「帰ってきたのはこのコックピットハッチだけか・・・」
作戦終了後黒の騎士団はゲットーのある廃墟に集まった。
「どうしますか?」
「まぁ心臓部のコイツがあるからいいとしてまた作り直すのもねぇ。」
ラクシャータはアキラが乗っていた月下のコックピットハッチを見ながら口から煙を吐いた。機体は朝日奈によって破壊されコックピットハッチもあることでブリタニアがデータを解析するのは難しいだろうと思った。
「乱暴に扱ってくれちゃってさ。あの子だって結構手間をかけて作ったんだからもう少し大切にしてほしかったねぇ。」
ラクシャータは近くにいたアキラを見た。
(それにしてもまだ17の坊やがKMFをここまで使いこなせるなんて、カレンって子もなかなかやるけどあの流崎はどこか違うねぇ。)
アキラは紅蓮の足元に佇んでいるカレンの所へ行った。
「アキラ・・・・さっきはごめん。」
今まで戦った相手がクラスメートのスザクだったことがまだショックのようだ。
「いや、あれは仕方ない。」
アキラ自身もスザクの姿を見て動揺はしていた。
「だが次は今回のようには行かない。」
「戦うつもりなの、アキラ?」
「向こうが来るなら戦う。それがスザクでもな。」
「・・・・・」
「いやか?」
「ううん。どんなことがあっても戦うって決めたから。」
「そうか・・・・」
(さぁどうする?ルルーシュ。)
アキラはルルーシュが乗っている車両に目をやった。
「申し訳ございません。大佐にわざわざこちらへ行く手間をかけてしまいまして」
「気にするな。こちらへは非公式でアヴァロンで来日したのだ。」
今、治安警察の署長室には安永、藤浪の他もう1人高山 昌克がいた。
「アヴァロン?っと申しますとまさかあの男と?」
「神根島の調査を行くそうだ。」
「あの島にですか?」
「あの男、物腰が柔らかそうに見えてかなり切れる奴だ。あの島に目をつけるとはな。」
「ところで大佐、先日の藤堂とお会いしたようですが」
「死ぬ前にあいつの顔を見ておこうと思ったがしぶとい奴だ。」
「しかし、あのランスロットというKMFにあの枢木スザクが乗っていたとは、そして此度、ユーフェミア副総督選任騎士に選ばれるとは思いもしませんでした。」
藤浪は苦笑いを浮かべた。
「あの世間知らずのお嬢様をベッドで可愛がったんだろ。」
「ははは、署長、それはないでしょう。」
「安永、藤浪」
「はっ!」
「人とKMFをお前達に送る手配をした。お前達の好きに使え。」
「人と言うと?」
「我々が訓練で鍛えたブリタニア人だ。我々の共食いを耐えた奴らだ。コーネリアの部下達より使えるはずだ。」
「はっ、ありがとうございます。」
高山は席を立ち部屋を出た。
数日後
支給された潜水艦の中でゼロによって黒の騎士団の新たな編成が発表された。藤堂達旧日本開放戦線のメンバーも加わることになり黒の騎士団が組織としてより一層強大になった。
「・・・以上だ。」
カレンは組織図を見てあることに気づいた。
「!・・ゼロ、アキラは?」
「ん?」
「アキラがどこにも入っていませんが。」
カレンは周りを見たがアキラの姿はどこにもなかった。
「彼には黒の騎士団に入るよう誘ったが断ったよ。」
「断った?」
「今のままでいいと言っていたよ。」
ルルーシュは昨日のことも思い出した。
ー「流崎、黒の騎士団に入ってくれないか。」
ルルーシュは椅子を並べているアキラに話しかけた。
スザクのユーフェミア副総督選任騎士の就任記念パーティーをアッシュフォード学園で開くのでアキラはその準備をしていた。幸い今アキラとルルーシュの2人だけ部屋にいた。
「藤堂達が加わり黒の騎士団も組織としてより大きくなりつつある。お前が入団して俺の新鋭隊零番隊隊長としてカレンと一緒に戦って欲しい。」
アキラは作業をしながら話を聞いていた。
「結構だ。紅月にでも隊長をやらせろ。」
「確かに彼女にも素質はあるが軍隊経験のあるお前なら部隊を指揮できるはずだ。」
「俺は傭兵で十分だ。俺は紅月のような考えで戦ってない。」
「一体どういう動機で戦っている?例の陽炎の事か?」
「・・・・そうだ。」
「ならすべてがわかったらどうする?」
「C.C.?」
いつの間かC.C.が入っていた。
「自分を陥れた奴らを殺してその後お前はどうする?」
「・・・・・・ルルーシュ、俺は黒の騎士団に入るつもりはない。」
アキラは部屋を出て行った。ー
「アキラ。」
カレンはKMFの整備をしているアキラのところへ向かった。
「なんだ?」
「なんで零番隊隊長を断ったの?」
「ゼロから何も聞いていないのか?」
「ゼロからじゃなくてあなたから聞きたいの。」
「・・・・・」
アキラは工具箱をなおし格納庫を出て行った。
「アキラ!まだ話は終わってないよ!」
「お前が隊長になるんだ。それでいいだろ。」
「アキラ!」
カレンは引きとめようとするがアキラはその手を振り払い用意された部屋へ入っていった。
‐自分を陥れた奴らを殺してその後お前はどうする?‐
俺の脳裏にC.C.の言葉が蘇った。
あの女の言う通りだった。
俺を裏切った井ノ本達を追手真実を知ったところでどうなるんだ?奴らを殺した後俺はどうしたいんだ?
紅月達のような今更日本開放の為だと戦ったところで俺の居場所はどこにもない。ましてや守りたい家族もいない。
目的の為に戦う紅月、目的を得る為に戦う俺。自分は紅月とは違うのだと俺は侘しく思った。
数日後、学園でスザクのユーフェミア副総督選任騎士の就任記念パーティーが開かれたがアキラは参加せず1人花の庭園で佇んでいた。
「ここにいたのか。」
ルルーシュがやってきた。
「お前も来い。みんなが待ってるぞ。」
「そんな気分じゃない。」
「そうか・・・」
ルルーシュはアキラの隣に座った。
「カレンがスザクを殺そうとした。」
「!・・・・お前が仕向けたのか?」
「まさか、殺すならもっと別の場所を選ぶ。もし俺が気づかなかったら大変だった。」
「ならもう計画はできてるのか?」
アキラの言葉にルルーシュは押し黙った。
「・・・・お前、俺が殺れと言ったらやってくれるのか?」
「なんだその言い方は、殺して欲しいならはっきり言え。それかあいつにギアスを使って死ねって言えば早い話だろ。」
「それは!・・・・」
「できないのか?あいつが友達だからか?」
「・・・・・」
「お前、そんな所が甘いな。シャーリーの件も殺すのが一番得策だったはずだろ?」
「お前!!」
ルルーシュはアキラの胸倉を掴んだがアキラは手を振りほどいた。
「どうしようがお前の勝手だがお前の意地で俺達が死ぬのは御免だからな。」
「お前は!・・・・スザクが死んだほうがいいと思うか?」
「これから作戦の障害になるなら殺したほうがいいと思うが。」
「だが同じクラスメイトだぞ。」
アキラは少し黙った。
「あぁ・・・そうだな。」
アキラはクラブハウスへ入っていった。生徒会室にはニーナが1人でいて彼女はアキラが突然来て怯えていたがアキラは気にすることなく仮眠をしようと机に足を置いた。
‐同じクラスメイト‐
ルルーシュの会話で思い浮かんだのがミレイ達生徒会のみんなだった。これから殺すかもしれない奴の周りの人間の事を想うことは今までなかった。
数日後、ユーフェミア副総督がブリタニア本国からの要人を迎え入れるため式根島に行く情報を得た。俺達は潜水艦で式根島へ向かっていた。目的はユーフェミア副総督の騎士枢木スザクの捕獲。どうやらルルーシュは奴を味方に引き入れるようだ。
アキラはKMFの整備を1人で行っていた。
「流崎。」
ゼロが話かけてきた。
「なんだ、ゼロ?」
「今度の作戦お前にも協力して欲しい。」
「確か、ラクシャータが作ったジャミング装置であの白兜を捕獲する作戦だったな。」
「その作戦、君が枢木スザクをポイントまで誘導して欲しい。」
「・・・いいだろう。だが状況によれば奴を殺すかもしれないぞ。それでもいいのか・・・ルルーシュ?」
「・・・・・そうなる前にカタをつける。」
そう言うとゼロは格納庫を出た。
1時間後式根島についた黒の騎士団は作戦通り基地を襲撃した。小規模の基地であったため戦力は少なかった。
しばらくしてスザクのランスロットが現れた。
『来たか、流崎始めるぞ。』
「わかった。」
アキラの無頼はルルーシュの無頼と一緒に後退した。スザクはその後を追いはじめた。
アキラはライフルを捨て、腰に装着していた廻転刃刀を取り構えた。アキラが使用している廻転刃刀は刃の部分が短くコンバットナイフのような形になっている。
アキラはスザクの攻撃を廻転刃刀で防ぎながら後退していった。
ポイントの砂浜までたどり着いた。
「砂浜?ゼロは?」
大きな窪地の向こう側にゼロの姿を確認した。
スザクを窪地を飛び越えようとしたがアキラの無頼が邪魔をした。アキラはランスロットと組み合いながら窪地へ転げ落ちた。
2機が窪地へ落ちたと同時にゲフィオンディスターバーが作動しランスロット、無頼の2機が稼働停止した。
2機の周りをカレンの紅蓮、藤堂達のKMFが囲んだ。
「出てきてくれないか、枢木スザク。君と話がしたい。君は完全に包囲された。無駄な抵抗はよすんだ。」
ゼロの呼びかけにスザクは姿を現した。ゼロも窪地を降りスザクと対峙した。
アキラも腰のホルスターに収めているダブルバレルのショートショットガンの弾を確認し、バイザーで顔を隠し無頼から出てきた。
「前にも言ったはずだ。間違った方法で手に入れた結果に意味はない。」
予想通りスザクはゼロからの誘いを断った。ゼロに対していい感情を持っていないスザクが簡単には応じないだろうとアキラは思っていた。
(あの力を使うか?それとも・・・)
「父さんが死んで守った平和を壊さないために自分は闘っている。」
「違うな。間違っているぞ!降伏は枢木首相ではなく、彼を殺した何者かが勝手に決めたことだ。」
(奴の古傷を攻めるかルルーシュ。)
アキラはマオの一件からどこか様子がおかしいスザクのこともルルーシュから聞いた。ほとんど喋らないアキラであるからルルーシュも伝えても支障はないだろうと判断しスザクの過去を教えた。
「ひとつだけ贖罪する方法がある。あの時の日本人が選べなかった選択肢を身をもって提示することだ。7年前に盗まれたブリタニアと戦うという道を。」
ゼロとスザクの会話の途中にスザクから通信がきた。
『こちら式根島基地司令部、これより黒の騎士団に地対地ミサイルを発射する。ゼロを足止めをせよ。』
(枢木に人柱をさせる気か?)
アキラにも通信の声が聞こえた。
スザクはゼロの背後に周り銃を奪い拘束した。アキラはショットガンを構えた。
「よせ!流崎!」
(まだ拘るのか、ルルーシュ。)
空からミサイルの群れが確認され藤堂達が弾幕を張り迎撃した。スザクはゼロをランスロットのコックピットへ入れた。
(っく、枢木!)
アキラはランスロットの背後にまわりスザクを撃とうしたがカレンが紅蓮から降りこちらへやってきた。
「スザク!ゼロを離せ!私は生徒会のカレン・シュタットフェルトだ!こっちを見ろっ!」
「紅月?よせ!来るな!」
「今の声、カレン?それと・・・ライ?」
アキラとライの声にスザクはそっちのほうに気が逸れた時上空から大きな影がアキラ達を覆った。
「なんだ?」
アキラが見上げた空には見たこともない航空艦らしきものが浮かんでいた。
「航空艦・・・?」
「このままでは本当に死ぬぞ。」
「ルールを破るより良い!」
「このわからずやが!」
ルルーシュは仮面の左目部分を開いた。その直後航空艦のハッチが開き中から赤黒い光がこちらへ降り注いだ。
「!?」
アキラが死を覚悟した時先程とは違う眩い光がアキラを覆った。
最後に俺が見たのは赤黒い光を縫うように動く白兜、そして上空を見上げる紅月と見知らぬ女。
なんだこれは?一体何が起こったんだ?そして俺は生きているのか?
最後のシーンはボトムズのあるシーンから使ってみました。
スパロボクリア後また嚇奕たる異端を見直しました。何度見ても悲しい結末でしたね。