ここはアヴァロンの司令室、今シュナイゼルと高山が話をしていた。
「では僕らが式根島まで移動したのはあの遺跡の防衛システムとやらが働いたせいということかい?」
シュナイゼルは先日、神根島で起こった現象のことを高山から聞いていた。
「はい、あの遺跡付近で重火器やKMFの駆動系の反応がすればシステムが働き、瞬間転移させられたりします。もしくは別のシステムで消滅させられる恐れもあります。」
「消滅?移動ではなく?」
「遺伝子1つも残らず消されるのです。かつてそのシステムで艦隊が消滅させられたことがあります。」
「なるほど、恐ろしいものだが興味はあるね。もっと研究してみたいがキュウシュウの一件でそれどころじゃあないからね。」
数日前、キュウシュウで旧日本政府の澤崎が中華連邦の支援でキュウシュウに上陸、占拠し日本国建国を宣言したのだ。
「キミは元々あちらの人間だがどう思う?」
「5日もたないでしょう。所詮中華連邦の傀儡。利用価値が失われたらすぐに捨てられるのがオチです。」
「ふふふ。では私は3日と予想しよう。」
「お好きに。では私はこれで。」
高山は司令室を出た。
(もっとも、あのシステムは時と場合により作動しない時がある。それに関してはまだ謎が多い。ただわかっているのは今回もあの場に流崎がいたということだ。)
高山は右腕を力強く握った。
「しかし、国をつくるって聞いた時驚いたな。」
その頃、黒の騎士団の潜水艦はキュウシュウに行く準備をしていた。
「だがそれよりいいのか?キュウシュウと手を組めばもっと。」
今回の作戦はキュウシュウの澤崎達を叩く作戦である。
「おい扇、みんな納得したんだぜ。だったら素直に従おうぜ。」
「そ、そうだな。玉城。」
みんなが雑談をしている中、私服姿のアキラが入ってきた。その格好はカレンがアキラを街へ連れ出した時に買った服だった。
「おい、流崎これからキュウシュウへ行こうって時になんだよその姿は?」
「ゼロから仕事を頼まれた。俺は租界に行く。」
「え?仕事って?」
「紅月、悪いが言えない。」
「そう・・・なんだ。」
‐数時間前‐
「会長から?」
潜水艦でゼロとして使用している部屋にアキラとルルーシュそしてC.C.がいた。
「あぁ今度やる学園祭で使う機材のことで手伝って欲しいっと連絡が入った。」
「うまく断れば済むことじゃないか?」
「会長は俺じゃないとできないことだと、それと2時間以内に来いっとお達しだ。有無も言わさず電話を切られた。」
「相変わらずだな。」
「この前の神根島の件もある。俺や紅月の素性が学園にもバレた恐れもある。」
「うむ・・・・キュウシュウの件でスザクも向こうへ回っているはずみんなに伝えたのか疑問だな。」
「それを確かめるって事で行っても構わない。」
「!? いいのか?」
「俺は簡単には捕まらない。」
「・・・わかった。キュウシュウは先日手に入れたKMFを使う。今回はお前が出なくても支障はない。だがどうした?これから作戦だという時に学園の話を持ちかけるとはお前らしくない。カレンには伝えたか?」
「いや、余計な心配はさせたくない。適当にごまかす。」
「?? 意外だな。お前が他人を気にするなんて。」
いつものアキラらしくないと思いルルーシュは頭を傾げた。
「ふふっ。人は変わるものだなぁ。」
ピザを頬張りながらC.C.は揶揄うように言った。
「そういうことだ。じゃあな。」
アキラはC.C.を無視し部屋を出た。
港からでたアキラはその足で学園へ向かった。
「遅い!もう1時間もオーバーしてじゃない。」
学園に入りクラブハウスの生徒会室に入って早々ミレイが腕組んで立っていた。隣ではニーナがパソコンを操作していた。
「・・・・っで、俺に何の用だ?」
「もう、相変わらずね。言ったでしょ今度行われる学園祭の準備の手伝いをして欲しいの。スザク君やカレンは仕方ないけどルルーシュやあなたまでいなかったら困るの。リヴァルだけじゃあ人は足りないし。」
「わかった。・・・それと枢木から何か聞いていないか?」
「スザク君から?いえ、別に。」
「・・・・そうか。っでまずどこから行けばいい?」
「え・・っとまずは機材を運んで欲しいの。もうシャーリーとリヴァルがいるから手伝って。」
ミレイのあとに従いアキラはついていった。
「ふぅ、助かったぜライ。これで全部設置終わったな。」
アキラはリヴァルとシャーリーの指示で機材を運び終えた。
「ライ君、ありがとう。あのメンバーで力あるのスザク君とあなただけだから。」
「ひどいなぁ。シャーリー、俺こういうの専門外なんだよ。」
「もう、リヴァルまだやる事たくさんあるんだから。」
その時、シャーリーの携帯が鳴った。
「会長からだ。はい、・・・・あっ!来たんですか?分かりました。じゃあすぐに行きます。」
「今度は何?」
「巨大ピザの材料来たんだって。ほら行こう。」
「はぁ~い。」
リヴァルは力無く返事した。
次にアキラ達が来たのは数台置かれたトラックの駐車場だった。トラックの荷台の中には大量のダンボールの山が置かれていた。
「何だこれは?」
「えっとねライ君、学園祭でね巨大ピザを作るんだけどこれはその材料。これを倉庫まで運んで欲しいの。」
「わかっていたとは言えこうして見るとたくさんあるなぁ。ルルーシュはどこをほっつき歩いているんだよ。」
「文句言わないリヴァル、ライ君を見て。」
アキラは黙ってダンボールを2段、3段と倉庫へ運ぶ作業を繰り返して行っていた。
「ライ君は文句言わずに手伝っているんだから私達も早くやりましょう。」
「へぇ~い。」
3人で運び始めダンボールの量も半分に差し掛かり3人は休憩をした。
「ライ君、カレンはどうなの?」
「ん?」
「ほら最近また休んでいるから体の調子が悪いのかなって。」
「・・・少し風邪をこじらせただけだ。しばらくしたら良くなる。」
「本当?よかった。学園祭までには治るよね?みんなで待ってるから。」
「・・・わかった。あいつには言っておく。ところで・・・」
「え、何?」
「巨大ピザを作ると言ったな。これだけの材料を使ってどうやって作るつもりだ?」
「あぁそれは学園にあるKMFがあるの。それを使うの。」
「KMF?」
「あっ!よかったらこれを運び終わったら見に行く?」
材料を運び終えたアキラ達はミレイと一緒に学園の地下倉庫へ入っていった。
「ちょうどあれを運ぼうと思ってたところなの。」
倉庫へ入ると青い装飾で首がなくコックピットが剥き出しKMFが立っていた。
「ガニメデって言うの。少し古いけどちゃんと動くのよ。去年はルルーシュが動かしていたけど今年はスザク君に任せようと思うの。」
第3世代KMFガニメデ、グラスゴーより以前開発されたKMF。写真でしか目にしたことがなく実際見るのは初めてだった。
「じゃあ外にだそうか。」
ガニメデを巨大エレベーターで地上まで上げた。
「ちょっと試運転してみようか、本番になって動かなかったらピザ作れないからリヴァル動かしてみて。」
「はいはい、わかりました。」
リヴァルはコックピットに乗り込みガニメデを起動させたが機体から黒い煙がたちこめてきた。
「!? リヴァル、止めろ!」
「ん?・・あっ!なんだ?」
アキラの呼びかけでリヴァルは慌てて止めた。
「どうなってるんだぁ?」
アキラはガニメデのコックピットの後ろを開け煙の出所を調べた。
「ラジエーターがいかれている。ユグドラシルドライブの熱が上がって煙が出たんだ。」
「それで直るの?」
「道具があれば直せる。」
「そう、よかった~。」
ミレイは一安心したがあることに気づいた。
「でもライ、なんでKMF詳しいの?」
スザクならともかく軍人でもない彼が直せるのはおかしいと思った。
アキラも出過ぎたことを言ったと思い少し黙った。
「・・・・軍の整備関係に知り合いがいる。その人から色々教えてもらった。」
「へぇ~、そうなんだ。」
自分も紅月のことを言えないなとアキラは自虐した。
「っでどれくらい時間が掛かる?」
「さぁな。よく見ないと分からない。」
「そう・・・じゃあ私達他の仕事やるけどここはあなたに任せてもいい?」
「あぁ、構わない。」
1人になりアキラはガニメデを見た。
(まさか学園でKMFをいじるハメになるなんてな。)
そう思いながらもアキラはミレイから教えられた場所から工具を取りに行こうと歩いた。
「今日はここで終わりましょうか?」
ミレイ達はあれから数時間、準備の作業を続け気がづけば辺りは薄暗くなっていた。
「じゃあ、私ライ君に伝えてきます。」
「うん、お願いシャーリー。」
「ライ君!」
シャーリーはガニメデの修理をしているアキラのもとへ駆け寄った。アキラはガニメデを元の地下の倉庫へ戻りそこで修理をしていた。
「会長が今日はここまでにして終わりにしようって、だからライ君も帰っていいよ。」
「まだ、終わってない。このまま続ける。」
「別に今日中じゃなくても」
「俺のことは気にするな。お前達でも先に帰ってろ。」
「・・・・じゃあ、無理しないでね。」
シャーリーはアキラの事を気にしながらも倉庫を出た。
(ラジエーター以外の駆動系もガタがいってるな。)
それからアキラは1人黙々と作業を続けてしばくして倉庫の外から足音が聞こえた。
「!?」
アキラは持っていた工具を構え誰かが出てくるのを待ち構えた。
「あっ!お前、まだやったたのか。」
ドアを開けて出てきたのはリヴァルだった。
「会長、ライまだ残ってましたよ。」
「やっぱり、気になったからもしやって思ったけど。」
ミレイ、シャーリー、ニーナと4人が入ってきた。
「何の用だ?」
「倉庫から灯りが漏れていたから来てみたら、ライもう日付変わっているわよ。」
「うわぁ、すごい。これ1人でしたんだ。」
ニーナは以前より外観が変わっているのに気づいた。
「関節部分の動きが鈍かった。全部部品を交換した。」
「ご苦労様だけどあまり無理しないで学園祭までまだ余裕はあるから。」
「ライ君、食事もしてないでしょ?こんなものでよければ食べて。」
シャーリーはピザを差し出した。
「・・・・いただこう。」
ちょうどお腹が空いていたアキラはピザの1切れを口に運んだ。
「?」
3人はアキラが食べている姿をじっと見ていた。
「・・・なんだ?」
「ライ、食事が済んだらまた続けるつもりでしょ?」
「・・・会長、コイツはまだ終わってない。」
「言ったでしょ、もうおしまい。無理して倒れたらカレンに申し訳ないじゃない。」
「・・・」
「それに学園祭当日は生徒会全員で迎えたいじゃない。みんな仲間だし1人でも欠けたくないの。」
「仲間・・・?」
『仲間』の言葉にアキラは目の色を変えた。
「そう、あなただけじゃなくてカレン、スザク君、ルルーシュあとナナリーみんな大事な生徒会の仲間、友達よ。」
「・・・・・」
「あれ?もしかして感動したかライ?」
リヴァルがアキラの肩に腕を回した。
「もう、からかわないのリヴァル。」
シャーリーがリヴァルを引っ張りアキラから離した。
「・・・・わかった。帰ろう。」
アキラは工具を片付けた。
「あぁ~俺も何か腹減った。」
リヴァルはピザを1切れ手を伸ばした。
「俺はもういい。あとはみんなで食べてくれ。」
「あ、いや私は。差し入れした私が言うのもなんだけど夜食はちょっと・・・」
「あの・・・私も・・・」
シャーリーとニーナは遠慮するように答えた。
「あれ?2人共、もしかして太った?」
「ち、違いますよ。会長!」
4人のやり取りをアキラは黙って見ていた。
‐仲間・・・そう言われると照れくさくなる。友達、ここには俺を友達として見てくれる人がいる。もっとみんなと一緒にいたい。俺はそう思った。‐
‐同日、深夜 シンジュクゲットー‐
「うおぉぉぉ!!!」
アキラが学園にいた時、ゲットーで巡回していた治安警察に爆弾を持ったゲットーの住民が警察の装甲車に向かって自爆テロを起こした。この事件が後にアキラを巻き込むことになるのをアキラはまだ知らなかった。
次回はあの話をしようと思います。
ボトムズの中では特に好きな話の1つです。
楽しみにして下さい。