コードギアス~陽炎たる影~   作:三戦立ち

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前話でこちらのミスがありました。ハンドランチャーではなくハンドキャノンでした。
お恥ずかしいミスです。
だいぶ長くなってしまい少しだらっとしてしまったかなと思いましが読んでいただけたら幸いです。


第24話

治安警察のシンジュクゲットー掃討作戦が終盤に差し掛かり残すは居住区の少ないエリアだけになった。

「よし、あと少しで終了だ。」

「だが、大胆なことをしたなウチの署長は、クロヴィス前総督以上じゃないか?」

「イレブンの成り上がりのクセに、俺達をこき使いやがって。」

「上層部は全員イレブン、それで俺達ブリタニア人は奴らの部下だって後ろ指差されてるんだ。ちくしょう。」

ゲットーの住民たちが反抗する様子もなく隊員達が雑談をしている時別働隊から無線連絡が入ってきた。

「ん?どうした?」

『25地区にKMF1機が出現、我々に攻撃を仕掛けてきた!』

「たった1機、お前達で片付けられるだろ?」

『そ、それがとても強くて左肩に・・・う、うわあぁぁぁ!!』

「どうした?」

突然、通信が途切れた。

「よし、25地区へ行くぞ。」

治安警察は装甲車とKMFを25地区へと向かった。

 

 

 

「な、なんだ!?」

25地区で見た光景は装甲車、KMFの残骸があり、警察隊員の死体が転がっていた。

「黒の騎士団か?」

隊員達は辺りを警戒した。とても静かでかえって不気味だった。

その時一発の銃声が響き渡った。

「うわあぁぁ!」

1台の装甲車が爆発を起こした。

「出たか!?」

隊員達が振り返るとそこには1機の重装備した無頼が立っていた。

「見ろ、あいつの左肩を。」

赤く染まった無頼の左肩が怪しく浮かび上がっていた。

「赤い肩・・・レッド・ショルダー・・・」

 

 

「・・・KMFが2機、装甲車3台。」

アキラは敵の数を確認し無頼は左腕に装着してあるハンドランチャーを構え発射し、装甲車が2台爆発した。

「う、撃て!KMFを前出せ!!」

白く染められたグラスゴー2機が無頼に向かってライフルを発射した。無頼は回避しライフルに装着してあるグレネードランチャーを発射し1機撃破した。

残り1機をランドスピナーで移動しながらライフルで狙い撃ち撃破した。

無頼は残っている装甲車に狙いを定めた。

「ぜ、全部隊に連絡するんだ!検問をしている部隊にもこちらへ来るよう伝えろ。それと援軍を署長に連絡しろ!」

装甲車は後退しながら機関銃で応戦した。

 

 

「ここはもういい、我々は25地区へと行くぞ!」

先程まで検問を設けていた部隊が25地区へと向かっていった。

「よし、行くぞ。」

扇はエンジンをかけ隠れていた廃墟のビルから出てきた。

「流崎のおかげで無事に脱出できたな。」

「だがさすが陽炎だな。治安警察の奴ら大慌てで行ったぞ。」

「大丈夫かなアキラ・・・」

「心配するなよカレン。あいつは陽炎だぜ。簡単にくたばらねぇよ。」

「でも玉城・・・」

その時、アジトに設けてある電話が鳴った。

「・・・・・あぁわかった。扇、ゼロからだ。」

「わかった。・・・ゼロ、みんな無事にゲットーから脱出した。」

『そうか、だがどうやって?』

「流崎が無頼で治安警察の相手をしている。」

『流崎が?治安警察の無線を傍受したが今、ゲットーで警察と戦っているKMFは流崎の無頼だったのか。』

「彼のおかげで脱出できた。」

「ゼロ、早く援軍を!アキラ1人じゃあやられてしまいます。」

カレンが扇とゼロの会話に割り込んできた。

『わかっている。扇、今から指示するルートに沿って来てほしい。このルートなら軍に見つかることはない。」

「あぁ、わかった。」

 

 

「あと少しで作戦は終了ですな。」

藤浪が時計を確認した。

「ゼロや実験体が行動を起こすと思ったが見当違いだったか・・・」

その時、電話が鳴った。

「私だ。・・・・抵抗しているKMFが1機・・・・何!?赤い肩をした無頼?・・・・よし、わかった追って指示を出す。それまで今の戦力で対応しろ。」

安永は電話を切った。

「署長、一体?」

「陽炎だ。・・・・赤い肩をした黒い無頼が我々に抵抗している。」

「黒い無頼と言えば黒の騎士団・・・まさか!?」

「流崎・・・!!」

安永は机に拳を打ち付けた。

「今、待機してある部隊をゲットーに送る。私達も陣頭指揮を行う。それと万が一もある。奴らにも出撃させる。」

 

 

 

その頃、軍の方は治安警察の動きに変化があったのを確認した。

「何かあったのか?」

ダールトンはモニターで現場の部隊の隊長と連絡を取った。

『はい、どうやら治安警察に抵抗しているテロリストがいるようです。』

「黒の騎士団か?」

『はい、どうやら黒い無頼のようです。』

「やはり、来たか。数は?」

『それが1機だけのようです。』

「1機?それ以外にどこか動きは?」

『ゲットーから1台の大型車両が出てきたようです。』

「その車両を拿捕したか?」

「申し訳ありません。今行方をくらまして。」

「何?租界での警備についていたはずじゃないのか?」

『それが勝手に持ち場を離れた隊員に聞きましたが気が付いたらここにいたと、訳の分からぬ事を』

隊長の言葉にダールトンも頭を傾げた。

『ん?少しお待ちを。』

隊長が部下と何か話しているようだ。

『ダールトン将軍、今ゲットーで治安警察と戦闘を行っている黒の騎士団の無頼には肩が赤く塗られているとの情報が入りました。』

「赤い肩をした無頼・・・・まさか!?」

ダールトンはあることが思い浮かんだ。

「赤い肩・・・レッド・ショルダー・・・!」

『まだ、情報が錯綜しておりまして事実かどうか不明ですが治安警察の無線によるとそういう話が・・・』

「黒の騎士団にレッド・ショルダーがいたのか?」

「レッド・ショルダー!!・・・まさか!?」

話を聞いていたユーフェミアは目の色を変え椅子から立ち上がった。

「副総督なにか?」

「はっ!・・・いえ・・・何も。」

我に返ったユーフェミアはゆっくりと椅子に座った。

(赤い肩をした無頼、もしや流崎 アキラさんあなたなのですか?)

神根島で会った流崎が今、ゲットーで戦っている。ユーフェミアは何とも言えない不安を覚えた。

 

一方、高山の方もゲットーの新たな情報を掴んだ。

「大佐、どうやらゲットーで何者かが治安警察に抵抗しているようです。」

「そのようだな。警察の話では黒い無頼、黒の騎士団。そして・・・」

「はい、肩を赤く染めていると。」

「大佐、もしや流崎では?」

「うむ・・・まだなんとも言えないが奴の可能性は高い。事実この無頼による被害が拡大しているようだ。」

「現場の部隊が本部に援軍を要請しているみたいです。」

「・・・・軍の動きも気になる。双方の無線を聞き漏らすな。」

「はっ!」

(もし、この無頼が流崎、お前ならこれは我々に対する挑発か・・・)

高山は右腕を力強く握り機械の摩擦のような音がした。

 

 

部隊を撃破したアキラはゲットーの中心地へ進めた。

「いたぞ!!」

隊員達はアキラの無頼を目撃し一斉に攻撃した。

アキラも廃墟になったビルに回避しながらもビルの隙間からライフルを発射した。

「に、逃げろ!巻き込まれるぞ!」

近くにいた住民達は銃弾が飛び交う中逃げ惑っていた。

「攻撃開始!」

戦闘ヘリの小隊がアキラの無頼を発見しクラスター爆弾を落とした。

「!!」

アキラはすぐに気づき爆弾を回避したが周辺に爆弾が落とされ逃げていた住民が巻き込まれた。

「うわぁぁぁ!」

アキラはハンドキャノンでヘリ数機を狙い撃ち撃破した。

地上の部隊にアキラはグレネードランチャーにある弾を装填させた。発射した直後弾から噴煙が巻かれ周囲が煙で包まれた。

治安警察がアキラの姿を見失っている隙にアキラは背後に周り胸部に装備させたガトリング砲の銃身が回転し砲弾が発射させた。ライフルも一緒に発射し砲弾を浴びた装甲車、KMFは次々と爆発を起こした。

更に奥へ進もうとした時、背後から銃弾がアキラに襲いかかった。KMF2機を確認したアキラは弾幕を貼りながら後退した。

『逃がすな!』

治安警察達は追い打ちをかけようと後を追った。

アキラは周囲のビルを確認し比較的朽ちていないビルの屋上に向けてスラッシュハーケンを発射した。

ビルの屋上の建造物に突き刺したスラッシュハーケンのケーブルが上へと巻き上げていき無頼もケーブルで屋上へと上がっていった。

アキラは上がりながら地上にいるKMFに向けてライフルを発射し撃破した。

屋上へ上がったアキラはライフルの弾倉を交換した。

その直後、無頼の足元に銃弾が飛んできた。

「見つかったか。」

「奴はビルの屋上にいるぞ。撃ち落とせ!」

装甲車3台、KMF2機で構成されている3部隊がアキラを見つけ攻撃を仕掛けた。

アキラがいた屋上は装甲車の機関砲やKMFのライフルなどで損壊してしまいアキラは足場が崩れて落ちてしまった。

「よし、見て来い。」

KMF3機がビルの下へと行き、事態を見守っていたが治安警察の部隊の隣にあるビルから銃弾が飛んできた。

「ぎゃあぁぁ!?」

向かい側のビルから左肩を赤く染めた無頼がライフルを構えて立っていた。

突然の不意打ちになすすべなく装甲車、KMFは撃墜された。

「あのKMFいつの間に!?」

偵察に出ていた。3機は反撃をしようとしたがアキラの素早い攻撃に3機とも撃墜された。

「奴らの本陣は・・・」

アキラはファクトスフィアなどを用いて治安警察達の部隊が集中している箇所を検索。

そこは前回クロヴィスが行った作戦で更地になった箇所であった。

ビルから遠く見える灯りが密集している場所がそうだろう。

(あそこに安永達がいるのか?)

 

 

 

安永達はゲットーに到着し本陣にしている治安警察の大型トレーラーへと入っていった。

「署長、お待ちしておりました。」

「状況は?」

「はっ、現在部隊の全滅が拡大。おそらく本陣のここを目指していると思われます。」

「たった1人の為にここまで被害がでるとは・・・」

安永は同乗していた4人の日本人を見た。

「北尾(きたお)、輪嶋(わじま)。高山大佐が派遣したブリタニア人をお前達に貸す。向こうでの共食いに生き残った奴らだ。あいつらを使って流崎を殺せ。」

「はっ、お任せを相手は1人、すぐに終わらせます。」

北尾と輪嶋は敬礼しトレーラーを出てKMFが並んでいる場所へと向かった。

警察仕様に白く染められたサザーランドの足元に10人のブリタニア人が並んでいた。

「聞け!ここゲットーで今、黒の騎士団が我々に抵抗している。テロリストの鎮圧がお前達の任務だ。ゲットーの住民を巻き込んでも構わん、相手はテロリストだ。容赦はするな。」

「はっ!」

 

 

 

「治安警察は大佐が派遣した部隊を出撃させるようです。」

「奴らを出したか。」

高山は時計を見た。

「戦闘が始まってから30分以上は経過している。流崎は補給もせずに戦闘を行っている。もうすぐ弾薬が尽きてくるはず、状況は流崎の方が不利か・・・」

(これで奴が生き残る確率は低くなった。これで奴が死ぬか、それとも・・・・)

 

 

 

アキラは治安警察の部隊と交戦しながらも警察の本陣を目指して進んでいる時、前方からKMFの部隊が現れた。

「14機か。」

ライフルを装備している他、ランスらしき武器を装備しているが軍で使用されているのとは違い先端を尖らせて刃をつけたどちらかと言うと槍のような形状の武器であった。

アキラは牽制でライフルを発射したがサザーランドは回避しライフルで応戦し後方から槍を持ったサザーランド2機が槍を構えてアキラに向けて突っ込んできた。

「!!」

アキラはギリギリの所で回避した。

「数が多い。」

アキラは後退し、廃墟のビル群の中へと入っていった。

敵の出方を伺おうと周りを確認しようとしたが2機のサザーランドに見つかってしまった。ライフルの銃弾の雨を掻い潜り別のビルの中へと入り壁に身を潜めたアキラであったが壁越しに槍が突き刺さりアキラを襲った。

「!?」

すぐにその場から離れ壁に向けハンドキャノンを放ったが相手に直撃したようには見えなかった。

「仕留められなかったか。」

次に左右からライフルと槍を構えたサザーランド2機が襲いかかった。

アキラはまずライフルを装備しているサザーランドにハンドランチャーを撃ち撃破した。続けてもう1機のほうも撃とうとしたがトリガーを引いているが弾が発射されなかった。

「弾切れか。」

アキラは追撃を寸前のところで回避し敵の背後に周りハンドキャノンをサザーランドのコックピットに向け突き刺しサザーランドのコックピットは押しつぶされるように破壊された。

アキラはハンドキャノンをパージしその場に放棄した。

(先程までの治安警察のKMFとは動きが違う。なんだこいつらは?)

アキラは追撃を逃れようとその場から離れた。

 

 

 

一方、扇達はゼロ達がいる港にある潜水艦に到着した。

「ゼロ!」

「扇達が到着したか。」

「ゼロ!アキラは今どうなってますか?」

「カレン、流崎は無事だ。よく戦っている。」

モニターで映し出されている地図で今のゲットーの様子が映し出された。

「流崎との交戦で治安警察もかなりの部隊が損失している。ゲットーの周りを固めていた部隊も流崎のほうへとまわっている。」

「だが軍の方が・・・」

藤堂は腕を組み地図を睨んだ。

「今のところゲットーの戦闘には参加していないようだが軍も租界を中心に部隊を固めている。」

「迂闊には動けない。」

ゼロ=ルルーシュは租界での戦闘を先読みした自分の作戦の準備がまだ不十分な状態では戦かえなかった。そして何よりアキラ1人の為に無駄な犠牲は出したくなかった。

「そんな・・・」

カレンはモニターの地図を見ているとある変化に気づいた。

「ん?」

藤堂も変化に気づいた。

「流崎が後退している・・・・」

藤堂の指摘の通り先程までのアキラの進撃がある部隊との戦闘で止まり少しずつであるが後退しているのが確認できる。

「今、流崎と交戦しているこの部隊は一体・・・」

「アキラ・・・・」

何もできない苛立ちにカレンは拳を強く握り締めた。

 

 

「ハァハァハァ。」

アキラはビルの壁を背にして身を隠しながらKMF部隊との銃撃戦を繰り広げていた。

「っく。」

アキラはランドスピナーのスピードで壁から出た。KMF部隊もその後を追った。

ライフルを装備したサザーランド3機がアキラに向けてライフルを発射した。

アキラの無頼は上体だけ振り向きライフルで応戦した。1機のサザーランドがスピードを上げアキラのもとへ向かっていった。

アキラは無頼の右脚のランドスピナーの運転を止め右脚を軸に回転しKMF部隊の正面を向きグレネードランチャーを発射し、命中させた。

その直後発煙弾を発射し辺りが煙で包まれた隙にアキラはその場から離れた。

 

 

KMF部隊からの追撃を逃れアキラはライフルのマガジンの交換をした。

「弾倉もこれで最後か。」

アキラは先程の廃墟が立ち並んでいる風景とは違うことに気づいた。

「租界に入ったのか。」

このままどこかへ隠れようかと思案していた時、眩い光に照らされアキラは振り向いた。

『そこのKMF、武装を解除し投降せよ。繰り返す、テロリストは武装を解除し速やかに投降せよ!』

軍のKMFサザーランド3機がアキラにライフルを向け投降を呼びかけた。

「軍か!」

ブリタニア軍は返答を待ったが返事はなくまた、武装も解除する様子もなかった。

 

 

 

「黒の騎士団を見つけた!?」

部隊からの連絡を受けダールトンは通信をこちらへまわした。

『こちら第12部隊。黒の騎士団の無頼を発見しました。』

「間違いないか?」

『はっ、左肩を赤く染めた無頼です。おそらくこの無頼が治安警察に抵抗していたKMFだと思われます。』

「黒の騎士団にレッド・ショルダーか・・・・よし、武装解除させて捕縛しろ。抵抗するようなら攻撃しても構わん。」

『イエス・マイ・ロード』

部隊との通信を切りダールトンはふぅっと溜息を吐き椅子に座った。

「これでこの騒動は終わりか・・・全てが片付いたら安永達に話を聞かなければいかんな。」

 

 

 

 

アキラと交戦していたKMF部隊は見失ったアキラを追っていた。それ以外の部隊も合流しアキラの捜索を行っていた。

北尾は部下に連絡をした。

「敵の発見は?」

「いえ、見つけておりません。」

「そうか・・・・ん?」

北尾は租界のほうが何やら騒いでいるのに気づいた。

「租界のほうで何かあったのか?お前達見て来い。」

 

 

 

「っく!」

モノレールの線路の下でアキラは軍の追跡から逃れようとライフルで応戦しながら逃げていた。

『ダールトン将軍からの命令で撃墜せよ。気を付けろ、奴はレッド・ショルダーだ。』

アキラは長時間の激戦で疲れが見えはじめていた。

(またゲットーに入り、身を隠すか。いや、だとしても治安警察がまだいる。・・・どうする。)

思案しながら進んでいくと前方に白く染められたサザーランド2機が現れた。

「さっきの!」

アキラは無頼のランドスピナーを止めた。

『黒の騎士団を発見。』

『だが奴の後ろにいるのは軍のKMF?』

『構わん。奴の撃墜が我々の任務だ。撃て。』

治安警察の隊員達はライフルを発射した。アキラはランドスピナーで急加速で右に回避した。

『な、なんだあの警察のKMFは?我々がいるのが分からないのか?』

治安警察のKMFの発泡に軍の部隊は困惑した。

『そこの治安警察のKMF!租界でKMFを使用しての治安活動は禁止されている。即刻退去せよ!』

軍の呼びかけに応じず治安警察のKMF部隊はアキラを追って租界の中へと進んでいった。

「なっ!? 急いでダールトン将軍に伝えるんだ。」

 

 

「黒の騎士団と治安警察が租界で戦闘を行ってる?」

『いかがしますか?』

連絡を受けたダールトンはまず治安警察の安永に連絡を入れることにした。

「私から署長に連絡をする。お前達は黒の騎士団と警察を止めるんだ。発泡しても構わん。」

『イエス・マイ・ロード』

 

「急ぎ治安警察と連絡を取れ。それと他の部隊を援護にまわせ。租界での被害を広げる訳にはいかない。」

 

 

 

アキラと治安警察を追っていた軍の部隊は両者に呼びかけていた。

『これ以上租界での戦闘は即刻中止しテロリストは武装を解除せよ。無視するようなら発泡する!』

だが治安警察はアキラの追撃をやめなかった。

『やむを得ない。テロリストと共に治安警察のKMFに向けて発泡せよ。』

軍のサザーランド3機はアキラの無頼と警察のKMFに向けてライフルを発射した。

「うぉ!?」

流れ弾がアキラの無頼の右脚のランドスピナーに着弾し破損した。その衝撃で無頼が転倒した。治安警察のKMFも一部分に被弾した。

「しまった!」

アキラは攻撃される覚悟をしたが治安警察から撃たれる様子

逆に治安警察は軍のKMFに向けてライフルを向けていた。

 

 

「我々の任務を妨害するものは駆逐する。」

治安警察は突如軍に向けて発泡をした。

「な、なんだ!?」

突然の攻撃に軍のKMF1機が撃墜された。

「わ、我々は攻撃を中止させるために・・・」

まさか警察から反撃されるとは思わなかった軍の部隊は応戦する間もなく全滅した。

 

 

(どうしたんだ?)

アキラも困惑したがこの隙に無頼を立ち上がらせ租界の街の中へと逃げようとしたが援護に来た軍の部隊と鉢合わせしてしまった。

「いたぞ、追え!」

「っく。」

 

 

「敵、KMF発見。」

他の治安警察のKMF部隊も租界にいるアキラを発見した。

『軍の部隊もいるようだが・・・』

「我々の任務は敵の撃墜。邪魔するようなら排除するのみ。」

KMF3機がアキラを追い租界へ入っていった。

 

「また治安警察が。」

軍も相手にすることになりアキラは焦りが見え始めた。ライフルの弾薬も底がつき残る武器は胸部のガトリング砲だけであった。

槍を持った治安警察のKMFがアキラに向かって突撃を仕掛けた。

回避することができたがもう1機の攻撃にアキラは避けることができず右の肩の部分を貫かれた。

「うあぁ!」

アキラはガトリング砲でKMFに撃ち撃破できたし右肩に刺された槍を引き抜いた。

「右腕はもうだめか。」

アキラは右腕の関節部分をパージし取り外した。

『治安警察は租界での戦闘は禁止されている。即刻退去せよ!』

軍はこれ以上の戦闘を止めさせようとしたが治安警察は止めなかった。

「任務の障害になるものは排除する。」

治安警察のKMFは軍に向かってライフルを発射した。

「なっ!?ち、治安警察が反乱を起こした。全員応戦せよ!」

軍も応戦し治安警察との戦闘が開始された。

 

 

 

「軍と交戦している?」

安永は他の部隊からの情報でKMF部隊が軍と交戦していると聞いた。

「北尾や輪嶋はどうした?」

『今、止めに向かっています。』

「租界に入って戦闘しただけではなく軍に発泡するとは・・・何をしているんだ奴らは。」

「大佐の話では例の実験で成果を出しているとお聞きしましたが・・・」

「藤浪、それでこのような結果になっては使えないではないか」

「署長、軍のダールトン将軍から通信が。」

「来たか・・・」

『安永署長、これはどういうことか!』

「ダールトン将軍、申し訳ありません。どうやら何らかの事故があったようです。」

『事故?我々の部隊からの話では反乱と聞いているが、租界でのKMFを使用しての治安活動は禁止されているのは知っているはずだ。』

「存じております。今、戦闘中止を呼びかけておりますが現場が混乱しておりまして。」

『それはこちらも同じだ!他の部隊もまわしている。貴公達の部隊は撤退させるんだ!この件についてはいずれゆっくりと話を聞かせてもらう。』

「はっ・・・」

ダールトンとの通信を終えた安永は深い溜息を吐いた。

「・・・・今、租界ではどうなっている?」

 

 

治安警察と軍との戦闘は初めは小さな小競り合いであったが各部隊が合流し戦闘が止むどころか逆に激化していき被害は拡大していった。

 

 

「治安警察と軍が交戦しているようです。」

高山達も租界での戦闘の情報が入ってきた。

「奴らの調整が不十分だったか・・・」

状況が思わぬ方向へと行き高山は右の拳を力強く握った。

(この状況も奴がつくりだしたと言うのですか閣下・・・・)

 

 

黒の騎士団も租界の混乱を確認した。

「一体どうなっているんだ?なんで軍と治安警察が?」

扇も混乱していた。

「ディートハルト、治安警察は租界での活動は・・・」

ゼロは以前ディートハルトの報告で聞いたことを思い出した。

「はい、治安警察は治安活動の際租界でKMFを使用するのは禁止されています。」

「奴らはそれを無視したということか。」

「ゼロ・・・どうする。」

扇が尋ねた。

「・・・・・」

(確かにこの混乱を利用して助けに行けるかもしれない。だが助けたとして敵味方が入り乱れたあの場からどうやって脱出するか・・・・)

ゼロが思案している時通信が入ってきた。

「どうした玉城?」

『扇!カレンが流崎を助けに行くって聞かないんだ。』

「何!?」

 

 

ゼロ達は潜水艦の傍にある倉庫へと向かった。

「よせ、カレン!軍や警察を相手に勝てる訳ないだろ。」

他のメンバー達がカレンを止めようとするが既に紅蓮をトレーラーに載せていた。

「カレンやめるんだ。今、ゲットーや租界が混乱してるんだ。そんな状況で彼を助けるのは難しい。」

「だけど扇さん、私達を助けてくれたアキラをこのまま見捨てるわけにはいかない。玉城!あんたが治安警察の取り引き現場で助けてくれたのは誰?アキラでしょ!それなのにアキラが危ないっていうのにあんたはただ見てるだけなの?」

「け、けどよぉカレン・・・」

「カレン!」

「ゼロ・・・」

「今は待機するんだ。今、彼を助けに行くのは危険だ。これは命令だ。」

カレンはしばらく顔を俯いていたが顔を上げトレーラーの運転席へ座った。

「ゼロ、これが終わったら処罰されても構いません。けど今はアキラを助けたいんです!」

カレンはキーを回しトレーラーを発進させた。

「カレン!(っく、こんなことならあの時カレンにギアスをかけるんじゃなかった。)」

「ゼロ、どうする?」

「・・・・今、流崎がいるポイントを確認する。それと敵の情報が欲しい。」

 

 

 

 

治安警察と軍が戦闘を行っているとはいえ追撃から逃れた訳ではなかった。

アキラが乗る無頼の右脚のランドスピナーが損壊し思うように動けなくなった。

『いたぞ!』

軍のサザーランドがアキラを発見した。

アキラはガトリング砲を発射1機撃破できたがもう1機の銃弾が無頼の左腕に命中し左腕が損壊した。

「ハァハァハァ」

周りを囲まれここまでかと感じたとき1台のトレーラーが軍の背後からやってきた。

『な、なんだ?』

トレーラーはアキラと軍の間に割り込んだ。

「アキラ!」

「紅月?」

よく見るとトレーラーの各部所に無数の弾痕が見られた。ここまでの間、軍の検問などで銃撃を受けたのだろう。

「早く乗って!」

カレンに言われアキラは無頼を捨てトレーラーの助手席に乗り込みトレーラーを発進させた。

『追え!逃がすな。』

『各部隊へ敵の味方と思われるトレーラーを発見。繰り返す・・・』

 

 

 

「大丈夫?ケガはない?まだ急いだら囲まれるまえにみんなと合流できるから。」

「・・・何故また戻ってきた?」

「何故って・・・あなたを助けるためよ!」

「・・・・これで2度お前に助けられたな。」

「それはお互い様でしょ。」

トレーラーの前方に治安警察のKMF3機現れた。

「!!」

治安警察のKMFの攻撃でトレーラーの前輪のタイヤが被弾し近くの建物に激突した。

治安警察はトレーラーに近づこうとして時トレーラーのコンテナから2機のKMF、紅蓮と無頼が出てきた。

紅蓮は輻射波動で1機を撃墜し、カレンが用意してくれた無頼に乗り込んだアキラはライフルで2機撃墜した。

「KMFだけ脱出するのは無理だ。ここはゲットーに行くんだ。」

 

 

 

「黒の騎士団の赤いKMFも現れた?敵の増援はそれだけか?・・・・よし、わかった。今動ける部隊で対処せよ。」

「署長、黒の騎士団も動きましたか?」

「うむ、例の赤いKMFだけのようだが・・・・・租界のほうはどうなってる?」

安永は部下に聞いた。

「はっ、依然混乱が続いておりゲットーの中にまで及んでいます。」

「っく。こんなはずでは・・・」

 

 

 

 

ゲットーの廃墟でまだ被害が及んでいない中にアキラ達は隠れていた。

「・・・そうか、お前が勝手に。」

「ごめん。周りが混乱してゼロ達も簡単には動けなかったの。それで私が・・・」

 

 

紅月の不安な表情とは反対に俺の心は不思議と落ち着いていた。

はじめてだった。誰かと一緒にいることに喜びを感じていることに・・・・

 




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