「う、うぅ・・・」
あれからアキラが目を覚めて見たのは薄暗い天井だった。まわりを見るとどこかの洞穴のようだ。
滴り落ちる水の音が大きく響いていた。
「気がついたか」
アキラは振り向くとゼロとあの緑の髪をした女が横たわっていた。
「お前が運んでくれたのか?」
「まさか、君がきてくれるとは思わなかったよ。」
「あのKMFは?」
「心配ない。あの白兜はどこかに行ったよ。」
「・・・そうか」
アキラはゼロの隣で横になっている女を見た。
「・・ケガをしたのか?」
「あ、あぁ、だがしばらくしたら目が覚めるだろう。」
アキラは女を見て先程起こったことを思い出していた。
「この女は何者だ?」
「彼女は・・・C.C. 私の仲間だ。」
「C.C.?」
アキラはC.C.というこの女がただの女ではないと思い、そして仲間と言っているゼロも怪しく感じていた。
「どうした?」
ゼロはアキラの様子を見て尋ねた。
「・・・いや、何もない・・・」
「・・・・」
「・・・仲間と連絡は?」
「私が連絡した。じき来るだろう。」
「そうか・・・俺は外の様子を見てくる。」
アキラは洞穴を出て行った。
(この女、流崎に何をしたのだ?奴のことだ絶対に言わないだろう。さて・・どうしたものか)
ルルーシュはC.C.の様子を見ながら怪訝に思った。
(ここか・・・)
アキラはあれから自分が搭乗していた無頼を探して見つけた。ゼロが言っていた白兜の戦いで無頼は大破していた。アキラはコックピットに入れていたあの治安警察が持っていたファイルを取り出し、先程の洞穴に戻る間アキラは先程起こったことを思い出していた。
井ノ本 寛司。自分を兵士として育てた男。
(あの女、一体何を・・・)
入口でファイルの中身に目を通していた。
中身は陽炎が今まで行った作戦の詳細であった。所々に日本開放戦線のサインらしきものがあった。
(日本開放戦線が陽炎のことを調べていたのか。おそらく安永はこのファイルの流出を防ぐためにここに・・・)
アキラはページをめくるとある記事に目が止まった。
(これは!?)
アキラが見たのは拘束された女とカプセルの写真の記事があった。
(この女はさっきのC.C.?それとこのカプセルは!)
このカプセルはあの作戦で見つけたものだった。そして周りにいる兵士を見るとどうやら日本開放戦線ようだ。
(あのC.C.あの作戦とどう関係が?日本開放戦線に捕まっていたのか?だがどうして今はゼロのところに?)
アキラは記事を読むと陽炎と第8情報部隊が協同作戦で捕獲したらしい。あの女を捕らえ何を調べていたのかまではわからなかったようだ。
アキラは他にないかページをめくるとある写真を見つけた。
幼い男児2人と車椅子に乗った女児1人が外で一緒にいる写真であった。
(1人は日本人みたいだが、この2人は誰だ?)
この車椅子に乗った女児はどこか見覚えがあった。
(ナナリー・・?いや、写真だけではわからない。だがそうだとすればこの黒髪の男はルルーシュ?)
この写真が陽炎とどういう関係なのかアキラにはわからなかった。
しばらくすると洞穴のほうから話し声が聞こえた。
あの女の目が覚めたのかアキラは入っていった。
「外の様子はどうだった?」
「大丈夫だ。敵はいない。目が覚めたようだな。」
「C.C.、彼は流崎 アキラ。黒の騎士団で雇っている傭兵だ。」
「ではあそこにいたのはこの男か」
「そうだ。」
アキラはC.C.の方へと近づいた。
「お前、あの時俺に何をした?」
「いきなり質問か。」
「何をしたんだ?」
「ふふ、その様子だと何か思い出したようだな。」
アキラはC.C.を睨んだ。
(ん?この目、どこかで・・・)
この人を殺すような鋭い目、C.C.はどこか昔みた憶えがあった。
「お前はゼロとはどういう関係なんだ?」
「言ったはずだ流崎。彼女は私の仲間だ。」
C.C.の隣にいたゼロが代わって答えた。
この2人は何か隠していると思い更なる追求をしようとしたが入口から足音が聞こえ入口の方を振り向くとカレンがやってきた。
「ゼロ、アキラ大丈夫ですか?」
カレンはC.C.の姿を見て警戒した。
「誰?」
「紅月、お前1人か?」
「え?う、うん。」
「俺の無頼はもう動けん、誰かもう1人来たほうがいい。」
そう言うとアキラは洞穴を抜けた。
しばらくしてカレンが洞穴から出てきた。
「ねぇアキラ。あの女の人って?」
「知らん。ゼロは仲間だと言ってるが」
「・・・・」
「あの人・・・ゼロの顔知って・・・あれ?アキラ、そのファイルって・・」
カレンはアキラの足元に置いてあるファイルを取ろうとしたがアキラがすぐに拾った。
「!?」
何か見せたくないものだったのかとカレンは不審に思った。
その後味方のトラックが来てゼロが洞穴から出てきたがC.C.が出てこなかった。
「あの女は?」
「どこか行ったよ。あの女は気まぐれだからな。」
アキラは洞穴に入りC.C.の姿を探したがゼロの言う通りいなかった。
(くそ、まだ聞きたいことがあったが)
その後ゼロ達は扇達と合流し撤退を開始した。
「でもよ、なんでナリタに治安警察がいたんだろうなぁ?」
玉城はいるはずのない治安警察がナリタにいたことに疑問に思っていた。
「確かに租界の治安を行うはずの奴らがどうして」
「そうだな扇。流崎なら何か知ってるんじゃないのか?」
玉城はアキラのほうを向いたがアキラは腕を組んだままであった。
「お前、治安警察のこと聞いて目の色変えて井上達の所へ向かったみたいだな。向こうもお前のことを狙っていたみたいだったな。お前、治安警察にどんな因縁つけられたんだ?」
「・・・さぁな。」
「何とぼけてるんだよ。お前と初めて会った時も治安警察がいたじゃないかよ。」
アキラは俯いたまま黙ったままだった。
「っけ。ゼロもお前も一体何考えてるんだか。」
玉城はアキラの態度に呆れた。カレンはアキラの様子を心配そうに見ていた。
‐数日後 アッシュホード学園 クラブハウス‐
「ライ、お前が手伝ってくれて助かった。」
アキラはリヴァルの頼みで一緒にリヴァルのバイク修理の手伝いをしていた。
「お前、バイク持ってるのか?だったら今度一緒にツーリングにでも・・」
「聞きたいことがある。」
「え?どうしたんだよ?」
「ルルーシュのことだ。」
「ルルーシュ?」
アキラからの質問にリヴァルは首を傾げた。
「あの、兄妹はここで暮らしているみたいだがどうしてだ?」
「どうしてって・・お前、ナナリーを見たらわかるだろ。ナナリーがあんな体だからクラブハウスで暮らしたほうがいいと思ってルルーシュが・・」
「ナナリーはいつから目や足が悪くなったんだ?あの兄妹はいつからエリア11にいるんだ?」
「俺も初めて会った時からあんな感じだったし・・・どうしたんだよ?突然」
「・・・・いや、なんでもない。忘れてくれ。」
「?」
リヴァルがアキラが何故突然ルルーシュ兄妹のことを聞き出したのか疑問に思った。
「あとは1人でやってくれ」
アキラはクラブハウスの中へ入っていった。
「なんだ、あいつ?」
(あのC.C.もそうだがあの写真の3人も気になる。あのファイルの中に収められていたということは陽炎に関係があるかもしれない。)
アキラはあの写真の女の子がナナリーに似ていると思い聞こうとしたがリヴァルでは思った収穫はなかった。
ここは学園の理事長の孫のミレイに聞けば何かわかるのではないかと考えていると
「なぁに、考え事してるの?」
ミレイが後ろから声を掛けてきた。
「会長か」
ちょうどいい所で本人に会え、聞こうとした時ミレイの手には果物の盛り合わせのバスケットをぶら下げていた。
「それは?」
「あぁ、昨日からナナリーが熱を出して寝込んでいるの。さっきまでルルーシュが見てくれたけどまたどこかいったから私が交代で今行くところ。」
カレンと一緒にこの日ルルーシュも居なかったことにアキラは思い出した。
「だから、今からナナリーの所に・・」
「俺も行こう。」
「え?あなたも?」
「あぁ、部屋は上の階だな。」
「えぇ、そうだけど・・・ってちょっと!」
ミレイは先に行ったアキラの後を追った。
コンコン
「はい。」
部屋の中からナナリーの声が聞こえた。
「ナナリー、私。お見舞いで来たの。」
「ミレイさん、ありがとうございます。もう1人は?」
「ふふ、ナナリー、ライもお見舞いできてくれたの。」
「ライさんですか!?」
部屋に入った。いつもいる咲世子は別の部屋で雑事に追われていた。アキラは周りに置かれた装飾品に目を配った。
「わざわざ、すみません。」
「いいのよ。具合はどう?」
「はい。だいぶ楽になりました。」
「ライさんもありがとうございます。」
「あぁ・・・」
アキラは机に置かれた写真立てに目が止まった。
(これは!)
ルルーシュとナナリーなのか。幼い子供2人が仲良く並んでいる写真があった。
(あの写真と同じ子供?だとすれば・・)
「どうしたのライ?ルルーシュの小さい頃の写真眺めちゃって」
「え?恥ずかしいです。」
自分の幼少時の姿を見られナナリーは頬を染めた。
「このルルーシュの横に並んでいる子はお前か?」
「はい、この部屋に置かれている写真すべて8つの時に撮った写真です。」
この写真のナナリーは目が見えて、足も不自由していないようだ。だとすればあの写真はその後撮られたものだ。
「親が写ってないみたいだが」
「えっと・・・それは・・・」
ナナリーは困った顔をして答えを渋った。
「もう、ライ。そんな野暮なこと聞かないの。そういう話はやめましょう。」
ナナリーを助けようとミレイが話を終わらせようとした。
「わかった。邪魔したな。」
アキラは部屋を出て行った。
(写真の2人はあの兄妹だったのか。だが何を隠している。)
ミレイも何か知っているようにも見えた。ナナリーの目が失明したことに何か関係があるようだがあの2人が陽炎とどう関係があるのかまだ分からない。
生徒会室に戻ろうとした時、以前カレンからもらった携帯が鳴った。
「流崎、今どこにいる?」
「ゼロか、今学校だがどうした?」
「夜の会合、少し早く来て欲しいのだ。」
「今度あるキョウトとの謁見のことか。」
「あぁそのことで少し相談がある。」
「・・・わかった。今から行く。」
あのC.C.はゼロとは何か関係があるみたいだ。ゼロと一緒に行動すればまたあの女に会えるはずだ。アキラはそう感じた。
アキラとの連絡を終えたルルーシュは1人黒の騎士団のアジトに1室にいた。
(あのキョウトとか連中は素直に謁見するとは思えない。だからこそ陽炎の流崎の力を利用させてもらう。)
机の上には数冊のファイルが置かれていた。
数日前、扇達が治安警察との戦闘で回収したファイルをルルーシュが目を通していた。
(日本解放戦線第13戦略特殊任務班 陽炎?なんだこの部隊は?)
ページをめくると陽炎に関する資料が記載されていた。
‐ブリタニアのKMFの驚異に日本政府は陸軍少将 第8調査部隊の井ノ本 寛司にKMFの捕獲、調査を指令。‐
(井ノ本 寛司・・?・・・この男は!)
ルルーシュは一緒に記載されていたサングラスをかけた初老の男を見て驚愕した。
(まさかこの男を思い出すとはな。)
ルルーシュはナナリーと人質同様にエリア11に送られた時に会ったことがあるのだ。
(あの男が一体なにを・・)
ルルーシュはさらにページをめくった。
‐その後、枢木ゲンブの自害により日本政府は混乱、降伏することになったが井ノ本は日本開放戦線にて引き続きKMFの研究を続行。戦闘にては戦闘不能になったKMF(グラスゴー)を回収。その後井ノ本は第8調査部隊とは別の特殊部隊を設立。後に陽炎と呼べれるこの部隊はに独自に改修したKMFを使いブリタニア軍事基地の破壊を目的とした特殊部隊。‐
‐又このKMFは無頼と名で日本開放戦線を中心に配備されるようになる。‐
(なるほど、無頼はこういう経緯に開発されたのか。だがナリタにはそれらしき部隊は見ていない。何かあったのか?)
陽炎の写真なのだろうか右肩を赤く染めた無頼が並んでいる写真が数枚あった。
ルルーシュはある1枚の写真に目が止まった。
(この男は流崎 アキラ!)
写真には敬礼している隊員の中にアキラが写っていた。
(あいつ、陽炎にいたのかだが何故隠していた?)
ルルーシュはある写真を見て眉を潜めた。
(こ、これは)
ルルーシュが見た写真には死体の山となった周りに陽炎の隊員が囲んでいる写真。非戦闘員らしき一般人に銃を向けている隊員。民家、市街地で無差別攻撃を行っている無頼の姿の写真が収められていた。
(何だこいつらは、無差別に民間人を虐殺していたのか?)
ファイルを閉じルルーシュは溜息をついた。あぁいう写真を見てルルーシュは冷や汗をかいた。
(まさか日本開放戦線にあんな部隊が・・・あいつ、これがバレるのを恐れて多く語らなかったのか)
ルルーシュはアキラが写っている写真を手にもった。
(だが奴が戦闘のプロならその能力を利用しない手はない。今度のキョウトでの謁見、奴を連れて)
ルルーシュは不敵な笑みを浮かべた。
少し長くなったので後編は後日