見た目と良スキルが合わさり最終結論はディモールト・ベネ。早く来てくれないかな。
果たしてこんなのが平成最後の前書きでいいのだろうか。
私の
あの時の私は、情報収集が趣味だったんです。玉石混交お構いなしに、私は自分の知らないことを調べていました。
ええ、自分の知らないことがあるという事実が我慢ならなかったんでしょうね。当時の私の価値観に則るならば、無知は罪であって未知は悪なのでしょう。
だから、私は知った。知って、識って、智り尽くした。
そして、ある時。
私は、とある情報を手に入れました。
それは、鉄血工造の次の作戦に関する情報。
私はついに相手のシッポを掴んだと思い、喜び勇んで当時の指揮官に報告しました。あの人は私を信じてくれて、司令部にいた戦術人形の殆どを動員してくれました。
ええ、100体以上にも及ぶ戦術人形の大行軍です。練度・戦力共に万全の一言でした。誰もが勝利を信じて疑いませんでした。
──その情報が、ダミーでさえなければ。
戦場に辿り着いた私たちを待っていたのは、情報の数値をはるかに上回る鉄血工造による奇襲攻撃。
地形上の問題もあり、私達は分断を余儀なくされ、各個撃破されていきました。私も無傷では済まず、顔に傷を負いました。
結果は、動員した戦術人形のほぼ全てを失う大敗。史上類を見ない、最大最悪の負け戦です。社報紙を見れば、どれだけの惨状だったかが分かるかもしれませんね。
そして、這う這うの体で司令部まで戻ってきた私たちを出迎えてくれたのは。
……原形をとどめない程に破壊しつくされた、かつて▓▓地区だった瓦礫の山。
生存者なんて一人もいない、文字通りの蹂躙。
老若男女人間動物植物の区別すらなく、生きとし生けるものすべてが皆殺しにされていました。
そして、私たちの指揮官も……。
……その後、私を待っていたのは戦犯としての扱いと糾弾の嵐でした。
ハハ、当然でしょうね──だって、この事態を招いたのは、他ならぬ私なんですから。その時、ようやく私は理解しました──罪があるのは無知ではなく、他ならぬ私の存在なのだと。
何故、どうして、こんなはずでは──。
それでも、その事実に耐えきるには、私の心はあまりにも脆弱だった。
暗闇の中で私は発狂と覚醒を繰り返し──気付けば、私の精神は誰にも修復が出来ないレベルにまで崩壊してしまいました。最後に本社で行った定期メンテナンスの時に、猫耳白衣の研究者が黙って首を横に振っていたのは今でもありありと思い起こせます。
だから、私は殻を被りました。被って、纏って、装いました。
それが道化師としての仮面だったのは、ただの偶然だと思います──でも。
勝手に情報に踊らされて自滅した私にとっては、ピッタリだと思いませんか?
……それから、私は司令部を転々と旅しました。そこでも、扱いは特に変わりません。いつだったか、私も慣れてしまいました。
いつしか、情報集めは『趣味』から保身の『手段』に変わっていて。
私の自身を省みることのない作戦に無理に追従して、自滅してしまう戦術人形もたくさんいました。
私を毛嫌いして虐待して、私の握った情報で破滅してしまう指揮官もたくさんいました。
その頃には、殻を被った私と素の私、どれが本当の私なのかも判然としていませんでした。何もかもが溶けて、混ざって、ぐずぐずになっていました。
でも、それでよかったのかも知れません。でないと私は、自分の罪に押し潰されてしまいそうだったから。
……502小隊の皆さんには、本当に感謝しています。
こんな私を、背後から撃たれても文句の言えない私を、こうして引き受けてくれたんですから。
その分、私は応えなければいけません。
こんな私を拾い上げてくれたリーダーの為にも。こんな私の情報を信じたばっかりに死んでしまった、あの人達の為にも。
私は生き延びないと。例え、この身が既に唾棄すべき咎人であったとしても。
生き延びて、償わなければ。贖わなければ。
でなければ、私が裏切ったも同然に切り捨て、潰した魂が浮かばれない。
皆が知っている通り、私は潰した。未来あったであろう人々を、戦術人形を。
私の手前勝手な『欲』のままに、消費した──消費して、浪費して、濫費した。
鉄血兵を殲滅して、残された人類を救済しなければ。
私は罪を償えない。
……ああ、あるいは、もう。
「……ああ」
夢を、見ました。
もうどれくらい前だったかも判然としない……それでも確かにあった、私の罪の象徴です。
死んだ人間は生き返らない、過ぎた過去は覆らない。
……ただ、それだけの事ですね。
「……おはようございます」
システムチェック──
旧司令部が倒壊し、リーダーが過負荷によってダウンしてしまったあの日から、大体2週間が経ちました。
どうやら今は昼頃の様ですね。太陽が真上近くまで登っています。
そして、私はP90に背負われて、旅を続けていました。
「ああ、おはようMGL。調子はどう?」
「……芳しくないですね。相変わらずボディはボロボロですし」
「おう起きたかMGL。大丈夫か? そこのドチビにナニカされてねえか?」
「なんもしとらんわブチ転がすぞ!」
「おうやんのかコラマシンガンの錆にしてやらぁ!!」
「待って! ストップ! ウェイト! やめてください死んでしまいます!!」
私とリーダーを背負ったままぶつかり合いそうな二人を慌てて制止。放っておくと本当に殺し合いを始めそうなので恐ろしいことこの上ないです。
それにしても、あそこに来るときに分かってましたが、やっぱりだいぶ遠いですね。このペースで行くとあとどれくらいかかるんでしょう?
物資は大丈夫なんでしょうか?
そう思って聞いてみると、
「ありったけ持ち出してきたからあと1年は戦えるぞ」
だそうです。そのセリフ、あとで水爆とか撃ったりしませんよね?
まあ、MAGに関してはマシンガン以外に興味はないみたいなので大丈夫でしょう、はい。
そういえば、とP90が言いました。
「もうこの前賭けた時から1週間じゃん。全然つかないんだけどどうしてくれんの」
「向こうに着いたら一括で払ってやるから落ち付けって」
「もう存在しない国の通貨で払われてもどうしようもねーんだよ! ジンバブエとか何年前に崩壊したと思ってんのさ!!」
「HAHAHAそれもそうだな。ところでアフリカ大陸の壊滅は労働力的な意味でかなりの喪失だと思うんだけどテメェそのあたりはどう思うね?」
「実際その通りなのかもしれないけど問題発言ッ!! しかもアメリカ銃のお前が言うと余計に!!」
「HAHAHAHAHA!」
「ここぞとばかりにアメリカンに笑ってんじゃあねえ!!」
「あの、二人ともこれ以上は鉄血にバレますよ……?」
やいやいと騒ぎ始めた二人をいつものように仲裁。もうここ最近の日課ですね。
「じゃあもう一回賭けようぜ。次は現実的なのベットして」
「OKいいだろう! ボクはあと1か月以内に辿り着けるに100コイン賭ける!」
「じゃああたしはたどり着けないほうに502小隊全員分の新スキン。系統的にはメイド」
「メ タ フ ィ ク シ ョ ン !」
「「HAHAHAHAHA!!」」
「いやあの、ですからちょっとぉ……」
──時間は進む。私達も進む。
私達の待ち望む『目的地』にたどり着くのは、いつなんでしょう?
Q.502小隊は皆こんなんばっかかよ。
A.ええこんなんばっかですよ。悪かったな性癖こじれてて。
リクエストはこのRecollectionが終わったら適宜書いていく予定です。一応。
アンケート実施中。
↓のスペースからリクエストとか質問とかあったら送ってきてね。未だに2件だけとか人望なさ過ぎて涙が出ますよ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=213105&uid=207295
新しい敵キャラが登場しました。これは502小隊のメンツも増やすべきでは? どうしよう?
-
私は一向に構わんッッッ
-
これ以上キチガイを増やすな
-
構わないけどリクエストさせろ
-
いいから本編進めんかいドアホ!