「しかし署長、あのマオ使えますかな?」
「調査によるとあの男は実験体にかなり依存している。あの女の為ならどのようなこともするはずだ。それに我々もいつまでも流崎ばかりに構っている訳には行かないからな。」
「確かに・・・我々も失敗を重ねすぎました。閣下も黙っているはずがありません。」
「うむ・・・」
署長室に重い空気が漂っていた。
「ライ君、おはよう。」
「あぁ・・」
後日、アキラは学園に登校した。朝、あいさつをしたシャーリーを見ると特別変化はないようだ。今までのように明るくなり父の死を乗り越えたようにも見えた。ある一つを除いて・・・
「ルルーシュ君もおはよう。」
「うん、おはよう。」
今までルルと呼んでいたシャーリーが他人行儀な態度でルルーシュと接していた。
「何かあったのか?」
アキラはリヴァルに尋ねた。
「なんか喧嘩したらしいぜ。」
「しばらくライも合わせて付き合ってくれ。」
ルルーシュは苦笑いをして答えた。
(こいつ・・・何かしたのか?)
ゼロがルルーシュだとわかっているアキラはシャーリーに何かしたのではないかと疑惑の目を向けた。
アキラは休み時間シャーリーに話しかけた。
「少しいいか?」
「え?ライ君、どうしたの?」
「お前、最近どこか出かけたか?」
「最近?う~ん・・・あっ!ナリタに行ったよ。」
「ナリタ?」
「うん。それがどうして行ったのかよく憶えてなくて。」
シャーリーは笑って答えた。
(何故またナリタに、それと憶えてない?どういうことだ?)
「それでナリタでル・・・」
「ライ!」
呼ばれて振り向くとルルーシュが立っていた。
「この教材を一緒に運んで欲しいんだ。頼む。」
「・・・・わかった。シャーリー、またな。」
アキラはルルーシュと一緒に教材を運びに教室をでた。
「悪いな。」
「あぁ・・・」
(流崎はシャーリーにナリタで起こったことを聞こうとした。やはりこいつも俺の正体を・・・)
(こいつ、俺を監視してるな。だからあそこで・・・やはり彼女になにかしたな。)
2人の思惑を交差させながら2人は廊下を歩いた。
授業が終わりアキラは黒の騎士団のアジトで無頼各機の整備を玉城達としていた。
「おい、扇!」
坂口が大声を出してやってきた。
「さ、坂口さん、どうしたのです。」
坂口の様子を見て扇は慌てて来た。
「どうしたじゃない。お前ら俺との取り引きの話を誰かに流したな!」
坂口はブリタニア軍で横流しされた武器を黒の騎士団に売っていたのだ。
「どういうことですか?」
「さっき、薄気味悪い奴が大型のチェーンソーを売って欲しいって来たんだ。俺は断ったが俺と黒の騎士団との関係をばらすって脅されたんだ。玉城、お前か?べらべら周りに喋って」
「俺じゃねぇよ。なんで俺が?」
「お前しかいないだろ。この中で」
坂口と玉城が言い争っている中扇はあることを思い出した。
「もしかして、この前ゼロが言ってたマオって男か?」
「扇、なんだそのマオって男は?」
アキラはマオのことが気になり尋ねた。
「ブリタニアの工作員らしき人物が俺達の周りを調査しているって情報をゼロが入手したんだ。それでわかったのがマオって男みたいなんだ。俺達はそのマオって男を捕まえてくれってゼロから頼まれていたんだ。」
「マオ・・・」
アキラは坂口のほうをむいた。
「とっつぁん、その男どんな奴だった?」
「サングラスかけていたから顔はよく分からなかったな。あと銀髪にヘッドホンかけてて怪しい奴だったな。」
アキラは坂口の肩を掴み玉城達と少し距離を離した。
「もしかしてこいつか?」
アキラは先日、第8調査部隊基地跡で入手した写真を見せた。
「何だこのガキ、まぁなんとなく似てるがちょっとわかんねぇな。」
「・・・そうか。」
アキラはアジトを出てゲットーの周りを歩いた。
(どこにもいない。)
まだ確証はないがもしあの写真の子供がマオだというならここに来た理由はなんだろうか。
(陽炎・・・?もしやC.C.?・・・いや、まだ何も分からない。)
「どぉ~も。うん、わかったよ。奴らがいるのはゲットーの第3地区の廃工場をアジトにしてるよ。早く行かないとどこかに行っちゃうかもしれないよ。奴ら、アジトを転々としてるみたいだから。・・・・本当だよ。僕の力疑ってるの?」
マオは携帯を切った。
「さぁて、あとはC.C.を・・・でもその前にあいつらが狙ってる流崎って男も気になるな。」
マオはヘッドホンから聴こえるC.C.の声を聴きながら不敵な笑みを浮かべた。
その頃アキラはゲットーの中を歩き回ったがマオらしき人物には会えなかった。
(闇雲に探してもしたかがないか・・・)
アキラは諦めアジトに戻ろうとした。その時パチパチと拍手の音が聞こえた。
アキラは音があったほうを見ると銀髪のサングラスをかけた男が立っていた。
「どうも、初めまして。もしかして僕のこと探していたのかな?」
「するとお前が?」
「そう僕がマオ。」
(この男がマオ・・・ゼロ、いやルルーシュは何故この男を捕まえようとしてるんだ?C.C.と何か関係が?)
「へぇ~キミ、ゼロの正体がルルーシュだって知ってるんだ。」
「!?」
アキラは自分が考えていたことをマオが喋ったことに驚いた。
(な、なんだこいつは?)
「あれ?キミは僕やルルーシュと同じようにC.C.と契約してないんだ。じゃあこれも知らないってことか」
マオはサングラスを外した。
(何だあの文様は?それと契約?一体何のことだ?)
アキラは聞きなれない言葉に軽く混乱をした。
「なんだ。安永って男が付け狙っているからどんな奴かと思って会ってみたけど大したことないなぁ。」
「!!」
「あっ!今、腰にぶら下げているその銃で僕を射とうとしたでしょ。キミ、ルルーシュほど頭は賢くないみたいだね。」
「っく!」
「まっ、すぐに人に銃を向けるなんて殺人鬼らしいね。」
「!?」
アキラはマオの言葉に耳を疑った。
「そうだよ、知ってるよ。キミのこと。今までキミが何人、何百人って人を殺していったってことも。」
「!?」
「まさか戦争だから仕方がないって言うんじゃないだろうね。じゃあキミ、味方から裏切られたのになんでまだ戦っているの?このまま逃げてどこか遠くに行ったらいいのになんでこんなところで戦っているの?」
「っく!」
マオの見下しているような顔を見てアキラはイラつきはじめた。
「教えてあげるよ。キミは人殺しが好きなんだよ。」
「なっ!?」
「人殺しが好きでしょうがない。だから戦い意外のことをやらないんだよ、したくないんだよ。」
「だ、だまれ!」
アキラはショットガンをマオに向けた。マオは溜息を吐いた。
「やっぱりキミは単純だね。つまらないよ。」
マオはアキラに背を向けて歩きはじめた。
「動くな!」
「あ、そうそう。早く味方のとこ行かないと治安警察がみんなを捕まえちゃうかもしれないよ。」
「!?」
「そう。僕が教えたんだよ。C.C.の情報を交換にね。」
「お前あの女とどういう関係が・・・」
その時アキラの携帯が鳴った。
『流崎、俺だ。』
「扇?」
『治安警察の連中がゲットーの周りをうろちょろしてるんだ。もしかしたらここの居場所がバレたかもしれない。』
「・・・わかった。俺もすぐに戻る。」
アキラはマオがいた場所を見たが既にマオはそこにはいなかった。アキラは周りを見たがマオらしき姿は見えなかった。
「くそ!!」
アキラはマオの言葉が脳裏に蘇り思わず拳を壁に打ち付けた。
アキラは急いで黒の騎士団のアジトに戻った。
「扇、どうだ?」
「まだここが見つかっていないが今、港へ逃げる準備をしている。港にいるディートハルトにも連絡をした。」
「ダメだ。」
「何故だ?」
「今、こんな大きい車が動いたらかえって目立つ。」
「なら、どうする?」
「・・・扇、非常時の時の脱出ルートはあるのか?」
「そうだな・・・もしもの時の脱出でここで合流することになっているんだ。」
扇は地図をひろげマーカーした地点に指さした。そこはゲットーにあるアジトの1つであった。
『扇、こちら南』
偵察に出ていた南から無線連絡がきた。
「南、治安警察の動きは?」
『だんだんこっちに近づいてくるぞ。どうする?』
扇は腕を組んで考えた。
「ゼロに連絡してみる。」
「おい扇!今いない奴に相談してどうする?」
「だが玉城・・・」
扇と玉城が言い争っている中アキラは地図あるところを見た。
「扇」
「なんだ?流崎」
「ここの近くに地下鉄の通路があるな。」
「あるがそれがどうした?」
「そこに貨物列車はあるか?」
「あ、あぁKMF用に運搬で使っているが・・・まさか?」
『こちら第2班、無頼を2機発見。まもなく包囲します。』
現場からの無線を聞いた安永は応答した。
「わかった。包囲したらすぐに突入しろ。反撃の恐れもある注意しろ。」
現場の隊員達は黒の騎士団のアジトを包囲し徐々に包囲を狭めていった。廃墟になった大きな建物の中に大型車両、無頼が3機確認できた。だが黒の騎士団からの攻撃がしてこなかった。
「なんか、静かだな。」
「あぁ、だが無頼がある。誰かいるとは思うんだが。」
「隊長、どういたしますか?」
「うむ・・・・全隊員突入せよ!」
隊員全員ライフルを構え建物の中に入っていった。
「よし、お前達あの車の中に入れそれ以外は無頼に誰か乗っていないか確認しろ。」
隊員は車両の中へ入っていった。
「隊長、中に誰もいません。」
「何だと?」
隊長は車両の中へ入っていった。
「見てください。中はカラです。」
証拠隠滅の為か黒の騎士団が使っていたような痕跡はなかった。
隊員達の下で地下鉄の列車の振動が響いていた。
「けど流崎も考えたよな。」
アキラ達は今、地下鉄にあった貨物列車の中にいた。玉城達の横には胴体と腕、脚部が分離された紅蓮が横たわっていた。
「この紅蓮を分解して運ぶなんてよ。」
だが南や杉山達はあることが気になった。
「でもあのアジトと無頼捨てて行ったんだぞ。これからどうするんだよ。」
「そういえばそうだな。おい扇!」
玉城は運転席にいるアキラと扇に連絡をした。
「どうしたんだ?」
『あのアジトがなくなっちまったら俺達これからどうするんだ?』
「あぁ今度インドから紅蓮の開発チームがこっちに来るんだ。それと一緒にKMFと艦船を援助してくれるって話がある。」
『そうか、それを聞いて安心したぜ。』
扇は無線を切った。
「ふぅ、ありがとう流崎。君のおかげで捕まらずにすんだ。」
「まだ安心するのは早いな。」
「え?」
前方を見ると治安警察の検問が駅で行われていた。
「治安警察!」
「扇、その制服を脱げ!それと玉城達にも知らせろ。」
「なんだお前達は?」
「はい、私達ゲットーのスクラップを回収している者です。」
扇は愛想よく答えた。アキラは帽子を深くかぶっている。
「お前ナンバーズだな?」
「あ・・・はい。」
「よし、中を見せてもらう。」
「まっ、待ってください。中はただのスクラップの山です。何もやましい物はありません。」
「それを決めるのは我々だ。さぁ荷物を開けてもらおうか。」
隊長の指示で扇は貨物の扉を開けた。中は鉄くずなどのスクラップが積まれていた。
「ほら見てください。何も怪しいものはありませんよ。」
スクラップの中に隠しているのはコンテナに入っている紅蓮の各部箇所があった。玉城達もその近くで隠れていた。
「おい、全部を確認しろ。」
治安警察隊員達が中を確認し始めた。
「ん?なんだ、これは?」
隊員の一人がスクラップの中に何かあるのを気づいた。
「!」
「なんだと?中をあらた・・・」
アキラ達は息を飲んだが隊長の様子がおかしく見えた。
「待て!検問は中止。」
隊長が突然やめたのだ。
「時間になった。全員遊園地へ急行し命令に従え。」
「はっ!」
他の隊員達も一斉に列車から離れ駅から離れていった。
「どう・・なってるんだ?」
扇は口を半開きしながら驚いていた。
(何だ?ここの駅の検問を解除して遊園地?何があるんだ?)
「流崎、とにかく今はヤードまで行って紅蓮を載せたコンテナをトラックに載せよう。」
「あ、あぁそうだな。」
アキラは列車を発進させた。
その後アキラ達は紅蓮を載せたコンテナをトラックに載せ港でいつも使用している倉庫に入れた。
扇はゼロに連絡を入れた。
「ゼロ、扇だ。」
「どうした、扇?」
扇は詳細を話した。
『わかった。拠点を失ったのは仕方がない。次の物資が来るまで活動は難しいな。それと扇・・・』
「・・・・そうか、わかった。じゃあまた。」
「ゼロは?」
「流崎、マオのことは決着ついたみたいだ。」
「決着?」
「ゼロが見つけて始末したみたいだ。」
「・・・・そうか。」
あのマオはC.C.とどういう関係だったのかそれと俺の過去を知っていた。マオが死んだ今それを知ることができなくなり俺はどこかしこりが残った気分だった。
‐治安警察署‐
「何も憶えてないだと?」
突然、検問を解き遊園地の行った部隊の隊長を叱責した。
「申し訳ありません。気が付いたら遊園地にいて我々も何があったか」
「っく、わかった。もう下がれ。」
署長室は安永と藤浪だけになった。
「署長、これは・・・」
「何も憶えてない・・・おそらく」
「ギアスですな。」
「マオとも連絡が取れない。もしやゼロにやられた?」
「しかし奴にはギアスがあるはず、だとすれば」
ハッと藤浪は顔を見上げた。
「ゼロも・・・」
「ありえますな。黒の騎士団には実験体がいます。コードを持つあの女と契約をしていたとしてもおかしくはありません。」
署長室の電話が鳴り出した。
『署長、本国から連絡から連絡が』
安永はこめかみを押さえた。
「ふぅ・・・・わかった。」
モニターに映し出されたのはブリタニア軍の制服とは違う薄い茶色の服、マントもない地味な軍服なのだが大柄で鋭い眼光の男性が立っていた。
『また失敗したみたいだな。』
その男は静かな口調だったが怒りに満ちていた。
「申し訳ありません。高山大佐。」
『マオとの連絡は?』
「はっ、今現在向こうから連絡はありません。」
『そうか・・・』
「それで・・・まだ推定ですがおそらくゼロは実験体と契約を結んでいるのではないかと・・・」
『契約・・・!』
高山は右腕の指を強く握り閉めた。その音はギィギィと奇妙な音であった。
『確かなのか?』
「いえ、まだわかりませんが実験体が黒の騎士団にいるので契約を結んでいたとしても」
藤浪が代わって答えた。
『うむ・・・・安永、藤浪手段は任せる。実験体を捕えろ。それと流崎を殺せ。』
「はっ」
安永との通信を終え高山 昌克(たかやま まさかつ)はアキラの写真を見つめていた。
「流崎 アキラ・・・お前は生きてはいけないのだ。お前が生きていればすべての人間が狂う。」
高山はまた奇妙な音を出しながら右腕の指を強く握った。
高山 昌克はボトムズのリーマンがモデルです。かなりオリジナルを加えようと思います。
いよいよ今週新作のスパロボが発売されますね。自分としてはキリコとフィアナがどうなるかすごく気になってます。