普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

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71.「ブライトライフ」

 どうやら昨日はワクワクとして眠れなかったらしいメルが早起きして僕に声をかけてきた。

 

「おはよう、勇人。お目覚めはいかがかしら?」

「おはよう、起きるの早くない? みんなとの待ち合わせは九時のはずだよ、今はまだ六時前じゃないか……」

 

 元気にはしゃぐメルをよそに僕は寝ぼけ眼で反応する──こんな時間におきるなんて……。今日がよっぽど待ち遠しかったんだろう。

 

 今日は小鳥遊班のみんなで出かける予定になっている、発案者は僕で、日本に来たばかりのメルと親睦を深める為に企画した。

 小鳥遊班のみんなには許可はもらっているし、僕自信メルとは仲良くなりたいと考えていたから良いきっかけで。

 彼女の綺麗な金髪がふわりと揺れるといい匂いがした──お姫様ってこんなにも美しくてこの空間がまるで御伽噺の世界のように感じる。

 

 僕とメルが同棲していることは内緒だし、お付きのアイリスさんも一緒だから実質、女の子二人と同じ部屋に住んでいることになる。

 

 彼女たちはプロジェクトの為にわざわざ日本まできたのだからその真剣な想いはしっかりと受け止めないとダメだな。

 

「ねえ? 今日はどう言う場所に連れて行ってくれるのかしら」

「お姫様のメルが満足してくれるようなすごい場所に連れて行けはしないけど、行く前に色々調べておいたんだ。商店街の中にあるお店でショッピングや美味しい食事を食べられる場所だよ」

「そう? それは楽しみだわ! ねえ、アイリスは今日どんな服装で行く?」

「私もメルア様もあまり目立たないような服装で行きますよ、人混みが多い場所でしょうし目立ってしまうと小鳥遊殿にもご迷惑をおかけするでしょうし」

「確かに、ルークランシェのお姫様が日本に来ているっていうのはかなり話題になるだろうからね、メルの気持ちもわかるけど僕たちが楽しく遊ぶ為には我慢してもらうしかなさそう」

「そうね、そういうのには慣れてるから平気よ? いつもアイリスに口を酸っぱく言われているもの、それに、貴重な勇人達との時間が減るのはわたしも気になるわ」

「ごめんね。いつかちゃんと歩けるようになると良いんだけれど……」

「あら、わたしが勇人のお嫁さんになれば簡単なことだと思うわ。その為に日本に来たのだし」

 

 メルはプロジェクトを達成する為に異国の地までやってきた。逆の立場になって僕が海外に行くなんて事になったらどうなるんだろうか? 

 

 想像してみたけどいまいち実感が湧かない……。

 

「プロジェクトっていう大義もあるのだけれど。わたしは勇人、あなた自身に興味を持ったのよ? 一度会ってみたいと思ったの」

 

 僕の手を取って純粋な気持ちを伝えてくれるメル、僕は照れ臭くなってけど、しっかりと彼女の手を取る。

 その様子はお姫様とダンスするナイトのようだった。

 

 僕は同棲を怪しまれないため、メルは僕が寮を出てから時間を置いてアイリスさんと待ち合わせ場所に向かうことに、先に出た僕は心地良い風を感じながらゆっくりと歩くスマホを見るとLIMEにメッセージが届いていたそんな何気ないやりとりに思わず頬が緩む。

 

 女の子達はそれぞれ腰が現れる服装で待ち合わせ場所にやってくる。仲良く会話しながら時折見せる笑顔、そしてメルは日本の文化を楽しんでいる、アイリスさんも目を輝かせながらメルと一緒になってはしゃいでいるところ見ると彼女も年相応な女の子なんだなって感じた。

 

「あれ? 小鳥遊殿こんなところで何をしているのですか?」

「ああ、アイリスさん。みんな元気に遊んでいるから僕は少し休憩してたんだ、アイリスさんも飲む?」

 

 買っておいたジュースを差し出すと彼女は受け取ってくれた。メルみたいな綺麗な金髪をしている、いつも凛々しい表情をしているアイリスさんだけどたまに見せる気を抜いた自然な仕草にドキドキする。

 

「姫様のあんな嬉しそうな顔、日本に来てからよくみます。ルークランシェにいた時は公務ばかりでほとんど王宮の外に出る機会はありませんでしたから」

「そうなんだ? お姫様ってすごく大変なんだね。メルの性格からしたらよく抜け出してそうな感じがするけど」

「ええ、従者と一緒に探すのに苦労していました」

 

 アイリスさんは「はぁ」とため息をつきつつメルの元気な姿を目に留める。

 

「日本での生活は慣れないだろうけど、アイリスさんがいてくれるならメルはきっと大丈夫だと思うよ」

「そうですね、姫様はいつも頑張りすぎているところもあるので羽を伸ばして欲しいと感じているのも事実です」

「メルアさんみたいに身の回りをしっかりと警護してくれる頼もしい騎士がいるから安心できるんだよ」

 

 アイリスさんとメルは本当に仲が良い──いつも一緒にいることが多いのにお互いの立場を理解して尊重し合っている。

 

 僕と同棲するようになってからもアイリスさんは自分のことよりもメルを優先していた。

 

「羽を伸ばすか、それもそうかもね」

「えっ……?」

 

 僕はアイリスさんの手を引いてビルの中になるおしゃれなアクセサリーが売っているお店に入る。

 

「あの? 小鳥遊殿、これは一体どういうことですか?」

「羽を伸ばすのはアイリスさんも同じだよ。いつもメルの為に頑張っているんだからこれくらいはね」

 

 僕は店の中にあった手作りのアクセサリーを選んで購入する──可愛いラッピングに包まれた紙袋をアイリスさんに渡す。

 

「これは僕からの気持ち。ルークランシェ王国の女性がこんな安物のアクセサリーで喜んでもらえるかはわからないけど」

「これは──さっきのお店で買ったのですか?」

「うん、ああ、僕からのプレゼントだっていうのは内緒だよ? 他の女の子もいるわけだしね。ただ、アイリスさんへのお礼の気持ちだよ。今日の予定に付き合ってくれた分も含めてね」

「メルには今度別の贈り物をプレゼントするつもり」

 

 アイリスさんは僕から貰った紙袋をじっと見つめて何やら呟いていた。

 

 寮に戻ったメルは興奮した様子で今日の事を話している、僕はそれを頷きながら聞く、パッと明るい表情を見せるメル、本当に表情豊かな子だなあって思った。

 ふとアイリスさんと目が逢う──僕がニコリと笑いかけると彼女は顔を赤くして俯いた。少しは警戒心は薄れてくれたかな? 

 僕達は夜遅くまで今日の話で盛り上がった。

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