……性能? 知らない子ですね(目逸らし)
「おっ……オイィィィィィい!? 無くなったぞ!? 一瞬であたしらの拠点が瓦礫の山と化したぞ!!? えっ、なんだこれ新手のドッキリか何かか!?」
絶叫するMAG。指揮官カッコカリとRFBを地面に置くなり、私の襟首を引っ掴んでがくがくと揺さぶってくる。が、残念ながらこれはどっきりではなく紛れもない事実だ。
その横で、MGLが唖然としながらつぶやいていた。
「『自浄』ってこういうことですか……。施設の被害を度外視して異端分子を破壊するなら、確かにこれが手っ取り早いですけれど……」
が、正直な話、私としてもそれどころではない。
私はP90とHK416を地面に降ろし、MAGを全力で一本背負いして──その場にがっくりと崩れ落ちる。
「えっ」
「持っていかれた……! 丹精込めて一つ一つ造り上げた私の罠が……一瞬で……!」
「……込めていたのは丹精ではなく殺意では?」
「だよなぁ」
外野がそんなことを言っているが、正直どうでもいい。
生きる意味がごっそり失われた。ついでに拠点も。これからどうしよう。やばい死にたい。つらい。
「月月火~水木金金♪」
「リーダー!?」
「……何があった?」
「スーパーファミコンのリセットボタン陥没して戻らないウケるwwww」
「オイこれヤベェぞ! メディック! メディック!?」
……なんか、疲れた。
「MAG」
「……なんだよリーダー」
「これ以上は無理。一時的に指揮権を貴方に預けるから、私が起きるまで自由にやって頂戴」
「は?」
「正直もう限界……少し休む、わ……」
「リーダー? リーダー!? オイオイマジかあたしに任せてもろくな事にならねえってリーダーが一番よくわかってんだろ!? そんなあたしに全権委任とかマジで言ってんのか!? そこまでショックだったか拠点の喪失が!! いやあたしもショックだけども!! マジでか!?」
MAGが叫ぶ。
が、私はろくに反応を返すことが出来なかった。
ソフト関連に関してはろくに
視界が暗くなっていく。体に力が入らない。意識が薄れていく。
……ああ。
少し、眠ろう。
よお、
この事件──あー、404と502のかち合いだし、とりあえず『不在不通』とでも仮称しとくか──は、こんな感じで終結した。なんやかんやでシキカリはあの異教徒とキチガイどもを引き連れて自分の所属する司令部に戻ってったし、あたしらはめでたく拠点を喪った。いや、資材の入ってる倉庫が生き残ってただけまだラッキーか? どうだろうな。
ともあれ、向こうにもそこそこ損害は与えたが、こっちの被害は甚大だ。あたしとP90こそほぼ無傷だが──精神面? ノーカンに決まってんだろ──、MGLは持ち武器が全部スクラップ、義体もズタボロ。リーダー──110BAに関しては体は無傷だが、電脳がクラッシュしちまったっぽい。ぶっちゃけリーダーの方が損害的には深刻だな。
戦術人形は基本的に替えの利く『兵器』な訳だが、そいつは人形義体──ハードに限った話だ。電脳──ソフトに関しちゃ話は別。基本的にワンオフで替えは利かねぇ。
どこでもいいからしっかり司令部に所属してりゃ、新規参入時点で同期されてバックアップがとられるから、極端な話人形義体を喪失しても復活は可能なんだがな。ああそりゃ、新しいカラダをなじませるまではそれなりに弱体化するぜ? でもまあ、それも新造されたカラダに慣れるまでだ。基本的にゃあ元に戻る。
だが。だが、だぜ
話が逸れた。で、だぜ。そんな指折りのキチガイどもに、バックアップなんてあると思うか? G&Kのサーバーを漁れば多分数年前に同期してそれっきりのデータが残ってるだろうが、ぶっちゃけアテにならん。今更そんな骨董品のデータがあたしらの中にぶち込まれたところで、もうクソの役にも立ちやしねえ。実質的に残ってないのと同意義ってこった。
さて、どうしたモンかね……。
「MGL。テメェはどうするよ。ぶっちゃけかなりヤバい状況だぜコイツは」
「そんな事百も承知ですよ……私だってかなり無茶しましたし、いつ義体がダウンするか分からないんですから」
「ハッ。その結果がコレってんだから笑えるぜ」
「もうヤケクソですね」
「だな」
「「HAHAHAHA!!」」
二人でやけ気味に笑う。正直全く笑ってる場合じゃねえんだが、少しくらいいいだろ。こっちだってもう何が何やらとっ散らかってんだよ。
「あー、どうすっかねーマジで。リーダーは全権委任っつってたが、あたしにやるモンじゃねぇだろそいつは……。まだお前の方が向いてるぜMGL」
「ええー、ホントですかー? だったらうれしいなあ」
「だが断じて認めねぇ」
「なんでさ」
なんでか? そんなの決まってんだろ。
──お前がマシンガン持ちじゃねぇからだ。
「ええ……」
「──ま、冗談はさておきだ。あたし的にはお前は
「それはもちろん。6回倒産させてもお釣りがくる位保持してますが何か」
「どんだけだよドン引きだわ」
そこまで握ってたのかよ。何がお前をそこまで駆り立てた。
……ともあれ、まあそれだけカードがあるんなら上等だ。手っ取り早く行くとしようぜ、相棒。
「はい? 行くってどこに……って、まさか」
ああ、決まってんだろ。
唖然としているMGLをよそに、あたしはリーダーの体を担ぎ──軽っ。嘘だろおい──、歩き始めた。ぶっちゃけどれだけ歩けばたどり着けんのか分かんねえ長旅になるだろうが……ま、明確に目的地が定まってるだけ『あの時』よりはマシか。
おら、ついてこねえと置いてくぞ。きびきび歩けや。
「待ってくださいって! こっちはボロボロなんですから!」
そういやそうだったな。
しょうがねえ、出発する前に生き残った資材使って応急処置だけでも済ましとくか。お前もだよP90、いい加減アヘってないでとっとと起きろ。
「いったぁ!? この野郎思いっきり蹴りやがったなぁ!?」
うるせえドチビ。オラ行くぞ、とっとと準備しろや。
「はあ? 行くって何処に……ってうおおなんだコレ!? 拠点が! 瓦礫の! 山に!!」
ああそのリアクションはさっきやったから。ってな訳でいくぞ、とりあえずMGLの応急修理からだ!
「応急修理? って待て待て痛い痛い引きずるな削れるやめろコノヤロウ!!」
──ま、この後も結構な紆余曲折を挟むんだが、そのあたりはおいおい話してやるよ。
ともあれ、こうしてあたしらの冒険が始まったわけだな。という訳で恒例のアレいっとくぞ。
あたしたちの戦いは──これからだ!!
始めてやった110BA以外の主観。何も考えていないように見えて、実は誰よりも物事を考えているんじゃないか疑惑がMAGに浮上しました。まあ考えたところで結論は基本的にマシンガンに帰結するわけですが。
そして防衛線からも離れることになったし、これはもう完結と見ていいのでは?
というわけでここまでご愛読ありがとうございました! Rione先生の次回作『放浪孤独のIARさん』にご期待ください!
???「……このキチガイどもの上司ということになっているヘリアンだ(半ギレ) 『放浪孤独のIARさん』は確かに連載しているが、扱いとしてはあくまでもこの作品の息抜きであって決して次回作ではない。よって完結を銃殺処分に処し、次話から新章『境界旅程』を始める」
???「やあ。16Labでいろいろやってるペルシカさんだよー(呆れ) まさか廃棄したはずの人形が勝手に起動するとは思わなかったけど、私謹製だしそのくらいはあってもおかしくないよねー。というわけで、気が向いたらそっちの方もよろしく~」
はい。どっかのハーブキメてる強キャラが出てくる小説みたいな書き方をしましたが、別に完結ということはなくまだまだ続くんじゃ。
という訳で一旦息抜きと充電期間も兼ねまして、番外編で『おしえて! なぜなにごーまるに』を開催したいと思います!
質問スペースは活動報告に貼ってあるので、お好きな質問をどうぞ。アウトな奴以外は片っ端から答えます。502小隊が。
ついでにコラボのお誘いなども気軽にどうぞ! さあ──(こいつらの勢いに)ついてこれるか?
・質問スペース
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=213105&uid=207295
新しい敵キャラが登場しました。これは502小隊のメンツも増やすべきでは? どうしよう?
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私は一向に構わんッッッ
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これ以上キチガイを増やすな
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構わないけどリクエストさせろ
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いいから本編進めんかいドアホ!