「ふぅ……」
一時はどうなる事かと思ったけど、とりあえず何とかなったな。
俺は今、先程の砲撃で気絶したなのはをお姫様抱っこしながら宙に浮いている。
「(そういえばアルフ。お前はどうするよ?)」
俺は戦闘開始から完全に空気と化していたアルフに念話を送る。
「(その声は龍姫かい?……アレを見せられた後じゃ、アタシには無理だよ……)」
それもそうか。
「よし!それではこれにて試験終了!」
そうして俺は高らかにそう宣言した。
「う……うぅん……」
すると俺の声に反応したのか、なのはがゆっくりと目を開けた。
「……あれ?ここは……」
「目が覚めたみたいだね」
「ふぇ?た、たっくん!?……ふぇっ!?ええっ!?」
なのはは俺に気付いて慌て、さらに自分がお姫様抱っこをされている事に気付いて驚く。
「なのはちゃん、あまり暴れないでね。落っことしちゃうよ?」
「ふにゃっ!?ご、ごめんなさい……////」
そう言って顔を真っ赤にするなのは。
「自分で飛べる?」
「う~ん……ちょっとまだダメかも……」
「わかった。じゃあこのままとりあえず下に降りるね」
俺はそのままフェイト達が待つ地上に降りていった。
「合格……したかったなぁ……」
「フェイト……」
地上に降りた俺達を出迎えたのは、何故かメッチャ落ち込んでるフェイトとそれを慰めるアルフの2人だった。
ちなみに、なのはは着いてすぐに俺から降りると言い出したので降ろした。
これは.....
「……フェイト?まさか『負けたら不合格』とか思ってないか?」
「……え?」
俺がそう声を掛けると、バッと顔を上げるフェイト。.....やっぱりな。
「この試験は戦闘技術を見るだけだから、別に勝敗は試験の合否とは関係ないよ」
「そうなの?じゃあ……!」
「ああ。今の戦闘も悪くなかった。……2人とも合格だ」
「あっ……!」
「やったね!フェイトちゃん!」
俺の合格宣言に抱き合う2人。
「でも……」
「うん。そうだね……」
と、突然2人してジト目で俺を見てきた。
「な、何だ?2人ともどうしたんだ?」
その視線にビビる俺。
「試験の前に聞いたお話……あれについてまだ何も聞いてないの」
「そうだよ。詳しく聞かせてもらわないと……」
「いや、別にそんな大したことじゃないんだけど……」
そうして『闇の書』の事には何も触れずに、はやての事を2人に話した。
「へぇ~……私も友達になれるかな?」
「私もはやてちゃんに会ってみたいの!」
俺が話し終わった後には、そう言ってくれた2人。.....よかった。
「うん、是非2人にもはやての友達になって欲しいな。あ、2人とも2週間後の週末って空いてる?」
「え?……ごめんね、週末はいつもお店のお手伝いをしてるの……」
「そっか……じゃあ会場が翠屋ならどう?」
「あ……うん!それなら大丈夫なの!」
そう言って笑顔になるなのは。
「フェイトも、どうかな?」
「え?……うん、一応空いてるけど……」
「よし。じゃあ決まりだ」
.....おっと。もう1つの用件も忘れないうちに伝えないと。
「それともう1つ、試験合格のお祝いとして2人のデバイスを強化しようと思うんだけど……」
恐らく今回は原作A'sの最終決戦は起きないはずだから、今のうちに2人のデバイスにカートリッジシステムを組み込もうと決めていた。
「え?」
「ホントに?」
「ああ。これから2週間で仕上げようと思ってるから、デバイスを俺に預けてくれないか?」
「そういう事なら……はい、たっくん。レイジングハートをよろしくね」
「私も……はい。龍姫、バルディッシュをよろしく」
「確かに預かったよ。完成を楽しみにしててね」
とまぁそんなわけで、なのはとフェイトの嘱託試験は終わった。
そしてそれから2週間が経過し.....
「皆遅いなぁ……」
「うぅ……龍姫、どうしよう……緊張してきたよ……」
翠屋前でアリサとすずか、そしてはやてを待つ俺とフェイト。
「そんな緊張しなくても大丈夫だよ。みんないい人達だから」
「うん……そうだね」
そのまましばらく待っていると――
「龍姫、お待たせ」
「ごめんね。ちょっと遅くなっちゃったかな?」
「アリサ、すずか、来てくれてありがとう。そんなに待ってないから大丈夫だよ」
さらに――
「龍姫君、遅なってゴメンな~」
「はやて!来てくれてありがとう」
これで全員揃ったな。
「それじゃ、とりあえず皆で中に入ろう」
という訳で中に入り、なのはも合流して、あらかじめ予約しておいた店の奥のテーブルに座る。
「まずは自己紹介からだね。って言っても僕の事は皆知ってるから飛ばして……」
「じゃあアタシからね。アリサ・バニングスよ。よろしく」
「次は私かな?月村すずかです。よろしくね」
「高町なのはです!よろしくね」
「えっと……フェイト・テスタロッサです。よろしくお願いします……」
「わたしは八神はやてです。よろしくな~」
自己紹介が済み、俺は皆にフェイトとはやて、2人との出会いについて説明する。
「フェイトとは今年の4月に知り合ったんだ。その時フェイトは偶々海鳴に来てたんだけど、今日からしばらくこっちに来られる事になったから、皆に紹介しようと思ってね」
「初めて来た時に困ってたところを龍姫となのはに助けられて、2人とはそれ以来の友達なんだ」
「フェイトちゃん、また会えて嬉しいの!」
「なのは、私もだよ」
そう言って笑いあうなのはとフェイト。.....はいそこ、自分達の世界に入らないように!
「それから、はやてとは5月に海鳴図書館で知り合って友達になったんだ。家もこの近くで、何回か遊びに行った事もあるよ」
「そうなんよ。わたしも龍姫君にいろいろ助けてもらったりしてな」
「たっくん、はやてちゃんの家に行った事は聞いてないの……」
「そうだね……秘密はよくないよ?」
俺の言葉を聞いた途端、なのはとフェイトから真っ黒なオーラが吹き出す。
.....あれ?もしかして俺、地雷踏んだ?
「フェイトも龍姫狙いなのね……」
「大変だね……」
そんな2人を見てアリサは呆れ、すずかは俺に同情してくれる。
「むぅ……なのはちゃんとフェイトちゃんがわたしのライバルやね……」
.....あれ?はやて?君も何を言ってるのかな?
はじめは何だか変な空気だったけどその後は落ち着いて、皆で和気藹々とお喋りを楽しんだ。
やっぱり皆女の子。翠屋の美味しいスウィーツに舌鼓を打ちつつ、話に花を咲かせていた。
ただ、時々なのは、フェイト、はやての間に火花が散っているように見えたのは気のせいだと思いたい。
6人での楽しいお茶会も終わり、アリサとすずか、はやてが帰ったその後。
「なのは、フェイト、約束通り2人のデバイスのパワーアップが終わったよ」
「本当!?」
「どんな風に変わったのかな?」
そうして、改造を終えたレイハとバルをそれぞれに渡す。
「とりあえず起動してみてよ」
「「うん!」」
2人は笑顔で返事をすると、デバイスの起動を始める。
「レイジングハート!」
「バルディッシュ!」
「「セーット……アーップ!」」
『Order of the "setup" was accepted.』
『Operating check of the new system has started.』
『Exchange parts are in good condition, completely cleared from the NEURO-DYNA-IDENT alpha zero one to beta eight six five.』
「え?こ、これって……」
『The deformation mechanism confirmation is in good condition.』
「今までと……違う……」
これまでの起動とはどこか違う事に気づいた2人が戸惑っている。
『Main system, start up.』
『Haken form deformation preparation: the battle with the maximum performance is always possible.』
『An accel and a buster: the modes switching became possible. The percentage of synchronicity, ninety, are maintained.』
なおも続く起動プロセス。
「実はね、今回レイジングハートとバルディッシュには新しいシステムを積んだんだ」
「新しい……システム?」
「ああ。これから管理局の仕事に関わるからには、きっと大変な事もたくさんあると思う。でもそれはそんな困難に立ち向かう為の、新しい力なんだ」
「困難に立ち向かう為の……新しい力……」
「だから呼んであげて。その子達の新しい名前を!」
『Condition, all green. Get set.』
『Standby, ready.』
「うん!……レイジングハート・エクセリオン!」
「バルディッシュ・アサルト!」
『『Drive ignition.』』
さて、お約束の変身シーンは後ろを向いて.....っと。
そうして、光が収まったところで振り返る。そこには――
『Assault form. Cartridge set.』
『Accel mode. Standby, ready.』
新しく設計されたバリアジャケットに身を包み、新しくなった
「……ふぇ?これって……?」
「何だろう……龍姫、これは?」
「今回2機に搭載したそれは『カートリッジシステム』っていうんだ。圧縮魔力を込めたカートリッジをロードする事で、瞬間的に爆発的な魔力を得ることができるシステムなんだよ」
「ほぇ~……」
「それはすごいね……」
「さらに、新しくなった2機にはそれぞれ3つのモードがあるんだ。レイジングハートは中距離射撃のアクセルと砲撃のバスター、フルドライブのエクセリオンモード。バルディッシュは汎用のアサルト、鎌のハーケン、フルドライブはザンバーフォームって言う」
「そっか。使う魔法によってそれぞれのモードを使い分けるんだね?」
「なるほど~」
「うん。ただしフルドライブは使いすぎると使用者への負担が大きいから、あまり頻繁に使わない事。特になのはちゃんはすぐ無茶をしようとするから、気をつけるように」
「うん。わかった」
「うぅ……なんで私にだけそんな……」
「幼なじみとして心配なんだよ。無茶をし過ぎて怪我をした、なんて目も当てられないでしょ?」
「っ////……うん、そうだよね。たっくんの言う事だもん、私ちゃんと聞くよ!」
.....よし。これで『あの事故』が起きる可能性を少しでも下げる事ができれば御の字だ。
さぁ、次はいよいよ俺の『計画』の最終ステップ、『闇の書』の修復だ!
.....あ、その前になのは達に
あとがき
龍姫 「何だか色々と一気に進んだな」
作者 「……気にしないでくれ」
龍姫 「わかった。……しかし、なのは達3人娘はどうにかならないもんか……」
作者 「無理だ。もう3人ともバッチリフラグが立ってるからな」
龍姫 「……嘘だっ!」
作者 「いや、嘘じゃないから。っていうか○ぐらしネタかよ」
龍姫 「それなら、せめてこれ以上増えない事を祈る」
作者 「う~ん……どうだろな?もしかしたら増えるかも……」
龍姫 「やめてくれ!正直もう充分だ!」
作者 「まぁまだどうするか決めてないからな。もうちょい待ってろ」
龍姫 「……全く期待が持てない……」
作者 「え~、それでは次回予告!
次回、第24話『ついに現れた最強(?)の助っ人(仮)』
へ……」
龍姫 「ドライブ・イグニッション!」