咲異録~鏡花水月~   作:璃空埜

7 / 8
長らくお待たせさせましたぁ!!璃空埜ですぅ!!

ようやっと……ようやっとこちらの投稿ができましたぁ!(泣)
別段遊んでた訳じゃなく……っ!どっちかに偏ったわけでなくっ……!!色々と試行錯誤していたらここまで遅くなりましたぁ!!

それではどうぞぉ!!


第2局 入部試験ー①

side 澄夜

お玉にすくった汁を一口……。うん、このくらいならいいかな?

そう判断した僕は2人分のお椀に味噌汁を丁寧に注いで並べていく。一通り注ぎ終わったところで……

 

「ふぁ……ふ……。おはよ…澄……」

「ん。おはよ、久。もうすぐ朝御飯できるから顔洗って待っててね」

「うん……」

 

ふらふらと寝ぼけ眼でやって来た久と挨拶を交わす。

昨日、電話から戻ったらもう大惨事で……お酒を飲み始めた大人組の勢いに周りのみんなも飲まれちゃって日付が変わる頃までどんちゃん騒ぎしてしまった。因みに照とスゥは大人組が暴走を始める前にはそれぞれの家に避難という名の帰宅をさせたけど。

…………まぁ、名だたるプロ雀士達がとんでもない姿になるからね……。あれは流石に見せらんないって…………。

そう思い返しながらお椀をテーブルの上に運ぶ。それとほとんど同じタイミングで洗面所から久が戻ってきた。

 

「お~!今日は焼き魚か~!ちなみに今日の弁当は?」

「もう作ってあるよ。ただ朝日姉ちゃんと夕羅姉ちゃんの分も届けなくちゃならなくなったけど」

「あれ!?そういわれてみるとあたし達しかいないじゃない!!」

 

姉ちゃん達が居なくなっているのに対してやれ寝坊したって騒ぐ久だったけど、今日は珍しく皆の用事が固まっていただけなんだよね。

朝日姉ちゃんと夕羅姉ちゃんは朝の職員会議らしいし、夕羅姉ちゃんは更に昨日もクラスメイトがこそこそと話していたテレビや雑誌で言ってた彼氏報道の真相を伝えてくるとか言ってたな。……そういやあの報道、ガセなんだっけ。

そして、星利奈姉ちゃんも仕事の準備とかやらで早めに出ていったし、星魅姉ちゃんにいたってはなにやら遠出するみたいで県外まで行ってくるとか言ってたし。……まぁ、十中八九あの人のところだろうけども。

そんなことを久に伝えながら朝御飯を食べ始める。…………うん、ちょっとだけ塩加減強かったかな?

 

**************

 

「あ、そういえば……」

 

朝食を済ませ、僕が皿洗いをしていると久が思い出したように問いかけてきた。

 

「昨日の電話。あれ怜からだったんでしょ?」

「そうだったけど……何でわかったの?」

「あんたとあの子、なっかなかに深~い仲だからってこともあるだろうけど……あんた、電話が来たときにすっっっっごく緩んだ顔してたからね。すぐにわかったわよ」

「うぇ……。ホント?」

「ホントよホント。お姉ちゃんは何でもわかるのよ♪」

「ハイハイ……」

 

昨日もそうだったけれども、昔っからなにかと久は姉ちゃんぶるんだよね……。誕生日がちょっとだけ僕よか早いだけなのにね。

……嫌な感じはしないからあんまり気にはしていないんだけどね。

 

「それでそれで?一体何を話したのよ♪」

「久が期待しているような話じゃなくて、普通に入学祝いの電話だったよ。…………ああ、それと怜のあっちの友達も紹介してもらったんだ」ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

      ▽▼▽▼▽▼▽昨晩▼▽▼▽▼▽▼

 

『そっちこそ元気?怜』

《ふっふ~ん♪ここ最近の怜ちゃんはすこぶるちょーしいいんやで♪》

『あー……そう言って倒れたことって何回あったっけ?』

《大丈夫大丈夫。今日の今日はほんまのホンマや~♪》

『本当……?』

《ホントやホント。怜ちゃんはいつでもホントやで♪》

『そっちも入学式だったんだよね?』

《そやで~、友達とおんなじ学校に入れたんやからとっても楽や~♪》

『そっか。そういえば、その友達とまだ会ったことなかったよね』

《そおいや…そうやったね。ま、うちが色々話してもうたから友達の方は澄のこと、知ってるで~》

『わ、変なこと言ってないよね?』

《んん?なんや~?澄はかわいいかわいい幼馴染みの怜ちゃん差し置いて、怜ちゃんの友達を狙っとるんか?薄情やな~》

『何でそうなるし……。ただ、仲良くなりたいだけだよ』

《ほほぉ~?そう言って手駒にした女の子は何人いるん?》

『誰も手駒になんてしてないってば……』

《またまた~そういt《あれ?怜、誰と電話してるん?》わ、も~……いいとこやったのに~》

『件の友達さんかな?』

《そや。りゅーか!今、いいとこやねん。ちょっとあっち行っててーな》

《ん?ん?それって……もしかして噂の涼月くん?》

《ちょ……何でこんなときだけ、感がいいねん!!》

《おっ!?なんやなんや?噂の幼馴染みか~?》

 

何やら徐々にあっちが賑やかになっていく。といってもこっちも壁を隔てた向こう側がめちゃくちゃ賑やかだったけども。

 

《わわわ私もももも話してていいん?いいいん?いいいいいん??》

《ちょっ!?落ち着け落ち着け!!そんな顔真っ赤にしてテンパんなや!!》

《も~~!りゅーかは写真見せてから嵌まりすぎや!!!澄はぜぇぇ~ったい渡さへん!!渡さへんでぇぇっ!!!》

『あ~……別に僕は怜のものじゃないんだけど……』

《澄はちょい静かにしぃ!!》

 

そうして、向こうは何やら《話したい!》《話させない!》で活気づき始める。何と言うか僕の意見は完全に無視されているのが気にかかるけど…………。

とりあえず、テレビ通話にした方が良さそうだと判断しちゃちゃっと切り替える。

 

《あっ!?こら澄!!勝手にテレビ通話にすな!!》

《わ、わ、わ……。しゃ、写真で見るよりずっと……カッコいいやないか…………》

『あはは。ありがとね、お世辞でも嬉しいよ』

《お世辞やないと思うんやけど……?》

《ま、それはしゃーないわ。何せ澄は超弩級のニブチンだかんな~》

『ん?どうしたのさ怜?』

《何でもありません~》

 

それじゃなんで膨れっ面してるんのさ……。

 

『ええと、それじゃ改めて……怜の幼なじみの涼月澄夜です。何度か怜から聞いてるけどいつも怜がお世話になってます』

《ちょい待ち澄ぃ!!何でいつも私が世話かけとる前提なんや!?》

《事実そうやろが……。俺は江口セーラちゅうねん。気軽にセーラでええで》

《わわわわ私はははははは清水谷竜華って言いますす。わわわわたしのことももももりゅりゅ竜華って》

『セーラと竜華……だね。これからもよろしくね』

《ふきゅうっ!?……ちょ、ちょっと席外すわ……》

《あ~あ~……やっぱこうなったなぁ………》

《あいつ、どないしたん?》

『?竜華どうしたのさ?おーい??』

《……原因は澄、あんたやで?》

『??どういうこと??』

 

黒髪を下ろしたおしとやかそうな雰囲気の竜華は何故か顔を真っ赤にしてどこかに姿を隠してしまう。

んん~??変なことをいったりやったりしてないのに何で??

 

《ああ……なるほど。さっきのはこうゆうこっか》

《せやで。澄はな、いいやつなんやけどこうゆうことが玉に傷なんや……》

 

しかも、その間にセーラは何か何か納得した顔になっているし……

 

《そおいや……澄夜はどこに入学したんやっけ?》

『僕?僕は白糸台だけど……』

《へぇ……白糸台かぁ。…………白糸台ぃぃ!?!?》

《お♪そんならやっぱり……?》

『うん、麻雀部に入るつもり。もしかしたらそっちの学校と当たるかもね』

《ふふふ……例え澄や久が入ったとしてもうちらはそうそう簡単に敗けへんで?》

《待て待て!?白糸台っちゅうと……澄夜ってめちゃくちゃ頭いいん!?!?》

《ん?そやで?ちゅーか頭も良ければ運動もよし。おまけに麻雀強いし家事万能、極めつけに性格めちゃめちゃ優しいっちゅー最良物件や!!そぉ~んな澄が怜ちゃんの彼氏なんやで?》

『なに言ってんのさ……。僕と怜は付き合ってないでしょ?』

《ちょーい!そこは乗ってくれへんと!!》

《ほは~。世の中にゃこんな人もおるねんな~》

『怜が言ってるのは結構過大評価だよ……。やらなきゃいけないからやってるだけ』

《それでも澄のクオリティはそんじゃそこらの男どもとは各が違うねん。それが女の子にとっちゃ~いいんやで??》

『ん~……。そういうもん?』

《そういうもんや》《まぁ……せやな》

 

      ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△

 

ーーーーーーーー「って感じな話でそれでその後に竜華も戻ってきて、それなりに雑談して終わったよ」

 

昨日の怜達との電話とのことを話ながら玄関の鍵を閉める。

ちなみに最初に出た電話の相手……園城寺怜は僕の幼馴染みの一人だ。といっても僕や久と同じ長野出身……ではなくて、彼女は大阪の出身。父さん達と全国を回り始めたとき、一番最初に出会ったんだけどその後、まぁ……いろいろあって仲良くなった。そして、時々ではあるけれども一緒に全国を回ったこともある。昔っから気さくな感じで飄々とはしているけれど、人の本質を見抜くことを得意としている。それに……彼女には特殊な“瞳”がある。

それはまぁ、後々。

 

「へぇ~。何かその清水谷さんだっけ?いじりがいがありそうだわぁ~♪」

「あ~……やめたげてね?あの子、物凄く純情そうだったし」

 

悪~い顔しながら何かを企み始めた久と肩を並べながら学校までの道を歩き始める。

…………昨日の人達の襲撃……というか追跡も考えていたんだけど…………とにかくそれは来たら考えよう

 

**************

 

結局、警戒していた女子集団は現れず…………いや、ホント怖いよ?何せ昨日鬼の形相で追っかけてきた集団が一晩たったら音沙汰なくなるんだよ??学校で何かが待ち構えてるとしか思えないよ???

…………ふふふ……怖い。

そんな気を紛らわすために久と色々話していんだけど、話題は昨日の朝日姉ちゃんの用事の話になった。

 

「ところで……昨日の朝日姉ちゃんの用事って結局なんだったのさ?」

「ああ、それ?何か麻雀部の先輩たちと一局手合わせしたわ」

「へ~。帰ってきた時の感じからして勝ったんでしょ?」

「ええ、それでここ最近の朝姉さんの悩みがわかった気がするわ……。正直肩透かしだったもん」

「……それは先輩本人の前では言っちゃだめだよ…?」

 

「あらら。こりゃ~手厳しい意見だなぁ~」

 

「……うぇ?」

「あら♪おはよう~鈴ちゃん♪」

「はろはろ~久っち~♪」

 

そろ~っと声がした方向に顔を向けると……学校指定のブレザー……っていうんだっけか?とにかくうちの学校の制服を少しだけ改造したであろう服装の緑髪の女の子が声をかけてきた。

 

「そして……君が…………涼月澄夜君だね?」

「そうですけど……」

「ふ~ん……?」

 

な、何だろ?何かじろじろ値踏みするように見られてるんだけども??そういや何で僕の名前を???

 

「いやはや、突然ごめんね~。朝日センセの弟さんがどんなのなのか気になっちゃって」

「朝日姉ちゃん?てことは……」

「そ。ご察しの通りあたしは白糸台麻雀部所属……そして白糸台高校2年の鈴川茄奈♪これからよろしくぅ♪」

 

やっぱり。

それにしても何だか少し昔の……ええと、ギャル……だっけ?そんな風な人が来たなぁ……。でも……そんな感じはしないけれども……?

と、そんなことを思っていたら。

 

「ちなみに今は猫被ってるけど実際はめちゃくちゃ純情だからね♪」

「ちょ!?久っちそれは言わないお約束!!」

「ほへ~やっぱり」

「えぇ!?すーくん、分かってたの!?」

「まぁ……直感的に」

「ええ……」

 

ガックリと肩を落としてしまう鈴谷先輩。でもすぐに顔を上げ……

 

「ま、いいか!とにかく学校に行きましょ?」

「ですね。あんまりゆっくりしていると遅刻しちゃいますし」

「だね~♪」

 

そうして、僕らは先輩を交えて学校を目指すことになった。

 

**************

 

side 久

「っと……それじゃ、あたしはここまで。それじゃまたね~」

 

校舎に入ったところで別の階の鈴ちゃんと別れる。

昨日あったばっかだけどすぐに仲良くなったんだよね~。なんというか波長が合うというか。

 

「では、また」

「じゃね~」

 

礼儀正しくお辞儀をする澄に対して私は右手を軽く振るう。

 

「だめだよ?先輩なんだからもっと丁寧にしないと……」

「鈴ちゃんがいいっていったのよ。澄こそ、ちょっと固すぎじゃない?」

「うう~ん。そうかなぁ………」

 

そんなことを話ながら私たちの教室へ足を向けようとすると……

 

「はっ!!涼月様よ!!」

「親衛隊!!一同せいれぇぇぇぇっつ!!!」

「うぇ!?」「あらま」

 

1人女子生徒が澄に気づいたその瞬間、謎の号令がかかり至るところからぞろぞろと女子生徒が現れ……というかゴミ箱からってよくいれたわね。というかそもそも何で入ってたのかしら?

しかも、その集まる数が多いのなんのって……

 

「「「「「「涼月様!!」」」」」」

「「「「「「「おはようございます!!」」」」」」」

「う、うん……おはよ……」

「「「「「「「あぁ……!!」」」」」」」

「「「「「「「「これで今日も1日生きられるわ……!!!!」」」」」」」」

 

ええと?いつから澄は神様になったのかしら??

 

「えと?」

「突然の事で驚かせてしまい申し訳ありません」

「私たちはあなた様を影から見守り、あなた様のすべてを守るそれこそが……」

「「「「「我々!!」」」」」

「「「「「「涼月様親衛隊でございます!!!」」」」」」

 

わぁー。まっさか昨日の今日で漫画みたいなこんな親衛隊が作られるなんて凄いわぁ~……。

…………………………………………フム。

 

「ええっと…………」

「それならば、私も参加していいかしら?」

「ちょぉ!?」

「「「お、おお…………!!」」」

「「「「「ひ、久様が………………!!!」」」」」

「悪い条件じゃないと思うわよ?何せ私なら澄とよく一緒に行動できるからいつでもかん……じゃなかった、見守ることができるし」

「待って!?今監視とかいいかけなかった!?!?」

「そんなこと言うわけないじゃない。それでしかもこの子にとっての良し悪し判断ができるようになるわ。それはもう何からナニまでね?」

「ちょっと!?ちょっと!?!?今度は何か含みをm「「「「「滅相もない!!!」」」」」……えぇ……」

「「「「「「「久様がお仲間になられるのならば百人力です!!!!」」」」」」」

「よし、決まりね。なら今日から私が涼月……いえ、澄護衛親衛隊隊長……でもいいかしら?」

「「「「「「もちろん!!!」」」」」」

「えええぇ………………。」

 

澄が何だか呆然としているけど……それは関係ないわね。いやはやこぉ~んな楽しそうなこと見逃すわけにはいかないわ♪

 

**************

 

「へぇ……そんなことがあったの」

「そうなのよ~。あ、照と菫のことは特別隊員ってことにしといたわ。澄の近くにいてもこれで他の人から何か言われることはないわ」

「…………ん。これで気兼ねなく甘いものを食べに行ける」

「結局甘いもの目当てなのね…………」

 

朝のHRも終わり、遅刻寸前でやって来た照と今朝の出来事を話す。

澄?澄なら……

 

「しっきしがさんじゅーにまーい……しっきしがさんじゅーさんまーい……」

 

死んだ魚の目をしながら適当にひたすら色紙にサインをしていた。

実はあのあと親衛隊に所属している全隊員に親衛隊所属の証……まぁ、サインをお願いされて…………澄も「それくらいなら」って言ったんだけど…………

 

「まさか300枚近く頼まれるなんてね~」

「大変そう……」

「しっきしがよんじゅーまーい……しっきしがよんじゅーいちまーい……」

「ま、モテる男の宿命みたいなものね」

「確かに。しかもお姉さんがあんなに綺麗な人達何だし……いや、ししょ~は可愛いかな?」

「騒々しいの間違いじゃない?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「へっぷしっ!!」

「おんや~?風邪かい?だらしないねぇ」

「ふふん!残念だったな、うーちゃん!!わたしは風邪を引いたことなんてないのさ!!!」

「あっそ~……てか、うーちゃんはやめろって言ってんでしょうが!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「しっきしがよんじゅーはちまーい……でもみすったからぽ~い~…………」

「……手伝わないの?」

「可哀想だけどさすがにねぇ……?見てる分なら楽しいのだけれども♪」

 

そんなことを話しているうちに1時限目の開始を始めるチャイムがなり……。

 

「おぅ!こらぁ!!席に着きやがれ!!今から国語を始めんぞ!!」

 

何だかどこぞのCMに出てきた先生のような先生がやって来て各々が自分の席に戻り、私や照も黒板に向き直った。

 

**************

 

そうして、時は過ぎ…お昼。

4時限目の授業が終わるチャイムがなり、クラスメイト達の緊張が少し緩む。

因みに1時限目の授業……神のいたずらか悪魔の罠なのかは知らないけど米田くんって人が丁度いて……あのCMみたいなことをしてくれた。何だかあの先生の持ち芸みたいだったけど今回はまさにあのCMの再現だった。黒板の文字は“雄芽出当”だったけど。

…………そしておもいっきり滑ってたけど。

 

「…はい。では号令の人お願いします」

「起立!礼!!」

  「「「「「ありがとうございましたー!!」」」」」

 

そうして授業も終わり昼休みへ……

 

「さて、それじゃご飯に……」

「………………」

 

振り替えると既に真っ白に燃え尽きてしまった澄だった何かがそこにいた。

 

「なんか……オーバーヒートしちゃった」

「ま、昨日の今日だからね~」

「?中学では??」

「基本的、澄は転勤族だったのよ。だからある意味こういうことには慣れてないのよね~」

 

「へぇー」って言いながら澄をつつく照。それに対しても澄だったなにかは何にも反応をしめすことはない。ただの屍のようだ。

 

「ま、それは今に復活するだろうから放っておきましょ。私達は菫も誘って……そうね、中庭辺りでご飯にしましょうか」

「ん。賛成」

「………はっ!弁当!!」

 

屍がお昼という言葉に反応してようやく澄として復活して、鞄をひっ掴み……

 

「すまん。先に飯にしてて!」

 

と一言残して大急ぎで教室をでていった。

……案外、大丈夫そうね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後、隣のクラスの菫を捕まえて4月の陽気な日差しが降り注ぐ中庭にやって来ると意外に賑わっていた。3人でどこに座ろうか悩んでいると……

 

「おお~い!久っち~!!」

 

朝に引き続き鈴ちゃんから声をかけられ、そこに足を向けると

 

「こんにちは。久さん」

「涼月か。昨日ぶりだな」

「あら、部長さんに羽智さん。こんにちは~」

 

白糸台高校3年の生徒会長にして巨大な白糸台麻雀部の部長を務める胡原湊さんと鈴ちゃんと同じ2年生の来年の生徒会長&麻雀部部長候補筆頭である穐山羽智(はち)さんも一緒にいた。

 

「それで……後ろの2人は?」

「紹介しますね。こちら友達の宮永照と弘瀬菫です」

「宮永照……よろしく」

「弘世菫です」

「まぁ……」

「??」

 

あれ?何か2人を紹介したら何だか湊さんが変な反応を……

 

「あ、ごめんなさい。こちらの自己紹介がまだでしたね……ご存じかもしれませんが、私は胡原湊と申します」

「穐山羽智だ。よろしく頼む」

「あたしは鈴川茄奈♪よろしくね♪っていうか照っちだっけ?すっっごく可愛い~~!!!!」

「むぎゅ……」

「同伴のお誘い、そしてお心遣いありがとうございます。胡原会長、穐山先輩」

「いや、誘ったのは茄奈だ。礼は彼女にいってくれ」

「ふふ。新入生を導くのも先輩の役目だもの……気にしなくていいわ」

 

そうして各々が座ったその時。

 

「お姉様~!!」

「…………ども」

「いたいた……ここにいたのか」

「お、おお……美人たちの花園っ……」

 

何やら賑やかな人と、ノートパソコンを抱えた金髪の人。そしてちょっと肩で息をしながら来た澄と少しワカメ髪の人が同時にやって来た。

 

「あら、美波と麻那ちゃん。どうしたの?」

「いえ!私はお姉様とお食事を……」

「私は巻き添えで…………」

「澄、お疲れ~」

「ちょっと意気投合した、というか同郷の人連れてきたけど……」

「ん?何だ染谷じゃないか」

「おろ?弘世?なんでここに」

「あれ?2人は知り合い?」

「というかクラスメイトだな。まさか澄と意気投合するとは」

「いやなに。没収された携帯取りに職員室に言ったらさ~、かの有名人夕羅先生と“白糸台の番長”朝日さんに弁当渡してた澄夜と出くわしてさ」

「そういえば染谷って言うと……染谷おじいちゃんの?」

「そそ。何となく雰囲気が似てたからもしかして……と思ってさ聞いてみたらビンゴでね」

「俺は武者修行として来てたんだけど、まさか親父とじっちゃんの知り合いに出会うとは思ってなくてなぁ~」

「何だか一気に賑やかになったね~」

「そうだな……少し広いところに移動した方が良さそうか?」

「大丈夫だと思う……」

「てゆうか!!やっぱ照っちめちゃくちゃ可愛い~~!!!!お人形さんみたい~!!!!」

「あぅあぅ」

 

何だかんだでまたまた賑やかになり……少し落ち着いたあと皆で改めて自己紹介を済まる。

まず湊さんのことを「お姉様~!」なんて、リアルでそんな人いるんだ!?と思わせた御仁は胡原泉さん。胡原会長の妹さんで現在茶道部に所属しているらしい。

そして、泉さんに着いてきたノートパソコン無口そうな、だけどもどこか照とそっくりな感じをさせている人は三納代ミレアさん。何かどっかの国のクォーターらしいけど詳しくは教えてもらえなかった。残念。

そして、私と澄のお(義)父さんの親友のご子息。ちょぴっとワカメ髪の染谷勝啓(かつひろ)くん。私達と同じ新入生でさっき言ってたようにここ白糸台には麻雀の武者修行としてやって来たみたい。何だか地元に置いてきた妹さんの事をすんごく気にしてた。……あれ?私、勝啓くんのことは知らないけど妹さんのことは知ってる……。試しに澄にも聞いてみると

 

「ん~……僕もそういやひろくんのこと知らなかったや」

 

ひろくんて……一気に仲良くなったんだ。

まぁ、それは置いとくとして……勝啓くんに何でか詳しく聞いてみると……

 

「ああ……確かに俺は長野生まれだけど基本的にお袋の地元にいたからな。あ、因みに離婚とかしてる訳じゃなくってさ……なんつーか、お袋の地元の方が色々あっからっちゅう若人らしいっちゃらしい理由だぜ?」

 

とのこと。……何だか勝啓くんの雰囲気的にそんな気はしていたけれども、まさかホントにそんな理由だとわ…………。にしても、長野って言っても都会に負けない色々な魅力があると思うけどね~信州そばだとか諏訪湖だとか色々。

まぁ、そんなこんながあってようやくお昼となった。……といってもそんなに時間がたってるわけじゃないんだけどね。

 

「はい。久の分」

「ありがと~♪」

「おいおい。こちとら購買で苦労して買ったパンだと言うのに……」

「なら今度僕が作るときはひろくんの分も作ってこようか?」

「お?おかずぐらいでいいから頼めるか?」

「うん。それぐらいなら変わらないけど……ご飯はいいの?」

「米なら炊けるからな!」

「フッ……結局男なんてその程度ね。きっと涼月弟だって……」

「フフン♪残念だったわね♪澄のは1から手作りよ♪」

「なん…………だと…………!」

「ほほう?澄夜は料理ができるのか?」

「澄はですね家事なら基本全部できますよ~♪」

「確かに昨日の調理場での動きは手馴れていたな」

「……アンれ~??何で菫っちは澄っちのお店での……しかも裏方のことを知ってるのかにゃ~??」

「昨日、ちょっと客の出入りが凄かったんで手伝ってもらったんですよ」

「そうなんだ~……。ちえっ、つまらないの」

「まぁまぁ。それで……菫さんはどうするの?もし彼の店でまた仕事をするのなら、一応バイト申請が必要になるけれど……」

「そういえば星姉さんもまた来てほしいっていってたわよね?」

「そうそう、スゥにその事を伝えなきゃいけなかったんだ。……朝からの色紙地獄ですっかりわすれてたよ」

「色紙地獄?」

「それは触れないで……。それでなんだけど、どうかな?」

「…………考えておくわ」

「登録なら早めにお願いね」

「…………(はむはむ)」

「…………(あむあむ)」

 

色んな話題で賑やかになりながら各々が持ち込んだお弁当を皆で食べる。まぁ、弱冠2名ほど我が道を行っていたけれど……。…………うんパンにかじりつく姿が小動物みたいで可愛いからいっか。

 

「「………………?」」

 

視線に気づいた2人がふっ…と顔を上げ首をかしげる。

……この瞬間、十中八九ここにいる全員がこう思った…………。

 

((((((((やべぇ。くっそかわええ……。))))))))

 

と……。

そして、私達はその後も昼休みが終わるまで賑やかにお昼御飯を食べながら色々とお話ししていたのだった。

 

 

 

 

                  2ー① END




以上久しぶりの咲でしたぁ!!(テンション崩壊ぎみ)

(深呼吸)

いやはやホントに遅くなってしまってすみませんでした……。
麻雀の勉強しかり、物語の構成変更しかり……とにかく色々とやってたらここまで遅くなってしまいました……。
咲作品については今後も遅くなりそうです……。物語の構成を変更したとはいえ、まだ不確定なところが多いためまだまだ試行錯誤していきます。ですので気長にお待ちいただけると幸いです!

改めて、誤字脱字、その他様々な意見等あれば受け付けておりますのでよろしくお願いいたします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。