週末になり、温泉へとやってきた高町家+月村家+アリサ+俺+アテナ。
何故アテナが同行しているか説明しておこう。
あの日家に帰ってアテナに声を掛けると「温泉!?行きたい!」と言ったので、併せて両親に頼んでみたら予想通りあっさりOKが出た。
なのは達にも確認したら「もちろんOK」と言ってくれたので決定した、というわけだ。
宿に到着して、さぁお風呂に入ろうという話になった時に事件は起きた。
「たっくん!たっくんも一緒に入ろう!」
「なのはちゃん?僕は男だって知ってるよね?」
「でも11歳までならこっちに入っても大丈夫なの!」
確かに女湯の入り口には『12歳未満の男のお子様はご入浴になれます』と書いてあるが――
「いやいやいや!そういう問題じゃないんだって!アリサとすずかは僕と一緒なんて嫌でしょ?」
「あ、当たり前で――」
「私は別にいいよ」
あれ?すずかサン?
「――ってすずか!?アンタ何言ってるのよ!」
「だって龍姫君って女の子みたいだし」
「いや、だからすずか?僕は男だって言ってるじゃないか」
「「えー」」
「『えー』、じゃない!っていうかすずかはこの状況を楽しんでるだけだよね!?」
「そんな事ないよ?」
嘘だ!そんな凄くイイ笑顔を浮かべているのに!
こうなったら.....
「僕の代わりにコイツを連れていけばいいよ!」
「きゅ!?」
男湯に逃げ込もうとしていた
「大切なペットなんでしょ?一緒に入れてあげなよ」
「むー……しょうがないの。ユーノくんで我慢するの」
「キューキュー」
ユーノ。悪いが俺の為に生け贄になってくれ。
「それじゃ、後でね!」
そのまま俺は男湯に駆け込んでいった。
ところ変わって、ここは男湯・露天風呂。
.....えぇっと、確かこの後はなのは達がアルフと会うんだよな。で、夜になったらいよいよフェイトとご対面か。
「龍姫君」
この後の予定について確認していたら、横から声を掛けられた。
「はい?……って、士郎さんでしたか」
「何か考え事かな?何やら難しい顔をしていたけど」
「あはは……まぁそんなとこです」
「『あの時』も思ったけど、君はとても8歳とは思えないな」
う……流石は士郎さん。鋭いな……。
「よく父さんにも言われます。『お前は子供らしくない』って」
「そうかい。まぁアレについては君を信じて、話してくれるのを待ってるよ」
「ええ。お願いします。それにしてもいいお湯ですね」
「ああ。酒が欲しいね」
「いつかお付き合いさせてもらいますよ」
「ははは。楽しみにしているよ」
その後も温泉を満喫し、士郎さんを残して先に上がってみると、なのは達は既に上がっているようだった。
「は~、いいお湯だったわ~」
と、そんな声と共に女湯から出てきたのは――
「なんだ。アテナか」
「あら龍姫。貴方も今出たところ?」
「ああ。……どうやら満喫したみたいだな」
「ええ。
「まぁ楽しめたなら良かった」
そうして2人で話しながら廊下を歩いていると、前方にアルフに絡まれてるなのは達を見つけた。
「すいません。連れが何かしましたか?」
「まったく、いい大人が子供相手に何をしているんですか?」
「なんだいアンタらは?悪いけど邪魔しないでおくれ」
俺とアテナはアルフとなのは達との間に入る。そこから俺は一歩前に出ると、
「なのはに手を出したら許さねぇからな、この酔っ払いが」
多少殺気を込めて睨みつけた。
「へ?あ、えぇっと、ゴメン、アタシの勘違いだったみたいだよ。悪かったね」
そう言って、アルフは退場していった。
「なのはちゃん、大丈夫?」
完全にアルフが視界から消えてから、俺はなのはの方に振り向いた。
「…………」
「なのはちゃん?」
.....おかしい。何故無言なんだろう?
「…………」
「なのは?」
「は、ひゃ、ひゃい!」
あ、やっと返事したよ。っていうか、声裏返ってるぞ?顔も真っ赤だし。
「大丈夫?」
「あ、だ、大丈夫だよたっくん」
「そっか。よかった」
そう言って笑いかけると、サッと俺から顔をそむけるなのは。.....神様、俺何かしましたか?
まぁ、そんな感じでアルフとの接触は終了した。
そして夜。
現在俺の目の前では、なのはとフェイトによる激しい空戦が繰り広げられている。
とりあえず危なくなったら介入するという事で、今はただ2人を見守っている。
「ディバイ――ン、バスターっっ!」
おっ、なのはがディバインバスターを撃った。間近で見るとやっぱスゲェな。流石は魔『砲』少女。
「くぅ……」
流石のフェイトもアレはヤバイと思ったんだろう。防御ではなく回避を選んだ。
「バルディッシュ」
『Yes,sir』
発射後の僅かな隙を突いてフェイトが攻撃に転じた。あ、あれはちょっとヤバそうだ。仕方ない、行くか!
「ハイペリオン!」
『スタンバイ・レディ』
素早くBJを纏うと、俺はシールドでフェイトの攻撃を防御した。
「えっ!?」
「残念だが、そこまでだ」
「……あなたは?」
「ただの通りすがりだよ。……今日のところは諦めて帰ってくれないか?」
一応、即席で作ったマスク(ver.ラウ・ル・○ルーゼ)をしているので俺の正体はわからないだろう。
さて、これで大人しく帰ってくれればいいんだがな。
「バルディッシュ」
『フォトンランサー』
「やっぱダメか……ハイペリオン!」
「ファイヤー!」
『リフレクション』
俺のオリジナル魔法『リフレクション』。名前の通り、相手が撃った魔法(ただし、俺の魔力ランク以下のものに限る)を反射する魔法だ。今の俺のランクは推定S+(アテネ談)なので、かのSLBすら反射できる。
「なっ!?」
『プロテクション』
自分の撃った魔法がそのまま返ってきた事に驚くフェイト。バルディッシュは咄嗟にシールドを展開した。
「わかったか?お前の攻撃は俺には通用しないんだよ」
「くっ……帰るよ、アルフ……」
「で、でもジュエルシードは……?」
この場を離脱しようとする
「これは俺が預かっておく」
「貴方もジュエルシードを!?」
ユーノが叫ぶ。
「……いい。帰ろう……」
「待って!」
「……できれば、私達の前にはもう現れないで。もしまた会ったら、今度は止められないかもしれない……」
「名前……あなたの名前は?」
「……フェイト。フェイト・テスタロッサ」
「……あたしは」
行った、な.....さて俺も帰るか。そうして俺もこの場を立ち去ろうとすると、
「あ、あの!さっきはありがとうございました!」
なのはが俺に向かって頭を下げてきた。.....今回、俺は勝手に乱入しただけなんだが。.....まぁいいか。
「気にするな」
「あの……ジュエルシードは……」
「悪いが、これは渡せないな」
「そんなっ!」
「安心してくれ。俺は決して悪事に使おうというわけじゃない。ただ『預かる』だけだ」
「それは危険なものなんです!どうか僕達に渡してください!」
ユーノが必死な様子で懇願してくる。
「危険だと言うなら、尚更渡すわけにはいかない。……話はここまでだ。じゃあな」
「あ、ま、待って!」
なのはが静止を呼びかけてくるが、無視して飛び去る。
俺が部屋に戻り、しばらくするとなのはが帰ってきた。
「なのはちゃん、どこか行ってたの?」
「ふぇ!?あ、たっくん……うん。眠れなかったから、ちょっと外を散歩してきたの!」
「そっか」
それ以上追究する事はせず、俺は布団に入ろうとした。しかし、
「あ、あのねたっくん!」
突然なのはに呼び止められた。若干なのはの表情が曇っている。
「どうしたの?」
「あのね……今日だけ、一緒に寝て欲しいの……」
さっきの事が余程ショックだったんだろう。仕方ないな.....
「うん。いいよ」
俺がそう答えると、途端に笑顔になるなのは。.....ヤバい。その笑顔は反則だろ.....
「ありがとう、たっくん」
そのまま俺の布団に入ってきて、俺の寝巻きをキュっと握ってきた。
「……何かあったの?」
「ううん……何でもないの」
「そっか」
「うん」
「それじゃ、おやすみ」
「おやすみなの」
そうして俺となのはは眠りについた。
翌朝。
「何やってんのよアンタ達ーっ!」
アリサの叫び声で目が覚めた。
「……なんだアリサか。起こすならもうちょっと静かに――」
「なんだアリサか、じゃなーいっ!何でアンタはなのはと一緒に寝てるのよっ!」
「へ?……あ」
言われて隣を見ると、そこには幸せそうに眠るなのはの姿が。
「にゃはは……たっくん……」
しかもしまりのない笑顔を浮かべて何やら寝言を呟いている。
「なのはも起きなさーい!」
スパァァーン!
「い、痛いのーっ!」
アリサがなのはの頭をスリッパで叩いた。その痛みでなのはも目を覚ます。
「まったくアンタ達は……今日という今日は覚悟してもらうわよ……」
怒り心頭な様子のアリサ。
「え?何?何でアリサちゃんが怒ってるの?」
なのははまだ状況がわかっていないらしい。.....そ、そうだ!こんな時すずかなら俺達を助けてくれるはず――
「フフフッ。まったく龍姫君もなのはちゃんも……ナニヲシテルノカナ?」
.....おかしい。何故かもう1人般若がいるんだが.....
「ま、待って!2人とも落ち着いて――」
「「問答無用ーっ!」」
「ギャーっ!」
結局大人組が来るまで、アリサとすずかから延々
あとがき
作者 「さて、フェイト嬢との初接触は終了したわけだが……」
龍姫 「おい作者っ!何であんなイベントを起こしたっ!」
作者 「何故か龍姫がお怒りモード」
龍姫 「当たり前だ!」
作者 「いいじゃん別に。むしろ役得役得♪」
龍姫 「うるさい黙れ」
作者 「だが断る」
龍姫 「こんな時までネタに走るな!」
作者 「だが断る」
龍姫 「(イラッ)」
作者 「では、次回予告!
次回、第7話『些細なすれ違いと、ついに現れたKY(仮)』
を――」
龍姫 「お前はここで消えろーっ!!」
ドカッ!バキッ!グシャ!
作者 「ギャァー!……よ、よろしくお願いしま……ガクっ」