コードギアス~陽炎たる影~   作:三戦立ち

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第5話

ーアッシュフォード学園 生徒会室ー

「ふあぁぁ~」

「カレンまた欠伸してる。寝てないの?」

同じ生徒会メンバーのシャーリー・フェネットがどうしたのか顔をのぞかせた。

「う、うん。ちょっと勉強してあまり寝てないの。」

「ダメじゃない。夜更しは体に毒よ。」

生徒会会長のミレイ・アッシュフォードも話に入ってきた。

「あはは、会長、大丈夫です。あまり無理しないようにしてますので。」

(黒の騎士団の活動で連日の夜遅いし今回あの男の監視、ホント体壊しそう。)

「黒の騎士団がまたやったよ。」

リヴァル・カルデモンドがネットのニュースを見ていた。

「治安警察が人身売買をやってたってよ。ホントなのかねぇ」

「でも、最近治安警察ってなんか怖い感じだよね。」

「シャーリー、何かあったの?」

「いや、会長租界でお店を出しているイレブンに暴力振るったり、最近はブリタニア人にも何かあったら暴力を振るったりしてるって聞いてるんです。」

「そういうのってスザク君がよく知ってるんじゃない」

ミレイは勉強をしていた枢木スザクに声を掛けた。

「会長、僕は軍人なので治安警察とは関係ありません。」

「あ、そうなんだ。」

(確かに治安警察の行動には行き過ぎなところがある。なのに)

スザクも最近の治安警察には疑問を持っていた。そのことを特派の主任ロイド・アスプルンドに話したが「それが軍も治安警察のことはほっとけって言われてるんだよね~」と言われた。

(僕ら軍が手を出してはいけないなんてどういうことなんだ?治安警察には何があるんだ?)

その時「スザク」と隣にいた。ルルーシュが自分の名前を呼んだ。

「そこの問題間違えてるぞ。」

「え?あぁそこか。すごいね。さっき本読んでいたのに」

「たまたま目に入っただけさ。」

ルルーシュはまた本を取ったが自分の鞄に入れていた携帯が震えているのに気づいた。

「悪い、ちょっと電話だ。」

ルルーシュは教室を出た。

5分後

ルルーシュは戻ってきた。

「何かあったの?」

「ナナリーからの電話で生徒会の用事が終わったら来てくれってさ」

(くそ!油断した。まさかあいつが)

その直後今度はカレンの携帯が鳴った。

「すみません。ちょっと外します。」

外に出たカレンは周りに誰もいないことを確認し、電話の相手扇と話はじめた。

「扇さん、何かあったのですか?」

『カレンやられたよ。昨日のあいつがいなくなった。』

「え?玉城がみてたんじゃないんですか?」

『玉城の奴寝てたんだよ。あいつの酒飲んでたみたいで』

「あの馬鹿また寝てしまったんだ。」

『逃げただけならいいがお前の無頼が』

「無頼がどうかしたのですか?」

『バラされてるんだよ。腕のほうだけな。』

「え!そんな」

『ゼロにはもう俺から連絡した。お前も来い』

「わかりました。」

カレンは急いで教室に戻った。

「会長すみません。ちょっと用事ができたのでこれで」

「え、えぇいいわよ。」ミレイはカレンの慌てぶりに少し驚いた。

「では失礼します。」

身支度を済ましたカレンはまたすぐに教室を出た。

「どうしたのかな?カレン」

スザクも普段のカレンにしてはキビキビした動きに不思議そうに見た。

「さぁな」

ルルーシュは変わらず本を読んでいた。

(やはり、あの時ギアスを使うべきだった。)

 

ー黒の騎士団 アジトー

「扇さん!」

カレンがやってきた。

「カレン、見てくれこれを」

カレンが見たのは赤く染めた自分の無頼の左腕がなくなった姿であった。隣にはアキラが深夜修理していた無頼が並んでいた。損壊していた右脚が修理されてすぐにも動けるようになったようだ。

「わ、悪いカレン。俺が寝てしまって」玉城も申し訳なく思い頭を下げた。

「キョウトからの支援が来るのはまだ先なのに、こんなことに」

黒の騎士団を支援している組織キョウト。そのキョウトから無頼数機、そして純日本製のKMF1機の物資が送られてくるのはまだしばらく時間がかかる。それまではカレンの無頼が頼りであったのにこれでは戦えない。扇は頭を抱えた。

「それで奴は?」

「今、全力で探している。まだそんなに離れてないはずだ。」

「わかりました。私も探します。」

  

 

 

 

(どこにいるのあいつは)

カレンはゲットーの廃墟の周りを探していた。ゲットーの人間にも聞いてがそんな人は見ていないという。カレンは別の場所に移し探した。周りはサザーランドの残骸数機が残されていた。シンジュク事変で破壊されたモノだろう。そんなことを思い出し探しているとそのサザーランドの1つから何か物音が聞こえた。カレンは身を隠し様子を見ると倒れたサザーランドの陰から1人の男が出てきた。

(あいつは!)

そう流崎 アキラであった。

「止まれ!」

カレンは銃をアキラに向けた。アキラは振り向きその手を止めた。

「あんた、ここで何してたの?」

「・・・・」カレンの問いにアキラは黙ったままだった。

「あんたが逃げたって私達が探し回ってたんだよ。」

「逃げた?」

「そう、私の無頼をバラバラにして」

「俺は逃げた憶えはない」

アキラはカレンに背中を向け再びサザーランドの残骸を触り始めた。

「動かないで!」

アキラはカレンの言葉を無視し作業を続けてた。

(もう、なんなのこいつ)

カレンはアキラの態度にイラつきはじめた。

「さっきから何してるの!」

カレンはアキラに近づき何をしているのか見た。カレンが見たのはバラバラにされたサザーランドの左腕であった。

「あんた、何してるの?」

何度も質問してくるのでいい加減うるさく思いアキラは答えた。

「使えそうなパーツを探していたんだ。」

「パーツ?」

「お前の無頼の左腕の動きが鈍い。パーツを交換しないとやがて動けなくなる。」

「私のも修理しようとしたの?」

アキラは無視し作業を続けた。

「その・・ありがとう。(なんだ、いいとこあるじゃん)」

アキラは礼を言われることはしていないと思っている。

目的の無頼の修理が終わり一息つこうとした時たまたま彼女の無頼が目に入ったのだ。左腕の方をよく見ると関節部分に何か違和感を感じたのだ。試しに彼女の無頼を動かしてみた。

(左腕の関節部分の動きが鈍い)

まだ動かせるがこれをほっとくといずれ動けなくなる。KMFは常に万全の状態でいなければいけない。もし整備不良のまま出撃すれば戦闘中に故障、最悪命を落とす危険がある。

アキラは別にほっといてもよかったのだが故障部分があるのを気づいてそのままにしておいて彼女が出撃してもし死んだらどこか忍びなかった。それでアキラは使えるパーツはないか廃墟を散策していたのだ。

しばらくして扇から電話がありカレンは携帯をとった。

『カレン、あいつは見つけたか?』

「扇さん、いました。けど彼は逃げたわけじゃありません。」

『何?どういうことだ?』

カレンはアキラがいなくなった訳を話した。

『そうか、それでお前のKMFをバラしたのか』

「はい、だからもう大丈夫です。」

『わかった。だが今すぐ流崎と一緒に戻って皆に訳を話してくれ。』

カレンは携帯を切った。

「流崎、みんなのところに戻ろう。まだ誤解してる人もいるから」

「まだ、修理は終わってない。お前が説明してくれ」

「別に明日でもいいから。早く」

カレンはアキラの腕を引っ張った。アキラも仕方なく今日はここまでにしようと手を止めた。

2人並んで歩いてカレンはアキラの横顔を見た。

(悪い奴じゃなさそうだけど、どこか無愛想だし無口だから何考えているかわからないなぁ)

カレンの視線が気になったのかアキラはカレンの顔を見た。

「どうした?」

「い、いやなんでもない。」

カレンは慌てて顔を別の方向へ向けた。

「ね、ねぇ聞きたいことがあるんだけど」

「またか」アキラは呆れたようにつぶやいた。

「あんたが答えないからでしょ。」

「っでなんだ?」

「ねぇあんたいつからブリタニアと戦ってるの?」

「なぜ答えないといけなんだ。」

「またそういう態度。だからみんなに疑われるのよ。」

カレンはこの態度でかなり誤解される人だと思った。

「あなたも日本開放の為に戦ってるんでしょ?」

日本開放の為この言葉がアキラの耳に響いた。

-我々『陽炎』は日本開放の為、命を捧げて戦うのだ!-

陽炎にいた時日本開放を何度も聞かされた。しかしその陽炎は日本を裏切って姿を消した。

そうあの言葉は嘘だったのだ。今のアキラには日本の為の戦いなどなんの意味はないのだ。

「そんなのもう忘れたな」

「え?」カレンはアキラの言葉に足を止めた。

「忘れたって、あんた今までブリタニアと戦ってたんでしょ?」

「あぁ」

「なら、日本の為に・・・」

「今の俺には日本がどうなろうが知ったことではない。」

「なんだって!」

カレンはアキラの胸倉を掴んだ。

「どうでもよくはないだろ!ここの人達を見たらわかるでしょ!ブリタニアが日本を攻めなかったらこんなことにはならなかった。私の・・・私のお兄ちゃんも・・」

少し涙目になったカレンの目を見てアキラは思った。この女は純粋に日本の開放の為に戦っているのだと。女でありながら銃やKMFを駆って戦ってる。この女が今言った兄はおそらく・・・

「だから、私は戦う!お兄ちゃんの仇を取るため。そして日本を元に戻すために。なのに・・あんたは!」

「俺はそれを信じて5年戦った。」

「え?5年」

「だが何も変わらなかった。」

自分と同じ歳でありながら5年も戦ってる。自分がまだ扇達と戦う前から彼は銃を持って戦っている。だが何故そんな歳から戦っているのかカレンは気になった。

「あんた・・・」

その時、大きな爆発音が聞こえた。

「え!何?」

地面が揺れ、2人はしゃがんだ。

廃墟の向こう少し広い通りの方で爆発の黒い煙が立ち昇った。2人は近くに寄ってみた。

2機のグラスゴーが3機の治安警察のナイトポリスと戦闘を繰り広げていた。

「あのグラスゴーは味方か?」

「今、黒の騎士団にグラスゴーはない。おそらく別の反抗組織でしょうね。でも」

「押されているな。」

数に劣る2機のグラスゴーは徐々に追い詰められていった。ナイトポリスも一気に仕留めようと2機を包囲した。

戦闘に巻き込まれた住民が逃げ出した。

『必ず仕留めろ。ゲットーの住民を巻き込んでも構わん』

治安警察はグラスゴーだけではなくゲットーの住民にも銃を向けた。

「ぎゃぁぁあ!」住民の断末魔が響いた。

「そんな!なんで?」カレンは目の前の惨劇に真っ青になった。

「俺達も巻き込まれる。逃げるぞ。」

アキラはカレンの手を引っ張り走り出した。

だが包囲から逃げようとしたグラスゴー脚部を撃たれそのままこちらへ倒れ込んでいった。

アキラは咄嗟にカレンを抱きかかえて右へ避けた。

「大丈夫か?」

「え、えぇありがとう。」

振り返るとグラスゴーが横転したした衝撃でコックピットが開いていた。操縦していたパイロットは慌ててコックピットから出て逃げ出した。

アキラとカレンは横転したグラスゴーに駆け寄った。よく見ると損傷した右脚部以外は動けそうだった。

「まだ動けるな。」

「動けるってどうする気?」

「こいつを使う。このままでは死んでしまう。」

「でも、っつきゃあ!」

アキラはカレンを乗せたままコックピットを閉めて機体を立ち上がらせた。。

(右脚がうまく曲がらないか、だがやるしかない)

ナイトポリスはこちらに気づき近づいてきた。アキラは転がっていたライフルを取りナイトポリスに背を向け廃ビルの後ろへ逃げた。ナイトポリスは廃ビルに向けてライフルを放った。ナイトポリスはグラスゴーを仕留めたか確認をしにビルの後ろへ行ったがそこにはグラスゴーはいなかった。周囲を見たがグラスゴーはいなかったがその直後上から銃弾の雨が降り注いた。アキラはスラッシュハーケンでビルの上階に突き刺し機体を上へ移動されたのだ。ナイトポリスを1機撃破したアキラは下に降り、残り2機を探した。

「何だ?今の爆発は」

『隊長、グラスゴー1機こちらへ向かってきます。』

治安警察はグラスゴーがくるのを確認した。

「まだ、生きていたのか撃て。」

アキラはナイトポリスからの銃撃をランドスピナーを使い右へ左へと避けていった。

「こいつ」

ナイトポリス1機がスタントンファを構えてこちらへ来た。

アキラはナイトポリスのランドスピナーを狙い、脚部を撃った。脚部を撃たれ転倒した隙にアキラはライフルで攻撃した。転倒したナイトポリスはただの的になり爆発をおこした。

(すごい、動きといい的確な射撃。ただの人じゃない。)

カレンはアキラの操縦を横で見てただの反抗組織にいた人間ではないと思った。

(私でもあそこまで的確な射撃はできない。もしかして元軍人?でもこの歳で?)

残り1機のナイトポリスもこちらへ近づいてきた。

アキラは次のアクションを起こそうとしたがグラスゴーの右脚部から煙がでてきて右脚がうまく動けなくなった。

(こんな時に)

「動けないようだな。」

ナイトポリスはスタントンファで止めを刺そうと接近してきた。アキラはライフルを持っている右腕を差し出した。右腕はスタントンファによって破損した。しかしアキラはすぐに左脚のランドスピナーで相手の背後に周り相手に密着し近くの廃ビルに向かい走り出した。廃ビルにぶつかったナイトポリスは瓦礫で身動きできなくなった。アキラはその隙にスタントンファを取り出し目の前にある相手のコックピットに向けて突き刺した。コックピットは潰れてナイトポリスは動かなくなった。

「・・・・」

一連の動きを見てカレンは彼は特殊な訓練を受けた軍人ではないかと思った。

「あんた・・一体・・・」

「日本開放戦線。」

「え?」

「俺がいた組織だ。」

「日本開放戦線・・・」

エリア11最大の反ブリタニア勢力。カレンもよく知っていた。

「帰るぞ。」アキラはグラスゴーを起こしこの場を立ち去った。

 

 

 

 

「なるほど、日本開放戦線か」

「はい、彼から喋ったので間違いありません。」

カレンはあれからアジトに戻りゼロに先程の事の顛末を伝えた。一方アキラは先程使ったグラスゴーを持ち帰りカレンの無頼の修理のパーツにしようと整備を行っていた。

「KMFを器用に操縦できました。彼はかなり戦力になります。」

「君が言うのだ。そうとう腕が立つのだろう。しかし何故彼は日本開放戦線を抜けているのだ?」

「はい、それを聞いても彼は無視をして」

「そこは相変わらずだな。わかったこちらで調べみよう。」

「はい」

カレンは外で整備をしているアキラの姿を見た。戦っている姿を横で見て何故5年も戦っているのかその5年の間彼になにがあったのかカレンはそれを聞きたかったがおそらく答えてくれないだろうと彼の背中が物語っていた。

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