普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

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37.「このきっかけが私を変えていく気がするの」

 小鳥遊君の連絡先を教えてもらった私は彼が帰った後、自分の部屋でスマホを眺めてた。

 ホーム画面は昔小鳥遊君と一緒に見た夜空の風景であの日以来ずっと同じ画像を使っている。

 純粋に綺麗な風景だから好きだというのもあるんだけど、私にとっては初めて誰かと一緒に過ごした貴重な時間でもあった。

 

 彼と話した回数は数えるほどじゃないけれど、それでも思い出に残っている。

 この学園にはお母さんに勧められて通う事になった。実家の跡を継ぐために少しでの立派な女性に成長してほしいという願いも込められている。

 

 最初は乗り気じゃなかった。中学時代にあんなできごとがあったんだし、友達なんて必要ないとも考えてた。

 お父さんもお母さんのすごく優しい人で小さい頃から私は大切に育てられてきた。

 牧野家は子どもがなかなかできない家系でお父さんたちが結婚した時に親族らの期待を一身に背負って苦労したとよく話してくれたことがある。

 

 私もそんな両親の期待に応えたくて勉強や自分にできる事を最低限努力した、色んな人たちからのプレッシャーは子どもだった私にはかなり堪えるものだったけれど、そこから逃げ出さずに今までやってきた。

 

 小鳥遊君と初めて会った時、彼はお手伝いさん? の運転する車で学校へ登校してきた。

 最初のうちはその珍しさにクラスメイトたちがこぞって声をかけていたけど、一週間も経たないうちにいつもどおりの日常が戻ってきた。

 彼はいつだって一人でいる事が多かった。クラスに仲の良い友達がいたのは見たことがないし、放課後になるとすぐに家に帰る。

 

 自分で望んで周りの人と距離をとっているようにも見えた。

 学園に進学してきてから彼の事を色々と耳にする機会が増えた。

 子どもの頃から親による英才教育を受けていただとか、彼のお母さんは政府にも顔の利く人物だとか中には信憑性に欠ける噂も混じってた気がする。

 

 それでも小鳥遊君は自分からそれらの話題について語ることはしないで今の学園の雰囲気の中で自分の立場をしっかりと理解している気がした。

 

 理事長から例のプロジェクトの内容を聞かされてから学園に通う女子達の間には何とも言えない空気感が漂っている。

 三年間という短い期間で自分たちの将来のことが決まってしまう。

 うちのクラスの子たちはプライドの高いお嬢様が揃っているからなかなk納得はしていないみたい。

 

 今まで生まれや自分の家の事で他人を見下していたお嬢様たちが一般の生徒と同じ立場になるのは理解できないことなんだろうなぁ。

 

 登校してきた時、お嬢様が侍女の人に酷い罵詈雑言を浴びせているのを見かける事があった。私はああいうのは嫌い……。

 だけど、今ではそんな彼女たちも大人しく振る舞っている。

 クラス毎に対抗意識みたいなのを感じる──私は小鳥遊君の事を知っているだけマシなのかも。

 彼と全く話ができないで高校生活を終える子だっていると思う。

 だからこそ皆んな必死になってるんだろうなぁ。

 

 学園に通っている今のうちに自分がどうしたいのか決めなくちゃいけない。

 もちろん他の学校への転入だって選択肢の一つだと思う。おそらく何人かの生徒はそれを選ぶんじゃないかなって思う。

 

 私も最初は学園に通う自分が場違いな気がしたけど、今は違う──小鳥遊君とまた一緒の時間を過ごせる事を幸せに思う。

 まだ、私の気持ちを伝えたわけじゃないんだけど、これからも彼と同じ時間を過ごせるのなら──

 

 彼に選んで貰えるにはどうしたらいいんだろう? 今まで以上に努力をしなくちゃね。

 

 LIMEは全く使っていなかったんだけど、こうやって小鳥遊君の連絡先をゲットしたんだしこれからは積極的に使おうと思う。

 

 グループチャットに初めて参加した私を他の子は歓迎してくれた。

 あとで彼に聞いたんだけど、仲のいい子でLIMEで連絡を取り合っているみたい。

 そういうのって良いなぁ。私もその輪の中に入れてもらえるなんてね。

 

「頑張ろっと」

 

 スマホを見ながらぼんやりと次の予定を考える。このきっかけを無駄にしたくない。私の「恋」はまだ始まってすらいないのだから。

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