普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

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27.「私の視線の先に映るもの」

 *Someone's point of view*

 

 学園に入学してから数日経ったんだけど私はまだクラスに仲のいい友達ができず殆ど一人の時間を過ごしていた。

 中学の時に遭ったクラスメートからの裏切りは今でも私の心の中に治りの遅い傷を刻み付けた。

 

 恋麗女子学園はお嬢様たちが通う有名な学園で正直私がここに通っているのはかなり場違いな気がした。

 それでも自分で選んだ学校なんだからしっかりと勉強して卒業しなくちゃ。

 将来のことなんて今は考える余裕は無いけどこれから「夢」を見つけることができたらいいなぁ。

 

 学校から生徒たちに重要なことを伝えるみたいで全校集会が行われている会場に私たちのクラスも向かうことになった。

 

 地味な私とは違って優雅で可憐な女の子たちが多くいる、本当に女子高なんだぁって感じがする。

 クラスの中では地味目な子とお嬢様たちとでグループが分かれていた、私はどちらの派閥にも所属しないで自分のやりたいようにしていた。

 

 中にはそういう私の態度を気によく思っていないひともいるみたい……。人付き合いって難しいと改めて感じる。

 

 全校集会の中で神崎理事長の言葉に会場にいる全女子生徒が疑問を持ったと思う。

 

 その内容はというと学園でとあるプロジェクトを進めるということだった、それだけなら誰も驚かない気もするんだけど、プロジェクトの説明を受けてびっくりした。

 

 女子ばかりの学園に通う唯一の男子生徒──彼が卒業するまでの間にこの学園の女の子を結婚相手に選ぶというものだった。

 

 もちろん有名な家柄出身のお嬢様たちは納得がいかない様子で理事長へ抗議する。

 だけど、理事長はそんな彼女たちの言葉を一蹴するとプロジェクトの意味を話し始めた。

 

 学園に通う全ての女子にチャンスがあると同時に例え優れた家系に生まれたとしてもこの学園にいる間はそんなことは何の意味も無くなる。

 

 逆に彼に選んで貰えたら将来は約束され、優雅な暮らしをすることもできるらしい。

 

 理事長の言葉に納得できない表情を見せる子もいればそれとは逆に目を輝かせている子もいた。

 

 地味だからクラスの中心的存在にはなれずイジメや仲間外れの対象になっていた女の子たちだっていると思う。だけど、たった一つのチャンスを掴みさえすれば今までの立場を変えることができる。

 

 全校集会から教室に戻ると話題はその話で持ち切りだった。

 Aクラスにいるという男子生徒に女子たちは興味津々、だけどやっぱり男子が女子高に通っていることを疎ましく考えている子もいるみたい。

 

 私は【小鳥遊君】とは小学生の頃からの同級生だということは周りには内緒にしておいた。

 だって聞かれることも無いし……。

 

 騒がしくなる教室の中でうんざりしつつ彼の事を考えていた。

 

 中学を卒業した日から一度も会ってなかった。自分から話しかけた回数は数得るほどもないけど前に一緒に見上げた綺麗な星空は今でも覚えているの。

 

(小鳥遊君は私の事を覚えているんだろうか?)

 

 彼にとって私っていう存在は多分クラスメイトの一人だっていう認識──きっと再会したって何もないはず。

 

 教室の中は小鳥遊君の話題に持ちきりになる。何人かの子はAクラスまで彼の様子を見に行くっていう話もしていた。

 

 頑張って入学したこの学園で私たち女子はたった一つしかない選択を迫られる。

 

 プロジェクトに乗り気じゃない子は別の学校への編入手続きとかを学園側がやってくれるみたい。

 

 中には転入を考えている子もいるみたいだけど、プロジェクトに前向きに取り組めば将来が約束される。

 その言葉に女子たちの目の色が変わったことを私も感じ取っていた。

 

 全校集会が終わってから学園内は独特な雰囲気が漂っていた。

 

 まず、女子たち皆が身なりとかに気を遣うようになった。だらしない恰好は極力避けてナチュラルなメイクをしてから登校してくる子が増えた。

 

 それから、皆仲がいいというわけじゃなくてプライドが高いお嬢様たちは自分こそが小鳥遊君に選ばれるべきだと自信満々に振舞っている。

 

 ピリピリとしたムードが学園全体に広がる──計算高い女子たちは他人を蹴落としる事を画策する。

 

 私のクラスもそういう子ばかりでクラスの雰囲気も良くない。

 

 上級生は後が無くて割と焦っている感じが見て取れる。学園を卒業するまでに実績を残しておきたいらしい。

 

 一部のクラスの子は男子生徒である小鳥遊君を学園から排除しようと活動を始める人もいた。

 

 もちろん、学園側にそんなことが知られたら退学処分じゃすまない。

 そんな出来事が私の日常に《変化》をもたらしていた。まだ積極的になれない自分がいて小鳥遊君とまた会えるようになるにはもう少しだけ時間がかかりそう。

 

 緩やかに流れていく時の中で私はたった一つの希望ともう一度あの人に巡り合えた奇跡に胸を躍らせながら女子寮の自分の部屋の天井を眺める。

 制服のままベッドに寝転んだ。スマホを開くとホーム画面にはあの時に小鳥遊君と見上げた星空の写真がいつもよりも鮮明に見えた気がした。

 

 今の私の見ている目線の先には何があるんだろう? 

 輝くような未来が描かれているのかな? 

 そのままゆっくりと目を閉じて頭の中を空っぽにする。

 

(またアナタに会えるのを楽しみにしています)

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