寒く冷たい。これは一体なんなんだ。目を開けてみるとそこは真っ暗な洞窟のような場所で所々に水晶のような物だったり珊瑚のような物が生え輝いている場所だ。
紫蘭「つつ………っ!」
背中が痛い。そうだあの黒い鋭角的な体を持つ怪物に殴られたんだ。って考えてみるとハクがいないのに気づく。
紫蘭「ハク!!」
ふらふらするが立ち上がりハクの名前を呼び掛けながら捜索する。
紫蘭「ハクいるなら返事をしてくれ!!」
そうして歩いていくと近くに白い何かが倒れているのに気づく。あれは、
紫蘭「ハク!!」
モフモフとした白いあの毛並みはハクだ。すぐさまハクに近づくとハクはぐったりとして眠っていた。
紫蘭「待ってろ!」
すぐに元気のかけらと回復の薬を取り出しハクの治療を開始する。怠惰の支給を素直に受け取っておいて良かったぜ。すると、
ハク「イ‥ブ……?」
紫蘭「ハク良かったぁ‥‥」
ハクが目覚めてくれた。このまま目覚めなかったら流石にどうしようかとも思ったが生きててくれて良かった。そうして回復の薬や元気のかけらの影響が出たのか数分もしないうちに、
ハク「イブイブ♪」
何時もの元気なハクに戻った。もふもふなハクの頭を撫でながら辺りを見渡し、
紫蘭「本当にここは何処なんだ?」
ハク「イブブ‥‥」
そういえばあの怪物にぶっ飛ばされた時に近くに穴があったよな。まさか、
紫蘭「ここ‥‥あの穴の先か!?」
ハク「イブイッ!?」
そうなると不味いぞ。というかどうやって帰ればいいんだ。いやそれ以前に帰れるのかこれ。
紫蘭「とっとりあえず帰る方法を探さねぇと」
立ち上がろうとすると背中がズキリと痛む。
紫蘭「つつ‥‥あの野郎」
何時かあの黒い怪物野郎を絶対にボコしてやると心から誓う。今よりも強くなってやると決意した。
ハク「イブ?」
紫蘭「あぁ大丈夫だこの位ならな心配するな♪」
心配させたくないため空元気だが振る舞う。とりあえず今の状況で不安を招くような事だけは止めなければ。じゃないと精神が持たない。
紫蘭「先へい行こうぜ」
ハク「イブ♪」
そうして自分達は先へと進む。そうして進んでいくと、
紫蘭「凄いなこりゃ」
ハク「イブブ」
自分達の前には果てしない闇が広がり所々にゆらゆらと白い何かが蠢くのが良く分かる。これは島では味わえない雰囲気だ。
紫蘭「どうなってんだろうなこれ」
ハク「イブ‥‥」
と、呟いていると空から何かがふわふわと此方へと向かってくる。それは現世で言うクラゲのような見た目の生物だ。ゆらゆらと足の触手を動かしながら自分達の前で止まる。
クラゲ「‥‥‥‥」
本当に現世のポケモン達とは大違いな見た目だよな。何て言うか本物のモンスターを見ているみたいだ。するとクラゲはただ触手をゆらゆらと動かしてその場から去って行った。
紫蘭「何だったんだ‥‥今の?」
ハク「イブ‥‥」
互いに首を傾げとりあえずハクを頭に乗せて歩き出す。そうして暫く歩き続けるが、
紫蘭「こっこんなにも裂け目はないものなのか」
恐ろしい事にどれだけ歩いても道は暗い道で正直な話で同じ通路を何度もグルグルと回っているかのような感覚に陥りそうになる。
紫蘭「どうにかして通路を見つけないとな‥‥」
ハク「イブイ!」
しかしこうなってくると本当に不安になってきてしまう。どうなるんだろうなこれ。
紫蘭「はぁ‥‥」
ハク「イブッ!イブッ!」
紫蘭「どうかしたのかハク‥‥」
叫ぶためチラリとハクを見るとハクは前足で右を指していた。右を向くとそこには、
紫蘭「あった‥‥」
それは紛れもなく探していた裂け目の穴だ。これで家に帰れそうだ。
紫蘭「行くぜハク!」
ハク「イブッイ!」
そうして裂け目へと向かってダイブし中へと入るのだった。不思議なまるで怠惰に連れられて入った無限回廊に近いようなそんな場所にハクと共に放り出される。
紫蘭「何じゃこりゃ!!?」
ハク「イブブブイ!!?」
すぐさまハクを抱き抱え離れないようにするが本当にどうなっていやがるんだこれ。というか凄い体が軽いまるで深い底無しの水に浸かっているかのような感じだ。そんな場所をただ浮遊し流れに流されるまま漂うと自分達の前に真っ白のワープホールが現れる。
紫蘭「またかっ!?」
ハク「いぶ!?」
そうして自分達は穴の中へと吸い込まれるように入る。そして放り出される。
紫蘭「どわっれつつ‥‥ここは?」
ハク「イブ?」
立ち上がり見渡してみるとそこは木々が生い茂る場所だ。どうやら元の世界に辿り着けたのか。
紫蘭「かっ帰ってこれたぁ‥‥」
ハク「イブ♪」
もうあんな暗い場所は懲り懲りだ。というか何であんな所みたいな場所が存在するのやら。だが不思議な事に気がつく。
紫蘭「何か暑いな」
それは何故か暑苦しい場所なのだ。というかよく見てみると、
紫蘭「マッスルポーズ!?」
木の形が知っている物とは全然違う。だって立ち並ぶ木々が揃いも揃ってマッスルポーズしてるんだぞ。こんなの見たこともない。すると空から何かが自分達の前に落ちてくる。
紫蘭「げっこいつは‥‥」
それは自分達の屋敷を襲撃してきたあのゴリマッチョモスキートだったのだ。
筋肉虫「マブシッ!」
しかも暑苦しいのにも関わらず暑苦しいマッスルポーズをしてきやがってそういうのはプロテインのCMだとかジムのCMでやれってんだ。
ハク「イブイッ!」
ハクは殺る気満々に臨戦態勢を取るが制止させる。
紫蘭「待てハクこいう筋肉野郎とはガチのぶつかり合いが1番だろ?」
そう言い腰にぶら下げているボールを取り出し思いっきり空へと投げる。
紫蘭「来い陽炎!」
モンスターボールが開き中からリザードンの陽炎が姿を現す。
陽炎「ガァァァァ!!」
両手の指をならし筋肉虫を睨む。恐らく彼奴は物理的な攻撃を仕掛けてくるのは間違いない。ならば殴り合いで強い陽炎を出したのだ。
紫蘭「ハクはすまないが観戦していてくれ」
ハク「イブブ‥‥」
少し残念そうにし自分の頭に再び乗っかる。そして筋肉虫を睨み、
紫蘭「おいそこのボディービルダー!俺達と勝負しやがれ!」
と、叫ぶと筋肉虫は少し止まると拳を構える。どうやらやる気みたいだ。
紫蘭「とりあえず様子見だドラゴンクロー!」
陽炎「がぁ!!!」
両手の爪を輝かせゴリマッチョモスキートを引き裂きに向かう。だが相手のゴリマッチョも拳を構え殴りかかり互いの一撃がぶつかり合い凄まじい衝撃波が向かってくる。
紫蘭「ぐっ!ハクしっかりつかまってろよ」
ハク「いぶ!」
紫蘭「陽炎!そのまま押し返せ!!」
陽炎「グワァァァァ!!!」
押し返しゴリマッチョモスキートの体を引っ掻き吹っ飛ばす。
紫蘭「そのまま火炎放射!!」
陽炎「ぐぅ!ブワァァァァァ!!」
口から炎を吐き出しゴリマッチョモスキートは火だるまにになる。
筋肉虫「マッマッシッ!!」
火を消そうと転げ回る。どうやらゴリマッチョモスキートは炎が弱点みたいだな。それにあの体格から恐らくタイプは格闘・虫だろう。
紫蘭「もう1発火炎放射!!」
陽炎「ブッブワァァァァァ!!」
再度、火炎放射を放つ。直撃したゴリマッチョモスキートは動かなくなる。
紫蘭「ハク!モードシャワーズからのハイドロポンプ」
ハク「ブイッ!!」
シャワーズとなったハクは頬を目一杯に膨らませる。
ハク「シャーーー!!」
そして口から大量の水を噴射しゴリマッチョモスキートに直撃させ鎮火させる。
紫蘭「丸焦げで死んなれても後味が悪いからな」
ウォッチからオボンの実を取り出し近くに置く。これで勝手に食うだろう。
紫蘭「さてと次なる地に行くか戻れ陽炎」
陽炎を戻しハクは元のイーブイに戻ると自分の頭の上に乗っかる。そうしてこの森を散策を開始する。
紫蘭「ふぇ~暑いぜぇ‥‥」
ハク「イブブ‥‥」
かれこれ何時間と放浪と歩いているが一向に戻れそうもない。本当にどうすればいいんだよこれ。
紫蘭「はぁ………」
ハク「イブ?」
紫蘭「あぁ大丈夫だ」
せめてハクには心配かけないようにしないとな。何時もの自分らしくいないと。そんな事を思っているとまた足に違和感を感じる。
紫蘭「ん?‥‥はっ!?」
その違和感はすぐに的中する。なぜなら今、自分があるいていた地面は足元にはなく白い裂け目の上を歩いていたからだ。これギャグだとお約束のあれだよな。
紫蘭「なんでだぁぁ!!?」
ハク「イブ~ーーー!!?」
そのまま足元の裂け目に自分達は落ちていったのだった。そしてとある場所の海岸そこに1人の少年が座り混んでいた。
?「これもありかな?」
と、砂浜に落ちている石を眺め言っていると突然のことだった。
紫蘭「うぉ~ー!!?」
ハク「イブ~ー!!?」
ドゴンッ!!
裂け目に落ちた紫蘭とハクはその少年の間近に落ちる。
紫蘭「いてて‥‥ランダムとかふざけんなよ‥‥ハクは大丈夫か?」
ハク「ブブブブ!!イブ!」
毛のゴミをブルブルして落としたハクは笑顔で鳴く。しかしここは何処だ。見た感じで青い空に海そして自分達がいるのは砂浜というのは分かるがふと何かの気配を感じ後ろを向くと、
?「ひっ人とイーブイが空から落ちて‥‥」
そこにはどうみても人間それもシロナと同い年ぐらいのガキがいた。しかも落ちてきた自分達を見て少しパニックになっているみたいだ。
紫蘭「おっおい!まっ待て!お前は人間か!?」
?「えっえぇ人間ですが‥‥」
紫蘭「よっしゃ~ーー!!!」
あまりの嬉しさにガッツポーズする。やっと人間に出会えた。
紫蘭「なぁお前さここは何処か分かるか?」
?「えぇとここはホウエン地方のミナモシティです」
紫蘭「ホウエンのミナモシティ‥‥」
ウォッチで調べてみると自分達がいた島から大分離れた場所みたいだ。だがまぁ途中で休み休みで行けば帰えれなくはない距離だ。これで希望が見えたな。
紫蘭「帰れそうでよかったぜ」
? 「えぇとその貴方もそこのイーブイも大丈夫ですか?」
紫蘭「ん?あぁ俺は全然だハクも大丈夫だろ?」
ハク「イブ!」
元気な笑顔を見せているから大丈夫だ。ハクは素直だから無理な時は無理っていう顔や鳴き声を出すからすぐに分かるんだ。
?「そうですか」
紫蘭「あぁ‥‥なぁお前それは何だ?」
その少年の手に握られている物を聞くと少年は恥ずかしそうにして、
?「えぇと石ですえっと好きなんですよ」
紫蘭「ほうそうなのか‥‥」
?「変‥‥でしょうか?」
紫蘭「いいや良いんじゃね?誰かにどうこう言われて納得するんじゃなく自分の好きな物は好きな物だろ?」
?「‥‥!!」
少年は驚いた顔をするとにこやかな顔になる。見た感じから彼奴と同じで他人にどうこう言われて悩んでいる感じだな。1つここはアドバイスしてやるか。
紫蘭「もしどうこう言われたらその時は誇れ笑われようが関係ない自分は自分だって言ってやれもしもそれで何かされたらぶっ倒してこう言ってやれお前らよりも俺が強いってな♪」
?「えっあっはぁ?」
今は、からかわれるだけだろう。だが言葉でカチンときた奴は何をしでかすか分かったもんじゃないからな。そのために言ったのだ。
紫蘭「まぁ今のお前には少し分からねぇかもな」
立ち上がりズボンの砂を払う。
紫蘭「あっそういえばお前の名前は?」
?「僕はダイゴ‥‥ツワブキ・ダイゴです」
紫蘭「ならダイゴとりあえず強くなれそうすれば色々と変わると思うぜ?お前もそう思うだろハク?」
ハク「イブ♪」
現に俺の周りで色々と変わったしな。さてここで長居するのもあれだし家まで旅立つか。
紫蘭「さてと俺達は元の場所に帰るか」
陽炎の入ったボールを取り出そうとすると、
ダイゴ「待ってください!」
そう言いダイゴは肩に掛けてあるポーチバッグから赤くそして中央に炎のようなマークのあるまん丸の玉を取り出す。
ダイゴ「よく分からなかったけどよければ」
そう言い玉を差し出してくる。ご厚意で渡してくれているため、
紫蘭「おうありがとうな♪」
ありがとうと言い受け取る。だが正直な話で玉なんて何に使えるのかよく分からないんだよな。まぁ貰えるのなら貰っておくか。
ダイゴ「それから‥‥」
ダイゴは海を眺め言葉を溜めだす。
紫蘭「ん?何‥‥」
と、言おうとしたその直後に突然の浮遊感を感じだす。
紫蘭「っ!!?」
ハク「イッ!?」
何とまた地面に裂け目が出来ているのだ。また何も出来ぬままに紫蘭とハクは裂け目へと落ちていった。そして残ったダイゴは海を眺めるのを止め紫蘭達がいた場所を向き、
ダイゴ「貴方の名前を‥‥ってあれ?」
消えた紫蘭とハクを探しキョロキョロとするが何処にもいない。
ダイゴ「………名前を聞きそびれたな‥‥だけどお前らよりも俺の方が強いか‥‥うんもしも僕がチャンピオンになれたら使ってみようかな♪」
と、呟きまた海を眺めるのだった。そして落ちた紫蘭とハクはといと、
紫蘭「またこれかよ!ちくしょうめぇ!!帰れたと思ったのによぉぉ!!?」
ハク「イブ~ーーー!!?」
また終わり見えぬ最果ての旅へと出たのだった。
怠惰「ではでは今回はここまで」
ダークライ (*-ω-)
千「うむ♪」
怠惰「いやはや紫蘭くん達いないねぇ」
千「じゃな‥‥って本当にこれどうするんじゃ!?」
怠惰「知らないよそんな事‥‥」
千「知らないとは何じゃ!?これが知られればあやつがうるさいぞ!」
怠惰「クライアントAの事?」
千「うむ!」
怠惰「安心しろその時は俺が対応するからさ」
千「じゃからダメなんじゃ!お主と奴は仲がよろしくないじゃろうが!?」
怠惰「うんだって嫌いだもんお前もそう思うだろダークライ?」
ダークライ ( ´ー_ゝー)
怠惰「ほらこの顔だよていうか彼奴はうるせぇし傲慢だしよ知ったこっちゃねぇよ」
千「しかし‥‥」
怠惰「千ちゃんは気にやむなベストは尽くしてこれなら仕方ないよ」
千「すまぬ‥‥」
怠惰「やれやれさてと色々と報告しなきゃいけないし今回はここまでだね」
千「うむまた次回もよろしくの!」
怠惰「それでは読者様」
千「さらばじゃ」
ダークライ (-_-)/