普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

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望まれて生まれてきた命

「今日の僕はいつもより仕事が早く終わりそうなんだけど多分美鈴の方が早く家に帰り着くと思う」

「あら、そう。じゃあ帰ってくるの待ってるね」

 大学を卒業してから私は直人さんと同棲を始めた、最初に彼と会ったのはほんの偶然が重なったできごとだったけれど、私たちは日に日に一緒に過ごす時間が増えてきた。

 

 話してみると彼はとても面白くて私はすぐに波長が合っていると感じた。研究に没頭している私のをいつも気にかけてくれていた。

 そんな彼の温かさにすっかりと甘えてしまう。人柄も含めて直人さんに惹かれていた。

 この人とならきっと素敵な家庭を築く事ができるかも。と未来に対して淡い期待感を募らせる。

 家事がにがてなわけではないのだけれど、家にいた時は殆どやらなかった、直人さんと同棲を始めてからは少しずつだけど身の回りのことをやるように変わっていった。

 もう少し広いところに引っ越しをしないと考えてるの。これから先彼と一緒に暮らすのだから二人がゆっくりと落ち着ける空間は大事だと思う。

 

 大学生の頃からお付き合いを始めた私たちは次第に結婚を考えるようになった──お互いの将来の事を話して、いつの時期に結婚をするのか慎重に話し合って決める。

 

 私は彼のご両親へ挨拶を済ませて私達は周囲に結婚の話を伝える、直人さんのご両親はとても素敵なひとで訪ねてきた私に親切にしてくれた。

 彼はあの家で両親に大切に育てられたのだと思う。

 

 私の家族も似たような感じだから、苦労することはなかった。孫の顔が見たいと言うお父さんたちに私も将来生まれてくるだろう私たちの子どもについて色々な思いが浮かんでくる。

 

 私と直人さんの子どもなんだからきっと可愛いと思う。人口が少なくなってきている今の世の中で自然妊娠で子どもを作るって言うのは案外リスクがあるものなの。

 

 私が大学生になった頃くらいかしら? 政府は人口的な妊娠を推奨し、多くの女性が自分の卵子を提供するようになった。

 男性の数は減少している中で子孫を残せる優れたDNAを持っている人は限られてくる。自然妊娠が難しい世の中に変わりつつある。

 それでも私は自分のお腹を痛めて子どもを産む事を選んだ。産婦人科の先生にもちゃんと生まれるかはわからないと言う事を言われて不安になる。

 

 直人さんの遺伝子に問題はなかった……。私たち二人とも生殖活動に関しては特に大きな障害は無いという結果になったのだけど、子どもができるのかは天命を待つしかない。

 

 例え子供が生まれなくても彼は私と共に人生を歩んでくれる約束をしてくれた。涙を流して喜んだ、きっと直人さんの遺伝子を受け継ぐ子どもを授かりたい。

 幸せに包まれながら私たちは夫婦としての生活を過ごした。

 

 そして私たちの間に一人の男の子が生まれる──名前は勇人。直人さんの人の文字から貰って名前をつけた。

 元気な男の子に私達は喜びを隠しきれない、初めて授かったたった一つの命を抱きながらこの子の将来が明るいものでありますようにと願う。

 

 勇人は好奇心を秘めた瞳で両親の顔を見つめている。この子だけは何があっても守っていこうと彼と誓って私達はほんのささやかな幸せの時間を送る。

 勇人が生まれてから直人さんはより一層仕事に打ち込むようになってきた、帰りが遅くなっても必ず帰宅して私や勇人の寝顔を見てから眠りにつく。

 

 私は仕事の量を減らして育児をしながら毎日慌ただしい日々を過ごしていた、そんなある日のこと──

 

「今度から少しだけ日本を離れることになったんだ」

「えっ……? それってどういうこと」

「仕事だよ。今やっているプロジェクトの主任を任されてね、安定するまで海外で働くことになりそうだ。だから、美鈴には苦労かけるかも知れない」

 申し訳なさそうにいう直人さんは、望むなら私も一緒に暮らせるように掛け合ってくれると言ってくれた。

 

 けれど、私は海外に行くつもりは無かったし、何よりも今の職場を離れるなんて選択をしたくない。

 話し合いの結果、直人さんだけが海外で働いて私は日本に残ることになった。

 

 彼が日本を離れてから勇人と二人きりで暮らすことになる──だけど、初めて子育てをする私には小さな障害が常に付き纏う。

 あの子の為を思いながら毎日遅くまで仕事をするようになったのだけど、その代償にほとんど家に帰ることはなく。

 身の回りの事はお手伝いさんに任せっきりになる、たまに家に帰っても自分の部屋から出てこない勇人との親子関係は冷め切っている。

 

 あの子が何を考えているのかもしらない、子どものことを第一にと考えて行動していたけれど、結局は自分の事しか頭になかった。

 

 そんな私達親子は会話すらままならない日々を過ごしていた。勇人の進路の件で学校から連絡があったけど仕事が忙しくてそれどころじゃなかった。

 仕事が落ち着けば昔みたいにまたあの子と過ごせる時間が増える、そう自分に言い聞かせながら辛い日々を何とか乗り越える。

 直人さんが戻ってくるまでの間、私は勇人を守らなくちゃいけない。

 あの子が私達夫婦の間に望まれてきた命なのだから──何があってもあの子だけは。

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