普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

76 / 116
73.「新しい生活と好奇心を運んでくれるものは」

 『急な事でごめんなさいね。小鳥遊君も混乱したでしょう?』

 

 神崎さんから届いたメールに目を通す──今日はかなりびっくりする出来事に遭遇したんだ。

 

 ことの顛末はメルの元に理事長から連絡あったことだ、どうやら重要な要件らしくすぐに理事長室へ向かう準備をするメルを他所に僕はスマホを触っていた。

 

「勇人? 今大丈夫かしら」

 

 カーテン越しにめるによばれたから僕はすぐに「大丈夫だよ」と返事をする。

 そして僕も理事長室へ行くことになった。どうやら神崎さんは僕たち二人に用があるらしい。

 僕はすぐに着替えてメルと一緒に部屋を出た。僕たちが同棲しているというのは学園内では秘密なんだ。

 

 そして、理事長室へ行くと相倉さんをはじめとする小鳥遊班のみんなが勢揃いしていた。

 どうして彼女たちがいるのか理由を尋ねる前に神崎さんは話を進めていく。

 

 その後、衝撃の事実を告げられる……。

 

 理事長の口から僕がメルと同棲しているという秘密は明るみになり、今後の男子寮の扱いについて知らされた。

 

 話によると僕たちが住んでいる男子寮は取り壊され、女子寮の横に僕が住むための専用の建物を建てたらしい。今後はそっちの棟で生活するとこになるみたいだ。

 

 それだけならまだ受け入れることができるのだけど。次の理事長の言葉に僕は思わず大きな声でリアクションを取る。

 

 何でも、今後メルと住む棟には希望制ではあるけれど、他の女子生徒も住むことが可能らしい。メルと同棲しているだけでも緊張しているのに他の女の子と一緒に暮らすなんて想像するだけで何だかゲームの世界みたいだ。

 まず、牧野さんが理事長に棟への転居を希望していた。僕は彼女とは中学生の頃の同級生だけど、そこまで深くは関わってこなかった。

 そんな牧野さんは僕と同じ場所で暮らしたいって言ってくれた時にはすごく驚いたんだ。

 

 牧野さんに刺激されたのか玲さんや御崎さんも理事長から申請書を受け取る、最後まで悩んでいた様子の相倉さんも気持ちを決めたのか用紙に必要なことを書き込んでいく。

 

 後日、転居を希望した子と僕たちの荷物が新しい棟に運ばれることになっていて、一足先に僕はその場所へ案内された。

 

「引っ越し当日に渡すつもりだけどくれぐれもお部屋の鍵は無くさないようにね、小鳥遊君の部屋も他の生徒と同じで鍵が無くても一応ここのキーパネルで暗証番号を入力すればあけることができるわ。ただし、その番号は私にも知らされていないのだから他の人にも教えちゃダメよ?」

 

「はい、ところでこの棟は全部で何人くらい住めるんですか?」

 

「そうね、一応学園に通う女子生徒の八割が暮らせるような広さではあるわ。使われていない部屋は空き部屋になっていて希望した子から順番に割り当てられていくの。もちろん女子寮をそのまま使いたい生徒はそのまま普段通りの生活をおくってもらうわ」

 

「食堂もあってお風呂は男女分かれているから心配ないはずよ。でも、男湯の方が広いらしいわ。あと女子寮と違うのはお風呂は男湯の方が広いってとこかしらね。お洗濯も男女毎に違うから気を遣う必要はないわよ」

 

 僕はお風呂の中に足を踏み入れる。一人で使うにはもったいないくらい空間だ。

 

「確かに脱衣所は広いですね。男は僕しかいないはずなのにこんなに広くていいのかな?」

 

 脱衣所には洗濯機や自動販売機もあってお風呂にはセンサーが付いているらしくて、男の僕は女湯には侵入できない。

 

 さすがの設備に終始感心しっぱなしだ。すごくお金がかかっていると思う。

 

 前に住んでいた男子寮もなかなか充実した暮らしができていたけど、それ以上の生活が送れそうだ。

 最初は不安な気持ちもあったのだけど。実際に神崎さんに案内されるとその不満も解消された。

 

 荷物が運ばれる間、一足早く僕は新しい棟での生活を許可をもらってまだ荷物が運ばれていない自分の部屋の中を見渡す。

 男子寮よりも広い部屋で過ごせるのは快適、これからはこの場所でしばらく暮らすことになるんだろうな。

 

 すぐに父さんに連絡をする──父さんは息子の将来の為に家を準備してくれたりお嫁さんになるかもしれない女の子たちが不自由な生活を送ることが無いように色々と動いてくれている。

 

 僕もLIMEで倒産とやりとりするようになったのはほんの最近の話だけれど、十年以上会っていなかった父の存在は僕の中ではとても頼もしく感じた。ふと昔のことを思い出すと父さんの優しい手が頭を撫でてくれた、安心した僕は笑顔で父さんに話しかけると嬉しそうな表情で聞いてくれた。

 

 今まで忘れていたのはどうしてだろう? 父さんと離れてからの自分は家族と呼べるのは母さんだけだった……。

 母さんとは仲良くできなかった、あの人は息子よりも仕事を優先したんだから仕方ない。いつだってそうだ子どもの幸せなんて考えてない。

 

 僕に結婚相手ができた時はあの人にも会わないといけないんだろうけど、正直な気持ちで言えば会いたくない……。

 

 父さんには恋人を紹介したいとは思うけれど、母さんには会ってほしく無い。

 

 親子なのに関係が冷めきってしまっている──一度壊れてしまった関係を修復するのは容易な事じゃない。そもそもこの学園に通っているのだって母さんに急に言われたことだし……。

 

 自分の奥底に抱える悩みを他の人に相談せずに自己完結する。いつの日か話す状況が訪れるかもしれないけどそれまでは彼女たちに迷いをもたらす様な出来事は避けておきたい。

 

 新しく住む棟で深く思考を巡らせながら僕はこれからの生活を考えるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。