ハイスクールD×D 神器使いは静かに暮らしたい 作:ベロリンガRX
そしてようやく吉良吉影の神器・・・いやッ!幽波紋のお披露目だァ~ッ!!
吉良SIDE
「ふふふ・・・いつもながらこの時間は非常に幸福な時間だ・・・平穏な人生を心情にしている僕だけれども、この時間だけは何物にも変えがたい」
オカルト研究部入部から数日が経った。と言ってもオカルト研究部は完全に名前だけなので僕は顔見せと『彼女』に会うために通っているようなものだ。
「あぁ・・・本当に君は美しい・・・今まで出会ってきたどんな『彼女』とも比較にならないと言っても過言ではないだろう・・・いやぁ、ここに入部したのは正解だったかもしれないね、ふふふ・・・」
「吉良って変わってるよな・・・確かに朱乃先輩の手は綺麗だけどさ・・・『手だけ』ってのはどうなんだ?もっと色々あるだろ!?おっぱいとか!」
「まぁ、僕もこの性癖が変わっているという自覚はあるんですがね・・・これはもう、『自分はこういう存在なんだ』って・・・そう理解しているんですよ・・・」
「そんな大げさに言うことか?て言うかそんなに好きなの?手?」
「ええ・・・わたしは・・・子供の頃・・・レオナルド・ダビンチの『モナリザ』ってありますよね・・・あの絵・・・画集で見たときにですね。あの『モナリザ』がヒザのところで組んでいる『手』・・・あれ・・・初めて見た時・・・なんていうか・・・その・・・下品なんですが・・・フフ・・・勃○・・・しちゃいましてね・・・」
「ブフウゥゥゥゥゥウゥッッ!!?!?」
僕のカミングアウトに飲んでいたお茶をリアクション芸のように吹き出す兵藤。
「ちょ、ちょおぉぉぉっと待てぇぇぇ!?お前今、勃○って言った!?モナリザの手で○起したの!?お前俺の事変態だとか言ってたけどお前だって人の事言えないくらい十分変態じゃねぇか!!?」
「いえ・・・普段ならこんなこと、他人に言うはず無いんですが・・・やっぱり、気分が高揚していると言いますか・・・まぁ、とにかく・・・僕も男ですからね・・・フフフ・・・フフ・・・」
「な、なんていうか・・・ヨシカゲが少し大人しめなイッセーみたいになっちゃったわね・・・」
「・・・変態・・・」
ふふふ・・・何とでも言ってくれて構わないさ・・・今の私は、『彼女』とのひと時を楽しみたいんだ・・・他の事なんて、今の僕には全く気にならないからね・・・
翌日、僕は激しい自己嫌悪に陥った。
リアスSIDE
私たちは今、はぐれ悪魔の討伐に来ている。ヨシカゲは当然乗り気じゃなかったけれども、これも部活の一環ということで渋々ついてきてくれた。「僕の平穏が・・・」などとぶつぶつ言っていたが、それもいつもの事と思えるくらいには彼の事を理解できたと思う。
さて、今回はぐれ悪魔の討伐の他にも目的が二つほどある。ひとつは、イッセーに悪魔の戦いを学ばせること。私の下僕として、これから活躍してもらうためにまずは他のみんなの戦いを見せて経験を積ませること。そしてもう一つは、ちょっと卑怯な気もするけど、ヨシカゲの神器を確認するため。あれだけ言われていたけれども、やっぱりどんなものなのか、確認しておかなければ危険かどうかの判断が付きにくい。それに、ヨシカゲの性格上、自分からは戦わないでしょうけど、自分の平穏を守るためなら、きっとその力を見せるはず。私は、ヨシカゲを危険な目に合わせようとしている。もちろん、できる限りヨシカゲの身は守るつもりでいる。それでも、わざわざ人間の彼を危険に晒してまで、私はヨシカゲから情報を得ようとしている。とても褒められたことじゃないのは分かっている。それでも、私は・・・
「不味そうな臭いがするぞ?でも美味そうな臭いもするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」
延々と思考の海に沈んでいく私を引き上げたのは、今回の討伐目標、はぐれ悪魔のバイサーだった。
「はぐれ悪魔バイサー。あなたを消滅しに来たわ」
ニタァ
薄気味悪い笑みを浮かべるバイサー。
「主のもとを逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れまわるのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたをけしとばしてあげる!」
「小賢しい小娘ごときがあぁぁぁッ!!その紅の髪同様にッ!!貴様の身を鮮血でそめあげてくれるわああああぁッ!!!」
「雑魚ほど洒落のきいたセリフを吐くものね。祐斗!」
「はい!」
私の指示を受けた祐斗が飛び出す。
「イッセー、さっきの続きをレクチャーするわね。まず、祐斗の役割は“騎士”、その特性はスピード」
祐斗は徐々に速度を増してバイサーの攻撃をかわしていく。そしてついには常人では目で追えなくなるほどの速度にまで到達する。
「そして、祐斗の最大の武器は剣」
祐斗が一度足を止める。その手には一本の剣が握られている。そして祐斗は再び姿を消し、次の瞬間。
「ぎゃあああああああああああああッ!!」
両腕を切断されたバイサーが悲鳴をあげる。
「これが祐斗の力。捉えきれない速力と達人級の剣さばき。二つが合わさることで、あの子は最速の騎士になれるの」
「小虫めぇぇぇぇぇぇっっ!!」
腕を切られて怒り狂ったバイサーが小猫に襲いかかる。イッセーが不安そうな顔をしているけど、あの程度じゃ小猫には傷一つ付けることは出来ないわ。その証拠に、バイサーの巨体を小猫が持ち上げる。
「小猫の役割は“戦車”。その特性はいたってシンプル。圧倒的な攻撃力に強靭な防御力。あんな程度じゃ小猫は潰せないわ」
バイサーの足を完全に持ち上げてどかす小猫。そして空高くジャンプしてバイサーの腹に拳を打ち込んだ。
「・・・吹っ飛べ」
ドゴォッ!!
バイサーが時速70キロくらいで後ろに吹っ飛ぶ。バイサーはすでに満身創痍といった感じだけど、残念ながらまだ朱乃がいるからもうしばらく付き合ってもらうことにするわ。
「最後に朱乃ね」
「はい、部長。あらあら、どうしようかしら」
朱乃はいつものように笑顔でバイサーの元へ歩き出した。
「朱乃の役割“女王”。私の次に強い最強の者。“兵士”、“騎士”、“僧侶”、“戦車”、すべての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」
「うぐぐぅ・・・おのれぇ・・・よくも・・・許さんぞぉ・・・」
悔しそうに朱乃を睨みつけるバイサー。それを見て不敵な笑みを浮かべる朱乃。
「あらあら、まだ元気みたいですわね?それでは、これはどうでしょう?」
朱乃が天に向かって手をかざすと、天空が輝き、バイサーに雷が落ちた。
「ガガガッガガガガッガガガッガガッッ!!」
「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。雷や氷、炎などの自然現象を魔力で起こす力ね。そして何よりも彼女は究極のSよ」
激しく感電するバイサー。全身丸焦げだが、可哀想なことにその程度では朱乃は手を休めない。
「あらあら、まだ元気そうね?まだまだいけそうですわね」
再びバイサーを雷が襲う。
「グワアァアァァァァァァアアァァアァアァァアァッッ!!」
既に断末魔に近い悲鳴をあげているバイサー。それにもかかわらず、朱乃は三発目の雷を繰り出す。
「アバアアァァァァァァァァアアァァアァァ・・・」
三発目の雷でぐったりと動かなくなってしまった。その後朱乃は何発か雷をバイサーに落としたけれど、全くの無反応だったせいで、少し不満気味だった。さて、それじゃあとどめを刺して上げなくちゃいけないわね・・・そうしてバイサーに近づいた次の瞬間、今まで朱乃の雷を受けてピクリとも動かなかったバイサーが立ち上がり、“私たちの後ろにいるヨシカゲ”にめがけて駆け出していた。
「しまったッ!」
「私はタダでは死なんぞぉォォぉぉッ!!せめてあの人間だけでも道連れにしてくれるぅぅぅぅッッ!!」
なんたる失態!このままではヨシカゲが危ない・・・そう思っているのに“何故か私の体は動こうとはしなかった”のだ。まるで、ヨシカゲに近づく事が死を意味する。そのように思ってしまった。そしてバイサーがヨシカゲに襲いかかる次の瞬間。
『キラークイーンッ!!』
ドグシャァッッ!!!
鈍い音と共に私が見たのは、ヨシカゲの背後に突如現れた“ソレ”がバイサーを殴り飛ばす瞬間だった。
吉良SIDE
結局は部長殿の思惑通りになってしまったか・・・僕の神器“キラークイーン”を見ながらため息をつく。そしてその元凶となったはぐれ悪魔を睨みつける。
「なぁ、君・・・確か・・・バイサー・・・とか言ったかな?」
「グ・・・グググ・・・オノレェ、ニンゲンのブンざイでェべぶぅ!」
ドガッッ!!
奴がしゃべっている途中で殴りつけて無理やり話を中断させる。
「今の君に発言は許されていない、身の程をわきまえるんだな・・・」
ド ド ド ド ド ド ド
「な、なんだ・・・吉良の奴から・・・言いようのない“凄み”を感じる・・・」
「まさか・・・あの神器はッ、幽波紋ッ!?」
「知ってるんですか、部長?」
「ええ、神器の中でも最も多く、そして最も珍しい神器。神器使いの生命力、精神力を映し出す力ある像。その特性から、同じスタンドは一つとして存在せず、この神器を持つ者をスタンド使いと呼ぶそうよ・・・」
部長殿がスタンドの解説をしている。正直、神器使いには見えても可笑しくなかったが、神器使いではない悪魔に見えるということは意外だった。まったくもって面倒なことになってしまったじゃあないか、腹いせに目の前にいるクソッタレはぐれ悪魔に死刑宣告を言い渡す。
「いいか・・・僕は君のおかげでどうしようもなく迷惑を被っているんだ・・・君がここに来たせいで、スケッチの時間が削られてしまったし、今夜のおかずの買い出しにもいけない。そしてなにより許しがたいのは、今日はピンクダークの少年の新刊の発売日だって事だ。あれは人気作だから発売日に買い逃すとすぐに売り切れてしばらくにゅうかされないんだ。こっちに来る前なら露伴先生に直接売ってもらってたんだが、こっちじゃあそれも出来やしない。わかるか?君はこの吉良吉影のささやかな平穏を乱したんだ。それは許されることじゃあない。」
ずい、と一歩前に出る。バイサーも一歩後ろに後ずさる。
「君は死ななくてはならない」
「僕の平穏を乱すものを・・・生かしてはおけないよ」
「ウゥ・・・ウガアァアァアァアァアアァアアアッァァァァッッ!!!」
とうとう恐怖に耐え切れず暴走を始めた。いい加減その耳障りな声を上げるのをやめてもらおう。
「キラークイーン!“第一の爆弾”!」
僕が宣言すると同時にキラークイーンが右手にある“一番目のスイッチ”を押す。
それで終わりだ。奴には既にキラークイーンで触れている。はぐれ悪魔バイサーは爆発四散。爆音と共に塵一つ残さずこの世から消滅した。
「・・・これで今夜も、くつろいで熟睡出来るな・・・」
このSSの吉良吉影は、原作よりも多少成長してたりします。