普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

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68.「それぞれが感じる影響力」

「何だい二人共、随分と機嫌が悪そうな顔をしているじゃないか」

 

 麻奈実と玲、栞の三人は校舎内で落ち合うとお昼を食べるために例の場所へ向かう所。

 二人のいつにもなく不機嫌そうな様子にすぐに玲は何かを感じ取った。

 

「私も最初は驚いたよ。まさか小鳥遊君がルークランシェ王国のお姫様と知り合いだったとはね、彼は私たちにどうしてそんな重要な事を隠していたのか理解に苦しむ……」

 

「藤森さんそうじゃ無いんです」

 

「ん? それ以外に何かあるのかい? 私はてっきりそれが理由で相倉さんと牧野さんが怒っているのだと思っているのだが」

 

「違います! ねえ? 相倉さん」

 

「ええ、牧野さんの言う通り! 私たちが怒っているのには他に理由があるのよ」

 

「他の理由? それはいったい何なんだい? 実に興味深いね」

 

「私たちが怒っているのは御崎さんのことです!」

 

 いつもおとなしい牧野さんが少々大きな声のボリュームで強めに言う。それに続いて相倉さんの大きく首を振って頷いた。

 

「あの二人が仲良かったのは驚いたよ! 御崎さんってそう言うのを私達に感じ取らせないのが上手いって言うか単に普通のクラスメイトかと思ってた」

 

「そうかい? 彼女の小鳥遊君を見つめている視線は少し雰囲気が違ったようにも見えたけれど」

 

「藤森さんはよく観察しているんですね……。私は小鳥遊班に入れてもらってから御崎さんともトーク欄で話すようになったんですけど、彼女は小鳥遊君の話題なんてちっとも話さなかったですから。

 

 牧野さんは彼の中学時代の同級生なんだよね? 昔の小鳥遊君ってどんな人だったの?」

 

「……それが、中学生の頃は私は小鳥遊君とは殆ど話したことが無かったんです、彼はみんなと距離を置いていてどこか遠くからクラスの輪を眺めているような人でした、だから私もどんな人なのか詳しく無いんです」

 

「ほう、なかなかに面白い話が聞けたよ。彼は私たちに自分のことを話したがらないからね、まだまだわからないことだらけさ」

 

「そうだね、私たちもっと積極的に関わっていかなくちゃ!」

 

「そうですね、相倉さんの言う通りだと私も思います」

 

「あのさ、牧野さんに一つ聞いてもいいかな?」

 

「なんですか?」

 

「牧野さんってやっぱり小鳥遊君が好きなの?」

 

「えっ……。えっと、はい」

 

 顔を赤らめて俯く栞──麻奈実と玲はわかりやすい反応だなって言う感想を持った。

 

「そういう二人はどうなんですか?」

 

 逆に質問されて面をくらう玲とは対照的に麻奈実は笑顔で「私も大好きだよ」と真剣に応える。彼女のまっすぐな思いが周りに良い影響を与えているに違いない。

 玲は「ノーコメント」と言い、うまく追求から逃れる手札を切る、実に玲らしいと思う。

 恋バナで盛り上がる辺り彼女らもれっきとした高校生でついこの間まえは中学の制服を着ていたけれど、急に大人びた風に成長する。

 

 本来ならば彼女らは恋敵とも言える──一人の男性に複数人の女性がアプローチするなんていう漫画みたいな世界が実在している。

 プロジェクトの目標達成の為に恋人を一人に選ぶ必要はないのだが、選ばれる側であるという自覚がある生徒が果たして学園内にどれほどいるのだろうか? 

 プロジェクトを成功させることはこの先の未来にも繋がっている、今はまだ若い彼女達はそれぞれが決断しなくてはいけない時期を迎えている、プロジェクトは着実に進行する中、勇人の周りの時間はゆっくりと進んでいくのだった。

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