箱物語   作:SATO 1940

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神千羽炎姉妹。扇ちゃんのヒロイン本がないのはどうかと思うよ?

「阿良々木先輩!」

「あん?どうした?神原」

「阿良々木先輩はエピソードという人物をご存知だろうか?もし良ければ紹介してほしい!いや、紹介してくれなくても一目拝ませさせてほしい!」

「ん、あぁ、ええと、なんで?いや、どうして僕がそのエピソードっていう吸血鬼を知っていると思ったんだ?」

「エピソードさんは吸血鬼だそうだ。吸血鬼モドキな阿良々木先輩ならば吸血鬼ネットワーク的なものでエピソードさんをご存知であると思ってな!いや待て!現に、阿良々木先輩は私の話を聞く前にエピソードさんが吸血鬼と当てたではないか!ご存知であるのだろう?紹介してくれ!この通りだ!・・・ダメ、だろうか?」

「いや、ダメなんてことはないのだけれど、しかし神原、僕はエピソードのことを知ってはいてもエピソードの居場所とかは分からないんだ。ごめんな」

「そうなのか?いや、まぁいい。阿良々木先輩が謝る必要なんてないぞ!こちらこそ無理を言ってすまなかった」

 

 

「あ、千石......いや、よそう——アイツとはもう会わない」

 

「あ、こよみお兄ちゃん......ダメ——あの人とはもう会わない。あ、このセリフ漫画に使えそう」

 

 

「『羽川と!二回も話せる!!』とか思ったか人間。それは残念だったにゃ!二回目の羽川はこの俺にゃ!」

「殺せ!もういっそのこと殺せ!!羽川とお喋りできない人生なんて何の意味もない!!!」

「まぁそうにゃよ人間。そんにゃこと言っていたら俺のご主人も、それにお前の彼女さんもかにゃしんじまうにゃ」

「......」

「なんにゃ?俺の顔ににゃにか付いているかにゃ?」

「いや、お前でもまともなことを言うんだなって」

「にゃっはははははは!にゃんだそんなことかにゃ!——人間が歳食って体が成長したように俺もご主人と同じ年を積み重ねて少しくらい成長するにゃ」

「成長——か」

「どこを見ているのかは知らにゃいが。人間、ご主人に嫌われても知らにゃいぞ?」

 

 

「止まれぇ!コラァ゛ァ゛ァ゛ア゛!!テメェ゛今すぐ止まれやオラァ゛ァ゛ァ゛ア゛!!!」

「火憐ちゃん......性格変わったなぁ」

「ア゛ッブネェ゛!テメェ゛!フ゛ッ殺スゾコラァ゛ァ゛!!免許持ってなかったら覚悟しとけよ!!!」

「ハンドル人格ってやつなのだろうけれど、交通部門って大変なんだなぁ......」

 

 

「あ、お兄ちゃん」

「よぉ月火ちゃん、帰っていたのか」

「うん!——またすぐに出かけるつもりだけれどね」

「そうか、まぁそれでもゆっくりしていけよ。ここはお前の家でもあるんだからな」

「うん!また帰ってくるからその時はゆっくりするよ。それじゃあねお兄ちゃん、グッバーイ!」

「おう!——月火ちゃんは......変わらねぇな」


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