「――マジかよ、おい」
男は目を覚ます。この未知の景色に
男は目を覚ます。この不可思議な世界に
「……こいつぁ、女神が俺にもう一チャンスくれた、ってわけじゃねぇよな」
周りを見渡すと、どこかのスタジアムのような場所に、男は立っていた
自分の他にも、この状況に戸惑う者、変に騒がず沈黙する者、ただこの状況を冷静に見極めていたりする者
集められた人々に共通点は無い。ただ、男としてはこの不可解な状況には『慣れて』いた
なぜなら――男は既に『二度』死んだことがある
一度目は船上におけるいざこざで、そして二度目は、『二度目の生』を賭けた『選定』に破れて
一度も勝利したことなかった男は、『選定』の中で満足気に散るはずだった
が、この状況はどう言うことだ? 自分は今こうして生きている。地面の踏みしめ立っている。
「――よぉ、フェデリーコ。」
男の背後から聞き慣れた声がした。振り返ればそこにいるのは黒肌をした一人の女性
「――オデット、アンタもいたのか」
――彼女の名はオデット・マランソン
男――フェデリーコ・カルミナーテ同様、かの『選定』における参加者の一人で、フェデリーコと関係の深い人物でもある
○ ○ ○
「しっかしまぁ、一体何がどうなってんだかな。まさかと思うがこれも『運命の女神』サマってやつの催し……わけじゃねぇよな」
「いや、アンタでも分からねぇってのに俺がわかるわけ無いだろ……しっかしまぁ、どんだけ集まってんだかな」
数分ほど経過し、考察と雑談が入り混じったような会話をする二人。どちらもあいからわず、というのはフェデリーコの談であるが
オデットの方はフェデリーコと再開するまではちゃんとこの状況への認識と調査をある程度終わらせていたようである
「で、だ。てめぇと鉢合う前にちょっくら歩いてみたんだが……専ら予想した通りだが、外へ繋がる扉は全部塞がれてやがる。
アタシの他にも妙な手段で扉をぶっ壊そうとした連中がいたが、そいつでもダメだったようだ」
「妙な手段?」
「ああ、まるでアニメとか漫画とかで出てきやがるファンタジーみたいな恰好しやがった連中だ。魔法っぽいこともしてやがったからな」
「おいおい……」
オデットの話はフェデリーコには文字通り頭が痛くなりそうな内容であった。
選定の儀、運命の女神パルカ、今までに現実的にありえない超常的光景は目の当たりにしてきたが
ここまで行くとファンタジーというかそういうメルヘン感が薄れていくというか何というか、である
「それに、アタシら同様巻き込まれた連中の中には、他の選定参加者もいやがった。アタシが確認できたのは獅子舞凛火とあん時のガキんちょか」
「ガキんちょって、スカイツリーでテロ起こしたアイツのことか……で、獅子舞凛火、海晴とかいうのがご熱心だったあの女の子か」
同じ選定参加者も巻き込まれている――オデットが確認したのはテロ起こした少年『ユウ』と、『獅子舞凛火』
確認できていないが他にも選定参加者がいる可能性が高い、というのがオデットの見解であった
「……もし、あの野郎がいるってんだったら、この妙な状況も悪くはねぇだろうな」
オデットの言っていた『野郎』というのは、俺が脱落した10回目の『選定』において獅子舞凛火に脱落させられたアラン・スコーピオンの事だろう
こいつはいつまで立っても相変わらず……などとフェデリーコが思っていた時であった
「御機嫌よう、運命の奴隷の皆様――と、冗談はこれくらいにしておこう」
二人の耳に、聞き慣れたフレーズと聴いたことがない女の声がした
○ ○ ○
夜空やスタジアム内の照明に照らされる、文字通り『宙』に浮かんだ軍服の女性。おそらく先の台詞の発言者であろう人物
「――これは一体どう言うことだ? 話は違うではないか?」
群衆の中のひとり、重装な鎧を身にまとった金髪の女騎士らしき人物が問いかける
「……あいつはあん時、扉をぶっ壊そうとしたやつか」
「あれ、何かのコスプレじゃなくてマジでああいうやつなのかオデット」
「アタシに聞くな、というかあいつがコスプレなのかマジモンなのかは今はどうでもいい。後今は静かにしろけフェデリーコ」
軍服の女性がこの場に現れ周りの雰囲気は急激に変化した。一部の人物は彼女のことを知っているのか身構えたり、警戒している
フェデリーコは軍服の女性や金髪の女騎士の恰好がコスプレじゃなさそうなことに若干動揺と興味を示すも、オデットに静かにするように咎められた
その最中であってもオデットは周りの確認は行っていた
まず軍服の女性の登場に『まるで顔を知っているような』反応を示したのはさっきの女騎士を含め7名。そのうちの一人……笑い袋に顔がついたような雰囲気を醸し出す黒い髪の女は
オデットの視線に気づいたのか、彼女に向けて一瞬だけ不気味な笑みを向けていてた
それと自身とフェデリーコ、そしてフェデリーコから得られた情報によっていることが判明した2名を加え、
この場にいる『選定』参加していた人物は7名。そして参加者ではないものの『選定』に介入していた人物を加えると8名である
その中には、オデットにとってのある意味の好敵手――アラン・スコーピオンの姿もあった
今にも昂ぶりそうな心を抑えながら、オデットは宙に浮かぶ軍服女と騎士女の会話に耳を傾ける
「すまなかったな騎士殿、少々こちらも事情が変わってな」
「事情、だと? 無関係な民までも巻き込んでか?」
「ああ、それに感してはなんら問題はないよ。何故なら、彼らはそれぞれ非日常に縁のある人物でね。
確かに無関係というのではれば騎士殿の言うとおりであるが――いや、これは余の協力者が集めたものであるな」
「集めた、だと?一体何を行うつもりだ?」
思った通り、騎士女は軍服女の知り合いか何かのようである。だが、騎士女の表情や声色を見る限り今回の事は想定外らしい。身内の揉め事なのかそれとも別のなにかかどうかは、今のオデットやフェデリーコには分かるはずもない。
そして、軍服の女が次に発した言葉は―――
「何、斯くも下らぬただの殺し合い。そう、『バトル・ロワイアル』だ」
「「「―――ッッ!!」」」
「―――……ほーぅ、そういうことか」
この場にいるごく一部を除く、全ての者に動揺と衝撃を与えるには有り余る情報であった
――――
フェデリーコ・カルミナーテは軍服女の発言にひどく混乱していた
殺し合い? バトル・ロワイアル? 確かに『選定の儀』も生死に駆け引きと言ってしまえば何ら変わらない。だが、あの時はどんなことになろうとも選定の参加者は死なないようになっていた。あくまで生死を決めるのは選定の時のみだ
それがあの女は間接的に「お前たちには殺し合いをしてもらう」と言ったようなものだ。選定の儀でさえわけわかめだったのに宙に浮いている女やらで既に頭がいっぱいだ
……等のオデットは少し沈黙しながらも笑みを浮かべ、周りを冷静に見渡している。アイツの精神性が一体どうなっているかわかんねぇっつーかなんつーか
オデットのやつ、マジでこの殺し合いに乗るつもりか? いや、まだ決まったわけじゃねぇ。確かにアイツにはある意味『子供を作りたい』という未練はあるが、それがアイツが殺し合いに乗るかどうかにつながるかなんてまだわからねぇ
だが、今回はアイツに習って冷静に周りを見渡すことにしよう
「簡単なことだ、貴様たちにはこれより余が創った箱庭の中で面白おかしく殺し合ってもらう。最後の一人になるまで生き残った者にはどんな願いをも叶えてやろう。そうだな、億万長者、世界の平和、死者の蘇生、復讐―――それに、『運命の改竄』も可能だな。例えば『使命を果たし終えたら存在そのものが消滅してしまう者たち』を生かすことも、な」
最後だけ妙に含みを入れた言い方をした軍服女だが、周りを見てやつの最後の発言に反応したやつが2~3名ほどいた。
―――いや、露骨に動揺していたのは1名か、なんかバレリーナやってそうな足してやがった女のガキだ。
周りを見りゃ、さっきの殺し合い発言に動揺していた連中もいりゃ、変に落ち着いたやつだっていた。例を挙げるなら黒髪のワイルドそうな格好の女や、小学生ほどの女子供。それに妙に筋肉隆々な連中もいたが、あいつらに至っては喜んでそうな顔してたやつが何名かいやがった。
「で、次にだ。各々、自らの首元を確認してみるが良い」
言われるがままに首元を確認する。そこにはいつの間にか取り付けられていたであろう銀色の首輪のようなものがあった。それは俺だけでなく、他の連中も同じく
「その首輪は余の特注品でな、大きな衝撃を与えたり、後述するルールに反したり、無理に取り外そうとするなら即座に爆発し、装着者の命を柘榴のごとく弾け飛ばす。」
詰まる所、勝手な真似を防ぐための代物、か。無理に外そうなら死。いや、あの女に逆らおうものなら、即座に殺される……ってか
「続いてルールについてだ。先んじて余が申した通り、ここにいる68名には余の箱庭で最後の一人になるまで殺し合ってもらう。このゲームにタイムリミットはない、最後の一人が決まるまでな。
「箱庭で殺し合ってもらうにあたって、各々に道具を用意した」
そう言い、軍服女が指をパチリと鳴らすと、空間にノイズが走る。そのノイズは黒いカバン、スマートフォン、そして1枚のカードへと変貌し、それぞれ俺達の前に現れた
「黒いカバンは《デイパッグ》だ。腕時計や懐中電灯、食料品や応急キッド等の基本的な物資の他に、この殺し合いの役に立つ道具が3つ入っている。それをハズレと取るかアタリととるかは自由だ。スマートフォンは箱庭の地図と此度の参加者の名簿を兼ねておる。そしてその1枚のカードだが……参加者の’願望’が記載された《願望カード》だ」
《願望カード》……『選定』で言うところの『未練』が記載されたカードと似たようなものか?
「これらは全てゲームの開始時に貴公らに自動的に支給される。次に《禁止エリア》についてだ。スマートフォンのデータに入っている地図を確認したまえ。そこに載っているのが貴公らが殺し合いを行う余の箱庭だ。」
「線で区分されている通りご察しの通り、6時間の死亡者を知らせる放送毎にランダムに選ばれたエリア3つを《禁止エリア》として立ち入りを禁止させてもらう。そして、もし何かの間違いでそのエリアに踏み込んだ場合……どうなるかは余が言うまでもないだろう。ああ、放送を聞き逃しても心配しなくとも良い、スマートフォンには放送で流れた情報が自動的に記録されるようになっているからな」
「――そうだ、言い忘れていたことがあった。その《願望カード》だが、会場中心部で執り行えるある『ゲーム』のための重要な代物だ。せいぜい紛失したり、誰かに奪われないように気をつけることだな」
……ゲーム? 態々願望カードなんぞ用意したってことは……いや、なんとなく予想はつくが、それをアイツに聞いたところで答えてくれなさそうか
「さて、一通りのルール説明がすんだわけだが、次に行うは少しばかしの余興を……と思っていたのだがな」
軍服女がそう呟くと、向こう側から白い翼を生やした金髪の男が軍服女の近くに降り立つ。よく見ると、その男の両手には丸い『なにか』を持っているように見えている。そしてそれが何なのかを理解した俺は……戦慄した
なぜならそいつが持っているのは、紛れもなく『生首』だ。右手には男の生首一つ、左手には髪型から察するに女のガキの生首一つ。だが、この距離じゃ顔の確認はできない
「どうしたのだね、
「ちょっくら問題があってな。あのジジィの確認不足か知らんが、妙な手段で抜け出してやがった。変にやるもんだからな、勢い余ってつい殺しちまった」
言葉から察するにあの
「……そうか、そうでは仕方がない。首輪の威力を彼らにその眼で確認させたがったのだがな」
「だが、せっかくだ、この首は関係者に返してあげるとしよう」
……関係者に返してあげる? 思考がまとまらない俺の眼の前で、あの軍服女は男が持っていた2つの首を、その関係者らしき人物へと放り投げていた
投げられた首、男の首は例の女子供のガキ達のところへ、そして女のガキの首は見るからに和風っぽい格好してやがる連中の方へ
マフィアでもあんなマネはそうそうするやつはいねぇ。俺はあの軍服女の狂気性を改めて再確認し、首が投げ込まれたの2つのグループに目を向ける
そりゃもう酷い有様だ。男の首が投げ込まれた方は、黒髪のガキが「お兄ちゃん」って叫んで泣き叫んでいた。白髪のガキはどうにも後にも憤っていやがったが、褐色のガキの方に抑えられている
女のガキの首が投げ込まれた方に至っちゃ、犬耳?がついたけったいな美人がそいつの首持ったまま一切動かないままだし、隣りにいたであろう仮面の男も黙ったままだ。
「まあ――些細なアクシデントではあったが、これにて狂宴の準備は整った」
軍服女が下卑た笑みを浮かべ、まるで指揮者のように片手のサーベルを振るう
「―――待ちやがれ」
「――ぬ? 貴公は確か、上条当麻、か」
笑みを浮かべた軍服女が声が聞こえた方への顔を向ける。俺も同じく顔を向けると、一人の少年の姿が。
「一つだけ聞かせて欲しい、テメェらは一体何のためにこんな事しやがった? 何のためにいろんなやつを巻き込んだ?」
「――その問いに意味など無いな。ただ、余が楽しめればそれで良いのだ。貴公らが奏でる殺戮と狂乱の宴を見せてくれればな」
「そうかよ、テメェがくそったれなやつってのはよーっくわかった。」
「じゃあそこで待っていやがれ、テメェのそのふざけた幻想、絶対にぶっ殺してやるからな!」
上条当麻と呼ばれた少年の啖呵を聞き届けた後、軍服女がサーベルを宙に振るう。軍服女から光が放たれる。それは俺たちが何も見えなくなり、意識を喪失するほどに光り輝いている
「そうかそうか、確かに貴公らしい啖呵だな、
軍服女がなにか呟いたように見えたが、今の俺には何を言ったかは分からない
そして意識が完全に喪失する刹那
「さぁ、始めようではないか。この、愛憎と狂乱、希望と絶望、そして可能性に満ちた――――」
「―――余の復讐劇を」
―――そして、全ての幕は開ける
【衛宮士郎(美遊の兄)@Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ 死亡】
【アンジュ@うたわれるもの 二人の白皇 死亡】
【主催】
【アルタイル@Re:CREATORS】
【垣根帝督@とある魔術の禁書目録Ⅲ】
10/10【テイルズ・オブ・ベルセリア】
○ベルベット・クラウ/○ライフィセット/○ロクロウ・ランゲツ/○マギルゥ/○アイゼン/○エレノア・ヒューム/○アルトリウス・コールブランド/○オスカー・ドラゴニア/○テレサ・リナレス/○ザビーダ
9/9【ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期】
○赤松楓/○最原終一/○百田解斗/○春川魔姫/○王馬小吉/○入間美兎/○キーボ/○神宮寺是清/○東条斬美
8/8【Fatal Twelve】
○獅子舞凛火/○日辻直未/○未島海晴/○オデット・マランソン/○フェデリーコ・カルミナーテ/○アラン・スコーピオン/○スケール・ジョーンズ/○ユウ
8/8【うたわれるもの 二人の白皇】
○オシュトル(ハク)/○クオン/○ルルティエ/○アトゥイ/○ヴライ/○ムネチカ/○マロロ/○ミカヅチ
7/7【Re:CREATORS】
○メテオラ・エスターライヒ/○弥勒寺優夜/○煌樹まみか/○アリスティア・フェブラリィ/○ブリッツ・トーカー/○築城院真鍳/○白亜翔
7/7【範馬刃牙】
○ビスケット・オリバ/○範馬勇次郎/○ドリアン/○スペック/○シコルスキー/○ドイル/○柳龍光
6/6【とある魔術の禁書目録Ⅲ】
○上条当麻/○御坂美琴/○一方通行/○五和/○後方のアックア/○左方のテッラ
6/6【BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣】
○白井日菜子/○司城夕月/○司城来夢/○森川更紗/○斎木有理/○蜷川麻央
6/6【CRYSTAR -クライスタ-】
○幡田零/○不動寺小衣/○恵羽千/○777/○アナムネシス/○幡田みらい
5/5【乃木若葉は勇者である】
○乃木若葉/○高嶋友奈/○郡千景/○土居珠子/○伊予島杏
3/3【Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○美遊・エーデルフェルト/○クロエ・フォン・アインツベルン
1/1【白鳥歌野は勇者である】
○白鳥歌野
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