-同日 深夜-
アキラが連れて行かれたのはゲットーで今は使われていない古びた整備工場。半壊した無頼が置かれておりその中で一際目立っている2階建ての大型車輌があった。中はとても広くすぐに移動できる。
(どうやってこのようなものを)
「さて、話をしてもらおうか」
ゼロはソファーに座った。
「君は一体何の目的であそこに?」
「・・・・・」
初対面のゼロ、黒の騎士団を簡単に信用できるはずがなく、アキラは事実を伝えるのを躊躇った。
(なんだ?この男は)
一方ゼロ=ルルーシュも初対面のアキラを見て彼が自分達を警戒しているのがわかった。
(殺気が身体を覆っているようだ。下手なマネをしたら危険だ。ここはギアスをつかうべきか)
ある魔女から手に入れたこの絶対遵守の力、ギアス。この力を使えばこの男から話を聞くことができる。ルルーシュは立ち上がり団員に後ろを向き顔を見せないようにした。
「どうしても無理かね。」
ルルーシュはギアスを発動させようと仮面の左目部分を開けようとした時
「てめぇ!いつまで黙ってるんだ。何かしゃべろよ!」
玉城が2人の間に割って入ってきた。
(ちっ、邪魔をするな)
「玉城そう怒鳴り散らすな。」
「けど扇、コイツ俺を助けてくれたけどよ、日本人なのかも分からないんだぜ。やっぱり怪しいぜ」
「まぁ、それもそうだな。君名前は?見たところまだ子供みたいだが」
名前くらいは教えても問題ないだろうと思いアキラは口を開いた。
「流崎 アキラ・・日本人・・・・17だ。」
「え?じゃあ私と同じ歳なんだ。」
カレンは自分と同じ歳だと知り興味を持ったのかアキラに寄ってきた。
「どこの生まれ?、学校通ってるの?」カレンは次々に質問をしてきた。
(何だ?この女は)
話かけてくるカレンにアキラは鬱陶しく思った。
「カレン、彼も困っている」
ゼロがカレンの肩に手を置き後ろにさげた。
「話を戻すが君はもしやどこかのレジスタンス組織のスパイとして治安警察に潜り込んだのではないのか?治安警察ならば仲間を撃ち殺すことはしないはずだ。」
事実とは違うが余計なことは言わない方がいいと思いその話に乗った。
「まぁ、そんなところだ。」
「どこの組織だ?」
「もうブリタニア軍に潰されて俺だけになった。」
「復讐ということか」
-復讐-確かにその言葉があっているのかもしれない。俺の運命を狂わせたあのなぞの作戦の真実をしるために奴らと会ったのだからな。
「よかったら、我々の仲間にならないか?」
「何?」
「ゼロ、大丈夫なのか?」
「心配ない扇、まだ少し怪しいがスパイの可能性は低い。それに彼は日本人だ。」
(それに見たところこの男は扇達と違い何か特殊な訓練を受けていたのかもしれない。今戦力として使えるのはカレンだけだ。コイツを利用する手はない。いざという時はギアスを使って白状させることもできる。)
「しかし・・・」
「仮面をつけて顔を隠している私より信用できると思うが」
「ゼ、ゼロ・・」
扇はゼロの冗談に驚いた。
「ゼロ、それ自分で言うのかよ。」
玉城は呆れた。
「どうだ?流崎 アキラ」
ゼロは手を差し伸べた。
アキラはゼロの手を見て考えた。今の俺には武器どころか奴らの情報がほとんどない。ならこの黒の騎士団の力を利用して奴らを追うのもまた手だとアキラは思った。
「わかった。だが黒の騎士団には入らない。」
「何?」
「だが用心棒としてならいい」
(団員にならずに用心棒?この男何を考えている)
「わかった。なら何か報酬が欲しいのかな?」
アキラは車両の窓からあるものを見ていた。
「あれを譲って欲しい」
「何?」
それは右脚部が損壊した無頼であった。
「あれって確かこの前玉城が作戦中、敵にやられて壊れた無頼だよね。」
「カレン、嫌なこと思い出させるんじゃねぇよ。」
「あれでいいのか?」
「あぁ修理をする。」
「わざわざ修理しなくても私が用意する。」
「構わん。道具があればできるはずだ。」
(い、一体なんなんだ。この男は?)
ルルーシュはますますアキラのことが怪しく見えた。
アキラは無頼を見に外へ出た。
「アイツ、今からやる気かよ。」
「ゼロ、彼をこのままやらせていいのか?」
「うむ...(治安警察や軍に俺達のことを売るようには見えないが・・)」
「ゼロ」
カレンがルルーシュに声を掛けた。
「私が彼を監視します。」
「しかしカレン、お前明日学校があるだろ」
「大丈夫です扇さん。制服は鞄の中にあるので明日このまま学校に行きます。」
「わかったカレン。彼のことを頼む。」
「はい」
「俺も一緒にいるぜ。何かあったら大変だからな。」
「玉城は逆にやられるんじゃないの」
「なんだと、カレン!」
周りが笑いに包まれた。
あれからしばらくして黒の騎士団は解散し、アキラの近くにはカレンと玉城だけとなった。
(右脚部は直せそうだが左脚部のランドスピナーのコンプレッサーもダメになってる。これは少し手間がかかるな。)
アキラは整備工場にあった工具を集め、先に左の方を先に修理を始めた。
「ねぇ、あんた」
作業中のアキラにカレンが声を掛けてきた。
「あんた修理できるってことはKMF乗れるの?どこの組織にいたの?」
アキラはカレンの質問を無視し作業を続けた。
「ねぇ、ちょっと」
「おい!人の話を聞いてるのか?」
玉城が怒鳴りながら近寄ってきた。
アキラはそんな声も無視して作業を続けた。
「コイツちょっとここおかしいのじゃねぇのか?」
玉城は自分の頭を指差した。
「ちょっと玉城」
さっきのことが聞こえたのかカレンはアキラの方を見たが彼は何事もなく作業を続けていた。
「へっ、なんだよあいつ」
玉城は車両の中へ入っていった。
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それから周りはアキラの作業の音だけが響いていた。
玉城はあれから酒を飲み始め酔いつぶれて眠ってしまった。
(私と同じ歳なのになんか向こうの方が大人っぽいな)
カレンはアキラの作業している姿を見ながら彼は自分達と同じ年代なのに雰囲気が周りと違うような気がした。
(それに手馴れた作業、やっぱりどこか日本の組織にいたのかな?それなら一体どんな理由で戦っているんだろう)
ふとカレンは時計を見るともうすぐ3時になろうとしていた。
「ねぇ、もう休んだら」
カレンに声を掛けられアキラは振り返った。自分の声に初めて応えてカレンは驚いた。初めて目があったがアキラはすぐにまた手を動きはじめた。
(え?まだ続ける気なの。私学校があるのに)
すると自分の瞼が重くなりはじめた。
(ダメダメ私が寝てしまったら彼1人になってしまう。起きないと)
だが目がだんだん虚ろになってきた。
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(もう少しの所か)
コンプレッサーの修理が一段落しアキラは手を止めた。
気がつけば最初は騒がしかったのだが今は静かになっていた。あの2人が座っていた椅子を見ると女が机に突っ伏して寝ていた。一緒にいた男はどこにもいなかった。
アキラはカレンに近づき彼女の寝顔を見た。
(そういえば、彼女は俺と同じ歳だとか言ってたな。)
陽炎に入って俺と同じ歳、同世代は1人もいなかった。もちろん、そういう子達と遊んだ記憶もない。
(俺と同じ歳でブリタニアと戦っている。何か理由があるのか?)
陽炎、日本開放戦線には俺のような少年兵はいなかった。他の組織にはいたが大体両親を殺したブリタニアに復讐や、孤児で引き取られて自分みたいにそのまま兵士になったり訳ありがほとんどだ。
(彼女もブリタニアを憎んで戦っているのか?)
女でありながらKMFを駆って戦ってる。彼女を戦いに駆り立てる理由はなんだ?
(俺が他人に興味持つなんてな。)
こうして他人と一緒にいるのが久しぶりのためかそう考えていたら冷たい風がふいた。
(今夜は冷えるな。)
「ウ~ン? ハッ!しまった。寝てしまった。」
カレンは体を起こすと外は既に日が差していた。
「あいつは?」
隣を見るとアキラが机に足をのせて寝ていた。
(よかった、ちゃんといる。あっ!)
カレンは時計を見るともうすぐ8時になろうとしていた。
「ヤバッ!早く行かないと遅刻しちゃう。」
椅子から立ち上がったがその時自分の肩に毛布がかかっているのに気がついた。
(一体誰が?玉城なわけないか。じゃあもしかして)
カレンはアキラのほうを見た。
(まさか・・・)
「あっ!、じゃない。早く行かないと」
カレンは着替えをしに車両の中へ入っていった。
「玉城起きな。私、学校行かないといけないからあとよろしくね。」
「あぁ~・・わかったよ。」
玉城は缶ビールを辺りに散乱して横になっていた。
本当に大丈夫なのかカレンは不安だったが急いで学校に向かって走り去って行った。
(騒がしいな。)
俺はあの女の大きな声で目が覚めた。女は学校のだろうか制服に着替えてどこかへ行った。
(続きをはじめるか)
今日も物言わぬ鉄の人形を相手にするのであった。
少しコアですが自分がボトムズで好きなシーンがATの整備するシーンです。ですから今回そういうシーンを入れてみました。