魔法少女リリカルなのは~蒼銀の護り手~ ※凍結   作:天御柱

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第7話 『些細なすれ違いと、ついに現れたKY』

温泉でのフェイトとの初邂逅から数日が経過したある日、なのはとアリサがけんかをした。

理由は原作通り、何やら悩んでいる様子のなのはを心配して声を掛けたアリサをなのはがひたすら「ごめん」の一点張りで退けたのだ。

なのはは事情が事情なだけに話せないのもわかるし、アリサはアリサで妙なところで意地っ張りだから、2人の衝突は仕方なかったのかもしれない。

 

そして、その日の帰り道。

バイオリンの稽古があるというアリサ、すずかと別れて今はなのはと2人だ。

 

「…………」

 

「なのはちゃん、いつまで落ち込んでるの?」

 

「…………」

 

「本当に困ってる事があるなら相談してよ。僕達友達でしょ?」

 

「うん……でも、ごめんなさい」

 

「……どうしても言えない事、なんだね?」

 

「……うん」

 

「そっか。でも、なのはちゃんって昔からそうだったよね。一度自分で決めたらとことん1人で悩んでさ」

 

「…………」

 

「言えない事なら無理に話さなくてもいい。でもね、いつでもなのはちゃんの事を考えて心配してくれる人がいるって事は忘れないで欲しいな」

 

「……うん。ありがとう、たっくん」

 

「どういたしまして」

 

これでなのはは一応落ち着いたか?

アリサの方はすずかが何とかしてくれるだろうから、これで少しでも早く2人のすれ違いが解消すればいいんだが.....

 

 

 

その日の夜はこれまた原作通り、フェイトが街中でジュエルシードを強制発動させる事件が起きた。

そうして発動したジュエルシードをなのはとフェイトが同時に魔力砲撃で封印。

しかし封印されたそれをめぐってバトルを開始して、今に至っている。

 

今回なのはは、大威力の代わりにチャージに時間のかかるディバインバスターの欠点を補う「ディバインシューター」と、フェイトの高速機動に対抗した「フラッシュムーブ」を駆使して、なんとフェイトと互角の戦闘を繰り広げていた。

以前戦った時より数段レベルアップしているなのはに、流石のフェイトも若干苦戦している。

 

「フェイトちゃん!」

 

と、一触即発の空気の中でなのはがフェイトに呼びかけた。そして中断される戦闘。

 

「言葉だけじゃ何も変わらないって言ってたけど、話さないと、言葉にしないと伝わらない事もきっとあるよ!」

 

そう言って、自分がジュエルシードを集めている理由を話すなのは。

 

「私は――」

 

それにフェイトも答えようとするが、

 

「フェイト!そんなヤツに言う必要はないよ!それより早くジュエルシードを!」

 

アルフが邪魔をする。

 

アルフの声にハッとしたフェイトは、急ぎ封印されたジュエルシードへと向かった。

なのはも急いでフェイトの後を追い、2人がそれぞれの杖を同時にジュエルシードへと差し出す。

 

そして杖がジュエルシードに触れた瞬間、辺りに眩い閃光が走り、次いで凄まじい衝撃波が襲ってきた。

 

それに耐えられず、2人も吹き飛ばされる。

 

全てが収まった後、そこには破損したレイジングハートとバルディッシュを手に倒れている2人の姿があった。

 

ジュエルシードはというと、不気味な鼓動を続けながらもそこにあった。

 

その後いち早く気が付いたフェイトがバルディッシュを待機状態に戻し、素手での封印を強行する。

必死にアルフが制止を呼びかけるがそれも聞かず、両手の平の負傷と気絶する程の魔力喪失の上、かろうじて封印に成功した。

 

そんなフェイトを抱え、なのは達に怒りに満ちた視線を向けて、アルフは立ち去っていった。

 

 

 

翌日。

昼間、学校でのなのはとアリサは相変わらず打ち解けられないままだった。結局、仲直りは原作通りになりそうだな.....

 

そして夕方。

海鳴臨海公園にてジュエルシードが発動。園内の木々を取り込んで暴れ始めた。

 

「ったく!コイツら、生意気にバリアまで張るのかい!」

 

アルフが悔しげに叫ぶ。

なのはもフェイトも大威力砲撃魔法を撃とうとするが、暴れる木の枝達のせいでなかなかチャージタイムが取れないでいる。

 

.....仕方ない。ここで出るか。

 

膠着状態に陥りかけている状況を見て、介入を決める。

 

「ハイペリオン!」

 

『スタンバイ・レディ』

 

「『フリージング・バインド』!」

 

俺は暴れる木々をバインドで絡めとって動きを封じる。

 

「あなたは!」

 

「この前の!」

 

「今は話している場合じゃない!前に集中しろ!」

 

突然現れた俺に驚く2人には答えず、忠告する。

 

「アレは俺が抑えている限り動く事はできん!今のうちに砲撃魔法で封印しろ!」

 

「は、はい!」

 

「わかりました!」

 

そう言って2人が封印の為の準備を始める。やれやれ.....

 

「ディバイン!」

 

『バスター』

 

「貫け、轟雷!」

 

『サンダースマッシャー』

 

それぞれが撃った砲撃が木々に命中。そのままジュエルシードが封印される。

 

「もう大丈夫だな」

 

「あ、ありがとう……」

 

フェイトが俺に向かって礼を言ってきた。

 

「君からそんな言葉が聞けるとは思わなかったな」

 

俺の言葉にフェイトは一瞬顔を赤く染めたが、しかしすぐにデバイスを構えた。

 

「だけど、譲れないから」

 

「私はフェイトちゃんとお話したいだけなんだけど……」

 

そんなフェイトに戸惑うなのは。

 

「ここから先、俺は関与しない。2人で好きにやってくれ」

 

俺はその場から離れようとして――

 

「ストップだ!ここでの戦闘は危険すぎる!」

 

あ~.....とうとう出てきちゃったよ、このKYが。

 

「僕は時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。詳しい話を聞かせてもらおうか?」

 

「……時空管理局」

 

「執務官だって!?」

 

ユーノとアルフが声を上げる。

 

「全員武器を下ろすんだ!このまま戦闘行為を続けるなら、っ!?」

 

「フェイト!撤退するよ!」

 

アルフがクロノを魔力弾で牽制した隙に、ジュエルシードへと走るフェイト。

 

「バカっ!」

 

そんな事をしたらクロノに狙われるだろ!

案の定、クロノはフェイトに向かってデバイスを構えると魔法を撃ってきた。

 

ドカンっ!

 

俺は咄嗟に射線上に入ってシールドでガードする。

 

「え!?」

 

「なっ!何のつもりだ!?」

 

「アンタ……」

 

そんな俺を見てフェイトとクロノ、アルフが驚く。

 

「手を貸してやる。ここは任せてさっさと行け」

 

俺はフェイト達に背を向けると、クロノと対峙しながら声を掛けた。

 

「……礼は言わないよ」

 

「あ、あの……ありがとうございます」

 

アルフと違い、律儀に頭を下げるフェイト。

 

「いいから早く退け。アイツに捕まりたいのか?」

 

俺がそう言うと、2人は慌てて撤退していった。

 

「貴様っ!自分が何をしたかわかっているのか!?」

 

「ふむ……。俺はただ、厄介なジュエルシードを封印できる貴重な人材にお前がいきなり仕掛けた攻撃を防いだだけだが?」

 

「それは我々時空管理局の任務の妨害だ!公務執行妨害に値するんだぞ!?」

 

「俺の知ったことじゃないな。そもそも俺は時空管理局などという組織を知らん」

 

「ふざけるなっ!管理外世界で魔法を使う人間が管理局の存在を知らないはずがないだろう!」

 

「憶測で話をするなよ。それに今管理外世界と言ったな?ならばここでは君の言う管理局の法は役に立たないのではないか?」

 

「くっ……これ以上は何を言っても無駄なようだな。少々乱暴だが、今から君を確保させてもらう!」

 

「そうかい(ハイペリオン。ここまでの会話、録音はしてあるか?)」

 

『(問題ありません。映像も撮ってあります)』

 

「(流石は相棒。もしもの時は重要な証拠になるからな)」

 

『(全てはタツキの為。当然のことをしたまでです)』

 

本当にできたデバイスだよ、お前は。

 

『Stinger Snipe』

 

っと、今は話してる場合でもなかったな。クロノのヤツが誘導操作弾を放ってきた。数は.....15か。

 

「仕掛けてきたのはそちらだからな……後悔するなよ?」

 

『ブースト&アクセル』

 

俺は自身に身体強化の魔法を掛けると飛来する魔力弾へと突っ込んでいき、そのまま魔力で強化した拳と脚を使って全て叩き落とす。

 

「この程度か?」

 

「まだだ!」

 

『Stinger Snipe』

 

再び飛んでくる魔力弾の嵐。今度は30か。

 

「だが甘い!」

 

しかし俺は先程同様、それらも全て叩き落とす。

 

流石のクロノもこれには驚いたらしく、苦々しげに顔を顰めた。

 

「それなら!」

 

デバイスを構えなおして、こちらを狙うクロノ。これはデカいのが来るかな。

 

「ハイペリオン。『アイギスⅡ』は?」

 

『いつでも展開できます』

 

「よし。ならばこのまま突撃(チャージ)するぞ!」

 

『了解』

 

今からアイツの驚く顔が目に浮かぶぜ。

 

『Blaze Cannon』

 

っと、来たな。

 

「残念だが、それも無駄だ!」

 

『AegisⅡ』

 

砲撃が直撃するかに見えたその瞬間、俺の眼前に盾が出現する。『アイギスⅡ』。アテナが俺にくれた最強の守りだ。

それがアイツの砲撃を完全に防ぎきる。

 

「バカなっ!?」

 

驚くクロノ。ふっ、予想通りだ。だがな、

 

「その隙が命取りなんだよ!」

 

「しまった!?」

 

突進の勢いを殺さず、拳を叩き込む。

 

「うわぁあああっ!」

 

まともにそれを喰らったクロノが吹き飛ぶ。

 

「『フリージング・バインド』!」

 

俺はさらにバインドでヤツを簀巻きにした。浮遊魔法を掛けてあるので落ちる事もない。

 

「くそっ!こんなもの!」

 

クロノがバインドを解除しようともがく。

 

「無駄だ。そのバインドはお前如きが破れるものじゃない」

 

「あ、あの……何もそこまでやらなくても……」

 

「そうですよ!もういいでしょう?」

 

ここで、今の今まで蚊帳の外にいたなのはとユーノが割り込んできた。

さらにその時、

 

『ちょっと待ってくれないかしら』

 

突然空中にディスプレイが出現し、その向こうに若い女性が映し出された。っていうかリンディさんだよな。

 

「あなたは誰かな?」

 

『私はリンディ・ハラオウン。そこにいるクロノ・ハラオウンの上司で、母親でもあります。少しお話いいかしら?』

 

「……いいだろう。だが、余計な小細工をしようとするなよ?ついでにアンタの息子はしばらくこのままにさせてもらう」

 

「なっ!何を勝手なことを!」

 

『やめなさいクロノ!……わかったわ。それでは転送の為のゲートを開くから少し待ってくれる?』

 

「了解した」

 

さぁ、いよいよヤツらの本拠地(アースラ)に殴り込みだ!




あとがき

龍姫 「いやぁ~、スッキリしたぁ~!」

作者 「イイ顔してるな」

龍姫 「当然だ。あのKYは気に入らなかったからな」

作者 「だからか」

龍姫 「で、次回はアレだろ?」

作者 「ん?ああ、そうだな。次回は――」

龍姫 「敵の謀略を俺が徹底的に叩き潰す!」

作者 「――って俺の台詞盗るなよっ!……合ってるけど」

龍姫 「いやぁ~、次も楽しみだ!」

作者 「相変わらずイイ笑顔だこと」

龍姫 「それじゃ次回予告、いってみよー!」

作者 「次回、第8話『交渉を有利に進めるには常に相手より上位に立つのが大事(仮)』を」

龍姫 「楽しみにしててくれな!」
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