時間指定などしないで、投稿してるので13話くらいまでは前に書いてたとこを変更したり修正したりの進行なので、1日にいくつか投稿しちゃったりするかもしれません!
「ぎゃああああっ! 痛ェよぉぉー! 恐ェよぉぉおぉおお!」
ルフィはゴム人間だから、少しは殴られても大丈夫だろうと思ってたあたしがバカだった。
何を血迷ったか、あたしが連れられて来た頃にバカ正直に自分がゴム人間だって、こいつらに言っちゃってるんだもん!
ルフィがゴム人間だってわかってからは、変なトゲトゲのあるグローブをしてルフィを殴り始めた。
しかも、縄で吊るされてるから、あたしもルフィも手も足も出せない。
手が出せたとしても、敵う相手だとも思わないけど逃げることも出来ない。
「いいか、くそガキども。もう一度だけ言う。エースが盗んだのは、ウチら海賊団の大事な金だ……おめェらはその在りかを知ってる。だから、教えてくれ──!」
「おれは、何にも言わねェぞ!」
「じゃあ、おめェの姉ちゃんに聞くだけだっ」
「──うぐっ!」
「アイっ……!」
ポルシェーミーの蹴りが、あたしのお腹に飛んできて声にならない声が出る。
本当はルフィの居る場所についたら、すぐにでもエースとサボの居そうな場所を言おうと思ってた。
普通だったら、やられまくってるルフィを見たらすぐにエース達の居場所を言って当たり前だと思う。
なぜかルフィを見てたら、言っちゃいけない気がした。
「ルフィもあたしも2人の場所は、言わないっ! でも、あたしはあいつらの為じゃなくて、ルフィの為に言わないっ!」
「嬢ちゃんよ、何を意味のわからないことを言ってんだよっ!」
「いってェな! くそじじぃ!」
「女の癖にこのガキは泣きもしねェ……口も割らねェ……早く言った方が身のためだぜ?」
ルフィはあたし以上にやられてるから、顔なんて血と涙ですごい事になって、血がポタポタと床に落ちて喋る気力もなくなってる。
「おめェら、エースの弟と妹なんだよな? 随分と薄情な兄貴持っちまったな。おめェらがこんなにやられてるのに来もしねェ。くくくく!」
「あたしもそれは、そう思うから否定はしないっ!」
「だったら、ゲロっと吐いちまえよ、兄貴の居る場所っ!」
喋りながらあたしとルフィを、交互に痛みつけてくるポルシェーミ。
「もう、ルフィは喋らないんじゃなくて、喋れなくなってる! やるなら、あたしをやればいいでしょっ!」
「ォェ……っ! ヒック、はぁはぁ……っ」
「ぽ、ぽ、ポルシェーミさん! このガキが言う通り……こいつ、叫ぶ気力も失ってます! もう何も喋らねぇし……正直ムゴくて見てられねェ……!!」
「何言ってんだ! ガキかばう暇があったら、エースとサボを捜して来い! 命が危ねェのはおれ達なんだよっ!」
あたし達をかばってくれたチンピラを殴り飛ばして、小屋の中からチンピラを追い出すポルシェーミ。
それに、あたしよりルフィの方が癇に障るのか、気力のないルフィに向かってまたポルシェーミは殴り出す。
「クソガキが一丁前に、秘密を守ろうとしてんじゃねェよ!」
「い、いわねェ……! おれは、いわねェ……!」
「じゃあ、もういい……死ねよっ!!」
そう言って、ポルシェーミがルフィに拳を振り上げたと同時にあたしの声と誰かの声が重なった──。
「やめてェーーーーっ!!」
「「やめろォーーーーっ!!」」
声と同時に小屋が破壊されて、エースとサボが飛び込んできた。
まさか2人が助けに来るとは思ってなかったから、驚いてあたしは声が出なくなる。
「こ、コイツだぁ!! ポルシェーミさん、金奪ったのコイツですーーっ!」
「……え、エーズぅ!!」
ルフィが泣きながら声を上げる。
思わず、あたしも泣きそうになったけど……まだ逃げれたわけじゃないから、ここであたしも泣くわけにはいかない。
「自分から来てくれるなら、話は早ぇ! 口が堅くて困ってたんだよ、テメェの兄弟たちが!」
「ルフィはおれの弟じゃねェ!」
いや、そこを否定してる場合じゃないでしょっ! しかも、エース簡単に捕まってるし!
だけど、あたしが妹だってことを否定しなかったことは少しだけ驚いた。
「サボっ!!」
「ん?」
エースの声に反応してポルシェーミが気を取られた時……!
「ウォリャアアアーーっ!!」
サボが持っていた鉄パイプで大きな音を立てながらポルシェーミを、力任せに後ろから殴ってポルシェーミがよろけたのを見て、チンピラたちは慌て出す。
その隙を見て、サボがチンピラからナイフを奪ってあたしとルフィの縄を切ってくれる。
「アンは動けるなっ?!」
「う、うん……!」
そう言いながら、ルフィを担いで逃げる体制を整えるサボ。
「エース逃げるぞ!」
「先に行け!」
「バカ、おめェ……っ!」
ポルシェーミがよろけたのを見て、驚いてチンピラ達も逃げだした。
だから逃げ出すには、今が絶好のチャンスなのにエースは何言ってんの?!
「一度向き合ったら、おれは逃げない……!」
「やめろ! 相手は刀持ってんだぞ! 町の不良とわけが違うぞ!!」
意味不明なカッコイイ台詞言ってますけど、あたしとルフィのこの傷を見てなんでそんなことが言えるの?!
しかも、サボの話もまったく聞かないでポルシェ―ミと睨み合うエース。
「オイ……少し魔が刺したんだろ? 大人しく金渡せよ悪ガキ」
「おれ達の方が有効に使えるっ!」
有効に使える?! 余計な挑発しなくてもいいじゃん、何考えてるのあのバカっ! あたしには、もうプルプルと青筋立ててマジ切れ寸前のポルシェ―ミが見えるけど、エースには見えてないのっ?!
「……バカ言ってんじゃねェよ!!!!」
ほら、怒り爆発させちゃったじゃん!!
ポルシェ―ミが振り上げた刀はエースの額をかすった。
「ガキに敗けたら、おれァ……海賊やめてやるよォ……!!」
「うわーっ!! ダメーーっ!!」
刀をもう一度エースに振りかざしたポルシェ―ミに驚いて、あたしが叫ぶとポルシェ―ミ全体をシャボンが包み込んだ。
それからポルシェーミの周りを沢山の葉っぱが、クルクルと宙を舞ってる。
いや、えっと……あれ? あの葉っぱって、あたしがやったの?
あたしはヤルキマン・マングローブの樹だかの、悪魔の実を食べた。樹だから葉っぱも出せるの?
だ、だけど、シャボンで包んで葉っぱを出したからって、相手は刀持ってるからどうにかなるとは思ってはなかったんだけど、なんか少しラッキーな風が吹いたらしい。
「……な、なんだ、これは?!」
シャボンと葉っぱに急に覆われた、ポルシェ―ミは驚いて慌て出す。
その隙を見てエースとサボが強烈な一撃をポルシェ―ミにくらわして気絶した。
「たまには、アン……役に立つな」
「たまにはって何よ! 助けてやったんでしょ!」
「は? 何言ってんだよ、助けてやったのおれ達だろ!」
「原因はあんた達でしょ!」
「おめェら、ケンカは後にしろ……」
サボにケンカを止められて、あたしとエースは我に返って早々とこの場を後にした。
◆◇◆◇
「うっ、うぇえぇぇーーーん! どゥおぉオおおーーーーん! ぶへーーっ! おぉおおぉぉおお……っ」
ルフィよ……なんちゅう泣き方をしてるんだい。
やっと落ち着いて、あたしも気が緩んで泣きそうになった瞬間、ルフィの泣き声でいっきにあたしの涙は引っ込む。
「エースっ! おめェ……悪ぃクセだぞっ! 本物の海賊を相手に「逃げねェ!」なんて!! おめェはなんで、そう死にたがりなんだよっ!!」
サボがエースにお説教をしてるのを、フンっとふて腐れた顔でエースは聞いてない。
……死にたがり。
そうか、あの時あたしも思った違和感……だから真正面から向かって逃げるチャンスあったのに逃げようとしなかったの?
「怖がっだ……死ねがどおぼつだぁぁぁぁぁ!! ひっく、えっぐ……」
「あぁっ!! うるせェなっ、いつまで泣いてんだ! おれは、弱虫も泣き虫も大っ嫌いなんだよっ! イライラする!」
「…………っ!!」
「あ、ルフィが泣き止んだ……!」
酷いこと言われてんのに、よく泣き止めるな……。
「ありがどうぅ……」
明らかに泣くのを我慢しながら、ルフィはペコリと頭を下げるルフィをエースとサボはポカーンとした顔で見つめる。
「たす……助げでぐれで……ウゥ……」
「てめェっ!!!!」
「おいおいっ! エースっ! 礼言ってるだけだ!」
また泣き出したルフィにイラついたエースが怒鳴ると、それをサボが止める。
なんちゅーの? ある意味エースとサボはいいコンビなんだと思う。
「……だいたい、おめェら何で口を割らなかったんだ! あいつらは、女でも子供でも平気で殺す奴らだっ!」
「喋ったら……もう、友達になれねェ……」
「なれなくても、死ぬよりいいだろう!! 何でそんなに、おれとダチになりてェんだよ!! おめェ、おれにどういう目に遭わされた?! とうとうここまで、付いてきやがって!!」
ひどいことしてたって自覚はあったんですね、お兄ちゃん……。
「だって、今のおれだけじゃ、アイを守れねェ……」
「……は?!」
思わず、あたしの口から変な声が出る。
いやいやいやいや、姉ちゃん……弟に守って貰おうとか思ってないよ?
「フーシャ村にはアイも帰れねェって言うし、山賊嫌いだし……! おめェを追いかけなかったら、他に頼りがいねェ! じいちゃんに、アイを守れって言われた! おれだけの力じゃアイを、守れねェし……それに、アイの兄ちゃんだ! ぜってェ、イイヤツだっ!」
……あたしの兄ちゃんってだけで、イイヤツだってルフィは思ってくれてたんだ。
だから、あんなに酷いことされてもめげずに追い掛けて来てたんだ。
「こいつを守る……ねぇ?」
腕組をしたままチラッと、あたしの顔を見るエース。
いや、なんか……何にも言われてないけど、言いたいことはなんとなく伝わって来ますよ? どうせ、あたしなんか、守る価値と言うか、守らなくてもとかどうせ思ってんでしょ!
「……おれがいねェと困るのか?」
「うんっ」
エースがあたしから視線を反らして、ルフィにエースは視点を戻して会話を始めると頭の中に声が響いた。
──もし、ロジャーに子供がいたら? がははははは、変なこと聞くガキだなぁ。ま、そんな奴がいたら困るなァ!!
困る……? なんで、困るの? 別にあたしは、なんにもしてないと思うけど……。
──そいつは、生まれて来る事も、生きる事も許されねェ"鬼"だ!!
やっぱり鬼って、ロジャーの子供のあたしとエースの事を言ってたんだ。
だから悪魔の実のことだと思って、鬼の子って言った時にエースの表情が変わったんだ。
それに気付いた時に、感情が一気に高ぶって急に口が動き出す。
「……許されない子供? あたしもエースも何もしてないよ? あたしもエースも、生まれて来ちゃいけない子なの?! ちがっ……やだ、やだっ! エースもあたしも違うっ! ごめっ、ごめんなさいっ……!」
「な、なんだ?! おい、アンっ?! アンっ!!」
「アイっ?!」
エースとルフィの声がしたと思ったら、そこでプツンとあたしの意識は切れた──。
◆◇◆◇
「んー! 良く寝たっ。って、あれ? いつここに帰って来たんだっけ?」
確か、ルフィがギャン泣きしてて……あれ? ここから先の記憶が微妙にない。
「ま、いっか! って、サボっ?!」
なんで、ここにサボまで寝てるんだ?!
……あ、そっか、海賊の一味の1人とケンカしたんだから、グレイ・ターミナルに居たら危ないのか。
「どういうこった、こりゃーー!! エース、ルフィっ! そいつは誰だ? 何でガキがまたもう一匹増えてんだよ!!」
だよねぇ、やっぱりこうなったよねぇ! そこで、あたしには聞いて来ないってことはダダンはあたしは関係ないと思ってくれてる。
うん、あたしの日頃の行いのおかげだと信じようっ!
ダダンの叫び声で目が冷めたのか、のそのそと起きたサボがダダンに話しかける。
「よう! ダダンだろ? おれはサボっ!」
「サボ?! 知ってるよ、その名前! よっぽどのクソガキだと聞いてるよ!」
「そうか……おれもダダンはクソババアだと聞いてるよ!」
「余計な情報持ってんじゃないよ! それと、おめェらはともかく、なんでアンがこんな大ケガしてるんだいっ!!」
そういえば……あたしも昨日ポルシェ―ミにやられて、結構ケガしてたんだった……。
ケガの事を指摘されて、思い出したように痛くなって来る。
「そうだ、アイ! 大丈夫か?!」
ダダンを無視してルフィがあたしに駆け寄って来た。
「ケガ? それだったら、ルフィの方が酷いじゃん」
「だって、アイ倒れたぞ?!」
「……倒れた?」
言われてみれば、いつの間にかここに寝てたし、ルフィの言ってる事は間違ってないと思うけど……なんで、倒れたんだっけ?
「おい、ちょっと来い!」
「え、ちょっと、エース?!」
あたしとルフィが話してると、エースが割り込んであたしの手を掴んで外に引っ張り出された。
「何?! エースどうしたのっ?」
「…………」
あたしの手を掴かんだまま、背を向けて何も話さないエース。
「おめェ、昨日……生まれちゃなんたらとか、叫んでたけどな……ルフィがおれとアンが居ないと困るってだな……」
「う、うん?」
「あー! 話はそれだけだっ!」
それだけ言って、走って小屋にエースは戻ってしまった。
んだけど、生まれちゃなんとかって……なんのことだ? あたしが、叫んだって言ってたけど。
倒れる前に何かあったのかなぁ? ルフィがあたしの事を守るって言ってて、それからエースが微妙な顔であたしの事を見てて……そうだ!
そしたら、頭ん中に声がしたんだっ!
──生まれて来る事も、生きる事も許されねェ"鬼"だ。
あたしが言われた言葉じゃない。
だけど、あたしにも言われた言葉だ。
そうだ、エースが聞いた言葉……それをエースが聞いた時の事が頭の中にぐちゃぐちゃに入り込んで来て、あたし混乱して発狂したんだ。
あたしがフーシャ村で、のほほんと何も知らないで暮らしてた時にエースは1人で……!
「ふぇっ……」
急に涙がボロボロと落ちてくる。
「なっ、おい?! なんで、泣いてんだよっ! エースが様子見てこいって言うから来てやったら……! なんだよ、エースになんか言われたのか?」
泣いてると慌てるサボが目の前に居る。
「うわっ! サボ?! これは、エースに泣かされたんじゃなくて、エースが泣いてて……だから、えっと……」
「何言ってんだ? エースなら、あっちでルフィとじゃれ合ってるけど?」
うん。そう言う意味じゃなかったんだけど、余計な事をあたしの口から話したらエースが怒りそうだから喋るのやめとこ。
「なんか、よくわかんねェけど……大丈夫なんだな?」
「うん? あたしは大丈夫だよ」
「なら、おれあっち行くぜ」
それだけ言ってサボはエース達の所に走って行った。
エースが泣いてたか……なんか、そんな感じがしたんだよね。
あれはあたしが言われた事もないし、わざわざ人に聞いたりしたことない。
「あっ……ぷぷぷっ」
そういえば、エース「ルフィが困る」って! 思わず、笑いが込み上げる。
ツンツンしてる癖にルフィのことも、ちゃっかり仲間って認めて、あたしのことも慰めてくれたんじゃん。
◆◇◆◇
「ドグラぁ、マグラぁー! 何もすることなくて暇だよぉ!」
「まーまー、そんなケガしてるんだから、もう少し静かにしときなって」
「エースとかルフィの方がケガ酷いのに……」
「アンは女の子だからニー! 家事はおれらがもうやったぞ」
そういえば、あたしダダン一家の人達には自分の事をアイと自己紹介したはずなのに、いつの間にかあたしの事をここのみんなはアンとあたし呼んでる。
ここに居ると、あたしの事をアイって呼ぶのはルフィだけ。
それに何故か、ダダンも含めて山賊のみんな口は悪いけどあたしには優しくしてくれる。
それで調子に乗って、みんなの事を呼び捨てで呼んだりしてるけど、やっぱり怒るそぶりすらみんなしない。
「なぁ、おめェら「ゴア」ってのはどこだ?」
ダダンが珍しく新聞と睨めっこしながら聞いてくる。
「コルボ山もフーシャ村も「ゴア王国」の領土だよ?」
「ン──。だぁよねぇー?」
「分かってる事を聞いて、どうしたの? ダダン」
一瞬、本当に知らないの?
と、ビックリしたけど、どうやら新聞に気になることがあったみたいでダダンは一応確認したらしい。
「この王国になんだか、お客が来るってでかいニュースになってるが"天竜人"ってのは、そんなに偉い奴なんか?」
それは、貴族より凄い貴族って言うことくらいしか、あたしもわかんないや……。