ドールズディフェンスライン   作:りおんぬ

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そういえば502小隊って皆容姿に関する描写殆どしてないような……。


Grand GuignolⅦ

MAGとUMP9は屋上で指揮官カッコカリを巻き込んでの大乱闘。

P90とG11は地下階層で煙幕に満たされた屋内戦闘。

MGLとUMP45は中層でグレネードを撒き散らす大混戦。

110BAと416は上層で24時間耐久ホラー。

さて、彼女たちは一体どうなっているのか──それを確認するために、二週目へと突入してみよう。

 

■ ■ ■

 

「オラァアアアアッ!!」

 

MAGは殴り合っていた。

それは一体誰と? 決まっている、倒すべき敵であるUMP9とだ。

来いよUMP9、銃なんか捨ててかかってこいとばかりに煽りまくった結果、UMP9は野郎ぶっ殺してやると見事に一本釣り。

その結果、階段を超高速で駆け登りながら拳と拳でぶつかり合い、屋上までたどり着いて──現在(前回ラスト)へ至る。

MAGは肩で息をしながら、独特の構えと共に油断なくUMP9を見据える。

 

「……HOLY SHIT……! 内臓に一発ぶち込んだのに何で平然と動けてんだテメェは!」

「愛があれば何でもできるんだよ!!」

「しまったそういう事か!!」

「納得してどうするんだオイ」

 

愕然とした様子でリアクションを取るMAG。それに対して指揮官カッコカリが突っ込む。

……ところで、彼がいる場所まで侵入を許している時点で当初の作戦目標はすでに破綻しているのだが、それに関してはいいのだろうか? RFBは訝しんだ。

が、口には出さずに心の中にしまっておいた。どう考えても藪蛇だろう……おそらく、彼女がそれを口にした次の瞬間には、指揮官カッコカリはあっという間にあの狂犬に襲われて【自主規制】な目に遭ってしまうに違いない。幸い今の彼女はMAG以外の何もかもが目に入っていないようだし、黙っておいたほうが身のためだ。

とそこで、MAGがぽつり。

 

「……よくよく考えてみりゃ、なんであたしは律儀に不殺なんて守ってんだ……?」

「待て。そっちに舵を切るな。戻ってこい」

 

余りにも不穏極まりない一言に、RFBは真顔で言う。

もしここに502小隊の同僚がいれば殴ってでも止めただろう。だがしかし、生憎とここには部外者しかいない。

よって──

 

「……ああもう面倒くっせぇ!! 404小隊(テメェら)全員まとめてスクラップにしてやらぁ!!」

「おいバカやめ──!!?」

 

──こうなるのは自明の理と言えた。

ガシャン! という重厚な音と共にマシンガンが構えられ、そしてその照準がUMP9へと向けられる。それを見た指揮官カッコカリが制止しようとするが、もう遅い。

轟音と共に7.62mm弾の雨あられが放たれる。

あわや大惨事か、と思われたその時──

 

『ザザッ──上から来るぞ、気をつけろ!』

 

MAGが腰に吊っていた無線機から、110BAの今にも死にそうなほどにか細い声が届く。

その直後、轟音と共に旧司令部の天井が吹っ飛んだ。

瓦礫と粉塵の中から姿を現したのは、超巨大なピエロ人形。

「下からじゃねーか!!」と舌打ちするMAGを他所に、相変わらず死にそうな声での解説が続く。

 

『そ、それは私の特製トラップの「スケアリー・クラウン」よ……見ての通り自律人形としての体をなしているわ』

「またあたしらから隠れてトンデモネェ代物作ってんなオイ!? ──で? そのピエロ君はどんな感じの奴なんだ!?」

『対象を捕まえて高圧電流とハッキングで電脳を焼き切るわ』

「「「見た目のわりにめっちゃ凶悪だった!?」」」

 

驚愕する一同。

つまりは、相手はトラップの皮を被ったリーサルウェポンだったということだ。なんという事でしょう。

ピエロ人形──スケアリー・クラウンはバネ状の腕を大きく伸ばし、MAGやUMP9めがけて襲い掛かる。

 

「オイオイオイ、マジかコイツマジでかコイツ! もしかして敵味方の区別ついてねえな!?」

『私が単独行動してた時の遺物だもの……基本的にマスターたる私以外は例外なく敵判定よ』

「ウッソだろお前冗談じゃねぇ! っつーかあたしらに隠してまで封印してたものが今更どうして起動した!!」

『……その、トラップばら撒くときにハイになりすぎて……うっかり起動しちゃった♡』

「ファック! ファック!! ファーーック!!!」

 

青筋を浮かべながら叫ぶMAG。そうしている間にも、小ジャンプしながらのマシンガン引き撃ちは忘れない。

だが、このピエロ野郎いったい何で出来ているのやら──7.62mm弾の雨あられを受けているにもかかわらず、火花を散らして塗装が剥げるだけで一向にダメージを与えられている気配がない。これは一体どういうことだ?

 

『ああ、それね。見た目はピエロだけど装甲が鉄板・セラミック・水銀の複合装甲なのよ。理論上は対物ライフルまでならゼロ距離でも弾くわ』

「馬ッ鹿じゃねぇの!? 本当に馬鹿なんじゃねぇの!? こういっちゃ悪いがあたしがツッコミに回るなんて相当だぜ!? 一体何考えてやがるんだぜ!?」

『本当に申し訳ない』

「それ反省してねぇ奴のセリフぅ!!」

 

叫ぶMAG。

そしてその傍らでは、UMP9が鬼気迫る表情でピエロのラッシュを躱していた。まあ捕まれば一発アウトな以前に素の膂力も並の戦術人形を易々と上回っているのだ、よっぽどフィジカルに自信のある人形でもない限りは普通避ける。

一撃で分厚いコンクリートにヒビを入れる一撃に耐えれるフィジカルの戦術人形(もちぬし)が居るかは甚だ疑問だが──ショットガン持ちならば、あるいは?

そこへ、110BAからの助言が届く。

 

『基本ドクトリンは既存の戦術人形の物を応用してるから、従来の戦術がそのまま通用するはずよ!』

「ああん!? 要するに何が言いたい!!」

『──顔を狙いなさい!!』

「よしきた任せろ!!」

 

迷うことなく承諾。

それと同時、考え無しに放たれていた弾幕に明確な指向性が付与される。それは一直線にピエロの顔へと向かい、顔面で盛大に火花を散らす。

直後、その攻撃を嫌がったピエロが両手で顔を覆い、大きくのけぞった。それと同時に、ある部分が露わになる。

 

「あれは……なるほどそうか、こんなゴツいモンを屋内で無理に動かしゃそうなるわな。正直リーダーのセンスを疑うが、コイツに関しちゃ上等だ」

『何か分かったの?』

 

彼女の視線の先にあるのは、自律人形・戦術人形問わず、人型/準人型の機会としては最重要視される部分──即ち、脚部。

ピエロ人形のそれは、恐らく重量二輪に分類されるであろうその脚部は、見事に大破していた。

その様子を眺めながら、MAGは110BAに伝える。

 

「あのピエロ野郎、足回りが死んでやがる。無理やり動かそうとしたんだろうな、悪趣味な車輪が鉄筋噛んで見事にスクラップになってら」

『ザザッ──ねえねえ呼んだ? ワタクシの事呼びました!? 残念ただいま緊急事態、タネ明かされてタマも少ない、いよいよヤバいよコイツはヤバい、カオスカオスだインサージェンシー!!』

「呼んでねぇわ帰れ! ──それでだな、足回りんとこだけ内部機構が露出してやがる。ありゃなんだ……歯車か?」

『歯車? ……ワオ。MAG、貴方ツイてるわね』

 

突然そんなことを言い出した110BA。

MAGは不可思議そうな表情を浮かべて、彼女へと聞き返した。

 

「ツイてるって……突然何言いだしてんだリーダー。ついにぶっ壊れたか?」

『勝利上の建前とは言え曲がりなりにも上司に対するその物言いはいっそ敬意を表するわMAG。っじゃなくて、その歯車群はスケアリー・クラウンのコアよ。そいつは腰回りに主要なパーツが配置してあるの』

「ってことはなんだ、話は早ぇ」

 

ニヤリ、と。

凶悪な笑みを浮かべて、MAGは今一度マシンガンを構え直す。

 

「顔面狙って隙作ってから機関部ぶち抜きゃ、あたしの勝ちだ!」

「……その過程で俺らに被害は出ないよな?」

「知らん。悪ぃが頑張って生き延びてくれ、シキカリ」

「「ちょぉい!?」」




MAG「ところで増援まだかよ」

110BA「私は無理ね。だってこれから2週目だもの。あっ、次はサイブレ2……」

MAG「言うに事欠いてあのトラップで自爆したのかよ」

■ ■ ■


下手な鉄血人形よりも強い自律人形を作り出す謎の技術力。技術チートの110BA、暗殺チートのP90、火力チートの二大巨塔のFN MAG&MGL-140……今更ながら頭おかしいなこの面子。
ちなみにピエロ君の見た目イメージはからくりサーカスのグリモルディ。アレの両腕をハーモニカみたいな感じの伸び縮みする奴に変えれば、だいたい合ってる。
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