コードギアス~陽炎たる影~   作:三戦立ち

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先日、こちらの手違いで完成前の作品を投稿してしまい申し訳ありません。

これが完成版です。どうぞ。


第26話

アキラとカレンが治安警察と軍の両軍と戦闘を行っている頃ゼロ達黒の騎士団の潜水艦では小型艇の出撃準備を行っていた。小型艇にはKMF3台まで搭乗ができる。

 

「カレン達が出てくるであろうシナガワ埠頭に行くメンバーをこれから・・・・」

ゼロが救援隊のメンバーの名前を告げようとした時玉城が手を上げた。

「ゼロ、その事なんだけどよぉ。俺達に任せてくれないか。」

「どういうことだ?」

「いやぁ、俺達流崎が警察の相手をしてくれたおかげでゲットーから脱出できたんだ。このまま借りを返さないのもどうも気分が悪くてよぉ。それにカレンからあれだけ言われて黙っているままのも嫌なんだよ。」

「ん・・・だが」

「ゼロ、お俺達も一緒に行く。玉城の言う通りこのまま助けられたままのは俺達も嫌だしな。」

南や杉山達、旧扇グループ達が声を揃え手を上げた。

「・・・・」

しかし、ゼロはこのメンバーだけでは少々頼りなく感じていた。

「・・・・ディートハルト、軍の動きは?」

「はい、現在ゲットーを中心に活動し、租界の部隊もゲットーに入っています。」

「・・・・・・よし、これから作戦を説明する。玉城達は・・・・」

 

 

 

「アキラ、準備はできたよ。」

「時間がない行くぞ。」

軍と治安警察がここの扉を開け押し寄せてくるとなればいつまでも廃棄場にいるわけにはいかない。そう判断したアキラとカレンは自分達のKMFに乗り込み第12ブロックの扉の向こうにある長い通路へと入っていった。

 

 

その頃治安警察と軍は流体サクラダイトの廃棄場の防護壁を残り1つのところまで破壊していた。

「いいか、敵を見つけても決して発泡するな。近くには流体サクラダイトがある。」

しばらくして安永と藤浪達も部隊と合流した。

「状況は?」

「はっ、あと少しで防護壁が破られます。」

「もうすぐで軍がこちらへやってくる。第12ブロックは誤魔化せるが中にある武器は軍には見せるな。」

「署長、北尾からの連絡で運搬路へ入ったようです。まだ流崎の姿は確認させてないようです。」

「奴のことだ。あの運搬路を使って逃げるはずだ。藤浪、北尾達に伝えろ。部隊が潜入を確認後通路を封鎖させて奴らを閉じ込めろ。」

 

 

 

アキラとカレンはKMFを走らせ出口まで向かった。

「!?」

前方からランドスピナーの回転音が聞こえてきた。

『敵!?』

よく見ると全身を白く染められたサザーランド数機が現れ中に槍のような武装をしたサザーランドがいた。

(奴らは!)

『突破する!』

「待て!」

カレンは紅蓮を発進させ突破しようとしたが相手の連携攻撃で足を止められ囲まれそうになったがアキラがライフルで牽制しながら紅蓮に背を向ける形で相手の出方を伺った。

 

『何、こいつ等?』

「奴らはただの警察のKMF部隊じゃない。こっちもフォーメーションを組んで戦うぞ。」

 

アキラが先頭に立ちライフルを発射しながら突っ込んでいきその後ろをカレンが続けて走っていった。

アキラが1機撃破し陣形が崩れ2機はそのまま走り去った。

「あいつらを相手にする暇はない。突っ切るぞ。」

 

「逃がすな。通路は封鎖している。追うんだ!」

治安警察の北尾も部下に命令を下しアキラ達を追跡した。

 

 

 

 

一方ダールトン達軍も事態を見守っていた。

「治安警察は地下で黒の騎士団と交戦に入ったようです。我々の第7、9部隊も廃棄場に到着し治安警察の部隊と合流します。」

「よし、残りの部隊も地下へ行くよう伝えろ。」

ダールトンがそう指示した直後部下の1人が駆け寄ってきた。

「ダールトン将軍、実は・・・・」

「高山がここに!? 何故?」

「それが・・・」

「たった2機のKMFを相手にだいぶ手こずっているようですな。」

高山は数名の部下を引き連れ軍の司令室に入ってきた。

「加勢に馳せ参じに参りました。」

「今頃になって貴様は! ふん、黒の騎士団は地下にいる。我々も合流しあと少ししたら決着はつく。」

 

「そのことですがこれより全軍の指揮を私に任せていただきたい。」

「なっ!? 貴公は何を言っているんだ? この作戦の指揮は私に全権が委ねられている。それは総督、副総督から任じられてここにいる。 貴公の身分で任せられるものではない!」

 

「私は皇帝陛下直々にこの作戦の指揮を命じられたのです。」

「!?」

高山の言葉にダールトンは耳を疑った。

「命令に背くことはダールトン将軍、あなたは皇帝陛下に背くことと同じなのですよ。」

「き、貴公は・・・・」

「ダールトン将軍、コーネリア総督から通信です。」

「・・・あぁ、わかった。」

 

 

個室に移り、通信のモニターに映ったコーネリアの顔はどこか憮然としており眉間にしわを寄せており不機嫌な状態だとダールトンは感じた。

「総督、実は・・・」

『高山の事だろ。 この男の言う通り奴に全権を譲れ。』

「!? な、何故です。今、黒の騎士団を地下で追い詰めています。もう間もなく事態は鎮圧に・・・」

『聞いたはずだろ。これは皇帝陛下が命じた辞令だ。高山は今、皇帝の代理としてお前のところにいる。奴の言っていることは皇帝の言葉として命令に従え。』

「し、しかし・・・」

『私も皇帝陛下から直接伝えられた。  ダールトン、今は堪えてくれ。』

コーネリアの表情から彼女も不本意な命令に苦々しく感じているのがわかった。

「・・・イエス・ユア・ハイネス・・・・」

 

 

司令室に戻ってきたダールトンに高山は涼しい顔をして尋ねた。

「ご理解できましたか?」

「・・・・全将官に伝える。これより軍の指揮権を高山 昌克大佐に譲る。全軍・・・高山大佐に従え。」

ダールトンは握り拳を力強り握った。

 

「・・・・了解しました。この高山、微力ながらこの混乱を収めてご覧に入れましょう。それでは今の状況を・・・」

 

 

 

アキラ達は治安警察の追撃から逃れながらも地下通路の出口を目指して進んでいた。

『アキラ、軍の奴らも合流したみたい。』

軍のサザーランドも警察のKMFと共に追撃していた。

「構うな! 下手に接近戦をしたら囲まれる。近づいて輻射波動は使うな。」

『そんなのわかってる!』

カレンは機体を後ろに向けながら輻射波動で銃弾を代防ぎ、左腕に密輸で使われるライフルを持ち、応戦しながら進んでいった。

その時治安警察の1機のKMFがカレンの紅蓮に槍を構えて突進をしてきた。

「こ、こいつ!」

敵の早い動きにカレンは後手にまわり敵の槍が紅蓮の胸部を狙い突こうとしカレンは右腕の輻射波動を構えたが僅かに遅れ槍が右腕に激突した。

「いい加減にしな!」

カレンは右腕の出力を上げ槍が膨張し爆発を起こし、敵が怯んだ隙にカレンはライフルで敵を撃破した。

『大丈夫か?』

「ちょっと右腕やられだけ。大丈夫。」

アキラは敵KMFの残骸からロケットランチャーを拾い通路の天井に向けて発射した。

天井から落ちてくる瓦礫で通路が塞がれ敵の動きが止まった隙にアキラとカレンは先へと進んだ。

進んだ先には通路が左右2つに別れていた。

「どこに行けば・・・」

『アキラ、ちょっと待って。』

カレンはある古びた標識に目が入った。

『日本軍物資運搬路品川⇔新宿・・・!』

カレンの言葉にアキラは右の通路にも古びた標識があることに気づいた。

「こっちは目黒に繋がっているのか。」

 

「じゃあ、アキラ。」

「シナガワに行くぞ。あそこには港が近くにある。ゼロ達と合流できるかもしれない。」

 

 

 

 

「シナガワに?」

高山の言葉をダールトンは聞き返した。

「この地下通路はメグロ、品川と別れており、補給を受けてもないこの2機の黒の騎士団は味方と合流できるシナガワへ行く可能性がある。」

 

「なら、急ぎ部隊をシナガワへ・・・」

「無理でしょう。今更行ったところで奴ら脱出してしまいます。そうなる前に既に手は打ってあります。」

 

 

 

「これは?」

アキラ達は進んだ先には分厚い扉で通路が塞がれていた。

『これくらい輻射波動で!』

カレンは紅蓮の右腕の輻射波動を扉にかざし出力を上げたが右腕の関節部から煙が出てきた。

「!? 待て止めろ!」

紅蓮の右腕から火花が飛び散り出力が下がっていった。

『嘘!?  さっきの槍で?』

「っく!」

『アキラ・・・・』

「一旦引き返そう。」

アキラ達はメグロのほうへと引き返そうとしたが背後からランドスピナーが回転音が聞こえてきた。

「奴ら、追いついてきたか。」

アキラとカレンは僅かにKMFを隠せる隙間に左右1機ずつに身を隠した。

「隙ができたら突っ込む。それまで応戦するんだ!」

 

 

 

 

「玉城、みんな頼んだぞ。」

「おう、任せとけって扇。」

玉城、南など旧扇グループのメンバーは小型艇に乗り込んだ。

 

「玉城達は10分後行動に移れ。カレン達は補給も受けていない。数で押されているはずだ。 例の通路に潜入後、迅速に行動するんだ。」

「わかったぜ、ゼロ。なぁに、カレンには陽炎の流崎が一緒にいるんだ。そう簡単にはくたばってないさ。」

 

玉城達を乗せた小型艇は潜水艦から出てシナガワ埠頭のほうへと向かった。

「我々も準備をする。各自作業へ。」

ゼロの指示で各員が作業を開始し扇も自分の持ち場へ戻ろうとした時右肩を強く握られた。

何事かと振り向くと自分の肩を掴んでるト部をはじめ四聖剣の4人が険しい表情でいた。

「扇さん、聞きたいことがあります。」

「!?」

 

 

 

 

「敵はシンジュクとシナガワの境目にて我らと交戦しております。」

軍の通信兵からの情報を聞き高山はある指示を出した。

「これからサクラダイト廃棄場を爆破させる。準備ができるまで奴らを足止めさせるんだ。」

高山の発言にダールトンは目を見開いた。

「貴公は正気か? あそこを爆破したらゲットーだけではない。シナガワ、メグロの方にも大きな被害が。」

 

「被害を最小限にするために地下のゲートを封鎖したのです。租界での被害を最小限に留めます。」

 

「し、しかし 地下にいる我らの部下・・それと安永たち治安警察が・・・・」

 

「彼らには奴らを始末するための人柱になっていただきます。 不満なら軍を撤退させても結構です。警察だけで足止めはできます。」

 

「なっ!?」

 

高山の目を見てダールトンは確信した。 この男は本気で地下にいる軍と警察を巻き添えにしてでも

黒の騎士団を殺すつもりなのだと。

 

「既に部隊を地下に派遣しております。もう間もなく準備を開始するはず部下を死なせたくなければ連絡を入れるのは今しかありません。」

 

「安永達はどうするつもりだ? あれは貴公らの仲間ではないのか!?」

 

「彼らの死で黒の騎士団の一角が始末できるのです。 得られるものからすれば小さい犠牲です。」

 

「ゼ、ゼロならともかく。たかが2人のテロリストを相手に何故そこまで。」

 

 

「たかが2人か・・・・(赤いKMFのパイロットはともかく流崎は・・・)。」

高山は小声でつぶやくと通信機に手を伸ばした。

「高山だ。安永、応答しろ。」

『高山大佐?何故軍の通信で?』

 

「今、この作戦の指揮は私が取ることとなった。指示にしたがってもらう。」

『りょ、了解。』

 

「今から私の部隊を援軍で送る。それまで黒の騎士団を足止めさせるんだ。」

「大佐の部隊が! 分かりました!」

 

高山は横にいるダールトンを見た。

ダールトンは部下に近づき小言で囁いた。

 

「安永、軍は別の任務を任せることにした。よって地下にいる軍は撤退する。それまで持ちこたえられろ。」

『はっ。』

「それと藤浪に例の部隊に負傷者がいるのなら誰か1人構わん。それと一緒にこちらへ連れて行くよう伝えろ。」

 

安永達との通信を終えると次は別のある部隊の通信をまわした。

「作戦開始だ。廃棄場に潜入後準備に取り掛かれ。」

 

通信を終えた高山はダールトンを見た。

「ご覧の通りです。おそらくここも爆発の影響を受けるでしょう。部隊を動かすのは今です。」

「・・・・・全部隊へ伝えるんだ。・・・全軍、シンジュクゲットーから撤退。これから送る座標に集結せよ。」

 

 

「爆破!?」

スザク達特派のほうにも撤退の指示が伝えられた。幸いここは租界の中で被害が出ることはないと思われるが万が一の為避難民を緊急病院へ避難させることにした。

 

なんか面白くなってきたと喜んでいるような顔をするロイドをセシルが叱責している横でスザクはランスロットのモニターに映る燃え広がるシンジュクゲットーを見ていた。

(事態が悪化してきている。一体どうなってしまうんだ・・・・)

 

「あのゲットーの地下を爆破!?そんな話聞いていません!!」

総督府にいたユーフェミアも驚愕した。

「ダールトン将軍ですか?それなら今すぐ作戦中止を・・・」

「それが・・・今、皇帝陛下の代理としてダールトン将軍に代わり高山 昌克大佐が作戦の指揮をあたっています。」

 

「あの方が!?・・それも皇帝陛下の代理・・・・・?」

 

 

 

アキラとカレンは治安警察と軍との銃撃戦を展開しながらあることに気がついた。

(軍が撤退していく?)

 

「アキラ、どうしたの?」

「軍がさがっている。」

「えっ!?・・・・・ホントだ。 なんで?」

 

 

 

 

廃棄場の前に陣を敷いてにいた軍も慌ただしく撤収をはじめていた。

 

「署長、高山大佐の部隊が到着しました。」

「おぉ、きたか。」

「X-1 以下8名。」

全身を黒く染めた装備で身を包んだ部隊8名がならんだ。

「たった8人か。」

 

「我々はここの警護を任せられました。あとからさらにKMF部隊の増援を送るとのことです。大佐からの指令です。治安警察は全部隊を挙げ流崎を始末せよとのことです。」

 

「うむ、わかった。私も前線にでる。」

 

「ではまず兵士の回収を。」

「うむ、藤浪。」

藤浪はタンカに乗った兵士を連れて出てきた。

「では署長私はこれで」

藤浪はトレーラーのコンテナから出て行った。

 

「よし、全部隊運搬通路に潜入し黒の騎士団を殲滅するんだ。」

藤浪達が準備している間X-1の部隊は廃棄場の1ブロックに入った。

中には2人の治安警察が警備していた。

「なんだ、お前達は?」

その瞬間瞬く間に背後を取られ首をナイフで切り裂かれた。

「なっ!?」

突然の事で気をとられたもう1人の治安警察も一瞬のうちに口を押さえられナイフで刺された。

 

「よし、ここに設置する。他のブロックも準備しろ。」

 

 

 

 

軍が撤退したおかげでアキラ達は敵を後退させていき先程の別れ道のほうまで差し掛かった。

(おかしい何故軍だけ撤退するんだ。)

アキラは無頼を降り放棄された軍のサザーランドのコックピットハッチに入り軍の無線を聞いた。

「っ!?」

無線の内容を聞きアキラは驚愕した。

『アキラ?』

「すぐにここから脱出する。奴らここを爆破するみたいだ。」

『そんな!? 治安警察がいるのに?』

「今はそれを考えている暇はない。早く逃げるぞ。」

 

 

「よし、敵も近くにいるはずだ。慎重に行動するんだ。」

玉城達の報告を聞きゼロ達は軍と警察の近況を確認しようと敵の無線を傍受しているとある会話に耳がいった。

 

『こちらB-1退避完了。』

『こちらF-3退避完了。』

『全部隊急ぎゲットーから退避せよ。』

 

 

退避。この指令にゼロ達は頭を傾げた。なぜ今になって退避するのか。

「他の部隊の無線も聞かせろ。」

通信兵に命じて他の部隊の無線も聞いた。

『なんでここに来て撤退を?』

『地下の流体サクラダイトの廃棄場を爆破するんだ。そんなことすればゲットーが壊滅してとんでもないことになるんだ。巻き込まれなかったら早く逃げるんだな。』

 

 

「「爆破!?」」

話を聞いたゼロ達は驚いた。

「治安警察のほうは?」

 

次に治安警察の無線を聞いた。

『軍が撤退しているが大丈夫なのか?』

『今作戦の指揮をとっている高山大佐からの援軍が来るそうだ。軍は地下を出て別の任務に就くそうだ。だから我々だけで奴らを始末するんだ。』

 

 

「高山だと!? 奴は治安警察を道連れにして2人を殺すつもりなのか?」

「藤堂、知っているのか?」

「高山は旧日本軍の人間だ。陽炎の創設者の井ノ本大佐の片腕と呼ばれた男。その男がこの作戦の指揮者だったとは・・・・」

 

「この様子だと治安警察は廃棄場を爆破することは知らされてないようだな。

まずいな。このままだと流崎、カレンが危ない。」

 

「玉城達も危ない。どうするゼロ?」

「・・・・カレン達を見捨てるわけには行かない。爆破まで時間はまだあるはず、玉城達は今どこに?」

 

 

「今、連絡してみる。それとゼロ・・・・彼、流崎の事だが・・・」

周囲を気にしながら扇はゼロにあることを告げた。

 

 

 

『こちらX-1。爆破準備を完了致しました。』

「安永達は?」

『治安警察は黒の騎士団を追って地下通路へと入っていきました。廃棄場にいた隊員達は自分達で。』

「ご苦労。爆破は20分後にセットしそこから脱出しろ。」

『了解。』

高山との通信を終えた隊員達の周りには体から血を流して倒れている治安警察達の死体が辺りに倒れていた。

『タイマーを20分にセット完了後、廃棄場から脱出しゲットーを出る。』

 

 

 

 

「おいおい、なんだこりゃ?」

坂口が教えてくれたルートで玉城達は地下通路へと入っていったが進んだ先には分厚い扉で道が塞がれていた。

 

「これじゃあ カレンのとこには・・・・」

「玉城、扇からの通信だ。」

南から通信機を渡された。

「扇か、もう少しってところなんだがよ・・・」

『何か問題でもあったのか?』

「それが・・・・」

玉城、今置かれている状況を説明した。

 

『玉城、ゼロからの指令だ。急いでそこから脱出するんだ。』

「はっ?何言ってんだよ。もうすぐでカレン達と・・」

『軍が地下の流体サクラダイトの廃棄場を爆破させる気だ。』

「はっ!? はぁ~~? な、なんだよそりゃあ。じゃあここだって。」

「そういう事だ。急がないとお前達も巻き込まれるぞ。」

「で、でもよ。カレンと流崎はどうするんだよ?」

『今、ゼロと協議しているお前達ははやくそこから出るんだ。』

「ちきしょう、了解。みんな戻るぞ。」

 

 

 

「紅蓮との通信は?」

その頃黒の騎士団の潜水艦の司令部は情報を収集し事態の変化を伺っていた。

「紅蓮からの連絡なし。」

先程から連絡をとってみているものの電波が荒く音声が聞き取れなかった。

(どうする?カレン達の安否は不明。今更軍のところへ忍び込むのは無謀だ。)

 

カレンと流崎の生存率は限りなく低い。

 

(無理・・・なのか。)

自分の目的の為に利用したとは言えこのような形で死なせたくはないとルルーシュは感じた。

 

 

 

『アキラ、どうする?』

物陰に隠れながらアキラとカレンは治安警察の追撃を迎撃していた。

「他の道はあるか?」

『他の道って・・・・』

カレンはモニターでここの周辺地図を表示させた。

『あった! ここなら・・・・あぁ!ダメここは。』

「どうした?」

『昔使われたトンネルを見つけたけどここ、もう閉鎖されててもしかしたら道が塞がれているかも。』

 

「他に道はない。そこへ行こう。どこか抜け道があるかもしれない。 どこから行ける?」

 

 

アキラとカレンは煙幕を張り、メグロのほうへと向かった。

途中、治安警察の追撃を逃れながらも通路の横側にあったKMFがギリギリ通れる小さい扉を見つけた。

扉を破壊し中に入ると先程までの通路とは違いKMFには狭いくらいの広さのトンネルで灯りもなくKMFから発せられるライトで前方が見えた。

 

 

 

「敵はメグロのほうへと向かった模様。」

報告を聞いた高山は時計に目をやった。

「時間まであと5分か・・・・」

 

シンジュクゲットーを出た本部隊は租界へと入り、租界は厳戒体制を敷いている為周囲は張り詰めた静けさであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『署長、黒の騎士団はメグロにある廃線となったトンネルに通じる通路に入りました。』

 

「ふふふ、勝ったな。あそこは道が塞がれている。もう逃げ場はない。」

 

 

 

 

 

 

「爆破まで1分切りました。各部隊周囲に気を付けよ!」

 

 

 

 

 

「軍は租界への撤退を完了したようだな。」

「ゼロ、どうする?」

 

(もう、ダメなのか・・・・)

 

 

 

 

 

トンネルの中を進んでいる時ドオォンっと大きな爆発音が聞こえその衝撃の揺れがKMFに乗っているのにもかかわらず体に伝わった。

 

「まさか・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

爆弾のタイマーが0になり廃棄場のブロックが次々と爆発を起こした。

 

「な、なんだ!?」

突然の爆発音と衝撃で安永は驚き後方を見ると爆発による炎がこちらへ襲ってきた。

「うおおぉぉぉ!!」

爆発により地上のゲットーでは陥没が発生し廃ビルの倒壊が各地で発生した。

「そんな。」

「私達の家が・・・」

自分達が住んでいた場所が倒壊していく姿をゲットーの住民達はただ見ているだけしかできなかった。

 

 

「急ぐぞ。」

暗いトンネルの中をアキラとカレンは進んでいった。

「!!」

『そんな!』

 

だが進んだ先は土砂で道が塞がれていた。

『もう・・・ダメなの・・・・・』

 

爆発の振動が大きくなりこちらも巻き込まれるのがわかった。

辺りが大きく揺れはじめ足場が崩れ出した。

『!?』

爆発の衝撃と大量の土砂でカレンの紅蓮の足場が崩れ爆発に巻き込まれた。

『あぁ!?』

 

紅蓮が巻き込まれるのをアキラから確認できた。アキラはカレンを見てアキラは大きな声で叫んだ。

 

「カレン!!!」

 

 

 

アキラ達がいた場所は爆発で崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

「こ、これは!?」

ユーフェミアがいた総督府からも爆発の揺れが発生した。

「租界の地下のほうでも被害が確認されました。」

 

「状況は?」

「はい。駅の周辺を中心に地盤の陥没が発生。その他各地にて同じ被害が。」

 

(流崎さん・・あなたも巻き込まれて・・・・・・申し訳ありません。 私が止められたら・・・)

 

 

 

 

爆発によるゲットーの惨状を高山は顔色変えることなくただ黙って見ているだけであった。

「高山・・・・」

「ダールトン将軍、地下へ軍を派遣してください。黒の騎士団の死体の確認をさせます。」

「死体? 何を言っている。この爆発で生きている訳がない。もちろん地下へ部隊を派遣し現場を確認するがその前に部隊をまとめなければならない。その後でもおそくはない。」

「なら我々だけでも行かせてもらう。」

「どうしたのだ? まさか生きているとでも?」

「死体を確認までは厳戒態勢を解かないように。」

高山が司令室を出ようとした時兵士の1人が叫んだ。

 

「シナガワにてKMFを発見! こ、これは・・・」

 

 

 

 

 

爆発による煙が発生し港にいた黒の騎士団のところにも確認された。

「・・・・・ゲットーはどうなっている。」

ゼロは爆発の影響を聞いた。

「シンジュクゲットーは地盤の陥没、ビルの崩壊でほぼ壊滅。恐らく租界の地下も被害が・・・」

 

 

「カレン・・・」

報告を聞き扇は項垂れるように椅子に座った。

 

 

「玉城達は無事か?」

「はい、爆発に巻きこれずに済んだ模様。」

「そうか・・・すぐに戻るよう伝えるんだ。」

 

 

 

ゼロは周りを見た。皆、仲間を救えなかった事で沈んだ顔をしていた。

「皆、カレンと流崎を救えなかったがいつまでも悲しんでいる時はない。死んだ2人の為にも我々は戦わなくてはならない。」

 

 

皆が沈んでいる中部下の1人が軍の通信を聞き声をあげた。

「? ゼロ、シナガワで敵KMFを発見したと軍の通信で」

部下の言葉にゼロは耳を疑った。

 

「モニターで写せるか?」

「街のカメラからなら。」

 

 

モニターに写し出された光景にゼロ=ルルーシュは驚愕した。

「!?」

 

 

 

 

「流崎・・・!」

赤いKMFとともに並んでいる無頼の姿に高山は右腕を強く握った。

「し、信じられん。 あの爆発から生還したとは・・・」

ダールトンも驚いた。爆発に巻き込まれながらも地上へと脱出し租界へと逃げられた。 まるで奇跡のようだった。

 

「すぐに部隊をシナガワへと向かわせるんだ。 私も出る。」

 

(流崎!・・・・貴様は・・・やはり危険だ。)

険しい顔で高山は右腕を強く握った。握った音は人の音とは思えない機械が擦りあったような奇妙な音であった。

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か?」

アキラはカレンに無事かどうか聞いた。

脱出したとはいえカレンの紅蓮の左脚が損傷していた。今自分の無頼でどうにか支えていた。

 

「おい、どうした?」

返事のないカレンにアキラは無頼から降り紅蓮のコックピットへと向かった。

「どうしたんだ、どこかケガをしたのか?」

コックピットを開けアキラは様子を見たがカレンはケガをしたようには見えなかった。

逆にカレンはこの状況で穏やかな表情をしていた。

「な、何だ?」

カレンの顔を見てアキラは困惑した。

「さっき、私の事カレンって言ったでしょ。」

 

「!? そ、それは・・・」

アキラはカレンの言葉で一瞬眼を逸らした。別にミレイから言われたから言った訳ではない。ただあの時爆発に巻き込まれていくカレンを見て思わず叫んだのが彼女の名前だった。

 

「嬉しかった。」

「え?」

「あなたから名前で呼ばれたこと。」

カレンの微笑を見てアキラは固まり動かなかった。まるで金縛りにでもあったかのように。

 

「そ、それよりどこもケガはしてないんだな。」

アキラは眼を逸らしながらも話を変えた。

「私は大丈夫。でも紅蓮のほうは・・・」

「俺が支えるから気にするな。」

 

アキラの無頼はカレンの紅蓮を支えながら歩いて行った。

『どこに?』

「港に行って黒の騎士団と合流する。連絡取れるか?」

『ダメ。あの時の爆発でやられた。』

左脚以外の箇所は無事に見える紅蓮だが輻射波動は使えず各部系統を支障をきたし満足に動けなかった。

アキラの無頼も各部損壊し味方とも連絡ができなかった。

 

シナガワ埠頭に来たときには朝日が昇ろうとし2人は朝を迎えるのだとわかった。

「どこかへ隠れよう。隠れる場所はいくらでもある。」

 

埠頭の倉庫が並んでいるところへ行こうとした時上空から眩い灯りが2人を照らした。

『軍?』

「見つかったか。」

 

 

 

『シナガワ埠頭にて黒の騎士団のKMFを発見、繰り返すシナガワ埠頭にて黒の騎士団のKMFを発見。』

 

「全部隊に告ぐ。敵をKMFを撃破せよ。パイロットは殺しても構わん。逃がすな。」

高山は各部隊に告げ、自分もKMFに乗る準備をした。

 

 

 

 

『アキラ、私を置いて逃げて。このままじゃ2人で捕まってしまう。』

「そんな冗談に付き合う気はない。 このまま逃げる。」

『アキラ・・・・』

アキラの無頼はカレンの紅蓮と一緒に逃げようとするが軍の車両トレーラーの音がし部隊がこちらへ近づいているのがわかった。

 

 

『敵KMF2機発見。』

「各機攻撃に移れ。」

各部隊が攻撃に移ろうとした時、部下からの通信が高山に届いた。

『大佐、海上から所属不明の小型艇がこちらへ接近。』

「何? まさか・・・」

 

 

 

「小型艇がこっちへ近づいている。」

『あれってまさか!』

「カレン!流崎!生きてるか!!」

玉城達の小型艇がアキラ達の所へやってきた。

『玉城!?』

 

 

 

「援軍だ。各部隊、攻撃!」

高山の指示で攻撃が開始された。

 

 

 

「っつうわぁ。お、おい、早く来てくれ。こっちは大した武器持ってねぇんだよ。」

 

辺りの水面に銃弾が飛び小型艇が大きく揺れた。

アキラはカレンの紅蓮を小型艇の中へ運んだ。

「玉城、だしてくれ!」

『言われなくても、はやくとんずらしねぇとな。』

 

小型艇は発進し沖へと離れていった。

 

 

周りが追跡準備をしている中高山はアキラが消えていった海を睨んでいた。

(流崎・・・・・貴様!)

高山は右腕の拳を強く握った。

 

 

 

 

 

「ふぅ どうなるかと思ったが、まさかお前達が無事だったなんてな。」

KMFを降りたアキラとカレンを出迎えたのは玉城、南、旧扇グループのメンバーだった。

 

「まさに奇跡ってやつだな。っで本当のところどうやって助かったんだ?」

 

「わからない。ただ気が付いたらさっきまでいた場所じゃなく別のところにいた。ちかくで陥没があってそこから出たら。」

「シナガワにいたってわけか。 悪運が強ぇえなお前。」

 

アキラの悪運に玉城は呆れた。

 

「お前の暴れっぷりには驚いたぜ。ゲットーは壊滅、租界は大パニックだ。 軍も相手にして俺達がきてなかったら殺されてたぜ。 お前に付き合ってたら命がいくつあって足りないぜ。」

 

 

「・・・おかげで助かった。・・・・・・ありがとう。」

 

「「え!?」」

アキラの言葉に全員が口を半開きになった。

 

「今、礼を言ったのか?」

 

「・・・・・・そうだ。」

 

アキラから出た予想外の台詞に一同はしばらく黙っていたが玉城が笑いだした。

「は、はは。何言ってんだよ。俺達仲間だろ。当然だよな。な、みんな。」

 

「あ、あぁそうだぞ。は、ははは。」

南や杉山達も釣られて笑い出した。

 

「じゃあゼロのところへ戻るか。」

 

 

 

皆が持ち場へ戻りアキラとカレンの2人だけになった。

「あいつらは何が面白かったんだ?」

「あなたからお礼を言われるなんて思ってもいなかったから。」

「そんなにおかしかったか?」

「ううん。そうじゃないけど。」

 

アキラは少し疲れたのか近くにあった椅子に腰をかけた。カレンも隣にならんで椅子に座った。

「なんか疲れちゃった。」

「そうだな。」

「これからどうなるんだろう・・・・」

「さぁな。あとはゼロに任せよう。」

 

波に揺れながら2人の間静かな時間が過ぎていった。それからしばらくしてアキラのほうから口を開いた。

「お前に言いたい事がある。」

「え?」

「あの時、助けに来てくれたことに礼を言いたい。 お前がいたから生きて帰れた。ありがとう・・・・・カレン。」

「アキラ・・・・・」

アキラの言葉に最初は驚いたがカレンはゆっくりと顔を微笑んだ。

 

 

 

 

港からでた黒の騎士団の潜水艦と合流し2人はゼロと対面した。

「ゼロ。」

「カレン、無事に帰ってこれてよかった。 それと流崎・・・・」

 

その時、千葉、朝比奈ら四聖剣が銃を持ってアキラに銃を向けた。

「!?」

「ゼ、ゼロ! これは・・・」

突然、銃を向けられたアキラそしてカレンは驚きの表情を浮かべた。

 

「日本解放戦線第13戦略特殊任務班 陽炎 流崎 アキラ! 君を拘束する!」

朝比奈の言葉にアキラは眼を顰めた。

 




1ヶ月以上も投稿が遅れ申し訳ありません。

行き詰まったのもありますがプライベートでも忙しかったので。
こうして遅れることも多々ありますが最後まで読んでいただけたら幸いです。
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