普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

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35.「もう一度君に逢えるなんてね」

「……君は確か牧野さん?」

 目の前にある短い髪がふわりと揺れた、艶やかで綺麗なピンク色の唇。僕が最後に会った時の牧野さん(かのじょ)とは若干違う雰囲気を漂わせていた。

 それでも分かるんだ。僕は彼女を知っている。

 

「どうして君がこんなところにいるの」

 中学時代の同級生が同じ校舎にいる事自体に驚きを隠せなかった。

 彼女と話した事は数えるほど多いわけじゃないけれど、唯一僕が自分から話しかけた事がある相手だから。

 

「本当に小鳥遊君なんだ、また逢えて嬉しいです」

 彼女は目に涙を溜めて喜んでくれた。僕とまた逢えたのがそんなに嬉しいんだろうか? ついこの間まで中学生だった僕らは高校生になったから言って大きく変わったわけじゃない。

 

「僕の事、覚えててくれたんだね」

 中学時代に仲の良い友達なんて一人もいなかった僕を覚えていてくれてる子がいたなんて。

 教室に戻る途中で運命的な再会をした僕は午後の授業でもその事ばかりが頭の中に残っていた。

 

 放課後の予定がない僕は自分の部屋に戻ろうと教室を出る──騒がしい廊下を抜けて男子寮の方へ歩いていると人気を感じて後ろを振り返る。

 

(誰もいないか)

 

 気のせいだと思って歩く始めるとスマホのバイブレーションが振動する。すぐさまポケットから取り出してみるとLINEの通知を知らせていた。

 アプリを立ち上げてグループチャットを開くと相倉さんから今度みんなで集まってご飯を食べようと言う誘いを受けた。

 僕も御崎さんや玲さんに習ってすぐに返事をして予定を決める。いつのまにか当たり前のようになったLINEでのやりとりはいつだって僕は新鮮に感じる。

 これからこうやってやりとりをする女の子が増えてくるんだろうなあ。母さんの番号しか登録されていなかった僕のスマホにはもう三人の女の子の連絡先が登録されている。

 スマホをポケットに突っ込んで再び歩き始めようと顔を上げると女の子と目が逢う。

 

「……あ」

「こんにちは」

 偶然なんだろうか? それとも僕が来るのを待っていたのだろうか? 

 目が合った女の子が自分の知り合いだとすぐに分かった。

 

「やあ、牧野さん。まさかまた会うなんてね」

「……そうだね」

 彼女は慌てた様子を見せると何か言いたげに口をモゴモゴと動かしている。僕は牧野さん言葉を発するまで待つ事した。

 ほんの数秒僕らの間に沈黙の時間が流れると彼女は何か決心したみたいに手をぎゅっと握って深呼吸。

 

「あのっ! 小鳥遊君、これから時間ありますか?」

 勇気を振り絞って発した言葉はしっかりと僕の耳まで届いた。

 

「うん。大丈夫だよ」

 僕は牧野さんに優しく微笑みかけ彼女の用事に付き合うことになった。

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