ドールズディフェンスライン   作:りおんぬ

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リク短編です。
三和氏より『戦場ジンクスに振り回される502小隊が見てみたい』ということなので、あるジンクスに揺れる502小隊を書き上げてみました。

では。


Luck, or Pluck

「ふーんふっふふ~ん♪」

 

ある日の事。

上機嫌に鼻歌を歌いながら、P90が紙に何がしかをしたためていた。

その様子が気になった私は、こっそりと後ろから内容を覗き込んでみる。そこに書いてあったのは……。

 

「……『遺書』?」

 

ガッ!! と、私の両手がP90の両肩をホールドしていた。

そして、その体をがっくんがっくん揺さぶりながら割と真面目な焦りと共に問いかける。

 

「なに!? 何する気なのP90!? 特攻する相手なんていないし居たとしてもさせないわよ!!?」

「ぐえっ!? りっ、リーダー待って揺らさないでそれ以上いけないさっき食べたクソ不味いレーションがうっぷ!?

 

慌てて手を放す。

P90は椅子から飛び降ると、青い顔をして走り去っていった。

その様子を呆然と見送っていると、P90が走り去った後の開いた扉からひょこっとMGLが顔を覗かせる。

 

「一体全体何事デスカ? マッハでマッカでマッシグラに飛び出していったわけデスガ!」

「キャラブレてるわよ、MGL」

「はっはっはぁ、何を今更。ワタクシちっともブレてませんの事よ? というかそれより大前提としてこっちが建前上の『素』な訳ですしィ?」

「……冷や汗ダラダラでそんなこと言われてもねぇ……」

 

これまた真っ青な顔をして反論するMGL。どうやら本人としても自覚はしているらしい。

私はため息をつきながら、MGLに諸事態の原因である一枚の紙を差し出した。MGLはそれを受け取ると、タイトルだけ読んで察したような表情を浮かべる。

 

「っあー、これはまた……」

「心当たりは? 私はないわ」

「……まあ、ジンクスの一種ですね。それもこういう場所じゃ結構ポピュラーなタイプです」

「全く以て初耳なのだけれど?」

「もっと俗世に興味を持ってください」

 

バッサリと言い切るMGL。

……この調子だと、MAGの方も怪しいわね。

とその時、荒々しい音と共に乱暴にドアを開けながらそのMAGが部屋に入ってきた。うわさをすればなんとやら、か。

 

「おーっすP90、いい加減書けたか……あん?」

 

どうやらP90を探していたようだ。丁度いい、コイツもとっ捕まえて話を聞いてみようではないか。

私は()()()()()()()()()10mほどの長さの鎖を懐から取り出し、何時ものように一瞬でMAGを縛り上げる。

 

「確保」

「なんっ──げぇっ、リーダー!?」

「大人しくしなさい、さあ一から十まで全部吐いてもらうわよ」

「なんだ! あたしまだ悪いことバレてねぇぞ!? あたしがなんかやったっていう証拠でもあんのか!」

「軽く自白してますけど!?」

「やった事はやったのね? じゃあ、少しオハナシしましょうか」

「やっべぇ墓穴掘った!?」

 

そのまま、MAGのを縛り上げた鎖の端を持ち、私は、地下ブロックへと連行していった。

途中で壁にガンガンぶつかったり階段でゴツゴツ落ちたりしていてぇいてぇと悲鳴を上げていたが、そんなこと知ったこっちゃない。

私はMAGを椅子に縛り付け、その脇に積まれてあった資材の山からとある道具を一個取り出した。

さあ吐け、貴様いったいP90に何を仕込んだ!!

 

「やっべぇリーダーがマジモードだ。いや違うって違うんだよ!!」

「何が違うのよ」

「とりあえずその手に持った拷問器具を離せ! 話はそれからだ!!」

「そんなこと言う悪い子の口は此処かしら?」

「おいっ、そこは口じゃねぇバカ! ちょっ、待てっ、やめろ脱がすなっ! もう何しようとしてるかはわかってんだよ! やめっ、ヤメロォー!!」

 

ちっ。

私は渋々MAGのスカートにかけていた手を放し、道具をその辺に放り捨てた。

そして、唇が触れ合いそうなほどの至近で目を合わせて問い詰める。

 

「……じゃあ、なんであんな真似をさせたの」

「近い、近いって。……はぁ、仕方ねぇな。それじゃ全部教えてやるよ」

「随分と態度が反抗的ね……?」

「いってぇ!? 胸を掴むな! ちょっ、どこ弄ってやがる!」

「いいから話しなさい」

「分かったから手ェ離せや!」

 

手を放す。

MAGは心なしか赤みを帯びた表情で、荒い息を吐きながらぽつぽつと話し始めた。

 

「はぁ……じゃ、話すぜ。ありゃジンクスだよ、ジンクス」

「だからジンクスって何よ」

「知らねぇのか? 『戦場で遺書を書くと死なない』っつーアレだ」

 

ふむ、そんなものがあったのか。

で、それがどうして私以外に流行ってるんだ?

 

「あのな、別にはやってるわけじゃねぇからな? まあ、その、なんだ。保険みたいなもんだよ」

「……保険?」

「そ、保険。あたしらは基本的にぶっ壊れたらそこまでだろ?」

 

まあ、そうだ。

私たち502小隊は電脳のバックアップが存在しない──だから、この体が破壊されたらそこまでなのだ。

……確かに、そういうジンクスに頼るのも、不思議ではないのかもしれない。

 

「そういうこった。あ、あたしも当然書いてるぞ。読むか?」

 

そんな事を言って、MAGは空いた片手で懐からやたらめったら分厚い封筒を──ってなんか微妙に縄抜けされてる!?

そう驚いていると、MAGは呆れたような表情でこう言ってきた。

 

「いや、なんか今日はやたらと締めつけが甘かったぞ。リーダーも動揺することってあるんだな?」

「当然のように私の緊縛の腕を評価しないで欲しいのだけれど?」

「文句はそれを評価できちまうレベルに達するまで縛り上げた自分に言え」

 

言って、MAGは私に封筒を押し付けた。

私は嫌々ながらも封を切り、中身を取り出す。100枚はあるであろう紙束がクリップで止められているのを見て、早くも破り捨てたい気分になった。

 

「待て、その手に持ったライターはなんだ、どっから出した?」

「あら、本当ね。丁度いいところに」

「待て待て待て待て!! 燃やすなよ? 絶対燃やすなよ!?」

「それは中身次第ね」

 

分厚い紙束を手に持ち、読み始める。

さて、このマシンガンキチは一体どんな内容を──

 

『前書き

 この手紙には読んだ戦術人形のシステムを強制的にマシンガン専用に書き換える認識プログラムが仕込まれてありま

 

私は迷わず火をつけた。

 

「アッー!! あたしが丸1週間かけて書き上げた力作がーっ!!?」

「だったら変なミーム汚染なんて仕込んでる場合じゃないでしょう!? ぶん殴るわよ!?」

 

嘆くMAGと叫ぶ私。

……その後、日が暮れてまた昇ってくるまで説教は続いた。

ちなみにその時、P90はトイレでずっとグロッキーになっていたという。




決めたッ!
オレはTS転生ドルフロを書くぞ! ジョジョーッ!!
次章のプロット固めがてら息抜きじゃい!
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