ドールズディフェンスライン   作:りおんぬ

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SGMG縛って編成したら一気に作戦能力がガタ落ちした。
だが俺は諦めねえ! スキルマレベルマでオール金装備のパーフェクトスプリングフィールド略してPSFを作るって決めたんだ! ついでに一〇〇式も!


Operation "Antibiotics"

「……こちら『トラッパー』。状況報告を」

『うい。こちら「レギオン」、敵影未だ見えず』

『こちら「ハントレス」、同じく』

『……「イフリート」、同じく』

え、これマジで言うの? ……はあ、仕方ないか。こちら「トゥーハンド」、同じく敵影は確認できず。そろそろ設置終わりそうだよ』

 

無線越しに味方と情報を交換する。

今、私達は不在防衛線(ドールズディフェンスライン)の一角、俗に言う最前線に潜伏している。誰が呼んだか不在前線(ドールズフロントライン)

罠を仕掛けつつ向こう二、三時間は待機しているのだが……影も形も見当たらない。

本当にこっちに来ているのだろうか。焼夷同好会の二人が写真の他に不在防衛線(ドールズディフェンスライン)に向かう的な内容の音声データも持っていたから、これだけの準備をしてきた訳だが……。

 

「……そう言えば、侵入者(ウイルス)は電子関連に秀でているらしいわね」

『ウイルッ……まあ、そうですね。AR小隊がそれで酷い目に合ったって話ですし』

『AR小隊だぁ? 聞いたことねえぞそんな部署。窓際か?』

502小隊(うち)の方がよっぽど窓際だよ火力キチ。だから黙ってろ』

『おん? シバくぞテメェ?』

『なんだやんのかコラ』

『いいぜこの野郎銃捨ててかかってこいや、鉄血の前にテメェからスクラップにしてやる』

『野郎ぶっ殺してやる』

「落ち着きなさいバカ二人。……でないとドラム缶に詰めてオイル漬けにするぞ」

『『ウィッス!!』』

 

馬鹿二人が馬鹿みたいにいがみ合っているが、ちょっとだけドスの効いた声を出してあげればこの通り。

考えてみれば、この二人の考えが一致しているところを見たことがない。

さて……鬼が出るか蛇が出るか。

まあ、鉄血を現世から叩き出すのは確定だし、気楽に待っていよう。

 

 

■ ■ ■

 

『……こちら「トラッパー」。状況報告を』

『うい。こちら「レギオン」、敵影未だ見えず』

『こちら「ハントレス」、同じく』

『……「イフリート」、同じく』

え、これマジで言うの? ……はあ、仕方ないか。こちら「トゥーハンド」、同じく敵影は確認できず。そろそろ設置終わりそうだよ』

 

一連の通信を聞いて、彼女は凄絶な笑みを浮かべていた。

彼女の名は侵入者(イントゥルーダー)──現在不在防衛線(ドールズディフェンスライン)へと侵攻している大隊の総隊長であり、何を隠そう以前基地へと単騎で潜入してきたP90を返り討ちにした張本人だ。

 

どうやら敵はごく少数、多くても一個小隊程度。

彼女が率いているだけの頭数があれば、旧式の銃火器に頼る木っ端人形共など余裕で殲滅できる。

──少なくとも、その時の侵入者(イントゥルーダー)はそう考えた。

故に。

 

「──進軍なさい」

「総員、進軍開始ッ!!」

 

彼女は己が部下へと命ずる。圧倒的な殲滅を、そして蹂躙を。

その命令を補佐の一人が復唱すると同時に、今の今まで微動だにしていなかった歩兵が一斉に侵攻を始めた。

第一段階。Dinergateが先行して辺り一帯を走査し、そこをVespidとRipper、ProwlerとStrikerの混成部隊が制圧していく。

第二段階。制圧した陣地にGuardとJaegerが居座り、高倍率サイトでDinergateが到達する前に遠距離の走査を開始。

第三段階。大隊長補佐のDragoon達と大隊長である侵入者が悠々と侵入し、末端が走査することで得た情報を元に命令を逐次下す。

しかし、彼女は心の中で疑問に思っていた。

こんな大規模で移動している以上、向こう側も当然こちらの侵入には気付いているだろう。だと言うのに、目立ったリアクションが一向に返ってこない。狙撃やトラップなど、何かしらのアクションが混ざっていてもいいはずなのだが……。

 

(……徹底的に籠城する気かしら)

 

先程盗聴した通信を鑑みても、その可能性は非常に高い。

しかし関係ない。たとえ何処に潜もうが何を講じてこようが、我らは一切合切を無視して真正面から踏みつぶすのみ。

……まあ情報はあるに越したことはないので、再び敵の通信網に潜入。ポロッとこぼしてくれたりしないだろうか。

 

『──でな? ジョンの野郎はマイケルにこう言ってやったのさ。「おいおいチャーリー、俺はボブじゃなくてダニエルだぜ?」ってな!』

『三人称ガッタガタじゃないか……!』

『んでその後、よくよく考えたら二人は自分の名前がベンジャミンとジェイコブだってことに気付いて爆笑するってのがオチだ』

『どのみち間違っている!?』

『あっ、やばいトラップ踏んだ──イイッ↑タイ↓メガァァァ↑!?』

『……人の真横で閃光トラップに引っかからないで……眩しい』

『……静かにしないと後ろから頭ブチ抜くわよ、特にそこのバカ二人』

「……………………………………、」

 

スッ、と静かに盗聴通信を切断する。

そして、テキパキと機材をしまい、侵入者(イントゥルーダー)は心の底から天に吠えた。

 

「──余裕かッッッ!!!!!!」

 

そして、額に青筋を浮かべて補佐であるDragoonへ叫ぶ。

 

「我慢ならん、もう我慢ならん!! 私たちをコケにするのもいい加減にしろ! 全軍突撃用意ッ!!」

「えっ!? 突撃って何処にですか!?」

『隊長! 数km先に放棄された司令部と思しき施設を発見しました!』

「でかした! ──今の報告は聞いたな!? 恐らくそこがこの防衛線(仮)の要衝だ! 余すことなく踏み潰せッ!!」

『了解!』

『了解!』

『了解!』

『ワカリマシタ』

『シュリュウダンヲナゲロ-』

『手榴弾だーっ!』

『敵の潜水艦を発見!』

『駄目だ!』

『駄目だ!』

『駄目だ!』

『ワー』

 

命令と同時に、最低限を残した全ての索敵行動を放棄。鉄血大隊は旧司令部──不在防衛線(ドールズディフェンスライン)司令部へと進撃を開始した。

侵入者(イントゥルーダー)が犯した失敗、それは。

よりにもよって502小隊(とびきりのキチガイ共)を相手にし、なおかつ()()()()()()()()という名の挑発に乗ってしまった事だ。




MAG「あっはっは……ふう、これで良いのか?」
110BA「ええ。侵入者(イントゥルーダー)は電子系統に特化したハイエンドモデル。だったら、適度な秘匿通信でふざけた会話をしていれば勝手に勘違いして乗ってくるわ」
UZI「ええー……」
110BA「というわけで、現時点を以てオペレーション『免疫反応』を第二段階へと移行。ゲリラ戦とはいえ激戦になるわ、総員気張りなさい」
『了解!』
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