普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

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79.「寮でのちょっとしたやりとり」

 神崎に提出するプロジェクトの進捗状況の報告書を部屋のPCを使って仕上げる勇人。聖蘭寮での生活が彼にとって新しい刺激をもたらしてくれるのは想像に容易い。女子との“同棲”なんて言うものは漫画の世界だけのことだと思っていけどそれが今、現実になっている。

 勇人は“小鳥遊班”の女の子と交友を深めていこうと考えてた女子校で唯一の男子生徒彼が学園に通う目的はプロジェクトを完遂させる為なのだが、本人は将来の展望を思い描いていた、考えがまとまると真っ先に父親に連絡をして色々な相談をする。

 

 十年以上親子関係を築いていないはずなのに勇人にとって父は特別な存在でもある。母親と上手くいってないが、家族であるという認識は持っていた。

 

 寮に引っ越してから父に連絡すると将来の為に動いてくれているのを改めて知らされた。息子とずっと一緒にいると決めた父親の決意は堅いものだ、自分にパートナーができたら最初に父に紹介をすると言うことで約束を取り付けた。

 

 父さんは母さんの事をあまり話そうとはしない……。夫婦の仲が冷え切ってしまっているわけではないのだけど、もしかしたら僕に気を遣っているのかもしれない。

 父さんが思い描く未来は僕たち家族が昔みたいな日を過ごせるのがきっと願いなんだろう。だけど、僕は母さんを許しているわけじゃない、あの人にどんな考えがあったとしても到底に受け入れるのは難しい……。

 

 今は父さんが僕の味方だ。いずれは家族の問題にも向き合うべきなんだろうけどまだその時が来るのは大分後になりそうだ。

 

 

 **

 

「あれ? 小鳥遊君? もしかして今からお風呂」

 お風呂セットを持って寮の廊下を歩いていると”小鳥遊班“のみんなと立ち合わせる。どうやら彼女たちは一緒にお風呂に入るみたいだ。

 

「ううん、僕はついさっき上がったばかりだよ。ちょうど部屋に戻るところなんだ。相倉さんたちはこれからお風呂?」

「うん! そうだよ。聖蘭寮に来てさっきまで私の部屋で女子会をしてたんだけど、まずは皆との仲をもっと深めようかなって思ったの。女の子同士だから遠慮もいらないしね」

 僕の質問に元気に答える相倉さん──そういえば寮に引っ越してきた時に女子会をするとは言っていたなあ、どんな感じなんだろうか? 

 御崎さんはそんな僕らのやりとりを微笑ましく見ている。牧野さんと玲さんは寮のお風呂に関してあれこれと夢中になって話している。

 

「理事長にお風呂はすごく広いって聞いてたから楽しみだよー」

 女の子はやっぱりお風呂が好きみたいだ。ニコニコとしている相倉さんを見ているとこっちまで何だか嬉しい気分になれる。

 

「しかし、私が気になっているのは実は男湯の方なんだ」

 御崎さんの傍から顎に手を当てながら探偵みたいなポーズを取りながら玲さんが出てくる。

 

「男湯が気になるの? それはどうして?」

「女湯は広いというのは教えてもらったのだが、男湯はどうなんだろうね? 実際には小鳥遊君しか使わないわけじゃないか。だからそれほどに広いスペースは必要じゃないんではないかな? けれど、この寮の設備を考えるとそこまで狭くもなさそうだし」

 神崎さんは男湯の方が広いって言ってたけど、実際にはどうなのかはわからない。だって僕は当然女湯には入れないわけだし、比べようがない。

 

「小鳥遊君、実際どうだった? お風呂の広さ」

「女湯と大した比較はできないけど、男の僕が使うには十分すぎるくらいの広さだったよ。自販機に最新型の洗濯機もあったし、それに脱衣所も広々空間で良かったよ」

「そうなんだー」

「私たちはまだ使ってないから気になっちゃうよね。藤森さんはいつになくそわそわしているようだけど?」

「私は入浴が大好きなんだ! 見たまえ! このシャンプーなんてネット販売しかされてなくて、私が普段使うお店では購入することすらできない。天然成分が髪を艶々にしてくれるのさ。女の子でお風呂が嫌いな子はいないと思うよ」

「すごーい! ねえねえ、どこで買ったのか後で教えてくれない?」

「ああ! 良いとも。使用感の良さは私が自分で試したから折り紙付さ」

 女子トークに花を咲かせる”小鳥遊班“僕はそんな様子を口角を上げながら聞いている。

 

「ああ、そうだ! 実はね、男湯なんだけどちょっと変わっているんだよ」

「変わってる? どういうふうなの」

「女湯が同じかは分からないけど……。男湯はねー」

 僕は一旦大きく息を吸い込んで胸に手を当てて次の言葉を吐き出した。

 

「温泉なんだ。お風呂場に入った瞬間に独特な匂いですぐにわかったよ。体を洗った後にお湯に浸かってみて確信したんだ」

 

「ええ!? 温泉なの? 良いなあ」

「相倉さん! もしかしたら女湯も温泉かもしれませんよ!」

 温泉と聞いて女子たちは目を輝かせている──クールな感じな御崎さんも目をキラキラと輝かせて相倉さんとキャッキャッとはしゃいでいる。

 

「……温泉か、実に興味深い。いやーこの寮に引っ越してきて正解だったよ。それだけでも価値がありそうだ」

 鼻息荒く語る玲さんは先頭を切って歩き始める。彼女にとって「温泉」というものはよっぽど好奇心をそそるものなんだろう。

 

「それじゃあ、私たちはもう行くね! 温泉楽しみだなぁ」

 相倉さんが片手を上げて「またね」の合図をする、ウキウキとした表情を見せる”小鳥遊班“の女の子達を見送った僕は自分の部屋に戻るのだった。

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