普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

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64.「お昼の一時」

「今日は勇人にとっておきの場所を教えてくれるのよね?」

 

「そうだよ。LIMEでみんなには連絡入れているよ。メルとちゃんと話をするのをすごく楽しみにしているんじゃないかな。僕もその一人だし」

 

「うふふ、そう言って貰えたら嬉しいわ。ねえ、お昼はアイリスも一緒なのよね? みんなと仲良くできるかしら」

 

「問題ありません。メルア様に心配して頂かなくても私自身、学園に通う生徒の皆さんとは良好な関係を気付きたいと思っています」

 

「アイリスさんならきっと大丈夫だと思うよ。それに二人は学園じゃかなり有名人みたいだし、他のクラスの人も話題にしてるらしいよ」

 

 外国からの転校生の二人の話題はあっという間に学園中に広がっていった。同じお嬢様方が通うからそう言うのには事欠きないのかもしれない。「ごきげんよう」っという挨拶が似合うような子ばかりでごく一般家庭に育った僕には彼女達との身分差さえ感じる……。

 生まれや育ちで人を判断する訳じゃないけれど、最初のうちは意識していなくても自然と距離感を保って接していた。

 今ではそんなことは些細な事柄だと割り切って生活している。

 

「お昼になったら一緒に教室を出よう。そう言えばメルの方は誰からかランチを誘われていたりはしないの? お嬢様方から結構声をかけられているのを見たけど」

 

「無いわ。みんなどこか遠慮しているのかしら、自己紹介でアピールして来る子が多いわね。ただ、わたしと仲良くしてくれるのは嬉しいのだけど、あの子達にはもっと魅力を伝えるべき相手がいるはずよ」

 

 そう言ってメルは僕の方へ視線を向ける──ルークランシェ王国のお姫様だからお友達になりたいと考えるのは自然なんだろうけど、彼女たちが学園に通う“意味”それをもっと重要だと認識する必要があるとメルは言った。

 

 午前中の授業はあっという間に過ぎていった──僕は御崎さんとアイコンタクトを取ってから教室を出る準備をする。メルとアイリスもタイミングを見計らってAクラスの教室を後にする。

 僕らは合流してから他の子にもLIMEでメッセージを送る。

 

 小鳥遊班が全員集合──その輪の中に新しい仲間が加わるんだな。

 

「こんなところがあるんなんて思いもしなかったわ」

 

「僕も最初見つけた時は驚いたよ」

 

 例の場所に二人を案内する長閑な時間を感じながら爽やかな風が心地よさを運んでくれる。先に着いていた玲さん達に自己紹介するメルを見ながらマットの上に腰を下ろす。隣に座る御崎さんがお弁当を広げた、よく見ると御崎さんだけじゃなく牧野さんも準備していた。僕は何も持ってきていないことがすごく申し訳ない気持ちになる……。玲さんもサプリメントとミネラルウォーターを取り出してみんなのお弁当を的確に分析していた。

 メルは僕の隣に座って目を輝かせていいる。アイリスさんはそのそばに座って日本の食材に驚きを隠せないでいた。

 

「ねえ? これは何ていう食べ物なの?」

 

「それは卵焼きお弁当に入れるのは定番なの! まあ、苦手な人もいるだろうけど、ルークランシェさんの口に合うかどうか」

 

「メルと呼んで。もう友達なんだから気を遣わなくても大丈夫よ。その代わりわたしもあなたのことを名前で呼ばせてもらうから」

 

 メルの言葉にみんな一瞬驚いたリアクションを取ったけどすぐに対応する。まだ外国から来日したばかりの彼女達は日本の文化の何もかもが珍しいみたいだ。

 

「お弁当と言うのですか……。ルークランシェには無い文化です」

 

「昔から日本にあるんだよ。外で手軽に食事を取る方法として根付いたんだ。うちの学園は学食もあるからお弁当を準備している子はあまりいないんじゃないかな?」

 

「そうなのね。早く食べたいわ! すごく楽しみに」

 

「うむ、どうやら相倉君は気合を入れて準備してきたようだね。それは見てわかるよ。牧野君もだ、それぞれが特色のあるお弁当を準備している。これは興味深い」

 

「藤森さんも食べてよ! 自信作だから」

 

 量が多い時は僕が全部食べてあげようと思ったけど、僕は次の瞬間驚愕した。

 

 メルの食べる量が半端ないということだ──女の子が食べるには結構多いと思うおかずでも彼女は平気で平らげてしまう。その様子にみんな呆気に取られていた、アイリスさんは呆れ顔でメルに注意する。

 

「姫様! そんなにがっついて食べてはいけません!」

 

「えー、だって美味しいんだもん。あ、これも貰うわね」

 

「すごい食べっぷりだね……」

 

「僕もびっくりしたよ」

 

「けど、こんなに美味しそうに食べてくれるなら作った甲斐はあったかな」

 

「……そうね、小鳥遊君はどう?」

 

「御崎さんの作ったお弁当すごく美味しいよ」

 

 素直に感想を伝えると御崎さんは頬をほんのりと赤らめて恥ずかしそうにした。偽りのない気持ちで彼女達に感謝しよう。

 今まで一人で昼食を取るのが当たり前になっていて大勢でランチをするなんて前の僕なら想像もつかなかった。

 小さな変化を受け入れながら至福のランチタイムは過ぎていくのだった。

 

 寮に戻ってからはメルもアイリスさんも今日のランチは大満足していた。今度は自分も作ってみようかと張り切るメル、アイリスさんは次は紅茶を水筒に入れてこようと上機嫌でやりとりをしている。

 それからLIMEでメンバーに感謝の気持ちを伝えて機会があれば自分たちのお茶会に招待したいと提案する。みんな興味津々でメルに質問をしていた。

 って待てよ。お茶会ってどこでやるんだろう? メルに聞いても秘密だとはぐらかされる。疑問に感じたけど僕は深く追求しない。

 綺麗な月明かりが部屋を照らす──窓から群青色の空を見上げて学園で過ごす時間に充実感に浸った。

 

(明日も賑やかな日になりそうだ)

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