魔法少女リリカルなのは~蒼銀の護り手~ ※凍結   作:天御柱

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第14話 『後日談~理想に向かって歩き出す者達~』

あの日、フェイト達と海鳴公園で面会してから数日後の現在。

 

「説明を求める」

 

俺は何故かアースラに呼び出されていた。

 

「管理局の上層部からあなたの局入りを――」

 

「断る」

 

「……最後まで聞いてくれてもいいんじゃないかしら?」

 

「どちらにせよ結果は変わらないさ。俺は管理局には入らない」

 

リンディさんの言葉をバッサリと斬って捨てる。

 

「用件がそれだけなら、俺は帰らせてもらうぞ。まったく、とんだ無駄足だった」

 

「待って。もう1つ、あなたに聞きたいことがあるわ」

 

「何だ?」

 

「あなたが渡してくれた2枚目のディスク、あれを技術部に持っていったら、中のデータを見た局員達が皆驚いていたわ。私も少し見せてもらったけど、あれだけの情報をあなたはどこで入手したのかしら?」

 

「黙秘する。その質問に答える義務もないしな」

 

「そう……」

 

「それで終わりか?」

 

「……そうだわ!フェイトさん達に会っていかない?」

 

「つい先日あんな別れ方をしておいて、今また会うのは正直気まずいだけなんだが……」

 

「それくらいはいいでしょう?」

 

「……わかった。少しだけだからな」

 

「ええ」

 

何だか上手い具合に丸め込まれた気がしないでもないが、この際気にしないでおこう。

 

「今ならフェイトさんは食堂にいるはずよ」

 

「了解」

 

そうして俺は食堂へと向かった。その先に待つ運命も知らずに.....

 

 

 

 

 

「さて、フェイトはどこに……って見つけた」

 

食堂に着いた俺は早速中を見渡すと、奥の方にフェイトの姿を見つけた。

 

「おーい!フェイトーっ!」

 

「え!?龍姫!?」

 

そりゃ驚くよな、普通。俺はそのままフェイトの元へ歩いていった。

 

「ど、どうして龍姫がここに!?」

 

「なんか突然アースラ(ここ)に呼び出されてな、話のついでにリンディさんに聞いて寄ったんだ」

 

「何の話だったの?」

 

フェイトが興味津々、といった様子で聞いてきた。.....ちょっ、フェイト近いって。

 

「あ、あぁ……管理局に入らないか、って話だったよ」

 

「へぇ……それで?」

 

「断った」

 

「え?どうして?」

 

「俺が個人的に好きになれないから」

 

「ふふっ、龍姫らしいね……」

 

俺の答えを聞いて吹き出すフェイト。.....そんな笑う事か?

 

「……あ、そうだ!せっかくアースラに来たんだし、模擬戦しない?」

 

「は?」

 

何故俺がアースラに来た → 模擬戦なんて話になるんだ?

 

「ど、どうしてそんな事を……?」

 

「私ね、前から一度龍姫とは戦ってみたかったんだ!」

 

目をキラキラさせて胸の前で小さく拳を作るフェイト。

くっ.....!まさかこの頃から既に戦闘狂(バトルマニア)の気があったとは.....

 

「いや、でも俺にとっては突然の事だし……」

 

「……ダメ?」

 

グハッ!?ま、まさかの涙目+上目遣いコンボだと!?や、ヤバい!これは断ったら罪悪感が.....!

 

「……わかった。ただし1回だけな」

 

「ホント!?ありがとう龍姫!」

 

俺が了承の返事をすると、途端に笑顔になるフェイト。.....フェイト、恐ろしい子!

 

 

 

 

 

そうしてやってきたアースラ訓練室。

何故かいつの間にかギャラリーができていて、そこにはプレシアさん、アリシア、アルフ、リンディさん、クロノがいた。

 

「……って、ちょっと待った!リンディさん!あなたは艦長だろう?こんなところにいていいのか!?」

 

『それなら心配は要らないわ。艦の事はエイミィに任せてきたから』

 

.....それでいいのか艦長、っていうか哀れエイミィ.....

 

『そういえば、龍姫の戦闘は初めて見るわね。彼、強いのかしら?』

 

『たつき、つよいのー?』

 

『アタシが知ってる限りじゃ、少なくともフェイトより数段上だよ』

 

『確かに、あの時の戦闘を見る限りではそうだな』

 

『それは楽しみね』

 

本人達に構わず、好き勝手言っているギャラリー。まったく、コイツらは.....

 

「それじゃフェイト。ルールはなのはとの決闘の時と同じな。どちらかがギブアップか気絶したら試合終了」

 

「うん」

 

「それから、俺は召喚魔法は使わない」

 

「……そうだね。使われたら今の私じゃ勝ち目ないし……」

 

「それにこの訓練室ももたないしな」

 

「あはは……」

 

俺の返事を聞いたフェイトが乾いた笑いを漏らす。

 

『開始の合図は僕が出そう』

 

そうこうしていると、クロノが通信を入れてきた。

 

『2人とも準備はいいか?』

 

「いつでも」

 

「いいよ」

 

『それじゃ、試合……開始っ!』

 

そうして俺達の戦いの火蓋は切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

―Side フェイト

 

 

 

「フォトンランサー……ファイヤー!」

 

「その程度の攻撃、俺には効かないぜ!」

 

模擬戦が始まってもうすぐ5分が経過する。でも、私はまだ龍姫に一度も有効打を入れられないでいた。

 

「くぅ……」

 

「そろそろこっちも行くぞ!」

 

しかもさっきまで龍姫は私の攻撃をかわすか防御するばかりで攻撃してくる気配はなかった。それが突然、私の方へと向かってくる。

 

「バルディッシュ!」

 

『Scythe Form』

 

私はバルディッシュを(サイズ)に変えて、龍姫を迎え撃つ。

 

「はぁぁあああっ!」

 

『Arc Saber』

 

私は龍姫に向かって魔力刃から斬撃を飛ばした。

 

「残念だが、それも……っ!」

 

龍姫はそれも拳で簡単に叩き落とすと、さらにスピードを上げてこっちへ突っ込んでくる。

 

「だったら……!」

 

『Blitz Action』

 

高速移動魔法で瞬時に龍姫の後ろへと回り込んだ。死角から首筋への衝撃打(ショックブロー)。これなら.....!

そうしてバルディッシュを振り抜いたその時、

 

「今のはなかなかいい攻撃だ。だが、まだ甘い」

 

『ホールディングシールド』

 

龍姫の張ったシールドによって、鎌の魔力刃は受け止められていた。しかもシールドが刃を噛んでいるせいで動かせない。

私は焦って外そうとしたけど、全然取れそうにない。

 

「ここまでだな」

 

そこに、すぐ近くから龍姫の声が聞こえてきた。見ると、龍姫の手刀が私の首に突きつけられていた。

 

.....完敗だ。

 

「そう……みたいだね。うん、降参」

 

「ハァ……」

 

私がギブアップを宣告すると、龍姫は大きく息を吐いて私から離れた。

 

「……どうだ?実際にやってみた感想は?」

 

「うん……やっぱり今の私じゃまだまだだね。でも、いつか必ず勝ってみせるよ」

 

「そうか、それは楽しみだ」

 

「待ってて。すぐに追いつくんだから」

 

本当に楽しそうに笑う龍姫を見て、思わず私も笑ってしまう。

 

「……また、模擬戦してくれる?」

 

せっかくだから、ちょっとお願いをしてみる事にした。これくらいならいいよね.....?

 

「そうだな。と言っても、そう何度もここに来る事はないと思うが」

 

「そっか……」

 

そうだよね.....龍姫は私達とは違う世界にいるんだし.....ちょっと残念。

 

『そういう事なら管理局に……』

 

「それはさっき断っただろう?二度も言わせるな」

 

『そんな事言わずに……』

 

「くどい」

 

訓練室の外からリンディさんが通信を入れてきたけど、それを断ってしまう龍姫。.....そうだ!

 

「龍姫。やっぱり管理局に入ろうよ、私と一緒に」

 

「なっ!?フェイト、本気か!?」

 

私の言葉を聞いて、大きく驚く龍姫。私はさらに話を続ける。

 

「うん、今決めた。私達みたいに悲しい事件に巻き込まれた人達を、私は助けてあげたい。……龍姫がそうしてくれたように」

 

「……その道は決して報われるばかりじゃないぞ。むしろ悲しい事の方が多いだろう。それでも、お前は前へ進めるか?」

 

私にそう聞いてきた龍姫の目は、真剣そのものだった。

龍姫が私の事を心から案じてくれている事を嬉しく思う反面、だからこそ私も真剣に答えなきゃいけない!

 

「……うん。それも全て覚悟の上だよ。それでも、私は前を向いて進み続ける」

 

「…………」

 

そうして無言で私を見つめる龍姫。沈黙が、今はとても痛い。それでも私は決して龍姫から視線を外さない。

 

「……本気なんだな」

 

龍姫は小さく何かを呟くと、

 

「わかった。フェイト、俺もお前の目指す道を応援する。……リンディさん。管理局入りの件、承諾しよう」

 

『ほ、本当に!?』

 

そんな事を言ってくれた。

 

「いいの、龍姫?」

 

「ああ。フェイト、俺も今決めたよ。俺が目指す理想の為に、できる事は何でもやってやる!」

 

力強くそう宣言した龍姫。

 

「そっか……龍姫の目標は私にはわからないけど、私で力になれる事があったら必ず助けに行くよ」

 

「そうだな……うん。その時はよろしくな、フェイト」

 

「うん!」

 

こうして私は自分の夢を見つけ、それに向けて努力していく決意を固めた。

 

 

 

―Side Out

 

 

 

 

 

 

アースラからの帰り道。

俺はついさっきの出来事を思い返していた

 

.....それにしても驚いたな。まさかこの時期にフェイトがあんな事を言い出すなんて。

 

「これも俺が介入した影響、なのか……?」

 

そう自問するが、残念ながらその答えを持ち合わせていない。

 

結局フェイトは原作通り嘱託魔導師試験を受験する事になったが、時期がだいぶ早い。

っていうか、これだとなのはより早く嘱託の資格を取るんじゃないか?

 

それにこの調子だと裁判も早期に終わって、テスタロッサ(ファミリー)は『闇の書事件』開始までに海鳴に来るんじゃなかろうか。

そんな考えが頭をよぎった俺だった。

 

 

.....ところで、リンディさんから聞いた俺の局入りに関する条件は以下の3点だった。

 

 

・魔力測定などの各種検査の受診

 

・魔法に関する筆記及び実技試験の受験

 

・上記2項目の結果次第だが、最低でも尉官待遇

 

 

もう少し厳しい条件が来るものと思っていた俺は、正直これを聞いて拍子抜けした。

検査や試験は面倒な事この上ないが、自分でやると決めた以上否やはない。

 

.....それにしても8歳のガキをいきなり尉官待遇で入局させるなんて、管理局の上層部は頭おかしいだろ。

もっともヤツらはそうやって俺を飼い慣らそうとでも考えているんだろうが、生憎お前らに都合良く動くお人形(マリオネット)なんかになる俺じゃないぜ?

 

とにかく、俺の目先の目標は管理局の試験という事が決まった。

誰が試験官になるのか、ちょっと気になったりもするが、誰が相手でも絶対に合格をもぎ取ってやる!

 

 

 

……と、まぁこうして『PT事件』は本当にその幕を下ろしたのであった。Fin.




あとがき

作者 「これにてホントに無印編終了~!」

龍姫 「お疲れさん」

作者 「おう。龍姫もな」

アテナ 「……私には何もなしですか?」

作者 「そんなわけないって。アテナもお疲れ」

アテナ 「ええ」

龍姫 「今回の終わりを見るに、次はすぐにA's編に入るわけじゃなさそうだな」

アテナ 「そういえばそうね」

作者 「まぁオリジナルの話を1つか2つ入れる予定だ」

龍姫 「それから、お前最近こっちにかかりきりでもう片方を全然更新してないだろ」

作者 「うっ……それは……」

アテナ 「鏡護さんからメールが来てるわよ?『そろそろこっちも更新してくれ』と」

作者 「ぐぅ……」

龍姫 「まぁ自業自得だな」

アテナ 「で、どうするの?」

作者 「鏡護、すまん!もうしばらくこっちを進めたらそっちに戻るから!」

龍姫 「あ、逃げた」

アテナ 「仕方ないわね……じゃあ後は私達で締める?」

龍姫 「そうだな」

アテナ 「それでは、ここまでこの作品にお付き合いくださった皆さんに感謝を」

龍姫 「そして、これからも引き続きこの作品をよろしくな!」

アテナ 「というわけで次回予告です。

    次回、第15話『龍姫の管理局観光(?)日記(仮)』

    を」

龍姫 「乞うご期待!」
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