ劇中にて、先の戦いによる負傷で戦えなくなったウルトラセブンことモロボシ・ダンが、まだ未熟だったウルトラマンレオことおおとりゲンを侵略者を迎え撃つために課した特訓メニューそのままをガイさんは藤丸兄妹に課したのである
地球を守る為に侵略者と渡り合える者がレオことゲンしかいなくなってしまったことから鬼教官と化したセブンことダン。そういう背景があったことからスパルタになるのは仕方のないこととはいえ、それにしてもその特訓は地獄過ぎた
ちなみにその特訓シーンは、全てスタントマン無しでやってるのである。「あの時はいよいよ死ぬかと思った」と誰かは語った

というわけでタイトル通り今回は大聖杯を目指す回です。冬木の話も残り2、3話ぐらいでしょうか


目指せ、大聖杯

「さて、立香達の特訓も終わって一休みしたことだし、さっき言った通り大聖杯の所へ行こうと思うんだが。いいか?」

 

「うん。俺は大丈夫だよ。所長がドライフルーツとか分けてくれたし」

 

「はい、所長がドライフルーツを持っていたとは...」

 

「美味しかったね!所長の手作りなんですか?」

 

「ええ、果物が支給された時に作るのよ。本当は天日干しの方がいいのでしょうけど...カルデアにはオーブンがあるから、それで作ってるわ」

 

「オルガマリーの手作りだったのか。優しい味がした、美味かったぞ」

 

「だ、だからそんなことで褒められても別に...」

 

「所長って女子力高いのかなあ。特注って言ってた礼装も気になるかも」

 

「はっ、そうよ!貴方達のせいで着替える時間なかったんだから!」

 

「ちょっと立花!余計なこと思い出させるなよ!」

 

「ほう、特注の。ずいぶん気合い入ってたじゃないか」

 

「まだ一度も袖を通せてないのに...ホント、許さないわよ」

 

「まだ着れてないのか?なら尚更、ここを脱出しないとな。クー・フーリン、本当にセイバーを倒せばその聖杯戦争ってのは終わるのか?」

 

「ああ、さっきも言った通り、オレ以外は全員セイバーに倒されたからな。だからオレがセイバーを倒せば終結するってことだ」

 

『あのサーヴァント達は既に倒された後に、なんらかの要因で復活した...泥に呑まれたって言ってたけど、それが原因かい?』

 

「そうだな。現にオレは、アサシン達が呑まれたのを見たからよ。まあそれよりも、ライダーとアサシンとランサーは倒したから、残ってるのはアーチャーとバーサーカーなんだが...」

 

「道中にいるのか?」

 

「ああ、アーチャーはいるだろうぜ。道中かセイバーと一緒にいるかは分からんが。ただバーサーカーはどうだろうな...奴さん、森に陣取ってやがるから大丈夫だとは思うが」

 

「泥に呑まれたサーヴァントは、一度倒せれたサーヴァントだから放っておいても大丈夫と?」

 

「まあそうでしょうね。あれはサーヴァントというより亡霊の類に近かったから、言うならシャドウサーヴァント...ってところかしら」

 

『シャドウサーヴァントか...なるほど。たしかに影と言えるかもしれないね。というかほとんど影だったけど。宝具とかは使えなさそうだったし...まあ、それでもサーヴァントには変わらないから、注意は必要だろうけど』

 

「そうだなあ...たしかにああなると宝具は使えねえみたいだな。でなきゃあれだ、さっきアサシン達が使わないワケないからな。んじゃ、話も付いたし向かうとしますかね。道中はさっきみたいなスケルトンとかが襲ってくると思うが、もう大丈夫だろ?」

 

「はい!さっきのサーヴァント戦と比べたら、スケルトンなんてお茶の子さいさいです!」

 

「後輩が頼もしくなってきて、俺は嬉しいなあ...マシュのが先輩なはずなのに」

 

「ホントホント、盾を振り回してさあ。凄い後輩だよねえ...先輩なはずなんだけど」

 

「ですから!わたしは先輩達の後輩ですってば!」

 

「...オルガマリー、前から気になってたんだが、あの先輩後輩のやり取りはなんなんだ?」

 

「色々と複雑なのよ。今は置いといていいでしょ、さっさと大聖杯へ向かうわよ。早くここから脱出したいことだし」

 

「......」

 

 

いや、それよりも気になることがあったか。玉響姫とオルガマリーが似ていること...玉響姫が過去の人物って以外に言えることは...女性、姫様...それ以外だとなんだ...?

 

 

「...どうしたのよ。なにか不安でも?」

 

「いや...そういうワケじゃないんだが...」

 

「なによ、しっかりしなさいよね」

 

 

...待てよ。過去の人物、これって言い換えると...

 

 

「......まさかな」

 

 

そんな残酷なことなんて、あってたまるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて、案の定道中はスケルトンと竜牙兵...まあスケルトンの上位互換みたいなのが襲ってきたけどどうにかなったみたいだね。よかったよかった』

 

「よかったよかった〜じゃないよ!なんで私たちが目視してから『周りにスケルトンが!』って通信入れるの!?分かってるよ!だって目視してるもん!」

 

「『スケルトンより強い敵もいる!』って言われた時はサーヴァントかと思って、ホント死を覚悟したぐらいだったからなあ...」

 

「ロマン、帰ったら覚えておきなさい」

 

「はい、戸棚に隠してあるものが無くなっても知りませんよ」

 

『やめてくれないかなあ!?糖分は必需品なんだからね!!』

 

 

あれから大聖杯へ向けて足を進めたが、やはりと言うべきか、道中はスケルトンと、それよりも強い竜牙兵というガイコツが襲ってきた

まあ、それもシャドウサーヴァントとの戦いと特訓を乗り越えた藤丸兄妹とマシュの敵ではなく、俺やクー・フーリンの助けもほとんど必要無かったな。精々突っ込んでくる敵にキングジョーランチャーと火炎弾で牽制したぐらいか

 

 

「なあ、クー・フーリン。セイバーのサーヴァントの正体って分からないのか?キャスターの正体がクー・フーリンだったように、セイバーだって英霊の誰かなんだろ?」

 

「そうね。随分早いけど、これからセイバーとの決戦が待ってるし、情報は少しでも多い方がいいわ。なにかセイバーについて知ってることってないの?」

 

「知ってることねえ...そりゃあ知ってるさ。あれは一度食らえば、否応でも誰もがその正体に突き当たる。他のサーヴァントが倒されたのも、ヤツの宝具があまりにも強力だったからだ」

 

「強力な宝具...それはどういうことで?」

 

「王を選定する岩の剣のふた振り目。おまえさんたちの時代においてもっとも有名な聖剣。その名は」

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)。騎士の王と誉れの高い、アーサー王の持つ剣だ」

 

「ッ!?後ろだ!」

 

「あれは...アーチャーのサーヴァント!でも他のシャドウサーヴァントと違って、影に包まれていない...」

 

「キャスター、やはりここへ来たな」

 

「へっ、お前さんだってやっぱここにいたじゃねえか。しかもなんだそりゃ、イメチェンのつもりか?この騎士王様の信奉者が」

 

「...ふん。信奉者になった覚えはないがね。つまらん来客を追い返すぐらいの仕事はするさ」

 

「ようは門番じゃねえか。何からセイバーを護ってるかは知らねえが、ここいらで決着をつけようじゃねえか。永遠に終わらないゲームなんざ退屈だろう?どっちに転ぶにしろ、駒を前に進めねえとな?」

 

「その口ぶりでは、事のあらましは理解済みか。大局を知りながらも自らの欲望に熱中する...魔術師になってもその性根は変わらんと見える。文字通り、この剣で叩き直してやろう」

 

「はっ、弓兵が何言いやがる。っておい、なにぼんやりしてんだマシュ。アーチャー相手にお前さんの盾がなきゃ...いやいい、あんたらは先に行きな」

 

「えっ、何故ですか?わたしの盾がなきゃ、まともに詠唱が出来ないんじゃ...」

 

「いや、キャスターの言う通りだ。早く大聖杯へ向かえ」

 

「ガイさんも...なんでだよ?ここは全員でいったほうがいいんじゃないか?」

 

「いいから急げ!俺たちもすぐに合流する。早く!!」

 

「...あとで説明してもらうわよ。行きましょう、どうやらわたし達は邪魔みたい」

 

「...絶対に来てくださいよ。まだ俺は貴方に聞きたいことがあるんだ」

 

「私もだよ、だから...無事でいてよ」

 

「...すみません。ご武運を」

 

 

...行ったか

 

 

「よう、ガイ。なんでお前さんも残ったんだよ?」

 

「なんだよキャスター、お前も嫌な予感がしたんだろ?だからマシュの援護を断った。違うか?」

 

「...へっ、バレたなら仕方ねえや。ちょっと付き合ってもらうぜ、おいアーチャー!場所変え...やっぱりか!」

 

「むっ...これは、なるほど。何故ここへ来たかは知らないが、これは好都合。さあ、キャスターに異邦人。これで2vs2...いや、2vs1vs1か?ともかく、奴が来たとあっては一筋縄じゃいかなくなったぞ」

 

 

洞窟内を、奥から咆哮が響き渡る。それと同時にその咆哮がこちらへと近付いてくるのを感じる

 

 

「◼️◼️◼️◼️◼️ーッ!!」

 

 

最後のシャドウサーヴァント、バーサーカー

 

 

「気を付けろよ、ガイ。たしかにシャドウサーヴァントは宝具や能力に制限がかかるが、あのバーサーカーはそれを抜きにしても強い。存在自体が別格なのさ」

 

「バーサーカーの真名はヘラクレス。ギリシャの大英雄を相手に、楽に勝てるとは思わないことだ」

 

 

これが、この冬木での俺とキャスターの最終決戦になるだろう




あっ、あけましておめでとうございます。もう年明けて2週間経ちましたけど

見てわかったと思うんですけど、シャドウアーチャー戦にシャドウバーサーカーも加わりました
この冬木は前半ゲーム版がベースでしたが、シャドウアーチャーの風貌とかマシュはアーチャーと戦わないことなどアニメ版がベースのとこもあります。まあ、バーサーカー乱入はオリジナルというか何度か見たことあるようなシチュエーションでしょうが

さて、ガイさんがオルガマリーと会った時から抱いていた違和感。何故オルガマリーに違和感を覚えていたのかというと、ガイさんが何度か口にしていた玉響姫という人物と過去に出会っていたからです。その玉響姫というのは、今回ガイさんが言った通り過去の人物です。過去の人物、これは言い換えると...?
ちょっと先ですが、オルガマリーがどうなるのかも、見届けてください

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