魔法少女リリカルなのは~蒼銀の護り手~ ※凍結   作:天御柱

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第26話 『永遠(とわ)の闇を撃ち払う光』

はやてとリインフォース、2人の抱擁を見守る事およそ10分。

 

「……2人とも、そろそろいいか?」

 

「へ?あっ////う、うん。ええよ……」

 

「主?どうかされ……っ////し、失礼した……」

 

俺が声を掛けると、2人は顔を真っ赤にして凄い勢いで離れた。

 

「まずは確認させてくれ。リインフォース、はやては管理者権限を使えるようになったのか?」

 

「ああ。問題ない」

 

「よし。それじゃはやて、管理者権限でアクセスしてみてくれるか?」

 

「了解や。……管理者権限、発動」

 

「はい、我が主」

 

はやての指示にリインフォースが答え、書へのアクセスを始める。

 

「こっちもモニターを開いて――っと」

 

俺もモニターを開き、すぐに修正プログラムが起動できるよう準備する。

 

「……アクセス、完了しました」

 

「ありがとう、リインフォース。……龍姫君、こっちは準備できたで」

 

「こっちもオッケーだ。……それじゃ、始めるぞ」

 

「うん」

 

俺のモニターと『闇の書』をリンクさせ、修正プログラムを流し込んでいく。

 

 

――22、36、48、59.....

 

 

順調にデータの上書きが進んでいく。

 

 

――64、69、73、77.....

 

 

よしっ!このまま最後までいけっ!俺が心の中でそう叫んだその時、

 

 

――ビー!ビー!

 

 

突然警報が鳴り出し、モニターが赤に染まった。

 

「な、何だ!?」

 

俺が突然の事態に慌てていると、

 

「我が主、大変です!修正プログラムに防御プログラムが反発しています!」

 

「何やって!?」

 

どうやら防御プログラムが修正を受け入れまいと抵抗しているらしい。

 

「リインフォース、その防御プログラムを無力化する事はできないのか?」

 

「……1つだけ、方法がない事もない。防御プログラムを書から切り離し、破壊すればいいのだが……」

 

くそっ!つまり原作と同じって事か!

 

「仕方ないか……はやて!防御プログラムを切り離して、表に出してくれ!」

 

「龍姫君……うんっ!リインフォース、やるよ!」

 

「はい、我が主」

 

それから2人が作業を終えると、

 

「切り離しに成功した。ここの沖に防御プログラムが姿を現すだろう」

 

リインフォースが海を指しながらそんな事を言った。

 

「よし。魔導師勢は全員沖へ出るぞ!」

 

『『『了解!』』』

 

俺の言葉に、その場にいたほぼ全員(※プレシア、アリシアを除く)が返事をした。

 

「よし、それじゃいくぞ!」

 

『『『セーット、アーップ!』』』

 

そして全員がバリアジャケットを装備して海鳴の沖に向かって飛んだ。

 

.....そういえば今回はまったく蒐集をしてないんだけど、これから出るのは原作の『アレ』なのか?

 

俺は現場へ急行しながら、ふとそんな事を思った.....

 

 

 

 

 

俺達が海の上を飛んでいくと、目の前に突如黒い澱みが出現した。.....あれかっ!

 

「はやて!アレが暴走するまでの時間はわかるか?」

 

「うん。あと10分くらいやな」

 

「ありがとう」

 

.....原作通りだな。それなら.....

 

「よし、全員集まってくれ!これから作戦を説明する!」

 

そうして集まってきた皆に作戦を説明する。といっても原作とほぼ同じものだけどな。違うのは最後だけだ。

ちなみになのはとフェイトには既にフルドライブ使用の許可を出してあり、それぞれのデバイスがエクセリオンモードとザンバーフォームになっている。

 

「防御プログラムのバリアは魔力と物理の複合4層式。まずはそれを破る」

 

「バリアを抜けたら本体に向けて、私達の一斉砲撃でコアを露出」

 

「そうしたら、最後はたっくんがトドメの一撃!」

 

「そうして防御プログラムを消した後で、新しいプログラムを上書きすれば終わりだ」

 

ここにいるメンバーなら、必ずやれる!

 

 

――ザバァッ!

 

 

と、そこで澱みの周囲の海中から無数の触手が姿を現した。これは.....やっぱり相手はヤツか。

 

「防御プログラムの暴走臨界点まで、あと2分や!」

 

よし、そろそろだな。.....っと、忘れてた。

 

「シャマル。なのはとフェイトの治療を頼む」

 

「はい」

 

俺の要請に応えて、シャマルが2人の前に出る。

 

「クラールヴィント、本領発揮よ」

 

『Ja.(はい)』

 

「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで」

 

すると緑色の風が2人を包み、先程削られた2人の魔力を回復する。

 

「『湖の騎士』シャマルと、『風のリング』クラールヴィント。癒しと補助が本領です」

 

「凄いです!」

 

「ありがとうございます、シャマルさん!」

 

その効果に、フェイトとなのはが賞賛を贈った。

 

「アタシ達はサポート班だ。あのウザいバリケードを上手く止めるよ」

 

「うん」

 

「ああ」

 

アルフの言葉にユーノとザフィーラが頷く。この3人に任せておけば、背中は安心だな。

 

そして――

 

 

――バシュゥゥン!バシュゥゥン!

 

 

海中から黒い柱が何本も噴き上がる。

 

「始まったな……」

 

「うん。夜天の魔導書を、呪われた闇の書と呼ばせたプログラム……闇の書の、闇……」

 

「ああ……俺達の手で終わらせるんだ。新しい未来を創造す(つく)る為に!」

 

「うん!」

 

俺とはやてが互いに頷きあったその時、

 

 

――ドパァァン!

 

 

黒い澱みがその色をいっそう深くした直後に弾けるように膜が解けて、異形の怪物がその姿を見せる。

 

「アァアァァッ!ラァアァァァッ!」

 

怪物の上部についていた上半身だけの女性が声を上げる。

 

「チェーンバインド!」

 

「ストラグルバインド!」

 

「縛れ!(はがね)(くびき)!でぇぇぇやぁぁっ! 」

 

まずは周囲の触手をアルフとユーノがバインドで縛って引きちぎり、ザフィーラが薙ぎ払う。

これで触手のバリケードは消えた!ここからはずっと俺達のターン(スーパーフルボッコタイム)だ!

 

「よし!第一陣、ヴィータとなのは!行ってこい!」

 

「おうよ!」

 

「うん!」

 

俺の指示に合わせて2人が飛び出していく。

 

「『鉄槌の騎士』ヴィータと、『(くろがね)の伯爵』グラーフアイゼン!」

 

『Gigantform.(ギガントフォルム)』

 

カートリッジを1発ロードして、グラーフアイゼンがその姿を巨大なヘッドを持ったハンマーへと変える。

 

「轟天、爆砕!」

 

それをヴィータが振りかぶると、そのサイズがさらに増大する。

.....生で見るとメチャクチャデカいな。

 

「ギガント、シュラ――ク!」

 

掛け声と共に振り下ろされたハンマーは、バリアにぶつかった瞬間凄まじい衝撃波を生み、そのまま粉砕した。

 

「高町なのはとレイジングハート・エクセリオン、行きますっ!」

 

『Load cartridge.』

 

カートリッジ4発がロードされ、レイジングハートから大きな桜色の羽が広がる。

 

「エクセリオン、バスタ――!」

 

声に併せて杖の先に魔力が集中する。

それを察知したのか、怪物から触手が伸びてくる。しかし――

 

『Barrel shot.』

 

レイジングハートから放たれた不可視の衝撃波が触手を寄せ付けない。そして4本の桜色の流星がバリアに直撃し、

 

「ブレイク……シュ――ト!」

 

掛け声で1本に纏まると、易々とバリアを撃ち砕いた。

 

「第2陣!シグナムとフェイト!やれっ!」

 

「ああ!」

 

「うん!」

 

既に俺より上空の別々の場所に陣取っていた2人が答える。

 

「『剣の騎士』、シグナムが魂。『炎の魔剣』レヴァンティン。刃と連結刃に続く、もう1つの姿」

 

ここでカートリッジを1発ロード。合わせた剣と鞘が形を変え、弓になる。

 

『Bogen form.(ボーゲンフォルム)』

 

弓に魔力の弦が張られ、さらにカートリッジ2発をロード。弓に矢がつがえられる。

あの矢、凄まじい魔力の塊だな.....

 

「翔けよ、隼!」

 

『Sturmfalken.(シュツルムファルケン)』

 

ヒュン、と空気を切り裂く音を響かせながら矢がバリアにぶつかって、大爆発を起こす。その衝撃で、バリアは粉々に砕けた。

 

「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュ・ザンバー。行きますっ!」

 

カートリッジを3発ロードしたバルディッシュ。

ザンバーから不可視の斬撃が放たれ、触手のバリケードを斬り散らす。

 

「撃ち抜け、雷神!」

 

『Jet Zamber.』

 

振りぬかれた光刃がバリアへと伸び、そのままバリアごと防御プログラムを斬り伏せた。

 

と、ここへ来て今まで攻撃らしい攻撃をしてこなかった防御プログラムが、初めて牙を剥いた。砲撃の目標は――やっぱりはやてか!

 

「ザフィーラ!」

 

「おう!『盾の守護獣』ザフィーラ!砲撃など、撃たせん!」

 

その瞬間、砲撃を放とうとしていた触手群を鋼の軛で突き刺して無力化した。

 

「はやて!」

 

俺の声に小さく頷いて返し、はやては『夜天の書』を開いた。

 

「彼方より来たれ、ヤドリギの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け!」

 

詠唱を終えると、はやての周囲に無数の光点が現れる。

 

「石化の槍、ミストルティン!」

 

はやてが防御プログラムに向かって杖を振り下ろすと光点から槍が撃ち出され、それが刺さったところから防御プログラムは石に変わった。

しかしそれも一瞬の事。すぐに回復して、一層おぞましい姿になって活動を再開する。

 

この時戦場にいた者は、程度の差はあれど全員こう思った事だろう。.....気持ち悪い、とな。

 

「よし!俺達もいくぞ、ハイペリオン!」

 

『All right, master. Cartridge load.』

 

左右2発ずつ、合計4発のカートリッジをロードする。

 

「大氷河の内にて、彼の者を永久(とわ)の眠りへ誘え!」

 

『Freezing Coffin.』

 

周囲の海面ごと、防御プログラムを巨大な氷の棺に封じ込める。さらに――

 

「ギガインパクト!」

 

氷の棺の上に手を置き、左右1発ずつ2発のカートリッジをロードして、棺ごと防御プログラムを粉砕した。

しかし、それでも凄まじいスピードで再生してくる。

 

「なのは、フェイト、はやて!一斉砲撃だ!」

 

「「「うん!」」」

 

3人が防御プログラムを取り囲むように、それぞれの位置に着いて――

 

「全力全開!スターライトォ――」

 

「雷光一閃!プラズマザンバ――」

 

「響け終焉の笛!ラグナロク――」

 

「(ハイペリオン、魔力チャージスタート)」

 

『All right, master.』

 

3人娘が同時砲撃の構えを取るのと同時に、俺はその後の為の準備に入る。

 

「「「――ブレイカ――!!!」」」

 

3方向から伸びた3つの砲撃が防御プログラムに直撃し、大爆発を起こした。

 

最後は俺が決める!

 

「待たせたな!出番だ、イリス!」

 

「は~いです!」

 

「「ユニゾン・イン!」」

 

そこで俺はここまで隠してきたイリスとユニゾンし、最後の仕上げに入る。

 

『防御プログラムのコアを補足したです!』

 

『Charge complete.』

 

イリスとハイペリオンから同時に届いた合図。

 

「効果範囲を防御プログラムのコア周辺で固定!」

 

『固定……したです!』

 

「よし!……数多の犠牲者を生み、悲しみを繰り返した暗き闇よ。今ここでその因果を断ち切る!」

 

『Drive burst』

 

俺は残り6発のカートリッジも全てロードし、その魔力をハイペリオンに集束させていた魔力に上乗せして解放する。

 

「灰燼に帰せ!――アルテマ・カタストロフ!」

 

極大威力の範囲固定型殲滅魔法『アルテマ・カタストロフ』。俺が持っている中でも最強クラスの魔法だ。

 

 

――ズドォォン!ドゴォォン!

 

 

指定効果範囲内でのみ巻き起こる大爆発。故に範囲外にいる人間には何の影響もない。

 

やがて範囲空間が収縮し、完全に消える。

 

『効果範囲内の生命反応、完全にロストしたです!再生反応……ありませんです!』

 

「了解。ご苦労だったな、イリス」

 

『はいです!』

 

こうして暴走した防御プログラムは完全に消滅し、俺達の戦いは終わった。




あとがき

龍姫 「対暴走プログラム戦終了!」

作者 「何度見ても容赦ないフルボッコだよな」

龍姫 「確かに。この作品で一番敵に優しくない戦闘シーンかもしれん」

作者 「これだけの攻撃を繰り出されて生きてられるヤツっているのか?」

龍姫 「さあ?いないんじゃね?」

作者 「お前はどうなんだよ」

龍姫 「あ~……方法がないわけじゃない。魔力消費がとんでもないけど」

作者 「そして次回は『闇の書事件』解決編!」

龍姫 「ついに終わるんだな。この事件が」

作者 「それでは次回予告!

   次回、第27話『悲しみを越えた先にある未来(仮)』

   に」

龍姫 「ドライブ・イグニッション!」
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