ギャラクシア・ヒーローズ 〜ニュービュー、空に手を伸ばす〜 作:旅人アクア
序頁 「願いを果たせなかった者」
「ぐろーばるげーむこん……なんだっけ?」
「だ・か・ら、グローバル・ゲーム・コンペティション! 略してGGC! 東京で開催されるゲームの展示会だよ!」
朝っぱら甲高い声で話し掛けてくる友人に眉を顰める。
不機嫌オーラを醸し出し始めているのに気が付かないのか、両手を机に当ててぐいっと近いてくる友人をなけなしの筋肉でなんとか押しのける。
不満そうな顔をしてくるが、そろそろ毎朝恒例の低血圧でしんどいことに理解を示してほしい。
「ふぁ〜……んで? そのゲームの展示会がどうかしたの?」
「ようやく、ようやく当てたのさ! 参加チケット!」
「そぅ、よふぁったね」
ゲーム廃人とでも言うべきか、友人はゲームに対する熱がすごい。
主だった好みのジャンルというものは無く、ゲームというジャンルにカテゴライズされているモノであれば、RPGやFPSなどの王道系は勿論のこと、剣道ゲームや免許ゲームなんていうのも買っていたりする。
軍資金を得る為に泣く泣く睡眠時間を削っていたとも聞いていたが、もしやチケットを入手するためにバイトでもしていたのだろうか。
開ききってない瞼をなんとか保ちながら友人を見ていると、オーバーリアクションでガッカリだ!というポーズをとる。
「これがどれだけ入手困難か知らないでしょ?」
「まぁーねー。自分はそこまでゲームに興味ないし、ふぁあー」
ゲームをするより三度の二度寝、合計六度寝を繰り返す方が心地良い。
とはいえ、世間の話題を把握しておくため、友人の勧めでいくつか有名なゲームはプレイしたことがある。
FPS界においてVR黎明期ながらも傑作と謳われた【レクイエム・フォー・アーミーズ】、RPG未経験ならばまずこれをやれと言われる王道の【電子の呼吸音】、そして何においても自由度が高過ぎる何世代も先取りしたかのような【シャングリラ・フロンティア】。
最後だけはMMOと呼ばれるコンテンツゆえ、クリアというエンディングを迎えることは出来なかったが、他は最後までプレイした。
確かに面白かったしボロボロと泣いてしまう場面もあった、が、それでもなお睡眠の方が好きであることに変わりはなく……、そのことに勧めた友人は苦笑しながらも落胆した様子は隠し切れていなかった。
今なおどれだけ難易度が高いミッションだったかを、声高に力説する友人を微笑ましい感じで眺めていると、ふととあるニュースを思い出した。
それは自分がそのゲームをプレイしていたからこそ、目に入った情報でもある。
「そういえばだけど、まだシャンフロはプレイしてるの?」
「――もっちろん! あ、もしかして、いやもしかしなくてもユニークモンスター討伐の話?」
おいおいと泣き真似していた様子から一変して、途端に子供かと思わせるくらいに目をキラッキラに輝かせる。
ちょっと引き気味になりながらも、埃被ってる記憶の倉庫から情報を引き出す。
既に遠い記憶となっているのでうろ覚えだが。
「えーと、確か……【破壊の土左衛門】だっけ?」
「全っ然違うから! そんなおどろおどろしい二つ名でもなければ江戸時代の人っぽい名前でもないから!」
「そうだっけ? でも確か――」
「おーい! そこの二人。そろそろ授業始めるぞ? 夏休み中だからって気を抜いてたらバンバン当てるぞ」
「ぅげぇー、……ごめんね! また後で話そ!」
手を大きくひらひらさせる友人に対して、此方も手を小さくひらひらさせながら見送る。
まだ何か話したげな様子ではあったが、それは全ての授業終わった後でもいいと思う。
学校支給のAR機器を起動させ授業を受ける準備をしながら、先程の会話の内容について思い耽る。
(――でも確か、以前戦った時にはそんな名前だった気がするんだけどなぁー)
あけまして天誅!
これからも天誅!
そろそろプロゲーマー編スタートらしいので並行して更新するよ!
連続更新?
カタリナニキではないのでご勘弁をorz