今回初めて作品を投稿させて頂きました。
何分、下手なところもありますが、寛大な心で見ていただけると幸いです。
追記ですがpixivの方にも挙げましたのでそちらでもご覧頂けます。
プロローグ
ーーーとある一家の一幕
『あぅ~?あ~…むじゅむじゅ』
『こぉーら、これは食べ物じゃないわよ。……まったく、父さんか母さんがしまい忘れたのかしら』
『んん~??』
『あら、これがなにか気になるの?』
『だ~っ!』
『ふふっ、……やっぱり血は争えないのね…』
『んんぅ?』
『何でもないわ。それで……これはね……私たち家族みんなが大好きで、みんな楽しんでいることで使っている道具のひとつなの。それはね、ーーー
ーーーーーー麻雀っていうのよ』
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「……ぉぉぉぉおぉぉぉにぃぃんぐ!!とぉ~やぁ~っ!」
「あっがぅぇぃ!?」
聞きなれた騒々しい声と腹部にズドンと重い衝撃を受け、心地よい春の睡眠から目覚めてしまった。
もうちょっと寝かしておいてくれたっていいじゃないか……というか溝尾にジャストミートして物凄く重痛苦しいんですが……
そんなことを朧気に考えながら痛みに堪えつつ、ゆっくりと目を開くと超至近距離に見慣れた、何故か家の姉弟の中でもいろいろ一番小さいが元気の塊である双子の末姉の片割れ、涼月 星莉奈の顔があった。
「起きたか?とーや!!」
「せ…りな姉ちゃん……。だ…いぶは……やめてくれ……」
「おー!起きたな!!ねーちゃんは嬉しいぞ!!」
「……うれ…しいなら、早く…どいてほしい……なぁ…」
「いや~。莉奈姉さん、派手に行ったねぇ」
腹の上に飛び乗った星莉奈姉ちゃんをどかしていると、「あ~れ~」自分の部屋の入り口の方から少しいや、その状況を絶対楽しんでいる声がした。そちらの方にジト目を向けると……
「やっぱり久か……」
「おはよう、澄。いい目覚めだったかしら?」
「いいわけない。せっかくいい夢見てたのに……」
「あらあら、残念だったわね。確かに莉奈姉さんと起こしに来たときとってもいい寝顔だったのよね~♪」
「確かに可愛かった!!」
「……久が起こしてくれればいいじゃん」
「なにぃ!!ねーちゃんに起こされるのは嫌なのか!?とーや!」
「そういう意味じゃないよ、星莉奈姉ちゃん…」
「なら、よし!」
「あはは…いちおうは止めたんだけどね。まぁ、澄もこーんな素敵なお姉さん達に起こされてとっても嬉しいんでしょ?」
「そーだ、そーだ!」
「……起こし方にもっと目を向けてほしいんだけど……」
「ふふ、善処するわ♪」
なんて言いつつ、意地悪そうな笑顔を浮かべているのは義姉弟の涼月 久。同い年のはずなのだが久の方が数ヶ月誕生日が早いため、戸籍上姉となっている。それでいつも僕を起こしに来てくれるのだが、胡椒を振り掛けられたり、突如足裏をくすぐってきたり、服の中に氷を入れてきたりといっつも何かしらいたずらを仕掛けてくる。正直、心臓に悪いのでもうちょっと控えてほしいのだけど、久が楽しそうに笑っているのでそのままにしている。
だけども、さすがに今日のを何発もやられるのはやだなぁ。
「さてさて、それじゃ早く支度して朝御飯に来てね。朝姉さんと星姉さんが待っているし、夕姉さんはとっくに仕事に出たわよ。せっかくの晴れ日に遅刻なんてしたくないからね?」
「あり……?あー、そっか。今日、入学式だったっけ」
「ご飯!そーだ!!朝御飯にしよう!!」
「全く…、しっかりしてよね澄。ま、とにかくちゃちゃっと支度してきてね。莉奈姉さん、いこ」
「ご飯~!」と相変わらず騒々しく飛び出していった星莉奈姉ちゃんと、やれやれと肩を少しすくめるながら久が部屋を出ていった。
「星莉奈姉ちゃんがいなくなると、一気に静かだなぁ…」
まぁ、あの賑やかさにはとても助けられているし、慣れたもんなんだけどね。
「さて、僕も早く行かないと…」
伸びをしつつカーテンを開くと、そこに広がっていたのは雲一つないどこまでも澄みきった青空だった。
そんな空にうっすら見える月を見つめつつ、僕こと、涼月 澄夜(とうや)は静かに呟いた。
「…………月譁姉ちゃん。僕も今日からーーー
ーーー高校生だよ」