普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった! 作:南雲悠介
ルークランシェのお姫様が学園にやってきたこと周りはその話題で持ちきりだったプライドが高いお嬢様達は彼女の立場に嫉妬を隠しきれないでいた。
僕は普段通りの態度でメルと接する──あくまでもクラスメイトの一人として彼女と関わることで僕とメルが知り合いであるというを悟られないようにするために取った行為でもある。
LIMEのグループトークでもメルの話題が上がることがあるのだけれども、僕は至って自然な感じで話に加わる、自分の部屋に戻ってからスマホを弄っているとメルから話しかけられた。
「あら、勇人は何をしているのかしら? スマートフォン? 何か面白いアプリでもあるの?」
「そうだね、LIMEってメルは知ってる? 僕も最近入れたアプリなんだけどこれを使ってコミニケーションを取っているんだ。グループトークで仲良くなった女の子達とやりとりしてるよ」
僕は彼女が疑問に感じていたことに答える。メルは自分の端末を取り出してアイリスさんと何か話している。
「LIMEですか……。? 私は使った事がありません。ですが姫様、使うなら安全性を考慮するべきだと思います。インターネットは意外と危険だと言いますから」
「そうですね。だけど、LIMEの運営会社は日本の企業でセキュリティ対策に力は入れているんだよ。現にこれまで大きな問題が発生したのは聞いた事がないし、たくさんの人が使っているアプリでもあるんだ」
僕はネットの情報をアイリスさんに教えた、信憑性にかけるかもしれないけれどテレビなんかの偏重した保津よりはよっぽどマシと思う。
情報を正しく整理する事ができない人はインターネットを使うべきではないだろうし、ネット上にある膨大なデータから自分が必要としている正しい情報を入手するのは至難の業だ。
「小鳥遊殿は最新機種のスマートフォンを使っているようですね、私たちも日本に来る時に渡されたのですが、便利で使いやすいと思います」
「スマートフォンの便利さを知るともう戻れないよね、ルークランシェは日本よりも科学が発展しているんでしょう? すごい機能のやつとかあったりする」
「いえ、そこまで違いはないですよ。国にいた時と同じフォーマットで使えるのはありがたいことです。日本でメルア様と連絡が取れる手段は必要ですから、常にお側には私がいますが万が一の事態も想定しておかいないといけません」
アイリスさんは本当に真っ直ぐな人だなあ。僕は彼女に好印象を抱いた、遠い異国にお姫様と二人きり……。さぞかし大変だろう。王族の生活なんて僕にはイメージできない、メルの苦労なども計り知れない。
それでも彼女達が少しでも過ごしやすいように自分がやれる事はしたいと思う。
「姫様。今日は転入初日で色々大変でしたね。ルークランシェ王国の姫が学園へ通うとなるとかなりの反響があるようです。寮に戻ってきたのですからはゆっくりと休みましょうね」
「そうね、ありがとうねアイリス。わたしの心配も良いのだけれどあなたの方もしっかりと休んでちょうだい。ずっと対応に追われて休む暇もなかったでしょう」
「恐悦ながら……。姫様に近づく不遜な輩に目を光らせる必要がありますから、この国いる間姫様の身の回りの護衛はルークランシェにいた時と同じようにやらせてもらいます」
「本当に感謝しているわ。アイリスのおかげでわたしが平穏な時間を送れるのだものね」
メルとアイリスさんは日本に来る前から固い絆で結ばれている──ただの主従関係ではないというのが何となくわかる。
「ルークランシェの姫である事をよく思わない方々も少数ながらいると聞いています。そういう輩が姫様に危害を加えないか注意しておかないと」
「クラスメイトの子に色々と挨拶されたのだけれど、名前はまだ覚えられていないわ」
「僕も話した事がない子が多いよ。状況が状況だけにね。最初はすごく冷ややかな視線を向けられたものだよ」
「そういえば勇人はお昼いなかったわね。どこへ行ってたの?」
「それは──」
あの場所のことは僕たちの秘密だ。メルに教えようかどうか迷う、彼女が僕とまだそこまで親しい中ではないし。
「一応みんなに聞いてみないことには」
僕はスマホのグループトークにさりげなくメルの話題を出してみる、彼女が僕の部屋にいることは内緒だ。他の生徒には二人には特別な寮が準備されていると学園側は説明している。
「メルが僕の部屋で暮らしているのは秘密だからバレないように聞いてみるよ」
*
「そういえば今日僕らのクラスに転入してきた子なんだけどね。彼女と友達になるにはどうしたら良いんだろう?」
「うーん、同じクラスだし小鳥遊くんの方から声をかけてみたら、聞いた話によるとルークランシェさんは人あたりは悪くないって言うし」
「話すきっかけがあれば良いんだけど……。お姫様と友達になるなんて緊張するじゃないか。僕は女の子が好きそうな話題は提供できないし」
「Aクラスに彼女の様子を見に行く生徒が多いようだね、私は特に気にはならない、ルークランシェ王国の名前はトレンドに入っている時があるから目する機会は多いが」
「藤森さんはインターネットとかの情報にも詳しそうだよね……」
「なに、そんなに難しいことじゃないさ、牧野さんも何か気になることがあるのなら調べてみるといい、色々と面白い情報を得る事ができるかもしれないよ」
「うちの学園ってお嬢様が多く通っているけど、ルークランシェさんはそんな子達とは全然違った雰囲気だよね。なんというか有名人のオーラがあるっていうか」
「御崎さんの言う通りかもね。現にCクラスでも結構な話題になっているわよ、私はまだ会ったことがないけど機会があれば友達になりたいなぁなんてね」
「失礼のないようにしないと。でも緊張するわね」
「楽しそうね」
「あ、ごめん。メルと友達になるにはどうしたら良いのか聞いていたんだ」
「LIMEでそんな事聞いてたのね。グループチャットね、面白そう」
「この間作ってもらったばかりなんだ。まだ参加者は多くはないけどね、僕らはいつもこれで連絡を取り合っているよ」
「ちょっといいかしら?」
メルは僕の端末を取り上げて操作し始めた。
「これでよしっと。勇人に友達申請しておいたから承認しておいてちょうだい」
端末を返すとホームメニューのアイコンに通知が表示されていた、僕は手順通りに操作してメルと友達登録を済ませる。
LIMEでは友達になった人と更に繋がれる機能とかがあるんだけど、僕は一部に制限をかけて使っている。
相倉さんに、御崎さん、玲さんと牧野さん、小阪さん、五人の女の子と知り合うことができた、そこにメルが加わる。小鳥遊班がどんどん賑やかになっていく、僕はルークランシェのお姫様と友達になることを目標に定めて一旦トークから離脱する。
「まだ知り合って日は浅いけどみんな良い子だよ。メルもきっとすぐにでも仲良くなれると思う。っとその前に、最初に僕と友達になってくれるかな?」
「ええ、もちろん。日本に来て最初の友達が勇人。あなたよ、これからよろしくね」
「こちらこそ、一緒に登校すると怪しまれるから明日から僕は時間をずらして学園に行くことにするよ」
「わたしたちだけが知っている秘密っていうのも悪くないわね。この部屋に女の子が訪ねてきた時はどすればいいのかしら?」
「そう言う機会はないはずだから大丈夫だとは思うけど、万が一誰か来たら部屋の中に入れずに対応してほしい」
「ここに来るのは理事長に頼まれて消耗品や食料を運んで来る業者の人だけだし、時間帯も生徒がいない時を見計らって来るようにしてあるんだ。僕はいつも必要なものは注文して用意してもらっている」
「わたしたちも頼めば用意してもらえるのかしら?」
「それは僕にはわからないかな。一旦理事長に聞いてみたほうがいいかもしれない」
「この部屋で生活するのに不自由なものはありませんが、わたしも姫様も日本での生活は初めてなので小鳥遊殿色々とご迷惑をおかけするかもしれません」
「僕ができる範囲の事なら応えていくよ。心配事があれば相談にのる」
「ありがとう。今日は一日疲れたから休むことにするわ」
「おやすみなさい」
結局、メルに僕らの秘密の場所を教えようかどうか悩んだけどまだ、内緒ということにしておいた。彼女と本当の友達になれた時に教えようと思う。
あくびが出る前に僕も寝ることにしよう──今日はゆっくり眠れそうだ。静かな月夜に幸福感を抱いて、ベッドに入る。明日からまた慌ただしくなるのだろうけど、きっと大丈夫。
おやすみなさい。また明日。