誰とは言いませんが某怪文書とキチガイに定評のある(?)方々をリスペクト。
(12/25追記:紛らわしいので全編において各キャラごとに一人称を改訂)
「ああああああアアアアアア■■■■■■────!!!!」
戦場に咆哮が響く。
その様子を、私は頭痛と共に眺めていた。『ああ、またやったか』という思いと共に。
見れば、初めて見たMAGの惨状に『焼夷同好会』の二人はドン引きしている様子。無理もない。
正直、私も最初に見た時はドン引きした。この場で銃撃処分に処した方が皆の為なんじゃないかと本気で考えた。
けれど、どうしてか私はそれをしなかった。多分、それだけの理由で味方を消すのは
……まあ、だからといってこの惨状を許容できるかと訊かれれば、全然全くそんな事はないけれど。
「……うっわぁ」
かく言う私もドン引き中。いつ見てもあれはちょっと……。
……今からでも遅くないから、ホントに処分すべきなのではないか……?
いやいや何を考えているんだ私は。
一応は静止しておくか、と私は耳元の通信機に手をかけた。
「MAG、MAG。聞こえてるなら返事なさい」
『■■■アアアあああ……あ? どうしたリーダー』
意外。正常な返答が返ってきた。これなら止められるか……? と思った矢先。
私は思い知ることになる──
『丁度よかったリーダー聞いてくれよマシンガンマシンガンだぜ至高どころか旧人類の作り上げた文明の中で最も素晴らしいものが列を為してあたしに群がってきてくれてるんだぜつまりこれはもうあたしとマシンガンは一つになるしかないよなまたとないチャンスだ今度こそあたしは究極マシンガンドールズとして産声を挙げられるつまり一心同体になれそうなんだまさしく天にも登りそうな気持ちとはこの事だよところでリーダーはマシンガンには興味はねえかマシンガンはいいぞ火力連射力制圧力全てにおいて他の銃の追従を許さないまさしく最高の銃だおまけにその姿も完膚無きまでの黄金比これはもう祭壇作って拝んでも許されるレベルじゃないのかおっとリーダーには難しかったか要するにマシンガンを崇めよマシンガンを讃えよ全て全てはマシンガンに通ずる即ちこれマシンガンウォルイッセマグヌムつまりまず最初にマシンガンを求めようとしたことが偉大なんだ分かってくれるかリーダーあたしはこの神託に従ってあの鉄血野郎どもを一匹残らずスクラップにしてマシンガンを徴収しなけりゃならねえんだそう言えばさっきから煙幕が濃いなつまり闇討ちしてマシンガンを奪ってそのマシンガンで他の奴らを撃ってさらに撃った奴のマシンガンを奪って他の奴を撃っておいおいここは楽園かよここがマシンガンのエデンかこれはもうあたしも解脱してオープンボルトの神様の元へ向かうしかないんじゃないのか至高なる御方よいま貴方の下へ向かいますおっとお前は侵入者か奇遇だないまウチのリーダーにマシンガンの素晴らしさを説いてるところなんだお前もちょっと聞いてけよ嫌だとは失礼だなこれさえ聞いてくれればお前も立派なマシンガン教徒だあの時お前が持ってる銃を初めて見た時からお前には素養があると思ってたんだ他の奴らも誘ってみたんだがやっぱりマシンガンを使ってない情弱どもには理解できない話みたいで聞き終わったと思ったら一斉に自害しちまったんだよまあ人身御供として考えればいいのかもしれないがだったらせめてマシンガンで死んで欲しかったなおっと話が逸れたさあお前もオープンボルト教団に入ろうぜお前で28人目だ別に死ぬ時間が来た訳じゃない恐れるなお前は新たな世界への扉を開くんだ今はまだ規模は小さいがこれからあたしが大きくしていくし既存の宗教なんざ軽く上回る一大勢力になるんだあたしらは固い絆とベルトリンクで繋がっているつまり何が言いたいかと言えばやべぇ達する達するゥ!!!』
「」
……。
…………。
……………………。
……はっ、思考停止していた。
一周まわって元に戻ったかと思えば全然そんなことは無く、むしろ正常(?)な会話が出来るようになった分狂気度が跳ね上がった。聞いたのが色々と人間性を損なっている私だから良かったものの、一般的戦術人形が聞いていたら1D6も辞さない勢いだ。……そう言えば、横にいる二人は無事だろうか。まさかとは思うが……。
恐る恐る私は視線を横に向ける。
そこには、
「「マシンガンを讃えよ! マシンガンを讃えよ!!」」ズンドコズンドコ
「……うわあ」
手遅れだった。
生気の感じない濁った目をしながら、出処不明の太鼓を叩いて踊り狂う『焼夷同好会』の二人。どうやら一時的狂気に陥っているようだ。こうなる前に止められれば良かったのだが……何分初めてのパターンで、対処が間に合わなかった。
幸い敵がこちらに来ている気配がないため、P90は上手くやっているらしい。協力は仰いだが二人が参加するのはあくまでプランBであるため、使う必要がなければ彼女達の出番もない。
仕方が無いので、無線のチャンネルを切り替える。……切り替える直前に『ゴシャッ』だの『グチャア』だのおおよそ現代戦においてあってはならない音が聞こえてきたのは気のせいだと信じたい。
「P90、聞こえるかしら」
『どしたのリーダー。ボク今からMAG止めるところなんだけど』
「その予定はキャンセルよ。今そっちに行ったら確実に帰って来れなくなるわ」
『……もしかして行き着いちゃった?』
「恐らく。こっちも二人がやられて動くに動けないのよ」
『うっへえ』
無線越しに露骨に嫌そうな声が届く。無理もない。
とにかく、と私はP90にその辺のザコ敵の掃討、ついでに資材の回収を命じた。ついでにMAGは私が止める、とも伝えておく。
「……さ、私も仕事をしましょうか」
自身の名前にもなっている
──さあ、狩りの時間だ。
こんな狂気じみたクリスマスプレゼントでごめんね!
その内季節スペシャルか何か書くから許して!