「こちら柴田、目的地の基地へ到着しました。」今回の作戦の現場指揮を行う。柴田 弘昌(ひろまさ)はある人物に連絡していた。
「例の男は?」
「流崎ですか?奴もいます。」
「いいかこの作戦はあまり長引かせるな。素早く終わらせろ。それと流崎には感づかれるな。」
「はっ!自分におまかせを」
「よし!では行け」
その頃流崎は無頼のコックピットの中でジッと命令が下るのを待っていた。
『我らはこれより、目標の基地に突入する。敵の迎撃が来る、各機、油断するな』
輸送車をでた流崎はここはある山中の中にいることがわかった。進んでいくとまるで隠れいているかのように小さな施設らしきところへたどり着いた。各無頼から発射されたミサイルポッドでミサイルが発射され、基地施設に命中、突入口を穿った。
『各機発進。』
流崎達無頼は基地の中へと進んだ。瓦礫の山となった基地から生き残りの防衛部隊が現れる。だがよくみると相手のKMFは自分達と同じ無頼であった。
「無頼?隊長、相手は味方じゃないですか!」
『訳は後で話してやる、今は戦え!』
「し、しかし・・・」
流崎の問いかけは、敵の攻撃で遮られた。攻撃を受けた以上反撃をしなければこちらがやられる。流崎をアサルトライフルを敵に向けて撃った。
それからしばらくして戦闘は続き敵の攻撃はやんだ。どうやらほぼ全滅したようだ。
『よし、敵を片付けたな。では例のものを探すぞ。』
「隊長、この作戦の目的は?それと先程隊長が言った例のものとはいったい・・・」
『流崎、またお前か。お前は黙ってそこで待機してろ。全員、流崎との通信は切れ』
「た、隊長!」
流崎の問いかけに答えることはなく柴田達は基地の奥へと進んでいった。
(一体、どうなってる?作戦の詳細も分からない。そして味方の基地への攻撃。これはまともな作戦じゃない。)
突然、後ろから銃声が鳴り響いた。流崎の無頼が大きな振動に襲われた。振り向くとそこには半壊した無頼がいた。
(敵!まだ生き残りがいたのか)
流崎はライフルで牽制しながら、後退する。敵の無頼は銃弾を避けようと壁に隠れた。流崎はその壁に向けてスラッシュハーケンを射出する。壁ごと貫いたスラッシュハーケンは相手の無頼のコックピットを貫通し無頼は爆発した。
流崎は敵の撃破を確認しようと警戒しながら近づいた。すると先程の爆発の影響か爆発で壁に大きな穴があきそこにはある部屋があった。そこの部屋の中央にあるカプセルがあった。人ひとりで精一杯のカプセルには無数のパイプが繋がれており、ここは何かの実験室のようだ。
(ここの基地は何かの実験でもしていたのか?)
『流崎、先程の爆発はなんだ?』
柴田達は先程の爆発で戻ってきたのだ。
「これを発見しました。」
『これだ!俺達が探していたのはでかしたぞ流崎』
どうやらこの作戦はこのカプセルが目的だったらしい。
『流崎、お前は外にでて周りを監視しろ』
「はい」
流崎は入口付近に近づいた。
(どうやら俺以外の連中はあれが何か知っている。なぜ隠す?あれには何が?)
その時、後ろから何者からの攻撃を受けた。
「な、何だ?」振り返ると右肩を赤く染めた無頼数機が自分に向けて撃ってきた。
「な、なぜ?」
『流崎、お前はもう用済みだ。』
「なっ!?」
脱出を試みたが先程の敵の攻撃で脱出機能が破損し脱出できなくなった。流崎の無頼は大きな爆発を起こし機体は山の坂を転げ落ちた。
(俺は死ぬのか・・・いややっと死ねるのか?)
流崎は薄れゆく意識の中、死への恐怖はなかった。
「井ノ本中佐、流崎の始末を終えました。」
『柴田、流崎は確実に殺したのだな。』
「は!コックピットを中心に撃ったのであれを避けるのは不可能です。それに機体は爆発炎上しました。生きているはずがありません。」
『はずがないか・・・・・柴田例のものは?』
「はっ、手に入れました。」
『よし、我らもすぐに合流する。お前達もそこをすぐに離脱しろ。』
「はっ!」
井ノ本は柴田との連絡を切ったあとすぐに別の人物に連絡をした。
「わたしだ。・・・そうだ。例の女を手に入れた。わかってるすぐに彼のところへ届ける。もっとも彼がどこまで核心にたどり着けるか見物だな」
井ノ本は電話を切った。
(奴は・・流崎は本当に死んだのか。私は心の中では生きていて欲しいと願っているのかもしれない。いやたとえそうでも奴は・・・)
「う・・・・」
流崎が目を覚まし辺りを見回した。机と小汚いベッド以外何もない小さな部屋だった。
するとドアが開きそこには数人の軍服をきた男3人がいた。軍服をみるとどうやら日本解放戦線の人間のようだ。「目覚めたようだな。これから尋問をはじめる。」
「ここはどこだ?」
「質問はこちらでする。貴様の名前、歳は?」
「流崎 アキラ 17歳」
「所属は?」
「日本解放戦線・・・第13戦略特殊任務班 陽炎」
「やはり『陽炎』か。お前達は何をしていた?」
「作戦に参加していた。」
「どんな作戦だ?」
「詳しいことは知らない。」
「あそこの基地は我々も詳細を知らない極秘の基地だったのだ。なぜお前達は攻撃したのだ?」
「し、知らない。俺は命令に従っただけだ!井ノ本、井ノ本中佐と話させてくれ!」
「その井ノ本中佐、並びに『陽炎』部隊が行方不明なのだ。自分達の基地ごと爆破させてな!」
「な?なんだって?!」
自分を残して井ノ本中佐、『陽炎』部隊そっくりそのままいなくなった。そんな馬鹿なことがあるのか。流崎は事の把握ができず混乱していた。
「だから、今いる『陽炎』はお前しかいないのだ。言え!お前達は一体何の目的で基地を攻撃した?井ノ本中佐に『陽炎』部隊はどこに行った?」
「し、知らない。本当に俺は何も知らないんだ!俺は仲間に裏切られたんだ!」
「とぼけるな!」
男は警棒で流崎の頭を殴打した。
「ぐぅぅ」
「言え、言わぬともっと痛い目にあうぞ!」
「お・・俺は・・何も知らない・・」
「こいつ!」
尋問はしばらく続き流崎が気絶したところで終わった。
「どうだ?白状したか?」
「片瀬少将」
日本解放戦線のリーダー、片瀬帯刀(かたせ たてわき)が入ってきた。
「まさか、『陽炎』が攻撃したとはな。井ノ本の奴め」片瀬は特殊部隊の理由で部隊の詳細を隠し、私兵のように部隊を動かしている井ノ本のことをよく思っていなかったのだ。
「とにかく今我々のもとにいる『陽炎』はこいつだけです。絶対に吐かせてみせます。」
それから数日、尋問は続いた。
この日の尋問は終わり今部屋にいるのは流崎と兵士1人の2人だけであった。
兵士が流崎に背を向けているのをチャンスに流崎は立ち上がり兵士を襲った。兵士の服を強奪した流崎は部屋をでて基地にある車を探した。
「警告!捕虜が脱走!繰り返す!捕虜が脱走!見つけ次第捕えよ。もしくは射殺せよ!」
(バレたか!)
流崎は近くにあったジープに乗り込んだ。
「何者だ!お前」
警備していた兵士に見つかり流崎は急いでジープを発進させた。銃弾が飛ぶ中流崎は道もない陸路を走った。
行きあてなどない。謎の作戦、仲間からの裏切り突然流崎の前に広がった深い闇にどんどん引きずり込めれていく恐怖を流崎は感じていた。
少し駆け足気味になったかもしれません。
ちなみにロッチナみたいなキャラはでてきません。