-数日後 黒の騎士団アジト-
黒の騎士団の打ち合わせに行こうとアキラがアジトの大型車両に向かっているとカレンが入り口に立っていた。
「あ、アキラ待ってたよ。今日はあなたに話があるの」
「俺に?」
「まぁ入って」
アキラはカレンに押されて入っていった。
「学校に行く?」
アキラはカレンの申し出に驚いた。
「そう。私と一緒にアッシュフォード学園に行こう。」
「おいおいカレン、一体どうしたんだ。」
玉城もカレンの提案を珍しがった。
「アキラは学校行ったことがないから。私の友達も仲良くなりたいって言ってたし」
「なんで俺が行かないといけないだ?」
「その歳で学校行くのは当たり前なの。それに黒の騎士団の活動以外は結構暇そうだし」
アキラはギロっとカレンを睨み付けた。
「ご、ごめん。学校には話は通してあるからあとはアキラしだいなんだけど、どうかな?」
「行かない」
「えぇ?ちょっとよく考えてよ。学校行きたいでしょ?」
「行きたくない」
アキラは興味なさそう答え席を立った。
「話が終わったか?なら打ち合わせを始めろゼロ。」
「ちょっと、アキラ」
「待て、カレン。その話はまたでもいいだろう。まずは打ち合わせだ。」
「ゼロ・・・分かりました。」
それから打ち合わせをはじめ数時間後本日の打ち合わせが終わりカレンはアキラに話の続きをしようとしたがアキラは話も聞かずに出ていった。
「カレン、なんであんなことを?」
扇も何故カレンがアキラを誘ったのかと思った。
「あいつ今まで学校にも行かずに戦っていたって聞いたのです。なんか可哀想に見えてただの同情なのかもしれないですけど」
「なるほどな」
扇はアキラが日本開放戦線にいたのはカレンから聞いていたが日本開放戦線にアキラのような少年兵がいたのは聞いたことがないのだ。
「いいだろう。私もカレンの意見に賛成だ。」
ゼロ=ルルーシュも最初はカレンの申し出に驚いたが
(まだ奴のことはよくわからないことが多い。監視として学校に行かせるのもありなのかも知れない。)
「ありがとうございます。学校では私が助けますので安心してください。」
「奴は寝床に帰ったはずだ。」
「分かりました。」
カレンはある工場の事務所へと向かった。
「こんばんわ。坂口さん」
事務所にいたのは無精髭をはやした中年の男性が1人いた。
「おう、カレンちゃんじゃないか。またKMFが故障でもしたのか?。」
この男坂口 耕司(さかぐち こうじ)はスクラップ工場を経営している。アキラは整備に使いたいパーツを探している時に偶然この坂口に会ったのだ。アキラの腕を気に入った坂口は部屋を提供する代わりにここで働かせているのだ。カレンもアキラの手伝いで顔見知りになり時々会ったりしているのだ。
「アキラはいますか?」
「あぁ あいつは今帰ったところで部屋にいるぞ。」
坂口に案内されカレンはアキラの部屋のまえについた。
「じゃああとはお二人で」
坂口は事務所に戻っていった。
カレンは扉をノックした。
「アキラ、私カレン。話の続きを・・」
「帰れ」
アキラの言葉に腹が立ち、カレンはアキラの許可なくドアを開けた。
アキラは銃を分解し手入れを行っていた。
「勝手に入るな!」
「こうでもしないと話聞かないでしょ。」
カレンは薄汚れたヘッドの上に座った。
「アキラ、話を聞いて」
しかし、アキラはカレンに背を向け机に置いてある2連のソードオフショットガンの手入れを行った。
「あなた、そんなことして楽しい?」
「・・・別に」
「じゃあなんでまだしてるの?」
カレンの言葉に俺は何も言い返せなかった。楽しい、楽しくないということではない。これが俺の日常だった。銃器、KMFの整備、訓練。これが陽炎にいた俺の日常、生活の一部であった。だが陽炎を抜けたあとも俺は相変わらず戦いの中にいる。銃の手入れもしていないと落ち着かないのだ。
「趣味で時間を使うようなことないの?」
「・・・・ない」
「あなた、それ悲しくない。」
カレンは哀れみの表情を浮かべた。自分も戦いの中にいる。だがアキラは自分やルルーシュ達生徒会のみんなとは何かが違っていた。
「悲しくない?そんな生き方?戦いだけの人生で」
「・・・・・」
「ホントのこと言うね。あなたに学校で見つけて欲しいの。戦いだけじゃない生き方を」
「何故、お前がそんな俺を心配する?」
「わからない。けどあなたを見てるとほっとけないの。」
「・・・・」
「・・・・」
部屋に長い沈黙が流れた。
「アキラお願い学・・『帰れ』アキラ!」
「帰ってくれ。しばらく考える。」
「・・・・わかった。」
カレンが部屋を出てからアキラはしばらく銃の手入れをしながら考えていたが手入れをやめ部屋をでてコーヒーを飲もうと1階の事務所に向かった。事務所には日本酒を飲んでいる坂口がいた。
「よう、行く決心はしたのか?」
「聞いていたのか?」
「へへ、まぁそうすぐには決められないな。」
坂口は空になったグラスに酒を注いた。
「物心ついた頃には日本は占領。エリア11に変えられて、幼い手には大きい銃を持たされ戦火を駆け巡ったんだ。気がつけば自分は17,8だ。もちろん青春ってもんも知らずにな。」
「とっつぁん、一体何が言いたい?」
「お嬢ちゃんの誘いに乗ってやりな。」
「・・・・」
「戦争しか知らないお前を心配して一緒に学校に行こうって言うんだ。あんなかわいい子の誘いを断るのはもったいないぜ。」
「・・・・」
「どうなんだ?」
「そこで俺は変われるのか?」
「俺が知るかよ。変わるかどうかはお前次第じゃないのか?」
アキラは事務所の扉を開けた。
「おい、どこに・・」
「夜風に当たってくる。」
アキラは外へ出て行った。
「まったく戦争のせいでガキの頭までおかしくなってしまって、あのカレンって娘もまだガキだっていうのに・・・嫌だ嫌だ。」
-翌日 アッシュフォード学園-
(やっぱりあいつには興味ないのかな・・)
カレンはやはりアキラに学校を誘ったのは無駄だったのではないかと思いはじめた。
その時携帯が鳴り見るとアキラからの連絡だった。
カレンは慌てて教室を出て携帯にでた。
「アキラ、どうしたの?」
「昨日の話の続きをしたい。学校が終わったら来てくれ。」
「え!?じゃ学校に?」
「あぁ行く前提で話をしたい。とっつぁんのところに来てくれ。」
「うん!わかった。じゃあ後で」
(よかったぁ。断られるじゃないかって思ったけどこれであいつも少しは丸くなったらいいけど)
それからは俺の入学の手続きが問題なく行われた。偽の身分はゼロが用意してくれた。どうやら先日会ったあのミレイという女はあの学校の理事長の孫らしい。俺は入学初日に制服に着替えカレンの家の門の前にいた。
「おはよう。アキラ制服似合ってるよ。」
「行くぞ」
「行くぞって?もう、あいさつもなし?」
カレンはアキラの後を追って走った。
カレンはアキラの横に並んだ。
「忘れ物はない?」
「言われた物は用意した。」
「・・・ねぇ・・・」
カレンはまだ何か聞きたかったことがあったが言葉に詰まった。
「・・・何だ?」
「ううん、なんでもない。」
カレンはアキラの学校に行く動機を知りたがったが昨日その質問をしたら別にないと答えただけであった。
(なんで行くって決めたのかな?)
2人で歩いていくと学園の校門前に着いた。
「みんながいるクラブハウスに行こう」
と2人はクラブハウスに行った。
クラブハウスに入り皆がいる生徒会室に入っていった。
「あ、来た来た。」
「ようこそアッシュフォード学園へ。ライ君歓迎するわ。」
シャーリーとミレイがアキラを出迎えた。
「ライ君、この前はごめんなさい。」
シャーリーが突然アキラに頭を下げた。
「この前デリカシーのない質問をしちゃってごめんね。私ライ君が辛い目にあっていたなんて知らなかったから。」
一体何の話なのか、アキラは分からなかった。
「カレンから聞いたよ。ライ君、中学の時いじめに遭ってそれが原因で家に引きこもっていたって」
「!?」
身に覚えのない話にアキラはカレンのほうを見た。
カレンは手を合わせた。
「ごめん!ラ、ライ。みんなには言っても大丈夫だと思って」
(ごめん、アキラ。こうでも言わないとあなたのことみんな怪しむと思って)
(よく、こんな作り話を考えつくな。)
アキラはカレンのデタラメな話に呆れた。
「それなのに私学校どこに行っているとか聞いて嫌なこと思い出したかな?ホントごめん。」
どうしたものか。アキラはカレンのほうを見たがカレンは話に乗ってくれと顔で訴えていた。
「いや、そんなに気にしてない。大丈夫だ。」
「ホント?あぁよかったぁ」
シャーリーは安心した表情を浮かべた。
「心配するな。ここにいる全員は君にそんなことはしない。」
「そうそう、ルルーシュの言う通り。俺達はお前を歓迎するぜ。」
その直後扉から会ったことのない男子生徒が入ってきた。
「みんなおはよう。」
「おはよう、スザク」
「スザク君、おはよう。」
「おはよう、あれ?もしかして会長、彼が例の?」
「そう。ライ君、彼は枢木 スザク。私達と同じ生徒会のメンバーの1人よ。」
「枢木?」
アキラは枢木の姓を聞いた覚えがある。その時ルルーシュがアキラの耳元に小声でつぶやいた。
「スザクは日本最後の内閣総理大臣・枢木ゲンブの息子だ。今訳あってここにいる。」
『枢木ゲンブ』この名前はアキラが陽炎にいた時に何度か聞いたことがある。ブリタニアと日本の戦時中の突然の自決により日本政府は混乱、降伏のきっかけになった人物だ。
(その息子がここいるとはな)
「スザク君、今日は軍の仕事は?」
「うん。今日は夕方からなんだ。」
(軍?奴はブリタニアの兵士なのか?)
「カレンから話は聞いたよ。僕もまだこの学校に来たばかりだからお互い助け合おう。」
スザクは右手を差し出した。
「あぁ・・」
アキラも手を差し出し握手した。
「さぁみんな教室に行きましょうか!ライ君はカレン達と同じ教室だから何かあったら相談するといいわ。」
「ライ、ついて来て」
カレンの後に従ってアキラはついて行った。
(私達のことを怖がっているようには見えないけどなんか近寄りがたいというか雰囲気がピリピリしてるような)
ミレイはアキラの背中を見て自分達より大人っぽい感じがすると感じた。
その後アキラは教室で簡単な自己紹介をし授業に参加したがまともな教育を受けたことがないアキラには分からないことが多かった。そしてなにより苦痛だったのが休み時間だった。物珍しそうな目、そしてどこに住んでいたのか、どこの学校にいたのか、彼女がいるのか、など質問を次々をアキラに投げかけたのだ。
鬱陶しく思ったアキラは教室をでた。カレンはそのあとを追った。
「アキラごめん。みんなあなたが珍しいからいろいろ聞いてくるだけでだから悪く思わないで」
アキラは歩みを止めず校舎を出た。
「アキラ!」
「・・・次の授業までには戻る」
その後もカレンは昼の休み時間一緒に食事を誘ったのだがアキラは校舎の外の庭に出て1人でいたりした。
「ライ君、久しぶりに学校来たから緊張してるのかな?」
シャーリーもアキラの様子を見て心配していた。
「う、うん。まだ慣れていないっていうか、少し疲れているみたいだからそっとしたほうが・・」
カレンはアキラを見た。(アキラには無理だったのかな)そう思いはじめた。
それから2、3日。アキラは相変わらず学園に溶け込もうとせずただ1人何をするわけでもなく机に座ってたり、休み時間1人で庭に佇んでいたりした。
周りの生徒も一言も話さないアキラを不気味に思い距離をとるようになった。
午後の休み時間、アキラはいつものように教室をでようとした時カレンに呼び止められた。
「ライ、ちょっと」
カレンはふろしきに包まれた容器を手に持っていた。その容器をアキラのまえにかざした。
「お昼、何も食べてないでしょ。私お弁当作ってきたからみんなと食べましょ」
「・・・いらない」
アキラはカレンの横を通り過ぎようとしたがカレンがアキラの腕を掴んだ。
「そんな態度だからみんなあなたを避けているのよ!」
「・・・・・」
「ねぇ、シャーリー達と一緒に食事しよう。ルルーシュやスザクと話せば友達になれるかもしれないから」
だがアキラはカレンの腕を振りほどこうとした。
「ほっといてくれ」
「・・っ!ライ!」
カレンはアキラのまえにでて弁当を渡そうとしたがアキラがカレンの肩を掴み横へはらいのけた。
カレンは少しバランスを崩しその拍子に持っていた弁当箱を落としてしまった。
「あっ!・・」
アキラとカレンは床に落ち散らばった弁当を呆然と見た。
「ライ君!今のはひどいよ!」
先程まで様子を見ていたシャーリーがカレンのもとへ駆け寄った。
「カレンはあなたと一緒にお弁当食べようと思ってつくったのに。謝って!カレンに」
アキラはカレンのほうを見た。カレンは顔を俯いていた。アキラは何も言うことなくそのまま教室を出た。
「ライ君!」
「シャーリー、もう・・いいから・・」
カレンは床に落ちた弁当を片付けはじめた。ポタポタと床にカレンの涙が落ちていた。
「カレン・・・」
カレンの様子を見てシャーリーは一緒に手伝いをした。
「俺は雑巾を用意するよ。スザク一緒に行こう」
「う、うん」
「ありがとうルル、スザク君」
ルルーシュとスザクは教室を出た。
「ライ、ちょっとひどいよ。あれじゃあカレンが可哀想だよ。」
「まぁ2人は昔からの友達だっていうからな。しばらくしたら元通りになるさ」
(この2、3日見たが俺達同世代とはほとんど付き合いがないらしい。奴は戦争しか知らない、兵士として利用できるかも知れない)
その頃アキラは学園を出ていた。教室に戻りづらく外で出たのだ。
戦場から離れた日常、平和、紅月の言う通りここには確かに俺が知らない何かがあるのかも知れないだが周りからの好奇な目、噂、戦場しか知らない俺にはあの空間が息苦しく感じ逆に戦場のほうが落ち着いていられた。この時の俺には紅月の優しさが鬱陶しく思っていた。
この話がかなり疲れました。主人公がルルーシュ、スザクと因縁を持たせるにはどうしてもアキラには学校に行かせたほうがいいと思い考えましたが難しかったです。
我ながらかなりの駄文となりました。すみません。
来年は新作のスパロボもでるので非常に楽しみです。
ではみなさんよいお年を