魔法少女リリカルなのは~蒼銀の護り手~ ※凍結   作:天御柱

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第6話 『温泉……そこは古来よりイベントの宝庫と言われている』

週末になり、温泉へとやってきた高町家+月村家+アリサ+俺+アテナ。

何故アテナが同行しているか説明しておこう。

あの日家に帰ってアテナに声を掛けると「温泉!?行きたい!」と言ったので、併せて両親に頼んでみたら予想通りあっさりOKが出た。

なのは達にも確認したら「もちろんOK」と言ってくれたので決定した、というわけだ。

宿に到着して、さぁお風呂に入ろうという話になった時に事件は起きた。

 

「たっくん!たっくんも一緒に入ろう!」

 

「なのはちゃん?僕は男だって知ってるよね?」

 

「でも11歳までならこっちに入っても大丈夫なの!」

 

確かに女湯の入り口には『12歳未満の男のお子様はご入浴になれます』と書いてあるが――

 

「いやいやいや!そういう問題じゃないんだって!アリサとすずかは僕と一緒なんて嫌でしょ?」

 

「あ、当たり前で――」

 

「私は別にいいよ」

 

あれ?すずかサン?

 

「――ってすずか!?アンタ何言ってるのよ!」

 

「だって龍姫君って女の子みたいだし」

 

「いや、だからすずか?僕は男だって言ってるじゃないか」

 

「「えー」」

 

「『えー』、じゃない!っていうかすずかはこの状況を楽しんでるだけだよね!?」

 

「そんな事ないよ?」

 

嘘だ!そんな凄くイイ笑顔を浮かべているのに!

こうなったら.....

 

「僕の代わりにコイツを連れていけばいいよ!」

 

「きゅ!?」

 

男湯に逃げ込もうとしていた淫獣(ユーノ)を引っ掴んでなのはに投げた。

 

「大切なペットなんでしょ?一緒に入れてあげなよ」

 

「むー……しょうがないの。ユーノくんで我慢するの」

 

「キューキュー」

 

ユーノ。悪いが俺の為に生け贄になってくれ。

 

「それじゃ、後でね!」

 

そのまま俺は男湯に駆け込んでいった。

 

 

 

ところ変わって、ここは男湯・露天風呂。

.....えぇっと、確かこの後はなのは達がアルフと会うんだよな。で、夜になったらいよいよフェイトとご対面か。

 

「龍姫君」

 

この後の予定について確認していたら、横から声を掛けられた。

 

「はい?……って、士郎さんでしたか」

 

「何か考え事かな?何やら難しい顔をしていたけど」

 

「あはは……まぁそんなとこです」

 

「『あの時』も思ったけど、君はとても8歳とは思えないな」

 

う……流石は士郎さん。鋭いな……。

 

「よく父さんにも言われます。『お前は子供らしくない』って」

 

「そうかい。まぁアレについては君を信じて、話してくれるのを待ってるよ」

 

「ええ。お願いします。それにしてもいいお湯ですね」

 

「ああ。酒が欲しいね」

 

「いつかお付き合いさせてもらいますよ」

 

「ははは。楽しみにしているよ」

 

その後も温泉を満喫し、士郎さんを残して先に上がってみると、なのは達は既に上がっているようだった。

 

「は~、いいお湯だったわ~」

 

と、そんな声と共に女湯から出てきたのは――

 

「なんだ。アテナか」

 

「あら龍姫。貴方も今出たところ?」

 

「ああ。……どうやら満喫したみたいだな」

 

「ええ。ギリシャ(あちら)にも入浴の文化はあったけど、日本(ここ)は天国だったわ!」

 

「まぁ楽しめたなら良かった」

 

そうして2人で話しながら廊下を歩いていると、前方にアルフに絡まれてるなのは達を見つけた。

 

「すいません。連れが何かしましたか?」

 

「まったく、いい大人が子供相手に何をしているんですか?」

 

「なんだいアンタらは?悪いけど邪魔しないでおくれ」

 

俺とアテナはアルフとなのは達との間に入る。そこから俺は一歩前に出ると、

 

「なのはに手を出したら許さねぇからな、この酔っ払いが」

 

多少殺気を込めて睨みつけた。

 

「へ?あ、えぇっと、ゴメン、アタシの勘違いだったみたいだよ。悪かったね」

 

そう言って、アルフは退場していった。

 

「なのはちゃん、大丈夫?」

 

完全にアルフが視界から消えてから、俺はなのはの方に振り向いた。

 

「…………」

 

「なのはちゃん?」

 

.....おかしい。何故無言なんだろう?

 

「…………」

 

「なのは?」

 

「は、ひゃ、ひゃい!」

 

あ、やっと返事したよ。っていうか、声裏返ってるぞ?顔も真っ赤だし。

 

「大丈夫?」

 

「あ、だ、大丈夫だよたっくん」

 

「そっか。よかった」

 

そう言って笑いかけると、サッと俺から顔をそむけるなのは。.....神様、俺何かしましたか?

 

まぁ、そんな感じでアルフとの接触は終了した。

 

 

 

そして夜。

現在俺の目の前では、なのはとフェイトによる激しい空戦が繰り広げられている。

とりあえず危なくなったら介入するという事で、今はただ2人を見守っている。

 

「ディバイ――ン、バスターっっ!」

 

おっ、なのはがディバインバスターを撃った。間近で見るとやっぱスゲェな。流石は魔『砲』少女。

 

「くぅ……」

 

流石のフェイトもアレはヤバイと思ったんだろう。防御ではなく回避を選んだ。

 

「バルディッシュ」

 

『Yes,sir』

 

発射後の僅かな隙を突いてフェイトが攻撃に転じた。あ、あれはちょっとヤバそうだ。仕方ない、行くか!

 

「ハイペリオン!」

 

『スタンバイ・レディ』

 

素早くBJを纏うと、俺はシールドでフェイトの攻撃を防御した。

 

「えっ!?」

 

「残念だが、そこまでだ」

 

「……あなたは?」

 

「ただの通りすがりだよ。……今日のところは諦めて帰ってくれないか?」

 

一応、即席で作ったマスク(ver.ラウ・ル・○ルーゼ)をしているので俺の正体はわからないだろう。

さて、これで大人しく帰ってくれればいいんだがな。

 

「バルディッシュ」

 

『フォトンランサー』

 

「やっぱダメか……ハイペリオン!」

 

「ファイヤー!」

 

『リフレクション』

 

俺のオリジナル魔法『リフレクション』。名前の通り、相手が撃った魔法(ただし、俺の魔力ランク以下のものに限る)を反射する魔法だ。今の俺のランクは推定S+(アテネ談)なので、かのSLBすら反射できる。

 

「なっ!?」

 

『プロテクション』

 

自分の撃った魔法がそのまま返ってきた事に驚くフェイト。バルディッシュは咄嗟にシールドを展開した。

 

「わかったか?お前の攻撃は俺には通用しないんだよ」

 

「くっ……帰るよ、アルフ……」

 

「で、でもジュエルシードは……?」

 

この場を離脱しようとする主人(フェイト)に戸惑うアルフ。

 

「これは俺が預かっておく」

 

「貴方もジュエルシードを!?」

 

ユーノが叫ぶ。

 

「……いい。帰ろう……」

 

「待って!」

 

「……できれば、私達の前にはもう現れないで。もしまた会ったら、今度は止められないかもしれない……」

 

「名前……あなたの名前は?」

 

「……フェイト。フェイト・テスタロッサ」

 

「……あたしは」

 

行った、な.....さて俺も帰るか。そうして俺もこの場を立ち去ろうとすると、

 

「あ、あの!さっきはありがとうございました!」

 

なのはが俺に向かって頭を下げてきた。.....今回、俺は勝手に乱入しただけなんだが。.....まぁいいか。

 

「気にするな」

 

「あの……ジュエルシードは……」

 

「悪いが、これは渡せないな」

 

「そんなっ!」

 

「安心してくれ。俺は決して悪事に使おうというわけじゃない。ただ『預かる』だけだ」

 

「それは危険なものなんです!どうか僕達に渡してください!」

 

ユーノが必死な様子で懇願してくる。

 

「危険だと言うなら、尚更渡すわけにはいかない。……話はここまでだ。じゃあな」

 

「あ、ま、待って!」

 

なのはが静止を呼びかけてくるが、無視して飛び去る。

 

 

 

俺が部屋に戻り、しばらくするとなのはが帰ってきた。

 

「なのはちゃん、どこか行ってたの?」

 

「ふぇ!?あ、たっくん……うん。眠れなかったから、ちょっと外を散歩してきたの!」

 

「そっか」

 

それ以上追究する事はせず、俺は布団に入ろうとした。しかし、

 

「あ、あのねたっくん!」

 

突然なのはに呼び止められた。若干なのはの表情が曇っている。

 

「どうしたの?」

 

「あのね……今日だけ、一緒に寝て欲しいの……」

 

さっきの事が余程ショックだったんだろう。仕方ないな.....

 

「うん。いいよ」

 

俺がそう答えると、途端に笑顔になるなのは。.....ヤバい。その笑顔は反則だろ.....

 

「ありがとう、たっくん」

 

そのまま俺の布団に入ってきて、俺の寝巻きをキュっと握ってきた。

 

「……何かあったの?」

 

「ううん……何でもないの」

 

「そっか」

 

「うん」

 

「それじゃ、おやすみ」

 

「おやすみなの」

 

そうして俺となのはは眠りについた。

 

 

 

翌朝。

 

「何やってんのよアンタ達ーっ!」

 

アリサの叫び声で目が覚めた。

 

「……なんだアリサか。起こすならもうちょっと静かに――」

 

「なんだアリサか、じゃなーいっ!何でアンタはなのはと一緒に寝てるのよっ!」

 

「へ?……あ」

 

言われて隣を見ると、そこには幸せそうに眠るなのはの姿が。

 

「にゃはは……たっくん……」

 

しかもしまりのない笑顔を浮かべて何やら寝言を呟いている。

 

「なのはも起きなさーい!」

 

 

スパァァーン!

 

 

「い、痛いのーっ!」

 

アリサがなのはの頭をスリッパで叩いた。その痛みでなのはも目を覚ます。

 

「まったくアンタ達は……今日という今日は覚悟してもらうわよ……」

 

怒り心頭な様子のアリサ。

 

「え?何?何でアリサちゃんが怒ってるの?」

 

なのははまだ状況がわかっていないらしい。.....そ、そうだ!こんな時すずかなら俺達を助けてくれるはず――

 

「フフフッ。まったく龍姫君もなのはちゃんも……ナニヲシテルノカナ?」

 

.....おかしい。何故かもう1人般若がいるんだが.....

 

「ま、待って!2人とも落ち着いて――」

 

「「問答無用ーっ!」」

 

「ギャーっ!」

 

結局大人組が来るまで、アリサとすずかから延々お説教(おしおき)された俺となのはだった。




あとがき

作者 「さて、フェイト嬢との初接触は終了したわけだが……」

龍姫 「おい作者っ!何であんなイベントを起こしたっ!」

作者 「何故か龍姫がお怒りモード」

龍姫 「当たり前だ!」

作者 「いいじゃん別に。むしろ役得役得♪」

龍姫 「うるさい黙れ」

作者 「だが断る」

龍姫 「こんな時までネタに走るな!」

作者 「だが断る」

龍姫 「(イラッ)」

作者 「では、次回予告!

   次回、第7話『些細なすれ違いと、ついに現れたKY(仮)』

   を――」

龍姫 「お前はここで消えろーっ!!」


ドカッ!バキッ!グシャ!


作者 「ギャァー!……よ、よろしくお願いしま……ガクっ」
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