魔法少女リリカルなのは~蒼銀の護り手~ ※凍結   作:天御柱

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第24話 『ついに現れた最強(?)の助っ人』

なのはとフェイトの嘱託試験も終わり、世間は夏休み真っ只中な8月某日。

 

「こっちのシステムチェックは全部終わったぞ!アテナ、そっちはどうだ?」

 

「ちょっと待って。後もう少しだから……っと、終わったわ」

 

「よし。リーゼ姉妹!そっちは?」

 

「もうちょっと掛かるかも……っていうか、龍姫は人使いが荒いんだよ~」

 

「そうね……ここ2ヶ月、まともに休んでないもの」

 

「黙れ。協力すると言ったからにはキリキリ働いてもらうんだからな」

 

「鬼ーっ!悪魔ーっ!」

 

.....まさか俺が悪魔と呼ばれるとは思わなかったな。

 

「それに全く休ませてないわけじゃないだろ。ついこの間もマッサージしてやったじゃないか」

 

「……確かにアレは気持ちよかったわね。またやってくれる?」

 

「作業が全部終わったらな」

 

「やったー!だったらアタシ、頑張っちゃうよ~!」

 

「それなら私も頑張るわ」

 

.....まったく、現金なヤツらだ。

 

以前あまりに疲労が蓄積した結果ダウンした2人に、マッサージをしてやった事があった。それが2人に好評で、今までに何回かやっているのだ。

 

「俺とアテナも手伝うから、少しこっちに回せ」

 

「ありがと~」

 

「助かるわ」

 

そうして4人で作業する事およそ1時間――

 

「これで……終わりっ!」

 

 

――パチンっ!

 

 

俺が最後のキーを叩く音が室内に響く。

 

「ぃやったぁーっ!」

 

「終わったわね!」

 

「ええ。これでようやく準備が整ったわね龍姫。ロッテとアリアもお疲れさま」

 

「おう!アテナも本当にお疲れさま。リーゼ姉妹も、よくやってくれた」

 

「うん。お疲れ~」

 

「お疲れさま」

 

その瞬間訪れた達成感を皆で分かち合う。うん、よかったよかった。

 

「これで後はこの修正パッチを今の『闇の書』に上書きすれば、万事解決だな」

 

「そうね」

 

アテナと2人で笑いあう。するとそこへ――

 

「たっつき~!約束のマッサージ~!」

 

「おわっ!?ロッテ、いきなり飛びついてくるな!」

 

突然ロッテが抱きついてきた。

 

「そうね。終わって早速で悪いけど、お願いできるかしら?」

 

さらにアリアがそんな事を言う。

 

「アリアまで……わかった。やってやるから用意しろ」

 

「「はーい!」」

 

そう返事をすると、2人はネコ形態(モード)になる。そして――

 

「ほ~れ。この辺とかどうだ?気持ちいいか?」

 

「ふにゃぁぁぁ……やっぱ龍姫のマッサージは最高だ~」

 

「ふ、ぅぅん、そうね……あ、そこもう少し強く……」

 

「はいはい。……っと、こんなもんでどうだ?」

 

「あふぅ……そ、それいいわ……続けて……」

 

「ぅにゃっ、はふぅ……あ~、極楽極楽……」

 

「ついでに今日はブラッシングもやってやるよ」

 

「おっ、流石龍姫!気が利くね~」

 

「ありがとう。よろしくね」

 

「んじゃ、多少くすぐったくても我慢しろよ?」

 

「「はーい!」」

 

そのまま1時間くらいかけてマッサージとブラッシングを行い、終わった後は満足した様子で2人は帰っていった。

 

 

 

「これで全ての準備が整ったな」

 

「ええ。これでもう『呪われた魔導書』は救われるわね」

 

「ああ」

 

アテナと2人、執務室で話をする。

 

「でもこれが終わったら終わったで、今度は10年後に備えた準備を始めないといけないんだよな……」

 

「それは確かにそうだけど、今はとにかく目の前の事をしっかり済ませないと」

 

「それもそうだ。それじゃなのはとテスタロッサ(ファミリー)、それにはやてとヴォルケンズに連絡を入れないと」

 

「ハラオウン家は呼ばないのね」

 

「アイツら、特にKYが介入してくるとまた色々面倒だからな」

 

「……そうね」

 

「わかってくれたようで何よりだ」

 

そうして執務室を後にしようとしたその時、

 

『タツキ、外部からこの部屋に転移してくる者がいます』

 

突然ハイペリオンが警告(アラート)を発した。

 

「な!?バカな!ここは時空管理局の総本山で、しかもこの部屋には結界を張ってあるんだぞ!?」

 

『ですが間違いありません。……来ます』

 

俺はありえない事態に動揺するが、そんな事はお構いなく侵入者はやって来た。

 

 

――パシュっ!

 

 

そこにいたのは――

 

「あ!パパっ!」

 

「はぁっ!?って、うわぁ!?」

 

俺の執務室に転移してきた『ソイツ』は、突然そんな事を口にすると同時に俺に飛びついてきた。

 

俺は突然の出来事に面食らって、その場で固まる。

 

「パパ!パパ!やっと会えたです♪」

 

「???」

 

いまだ混乱から覚めない俺を置いて、『ソイツ』――ちっこい少女は俺に頬擦りしている。

 

「龍姫……あなたいつの間に……」

 

「なっ!ちょっと待てアテナ!何で俺から距離をとるんだ!」

 

その一部始終を横で見ていたアテナが、ススッと俺から離れる。

 

「まさか龍姫が犯罪者になってたなんてね……」

 

「いや、なってないから!それに俺は何もしてない!」

 

「えっ?でも……」

 

何だか壮絶な誤解を生んでいる様子。.....くそっ!一体誰の仕業――

 

「はっはっは!どうやら大成功のようだな!」

 

そこに突然聞こえてきた声。この声は――

 

「……ゼウス!これはお前の仕業か!」

 

「いかにも。いや、しかしおかげで面白いものが見られた。よくやった『イリス』」

 

俺が叫んだその時、ゼウスが姿を現した。

 

「ありがとうございます、マイスター」

 

すると、俺に頬擦りしていた少女がそう言ってゼウスに一礼した。.....ん?

 

「マイスター?……どういう事だ?」

 

「簡単な話だ。イリスは俺が作った。……お前のユニゾンデバイスだ」

 

「何だって?……じゃあ、この子が?」

 

そう言って、イリスと呼ばれたちっこい少女を指差す。

 

「はい!イリスがパパのユニゾンデバイス、イリスです!」

 

「そ、そうか……えっと、イリス?とりあえず俺の事をパパって呼ぶのはやめないか?」

 

このままイリスを紹介すると、きっと俺はごく一部の人間とO☆HA☆NA☆SHIしなければならなくなる。

 

「でもでも、イリスにとってパパはパパなんです!」

 

「そこを何とかお願いできないかな?せめて名前で呼んで欲しいんだけど……」

 

「む~……わかったです。……パパの名前は何て言うですか?」

 

「龍姫だよ。氷護龍姫、それが俺の名前だ」

 

「タツキ……わかったです、タツキパパ!」

 

.....何だか余計後に引けない感じになってしまった気がする。

 

「うぅ……仕方ない……こればっかりは気長に矯正するか……」

 

もう色々と諦めた俺だった。

 

「……というかゼウス。もうちょっと何とかできなかったのか?」

 

いや待てよ?むしろコイツの性格を考えると――

 

「ふっふっふ、よくわかっているな。その通りだ。この方が俺にとっては面白いと思ったから、今以上の調整をしなかったのだ!」

 

「んな偉そうに宣言すんじゃねぇ!結局またお前の道楽の為か!」

 

「当たり前だ。言っただろう、これは俺の暇潰しだと。俺が楽しめればそれでいいんだ」

 

マジでコイツはいつかコロス.....!

 

()れるものなら殺ってみろ」

 

「俺の心を読むな!」

 

「今日の用事はこれだけだ。届け物(イリス)は確かに渡したぞ。……さらばだ!」

 

「この野郎っ!出るのも唐突なら帰るのも唐突だなっ!」

 

「はっはっは!神とはそういうものだ!」

 

高笑いを残して消えるゼウス。まったく.....いつもいつも人騒がせなヤツめ。

 

「タツキパパ、マイスターとのお話は終わったですか?」

 

と、そこにイリスが話し掛けてきた。

 

「ああ、終わったよ」

 

「ではではですね、早速イリスとユニゾンしてくださいです!」

 

俺はイリスの提案について考える。確かに、今ここで試してみるのもいいな。ここなら結界があるから、局のヤツらにもバレないし。

 

「……ん、そうだな。ハイペリオン!」

 

『Standby, ready』

 

俺の声にハイペリオンが答え、俺は一瞬でバリアジャケットを纏う。

 

「よし、いくぞイリス!」

 

「はいです!」

 

「「ユニゾン・イン!」」

 

2人の声が重なり、イリスが俺の身体の中に消える。

 

 

――ピカッ!

 

 

それと同時に、俺の両腕に装着されているハイペリオンの篭手が輝く。.....何だ?

 

 

――バシュゥゥン

 

 

そうして光が収まってから、俺は室内にある姿見を見た。そこには――

 

「おおっ?」

 

まず初めに気がついた事は、瞳が虹色に輝いている事だった。

 

(イリス)の名は伊達じゃないって事だな」

 

『えっへんです!』

 

俺の言葉を聞いたイリスが、俺の中で胸を張っているのがわかった。

 

「あとは……ん?これは……」

 

次に俺が気がついたのは、先程輝いていた篭手パーツだった。

 

「……『カートリッジシステム』か。しかも両手に6連装のスロットが1つずつ、合計12発ってどうなんだよ……」

 

『あ、忘れてたです!初めてイリスとユニゾンした時に、ハイペリオンもアップデートされるようになってるです!』

 

俺の中からイリスが説明してくれた。ちょっと遅かったけどな。

 

「ああ。今確認したよ。ありがとうイリス」

 

『はいです♪ちなみに、アップロード後の名前は“ハイペリオン・Saviour(セイヴァー)”です!』

 

Saviour:『救世主』か.....ゼウスのヤツもなかなか味な真似をする。

 

「わかった。……という訳で、改めてよろしくな『ハイペリオン・セイヴァー』」

 

『はい。これからもよろしくお願いします、タツキ』

 

生まれ変わった相棒と改めて言葉を交わした。

 

「よし。それじゃ、とりあえず今日はこのまま装備の確認をしたら帰ろう」

 

『はいです!』

 

『了解です』

 

そうして他の変更箇所を確認してから、俺達は帰途に着いた。




あとがき

作者 「本日のゲスト、ユニゾンデバイスのイリスだ!」

イリス 「よろしくお願いしますです!」

龍姫 「イリス、いい子にしてるんだぞ?」

イリス 「はいです、タツキパパ!」

作者 「ププっ……『タツキパパ』だって……ププっ」

龍姫 「……余計な事を言ったらコロス」

作者 「ごめんなさいもう何も言いません」

イリス 「あははっ、作者さん面白いです!」

作者 「……いやぁ、それにしても可愛いなイリス」

龍姫 「まぁな」

イリス 「わーい!イリス褒められたです!」

作者 「という訳で次回は新キャラと新デバイスの紹介と、ついでに主人公についての補足説明をしようと思う」

龍姫 「確かに、ここでやるのがベストだな」

イリス 「イリスを皆さんに紹介してくれるですか?」

龍姫 「ああ。そうだぞ」

イリス 「イリス楽しみです!」

作者 「それでは次回に向かって――」

龍&イ 「「ドライブ・イグニッション(です)!」」
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