ドールズディフェンスライン   作:りおんぬ

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ボナンザ・ゴンザレス!(足立区の方言でお久しぶりですお元気ですかの意)

インフルでぶっ倒れた分思考回路も文脈もスプラッタ。脳みそ溶かしながら寝込んで起きたらそこには半分書きかけの今話が有るじゃないですか! どういうことなの!
ちなみに治った直後に耳下腺もやりました。ファック。

でもこれ以上数少ない読者を待たせるわけには行かないのだよ、ワトソンくん。FGOもイベントろくすっぽ回れてないからね。
というわけでどうぞ。


Grand GuignolⅥ

「……なあ。俺たちは此処にいて大丈夫なのか?」

 

旧司令部屋上。

星一つ見えない曇天の寒空、その下で毛布にくるまる野郎と少女、辺りを歩き回るペットロボット。

何とも言えない光景の中で、野郎が口を開く。

誰であろう、彼こそが今回の騒動の原因(を連れてきた戦犯)である指揮官カッコカリである。

ドカンバコンと派手な音が響いてくる下層のことを務めて無視して、彼はつぶやく。

 

「……さあ?」

 

それに返答したのが、アサルトライフルの戦術人形のAm RFB。彼女は首を傾げ、もぞもぞと毛布の奥にもぐりこんだ。

どのみちここでの戦闘行動は全て502小隊に一任されているし、自分たちがどうこうできるわけもない。

 

『ワン』

 

ほら、やたらと頼りない護衛もそう言っている。

彼(?)はアイライトをピカピカと点滅させながら、相変わらずその辺を歩き回っていた。

というか、見た目がどう見ても鉄血工造の『アイツ』なんだが……なんだこれ、背信?

 

「民生品のペットロボットじゃない? やたらと見た目がファンシーだし。ほら、取説(?)にもそう書いてあるよ指揮官」

「サラッと人の心を読まないでいただけますかねぇ。あとその露骨に機密っぽい書類どっから出てきたの」

「なんかその辺に置いてあったよ」

「返してきなさい」

 

【TOP SECRET】と銘打たれた小さな冊子をパラパラとめくりながら、RFBが言う。

それはこの旧司令部に遺された数少ない手がかりであり、此処が何の為の拠点だったのかを示す重要な書類だったのだが……しかし残念ながら、RFBにとっては暇つぶし程度の価値しかなかった。

彼女はポイとそれを投げ捨て、指揮官カッコカリに擦り寄る。

 

「指揮官」

「どったの」

「……好きだよ」

「そうですか」

 

懐から煙草を取り出し、おもむろに火をつける。

彼はそれを口にくわえ、星のない夜空を見上げた。

……相変わらず、風情の欠片もない空だ。

 

「……ま、こういうのも悪くはねえかな」

『ワフ』

「おうワンコロ、お前さんもそう思うか」

『グルルルルルル』

「思わんのか」

 

どうやら同意は得られなかったらしい。寂しいことだ。

彼は相変わらず轟音に揺られながら、手に持った通信機のスイッチを入れる。

先程はイカレマシンガナーと会話しただけだったが、あそこから状況に進展は見られるだろうか。

スイッチオン。

 

『くたばれ▓▓▓▓▓▓(自主規制)!!』

『テメェやんのかゴラァマシンガンとやんのかゴルァ!!』

『残念だったな、トリックだよ』

『指揮官"ァ"ァ"ーンッ』

『ウェーンヒッヒウェンヒッヒ! 遊びましょ! 遊びます!』

『泣いて死ねッ!!』

『イーサァーン!!』

『なんてこった! 警察官が殺されちゃった!』

「おい最後」

 

どこの誰だバ〇オ7やってんの。

確かにあの死に方はあんまりだと思ったけどさあ。

あれってやってからしばらく虫とカビと夜中のトイレが怖くなるよね。

 

「……大丈夫なのか?」

 

音声だけでも阿鼻叫喚なのが伝わってくる。

あんなのが自分のところまで踏み込んで来たらと思うと、恐ろしくて夜も眠れない。いや眠れないのは元からか。

考えてみれば、ココ最近まともに寝てないな。睡眠時間が1日三時間くらいしかない事がザラだった。指揮官(仮)の彼でそうなんだ、当然その部下はもっと酷い。不眠不休で働きづめだ。

 

「月月火~水木金金っと……あー、ブラックつれぇ」

 

部下が忙しければ上司も忙しいという末期企業──それが、我らがグリフィン&クルーガーである。こんな酷いことがあっていいものか。おお神よ、さては寝過ごしてるなオメー。常日頃から復活する余力を残しているくらいなんだからもうひと働きはして頂きたいところだ。

それはさておき。

相変わらず阿鼻叫喚な音声を放ち続ける無線機に視線を向け、彼は煙草をくわえながらこう洩らした。

 

「……なんかもう全部ほっぽらかして逃げてぇな」

「逃げられてないからこうなってるんじゃない?」

「実際その通りだから始末に負えないんだな―これが」

 

そう。

なんかあまりにも動作が板についていて忘れかけるが、一応彼らは不在防衛線(ドールズディフェンスライン)の『客人』である。というか、現状では厄介事を持ち込んだ爆弾野郎としての面のほうが大きいし、実際本人も自身をそう認識している。

 

「まさか居場所が割れるとは思ってなかった」

「恋する乙女は怖いんだよー、指揮官?」

「ええまあ、身をもって体感してるよ。現在進行形で」

「だねぇ」

『ワン』

 

ワンコロが一声鳴いて同調する。いやいや、女性関係で悩むってタマでもないだろう、見た目的にも。

そんなことを考えながら、彼はぷかぷかと煙草を吹かす。

その時だった。

バァン! と勢いよく扉が開かれ、そのまま大破する。一体全体どういう勢いでこじ開けたらそうなるんだ。

そしてそこから姿を現したのは──

 

「──邪魔、邪魔、邪魔、邪魔!! なんで死なないの、どうして邪魔するの!?」

「はん、テメェのクソ雑魚STRでこのあたしがどうにかなると思ったら大間違いだぜ! くたばれキチガイ野郎が!!」

 

──UMP9とMAG。

彼女たちは戦術人形にあるまじき──いや、『だからこそ』か?──ゴリゴリの肉弾戦を繰り広げながら、のんびりしていた二人(と一匹)へ向けて突き進んでいく。ところで彼女たちは最下層のエントランスでドンパチしてたはずだが、もしかして取っ組み合いながら登ってきたのか?

そして当然彼らもそれに気付くが、だからと言って何ができるという訳でもない。

 

「「えっ、あ、ちょ、待っ──」」

 

結果。

小気味のいい音とともに、指揮官(仮)と戦術人形がストライクされた。なお、パチ公だけはギリギリのところで回避したことをここに明記しておく。

そして、無辜の民(?)を二人ほど吹っ飛ばしたことにも気付かず、バカ二人は組んず解れつ殴り合いを続ける。

 

「潰す潰す潰す潰す!!」

「おうやってみろやゴラァ!!」

 

……夜は長くなりそうだ。

指揮官(仮)はRFBと共に濃霧に囲まれた暗闇をスローモーションで飛んで行きながら、そんなことを思っていた。

あと、上半身から落ちる墜落はとても痛かった。




あとね、低体温症のE3-4だけどね。
ありゃ無理だ。リソースが足りん。
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