箱物語   作:SATO 1940

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戦暦忍貝。知らなかったのかい?肉は野菜と食べると美味しいんだよ?

『突然だけれどこよみ——私はあなたとの恋人関係をやめたいと思っているわ』

『えええええええええええええええええええええええ!!なでんなんで!』

『ギガンみたいな顔で迫って来ないで——画面がうるさいわ』

『またまた、嘘ですよね!ひたぎさん!』

『ところがぎっちょん、それが嘘でもないのよ』

『理由を聞かせていただいてもよろしいでしょうか?』

『急かさないでよ、童貞が感染るわ。それに急かさなくてもちゃんと説明はするつもりよ——けれどその前に1つ質問。私たち、付き合い始めてから何年になると思う?』

『高校3年生の化物語から一応この箱物語の設定上1番近くに位置する結物語だとリアルな方では2006年から2017年だから11年、物語の設定上だと17歳から23歳だから6年——ですね』

『この際簡単な計算にもかかわらず計算機を使って引き算をしていた作者は置いておいて——6年よ?6年も付き合って——交際していて私は未だに処女だしこよみは未だに童貞じゃない、しかもあまり手も繋いだこともないウブさなのよ?これって付き合っていると言えるのかしら?それに元陸上部で外資系でバリバリ働いていて引き締まったボディを思った女の子がYES枕を持って待機しているにも関わらず襲おうともしないチキンな男がいるなんておかしいと思わない?』

『それは——悪かったよ僕がチキンでヘタレな男で』

『だからこよみ——いっそこと恋人なんてやめて結婚してしまいましょう』

『へ?あ、あれ?やめるってそういう』

『私がこよみと別れるわけないじゃない、もし別れると思っていたなら殺すわよ』

『え、でも』

『でももへちまもないわ。私が結婚するって言ったのよ、結婚するわよ——もう婚約指輪と婚姻届けも持ってきたわ。後は派手な式場を用意しましょう』

『でもお金とか』

『外資系は今とっても儲かっているのよ、ここでパーっと使ってもあと20年は派手に遊んで暮らせるだけの余裕はあるわ』

『そうすか』

『あーあ、せっかくこんなカッコいい男の子とお付き合いさせていただているというのに——乙女の夢である「男の子からの告発」がないとはね。本当に私の彼氏にはガッカリするわ』

「おい!お前様よ!いい加減に起きんか!今日はあのツンデレ娘とデートに行く日じゃろ?」

「ハッ!夢か!」

 

「遅かったわね、こよみ」

「......」

「黙ったままじゃ何も伝わらないわよ?遅れた言い訳でも考えているのかしら?」

「なあひたぎ」

「いいわ、言い訳なんて聞きたくないわ」

「僕は必ず婚約指輪を買って君にプレゼントする。だから——だから、もうすこし待っていてくれないか。ください」

「......いつまで、いつまで待てばいいの?」

「それは、まだ分からないけれど——30になるまでには」

「そう——じゃあ待っているわこよみ。大好きよ」

「ああ僕もさ」

 

「せっかく買った指輪が無駄になってしまったわ——私のファンに売ったら買値の倍になったりしないかしら?」

 

 

「ちょっとそこのアロハのお兄さん、お話聞いてもいいかな?」

「やあ阿良々木くん、久しぶりだねえ」

「おう、忍野だったのか」

「違うよ、僕は通りすがりの只野さ」

「......この町から出た後も元気にしていたか?」

「はは、元気だよ。おかげさまでね」

「もしかして仕事中だったりしたか?邪魔したな」

「いや、今回の仕事は今さっき終わったところさ」

「そうか、じゃあな忍野。時間取らせて悪かったな」

「いやいやぁそうでもないよ?阿良々木くんに伝言を頼まれていたからね——ええ、オホン、『阿良々木先輩。例のアレの欠片を見つけてしまった——本当ならば私が直接手渡したい所ではあるが、あいにく私は仕事があり直接会うことができない。おじさんに頼んでしまって申し訳ないのだが、西直江津のロッカー番号1327に保管してもらうことにした。忍ちゃんに合うような服も同封しておいたので是非受け取ってほしい』......それでロッカーの鍵は公務中だろうしってことで家のポストに入れておいたから、それとロッカーの代金はすでに払ってあるらしいよ?」

「そうか、ありがとう。じゃあまたな」

「ああそうだ阿良々木くん、これあげるよ。はいこれ、バナナの皮——阿良々木くんたちの恋のキューピット」

「いらねえよ!」

「阿良々木くんはいつも元気がいいなあ、何かいいことでもあったのかい?」

 

 

 

「忍野、飯食いに行くぞ」

「お、いいねえ。何を食べに行くんだい?」

「肉だ、肉が食いたい——焼肉屋に行くぞ」

「よし!じゃあ影縫ちゃん呼んでくるよ」

「影縫は肉をよく焼かずに食うから呼ばなくていい」

「手折君呼ぼうか」

「アイツは連絡がつくのか?」

「つくんじゃないかな?」

 

『寿司食ってる、邪魔をするな』

 

「じゃあ臥煙先輩を」

「臥煙先輩は出席しなければならない講義があるそうだ、これないと言っていた」

「じゃあ僕たちだけ?」

「ああ」

「そっか、じゃあパーっとやろうか!」

「そうだパーっとやるぞ——考査の悩み事なぞ些細なことだからな」

「はは......」

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