‐某日 租界埠頭‐
日本開放戦線の片瀬が海外逃亡を図るという情報が入り黒の騎士団が救援作戦を開始しようとしていた。
ブリタニア人の入団希望者ディートハルトの情報によるとすでにブリタニアに情報が漏れており埠頭には軍のKMFが港を包囲していた。
(完全に占拠せれているな。逃亡は難しいだろうな。)
アキラは双眼鏡で辺りを見回していた。治安警察らしき人間もいた。
(やはり奴らもいたか、おそらく片瀬を殺すのが目的だろう。)
アキラ!と声をかけられ振り向くとカレンがいた。
「準備はできたのか?」
「うん。」
作戦前とは違いいつもの強い表情に戻っていた。先日の海で少しは心が晴れたように見えたがそれでもまだ迷っているようにアキラには見えていた。
「何かあったか?」
「ゼロと少し話をして。」
「・・・でどうだった。」
「うん。やっぱり私、進むことにした。どんなつらいことがあっても!」
「・・・そうか。」
話術が得意なゼロだ。うまく言いくるめたんだとアキラは思った。
‐大型車両‐
「サザーランド、グロースター数機確認。大型タンカーを包囲するようにしています。」
「コーネリアめ、我らを出し抜こうと・・」
「署長、一杯喰わされましたな。」
「片瀬の国外脱出の情報を我らに漏れぬよう情報操作をしていたのは不覚だった。」
「我々が知った時には既にコーネリアが動いていた。」
「しかし、署長我らは一体ここで何を?」
安永は藤浪に1枚の写真を出した。ゼロの格好をした女の写真だった。
「この女は!」
「キョウトの内通者の話によると黒の騎士団との謁見で現れたみたいだ。」
「ではこの女は今!」
安永はこめかみを押さえた。
「流崎だけではなくこの女まで黒の騎士団にいるとは・・」
「そして流崎はあの作戦の生き残り。一番悪い流れですな。」
「だからこそ、ここでその流れを断たねばいけない。おそらく黒の騎士団、流崎、そして女は来るはずだ。」
「しかし、本当に来ますか?」
「来る。今回の作戦もコーネリアが指揮を取る。ナリタでの動きを見てゼロはコーネリアを狙っているように見えた。コーネリアが前線で出てくる時おそらくゼロも出るはずだ。各員、埠頭の監視を怠るな。軍にバレないようにな。」
辺りが暗くなりアキラはカレンとゼロが乗るボートに一緒に乗り待機していた。しばらくして爆発の音が聞こえた。
(始まったか!)
すぐに自分達が動くと思っていたが動く気配はなかった。
(?どうした、何かあったのか?)
その直後ボートが揺れるほどの大きな爆発音がした。ゼロからの通信が入ってきた。
「日本開放戦線の片瀬少将が液体サクラダイトで誘爆し自決した!我々はその隙にコーネリア本陣に突入する!」
(自決?この作戦は日本開放戦線の救援だったはず、それが何故?)
アキラの乗るボートが発進しコーネリアの本陣へ突っ込んだ。
「パイロットが乗り込む前にKMFを叩き落せ!紅蓮弐式と流崎の無頼は私に続け!」
アキラの無頼は大型キャノンで敵KMFを爆破させた。
(奇襲ということか・・・いい作戦だがどこかうまく行き過ぎてるな。)
アキラは攻撃しながら先程の自決からの動きがどこか奇妙に感じていた。
ゼロとともに進軍していると量産タイプとは形状が違うグロースターを発見した。
(専用機?コーネリアか!)
ゼロと攻撃したがコーネリアはスラッシュハーケンでアキラとゼロを攻撃した。
ゼロは無頼の片腕を損傷させたがアキラは大型キャノンで破壊し、反撃しようと数発発射した。
コーネリアのグロースターは左右に動き回避し、ゼロに接近しようとしたがアキラがゼロの前に出てスラッシュハーケンを出した。
「このグラスゴーもどきが!」
コーネリアはランスで攻撃した。アキラはランドスピナーを使いギリギリだが避けてみせた。
(接近戦は無理か・・・)
アキラはグロースターから離れ、持っていた大型キャノンをグロースターに向けて投げた。
コーネリアは大型キャノンをランスで払いのけたがそれにアキラは投げたと同時にコーネリアに突進を仕掛けた。
コーネリアはすぐにランスで攻撃したが反応が少し遅れアキラは回避しコーネリアのグロースターに激突した。コーネリアは激突した拍子に倒れてしまった。
アキラはコーネリアが落としたライフルを奪った。
「し、しまった!」
コーネリアは残ったスラッシュハーケンを使おうとしたがアキラがライフルで片腕を破壊した。
「よくやった流崎。コーネリアは捕らえる。色々聞きたいことがあるからな。」
ゼロがコーネリアに近づこうとした時、倉庫の壁を破壊し1機のKMFが来た。
「こいつ、ナリタの時の!」
「総督、ご無事ですか?」
「特派か!」
スザクのランスロットはゼロの無頼に向けて回し蹴りを放とうとしたがカレンの紅蓮が呂号乙型特斬刀で防いだ。
「ゼロ、すみません。白兜の相手をして追っていたらここへ」
「またか白兜!」
「ゼロ!お前のやり方じゃあ何も変わらない。結果ばかり追い求めて」
スザクはさらに追撃しようとしたがアキラが出てきてライフルで牽制した。
(こいつはグロースターとは段違いだ。この数で奴を止められるか?)
「ゼロ、アキラ!」
カレンは援護しようとしたがコーネリアのグロースターが攻撃してきて近寄れなかった。
アキラはライフルを捨て両腕のスタントンファを構えた。スザクは蹴りを放ったがアキラはスタントンファで防ぎ空いた右手でランスロットの胸部を狙った。その直後スザクが後退した為破壊までには至らなかったがバランスを崩すことができた。
スザクはすぐにジャンプしアキラに向けスラッシュハーケンを放ったがアキラは回避した。
「このパイロット!」
スザクはこの無頼のパイロットがただのテロリストではないと感じた。
スザクは蹴りに移行したがまたも塞がれた。
アキラは今度こそはとスタントンファでランスロットの胸部を狙おうとしたがスザクはブレイズ・ルミナスで防御し、アキラの無頼の右手首が切り落とされた。スザクはMVSで無頼の左腕を切り落とし回し蹴りしアキラの無頼は倒れてしまった。
「っく!」
スザクは次の標的をゼロの無頼に向けた。
「白兜!お前はいつも俺の邪魔を!」
ルルーシュはアキラが捨てたライフルを拾い攻撃したがスザクは回避し懐に飛び込みパンチや蹴りで攻撃をした。
ルルーシュはスラッシュハーケンを遠くにやりこの場から離脱しようとした。
スザクは逃げようとするゼロにスラッシュハーケンを放ち地面に叩きつけられたゼロの無頼は自分のスラッシュハーケンに引きづられながら倒れていった。
「総督、この赤いのは私が相手をします!」
「・・・わかった。頼む!」
コーネリアは後退しそれをカレンは追おうとしたがスザクが前に出てきた。
「っく!アキラ、大丈夫?」
「あ、あぁ」
「ここは私がやるから、あなたはゼロを助けて。」
「・・・・わかった。」
この状態では援護どころか逆に迷惑をかける。そう思いアキラは無頼を立ち上がらせゼロが倒れていった所へ向かった。
(この近くのはず)
貨物カンテナが並んでいるところを探していると前方の少し離れたところにある人物が横切ったのを見た。
(今のは!)
アキラはまえへ進みその人物の後を追おうとしたが既にどこにもいなかった。
(今のはシャーリー?だが何故ここに・・・)
学校の制服、長い髪、どこかで見た顔。シャーリーに似ていたとアキラは思った。
(見間違い・・?)
ともあれシャーリーらしき人物が出てきた場所付近を捜索すると半壊した無頼が倒れていた。
「ゼロのか」
アキラは近づき降りようとしたがゼロの無頼の近くに血痕が流れていた。
(誰の血だ?)
アキラは周囲を警戒しながら無頼を降りゼロの無頼に近づいた。
「ゼロ、無事か?無事なら返事を・・・!?」
アキラが見たのはマスクが外れたゼロの顔だった。
(ルルーシュ・・・・?)
同じ学園の同級生のルルーシュがそこにいた。
(何故こいつが?ルルーシュがゼロなのか。)
「・・・うぅ」
ルルーシュのうめき声がしアキラは慌ててマスクをルルーシュの顔につけた。
「・・・うぅ、誰かいるのか?」
「俺だ。ゼロ無事か?」
「流崎か・・・っは!」
ルルーシュは手を顔に当てた。
(マスクは外れていないようだな。)
「来てくれてありがとう。」
「ケガはしてないか?」
「いや・・・何故?」
「じゃあ、これはなんだ?」
アキラが指さしたところに血痕があった。
「俺が来た時に既にあった。」
「いや・・・・私のではない・・」
(ここで何があった?撃った人間もいるとすれば2人がここにいたはず。だとすれば撃った奴はどこに?それに・・)
ルルーシュは懐に隠していた銃もなくなっていることに気づきアキラのほうを見た。
(流崎は俺の顔を見たのか?)
「君はいつここへ?」
「・・・今来たばかりだ。」
「・・・・そうか。」
近くから足音がして2人は振り向いた。帽子を深く被った女性がいた。
「C.C.か」
「その様子を見ると無事みたいだな。」
C.C.は連絡しようと携帯を取り出そうとした時銃声が鳴り響いた。
C.C.の右肩に命中しC.C.は肩を押さえながら倒れた。
「C.C.!」
ゼロはC.C.のもとへ駆け寄りC.C.の体を起こした。
「大丈夫か?」
ゼロの足元に銃弾が飛んできた。アキラも駆け寄り2人でC.C.を倒れているゼロの無頼まで運んだ。
「我々を狙って・・・」
「狙われたのはお前とは限らない。」
ルルーシュはアキラの言葉に疑問に思った。
「どういうことだ?」
「お前を狙っていたらすぐに撃つはずだ。それが俺やその女がきて撃ってきた。」
(だとすれば軍がC.C.を狙って?しかしコーネリアはC.C.のことは知らないはず。だとすれば一体どこの誰が?)
ルルーシュの携帯が鳴った。見ると扇からのようだ。
『ゼロ、無事か?』
「扇、C.C.だ。あいつなら無事だ。」
C.C.はゼロを見た。ゼロは少し頷いた。
「扇、撤退だ。このまま戦っていたらこちらが全滅する。お前が撤退の指揮を取れ。」
「あぁ、だがゼロは・・・」
「あいつなら私と流崎アキラがいる。心配するな。」
「そうか・・・わかった。」
C.C.は携帯を切った。
「とは言ったものの、どうする?」
今アキラ達が所持している武器は拳銃とアキラのダブルバレルのショートショットガンしかなかった。
「流崎達の様子はどうだ?」
安永と藤浪は覆面パトカーで様子を確認していた。
「今、残りの部隊も合流させます。まもなく捕らえることができます。」
「しかし、ゼロもいるとは運がいいですな。」
「潜入させた部隊が来た時には流崎がゼロと接触していた。少し早かったらゼロの顔を拝める事ができたがな。」
安永は無線を取った。
「各員へ、急ぎゼロそして実験体と流崎を捕獲しろ。もたもたすると軍に気づかれるぞ。」
狙撃は止むことなくアキラ達は狙われていた。
「C.C.、鏡持ってるか?」
C.C.は上着を探った。
「運がいいな。」
C.C.は小さな丸い鏡をアキラに差し出した。
アキラは鏡で銃弾が飛んでいる場所を確認した。
(距離は・・・500M・・・3人か?・・・いや)
暗闇で見えづらかったが人影らしきものが増えてきた。
「人が増えているな。」
(どうする・・・逃げようにもこちらには武器は・・・KMFも・・・)
ルルーシュは自分とアキラの無頼を見た。どちらも損傷が激しくとても戦闘が行えるようには見えなかった。
「ゼロ、俺が奴らの相手をする。今の内に逃げろ。」
「だ、だが君は・・・」
「俺のことはいい。早く行け。お前がいても邪魔になるだけだ。」
「っく・・・わかった。頼んだぞ。」
「肩大丈夫か?」
アキラはC.C.の肩を見た。出血は思っていたより激しく見えた。
「心配するな。これくらいならすぐに治る。」
「そうか・・・お前も行け。お前には聞きたいことがある。死んだら俺がこまる。」
「はぁ、またか・・まぁいいお互いまた会えたら聞いてやる。」
「あぁ・・・」
アキラは鏡で相手を確認した。
「ゼロ、銃を貸せ。」
「・・・すまない。どこかで落とした。」
「ちっ。C.C.お前は?」
「ほら」
C.C.は銃を差し出した。
「俺が奴らの相手をする。その隙に逃げろ。」
「わかった。」
アキラは相手に向け銃を発泡した。
「頼んだぞ、流崎!」
ゼロとC.C.は後ろのコンテナが立ち並んでいるところへ走っていった。
スナイパー達も2人を狙い撃ち始めた。
その内の銃弾がC.C.の足元を少しかすった。
「っく!」
「C.C.!」
「大丈夫だ。」
2人の姿が見えなくなるのを確認したアキラは自分の無頼まで走っていった。
コックピットに入ったアキラは計器を確認した。
(やはりダメか・・・)
アキラは計器のある挿入口からディスクを取り出した。
無頼を出たアキラはエネルギーパックにショットガンを撃った。
開いた穴から流体サクラダイトが流れてきた。
「奴は殺ったのか?」
「このままここにいてもラチがあかない行くぞ。」
治安警察の5人はライフルを構えたまま2機の無頼がある場所まで歩いて行った。
無頼の裏にまわりライフルを構えたが誰もいなかった。
「くそ、逃げたのか。ん・・?」
隊員達の足元に水らしきものが流れていた。
辿っていくと半壊している無頼のエネルギーパックから流れていた。
「流体・・・サクラダイト・・・はっ!」
隊員の1人が辺りを見回した。
ここから少し離れた場所にアキラがこちらに銃を構えていた。
アキラはショットガンでゼロの無頼を撃った。狙った場所は半壊し電線がショートし火花が散っている右腕だった。関節部を撃ち右腕はサクラダイトが流れている箇所に落ちていった。
「!!・・逃げろ!」
その瞬間、火が燃え拡がり2機の無頼に引火大きな爆発を起こした。
黒の騎士団が撤退し落ち着いた本陣の方にも爆発が確認された。
「なんだ?」
「姫様、まだ黒の騎士団がいるのでは?」
「よし、急ぎ現場に行き確認せよ。」
辺りを警戒しながらアキラは港をでた。
あのルルーシュがゼロ・・・元皇子とは言え何故祖国のブリタニアと戦っているんだ?
自分が気づかない間何か別の渦に巻き込まれているのではないか・・・・俺はそう思った。
いつアキラがゼロの正体を気づくか考えましたがシャーリーと同じ時にしました。
気づいたアキラがどう動くか楽しみにしてください。