普通の高校生活を送るはずの僕がハーレム計画の一環で女子校に通うことになった!   作:南雲悠介

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96.「Scheduled for summer vacation」

「そろそろ夏休みの予定を立てようと思っているけど皆はお休み中の予定はどうなっているのかな? 決まってたりする」

「あたしは一応お母さんに実家に顔を出すようには言われてるけど……」

「私は寮の部屋で涼しくして過ごすかな、暑いのは苦手なんだ、PCを扱っている分少しでも熱量が少ない場所にいたい。それとアイスがあれば最高だな。うむ、それがいい」

「そうなんだー。やっぱり長期休暇は帰省するのが当たり前なのかなー」

「そうでもないんじゃない?」

 女の子たちの会話にごく自然と入り込む僕、彼女たちは高校生活初めての夏休みに胸を躍らせていた。

 玲さんは暑いからどこにも行きたくないらしい。実に彼女らしいや。

 御崎さんと姫城さんに牧野さんは帰省の予定、相倉さんはご両親とは電話やLIMEでやりとりをしているらしくて実家に帰るほどでは無いらしい。

 メルとアイリスさんは帰りたくても外国では難しいだろうし……。

 お嬢様方はやはり家の事を考えたら実家で過ごすのが違和感がないんだろうね。部活動をやっている子は学園に残って部活動に精を出す。

 青春だなあ。僕は特に入りたいと思えるような部活がなかったからせっかくの高校生活なのに何もしていない。放課後は真っ直ぐ寮に戻るし部屋ではネットサーフィンをするけど僕のプライベートなスケジュール帳は真っ新なままだ。ああ、そうだ遂にこの寮にも新しいプロテインが届いたんだ! 業者からの段ボールの中身には僕が注文しておいた量ピッタリだから不満はない。

 

「勇人は夏休みの予定はあるのかしら?」

 メルが興味ありげなトーンで僕の予定を聞いてくる──一斉にみんなからの視線が集まる。

 

「特にないかな。実家に帰省するつもりはないし」

 夏休み中あの家での生活なんて窮屈すぎる……。僕には帰る場所があるのはわかっているけど、思い出なんていうものはない。

 昔のことを思い出す──

 

 ──部屋の中でゲームをしている自分。お手伝いさんが準備した食事を取り終えてからは自分のだけの世界に入り込んだ。母さんは家に帰って来る頻度が少なくて仮に帰宅しても息子と顔を合わせるようなことはせずに仕事に戻る。あの人はいつだってそうだ。

 

 彼女たちに僕の家庭事情は詳しく話しているわけではないのだけど、みんな気を遣ってか詮索するような真似はしない。

 

「一応父さんと会う約束にはなっているんだけどね」

「お父さんに?」

「ほう、小鳥遊君のお父さんかね」

 女の子たちは興味津々な様子。

「父さんは寮に訪ねて来ることになっているから僕はずっと自分の部屋にいるつもりだよ」

「ねえ? 私も会っちゃダメ?」

 驚いた相倉さんがそんな突拍子もない事を言うから僕は数秒固まってしまった。頭の中が整理できていない。

 

「相倉さんが父さんに? 聞いてみないことには分からないけどでも、キミの予定を僕がもらっちゃってもいいのかな?」

「うん! 大丈夫だよ。だって、もしも小鳥遊君とお付き合いすることになったら将来的にはご家族にも会うことになるだろうし、先に挨拶を済ませておこうかなって」

「麻奈実の言う通りかもね。わたしも興味あるわ、勇人のお父様がどう言う人なのか気になるし」

「メルア様、急にそんなことを言うと小鳥遊殿が困るのでは?」

「あら、そうかしら? 勇人はどう思うの」

「──僕はメルが会いたいって言うのなら別に良いとは思うけれど、だけど、さっきも言ったけど一旦父さんに聞いてみないことには判断できない」

「メルア様がお会いなさるなら私も同席します」

「面白そうだね。私も是非とも会ってみたいね。挨拶を済ませておくという相倉さんの言うことにも賛成だよ」

「なんか大事になってきたなあ……」

「良いじゃない! こうして同じ寮で暮らしているわけなんだし、私は小鳥遊君との事真剣に考えていつもりだよ? ね? みんなもそうでしょ?」

 周りの子に同意を求めると全員がゆっくりと頷いた。どうやら僕が思っている以上に彼女たちは将来の事を真剣に考えてくれているみたいだ。

 

「けれど、御崎さんたちは実家に帰省するんだよね? 小鳥遊君のお父さんに会う機会がなくなっちゃうんじゃない」

「そうだね、御崎さんたちの予定を急に変更するっていうわけにもいかないだろうし……。会えない人は時間の都合を作って別の機会って事になるのかもね。今は仕事は落ち着いているって言ってたからスケジュールさえマッチすれば父さんはいつでも寮に来てくれると思うけど、御崎さんや牧野さんたちが都合の合う日を聞かせてもらえたら僕がセッティングするから」

「……ごめんなさい。気を遣わせて」

「良いよ、気にしないで、夏休みに実家に帰省するのは当然だし御崎さんたちが謝る必要はないよ、そもそも僕が夏休みに寮で父さんと会う約束をしていたわけなんだし」

 

 僕はすぐにスマホで父さんに連絡を入れる──返信は早くきて父さんは相倉さんと会うのをOKしてくれた。

 ほっと一息をついた僕はメルの隣に座る。綺麗な金髪が顔に近づくとシャンプーのいい匂いがした。綺麗なライトグリーンの瞳が僕を捉える。

 本当に綺麗な子だ、自然な笑顔が実に絵になる。

 相倉さんは父さんに会えるのを喜んでくれた。「服は何を着ようかな? ドレスなんて持ってないよー」とアワアワしているのは可愛い。

「ドレスなんて必要ないだろう」と冷静にツッコミを入れる玲さんは顎に手を当てて何かを考えているみたいだった。

 まっさらだった僕のスケジュール帳は華やかな色がまず一つ。これからどんどん増えていく事だろう。そんな未来に高揚感を抱きながら夏休みが来るのを待ち遠しく思うのだった。

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